現代知識を駆使して最強ダンジョンを作り上げる

やまかぶれ

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第1話 俺がダンジョンマスターに?

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 あなたは今からダンジョンマスターとなりました。
 どこらともなくそんな声が聞こえてきた。
 俺、南条晴(なんじょう はる)は、もともとは普通のサラリーマンとして平凡な日常を送っていた。しかし、ある日の帰り道、俺はまぶしい光に飲み込まれた。
 目を開けると、周囲は暗く、ひんやりとした空気に満たされ、耳には水滴が落ちる音が響き渡っていた。
 「どこだここは…」
 突然のことで俺は固まっていた。
 「洞窟…?なんでこんなところに…」
 不安と混乱が入り混じる中先ほどの言葉を思い出す。
 「…ダンジョンマスター…?」
 なんだそれは?ゲームの中の話でもないし、ましてや現実にそんなものが存在するはずもない。しかし、異様な現実感が俺を包んでいた。
 そのとき、足元に何かが目に入った。見ると、ご丁寧にも「説明書」と書かれた本があった。
 「これは…」
 俺はしゃがみこんで本を拾い上げた。
 「説明書?」
 わけもわからず、とりあえず本を広げてみることにした。ページをめくると、中には文字がびっしりと書かれている。内容をざっと見る限り、この世界のルールや俺が「ダンジョンマスター」として何をすべきかが書かれているようだ。
 「なんだこれ、ゲームかよ…」
 どうやらここは俺がいた世界とは別らしい。ラノベでよく見る、いわゆる異世界転移というやつだ。
 そして、説明書に「ダンジョンマスター」についてこう書かれていた。
 『「ダンジョンマスターの基本」
 あなたは、このダンジョンを支配し、管理する役割を与えられました。この世界では、ダンジョンは重要な存在であり、魔物を育て、外敵から守るための拠点です。ダンジョンマスターとして、以下の責務を果たす必要があります。
 1. ダンジョンの設計と発展 
 ダンジョン内の構造を自由に変更できます。罠や部屋、通路を設置し、外敵を防ぐことが可能です。ダンジョン内の魔物たちはあなたの命令に従い、守護する存在として機能します。
 2. 魔物の召喚と育成
 あなたはダンジョン内に存在する「マナ」を利用して魔物を召喚することができます。召喚した魔物はレベルアップや進化が可能で、強力な防衛力を持つようになります。魔物の選定と育成が、ダンジョン防衛のカギとなります。
 3. 侵入者への対応
 冒険者や敵対勢力がダンジョンに侵入してきます。彼らを撃退し、ダンジョンを守ることがダンジョンマスターの最も重要な役割です。適切な罠と強力な魔物を使い、侵入者を撃退する準備を怠らないことが大切です。』
俺はページをめくりながら、頭の中でその内容を整理した。
要するに、俺はこのダンジョンのボスということだ。そして、敵が攻めてくるたびにダンジョンを強化して、倒していく。それが俺の役割らしい。
 「ところで『マナ』ってなんだ?」
 途中で出てきた「マナ」について詳しく知るために説明書を読み進めると、「マナ」についてのページを見つけた。
 『「マナとは」
 マナは、この世界における生命と魔力の源であり、あらゆる魔法や召喚、ダンジョンの運営に必要なエネルギーです。マナが枯渇すると欠乏症となり、最悪の場合死亡する恐れがありますので、マナの活用には注意する必要があります。マナは大気中に自然と存在しており、特にダンジョン内では豊富に流れているため、効率よく利用することが可能です。
 1. マナの利用
 マナは、ダンジョンの設計や魔物の召喚、罠の発動などに必要です。使い方次第で、魔物の育成やダンジョンの防衛力を大幅に強化することができます。
 2. マナの回復
 マナは時間経過や、外部から侵入者を倒すことで回復します。侵入者の落としたアイテムを利用してマナに変換することができます。』
 「つまり、この『マナ』ってやつが俺の資源であり、ダンジョンを維持する力ってことか…って、え?!なくなったら死ぬの?!ってことはマナを使うのには慎重にならないといけないな。」
 説明書をある程度目を通し、ある程度のことは分かった。
 「そういえば、異世界と言ったらあれだよな。」
 晴は、コホンと咳払いをして、右手を前に出して言葉を放った。
 「ステータスオープン!」
 すると、晴の目の前に半透明のパネルが現れた。
名前:ナンジョウ ハル  種族:人間  職業:ダンジョンマスター 
レベル:1
HP:100/100
マナ:100/100
体力: 100
攻撃力: 5
防御力: 5
知識: 10
敏捷性: 5
スキル:ダンジョン設計(レベル1)
魔物召喚(レベル1)
魔物育成(レベル1) 
罠設置(レベル1)

 「…お、マジか。ほんとに出たよ。ステータス画面!さすが異世界。」
 晴は目を輝かせてステータス画面をのぞき込む。
 「…ってか、レベル1って俺弱くないか?」
 いや、異世界に来たばっかりだから当然…なのか?
 すると、どこからか声が聞こえてきた。
 「おい、マスター」
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