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エピローグ

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 数年前に突如として現れ、人類を絶望に陥れた魔王の討伐を果たした英雄たちの叙勲式。

 魔王の死と共に活動を止めた《不死山レストレス ボルケーノ》をバックに、魔物に殺された先の教皇に代わりその座に着いた新教皇が壇上を上る。
 その正面に並ぶのは、魔王討伐軍の生き残り、その先頭には通称《勇者パーティ》がいた。
 リーダーで剣技の達人ソードマスターの、ケンシ(仮)、
 自身が司祭であり、回復法術の使い手でもある、セイジョ(仮)、
 人の身でありながらオーガとも渡り合える怪力を持ち、人の身の丈もある大盾でパーティを護り通したタテヤク(仮)、
 各種支援法術と、セイジョ(仮)ほどでないものの回復法術をも使いこなしてきたシエン(仮)、
 各種属性魔法のエキスパート、ドウシ(仮)。

 そして今は無き小王国の元王妃アリスウェルが抱える遺影は、《勇者バーディ》で唯一生還が叶わなかった、彼女の実姉であるマリア。
 マリアは魔王を道連れに、不死山の火口へと落下した。彼女が魔王に止めを刺したのだ。

 この叙勲式に参列している者たちは、アリスウェルが侯爵令嬢だった当時に、マリアに何をしたのかを正しく知っている。マリアの立ち位置にアリスウェルが立つことに不満を持つものが殆どだろう。

 アリスウェルはその身に突き刺さる視線を受けてか、自身のしてきた悪行に悔いてか、あるいはマリアの死を実感してか、終始泣きグズっていた。

「大剣の勇者、マリア」

 ドウシ(仮)が勲章と盾を受け取り壇上から下りて数伯後、新教皇は隠しきれないしかめ面で、その名を呼んだ。彼もまた不満を持つ1人だった。

 しかし不満それを口にするものはここにはいない。
『僕が生きて帰れなかったときは、僕の持つ全ての権利と財産をアリスウェルいもうとに』
……それが彼女マリア最後の望みゆいごんだったから。

 壇上で、アリスウェルは新教皇から勲章をかけられた遺影と、同じく渡された表彰盾を参列者たちに向けて高く掲げると、一斉に拍手が鳴り響いた。
 《不死山》の火口に眠る彼女マリアに聞かせようとするかのように。

―――――――――――――――
勇者バーディの名前募集中。
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