ねこばあちゃんは、なんでもしっている

こぐまじゅんこ

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ねこばあちゃんとすいかの皮

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 にゃんこ村は、ねこだけがすんでいる村です。
 みけねこのミケとくろねこのクロは、なかよしでいつもいっしょに遊んでいました。
 今は夏。
 じりじりとおひさまがてりつけ、毎日あついです。
 セミは、みんみんうるさいくらいないています。
 ミケとクロは、川で魚とりをしています。
 川の中には、フナがいっぱい泳いでいます。
 ミケもクロも川の中に入って、手でとるつもりです。
 川の水はつめたくていい気持ち。
「えいっ」
 ミケが、ひょいっとフナをとりました。
「やったぁ」
 ミケは大喜び。
 クロも負けずに川の中に手をつっこみます。
「えいっ」
 ひょい
 クロもとれました。
「たのしい!」
 パシャパシャ パシャパシャ
 バケツいっぱいにフナをとりました。
「いっぱいとれたね」
「おもしろかったね」
「なんだか、のどがかわいちゃった。ねこばあちゃんのお店にいってみよう!」
 ミケとクロは、かけだしました。
 ねこばあちゃんのお店は、にゃんこ村に1けんだけあるお店です。
 パンでもおこめでも、くだものでも、食べ物ならなんでもあります。
「ねこばあちゃん、のどかわいちゃった! なにかない?」
 ミケが大きな声で言いました。
「はいはい」
 店のおくから、ねこばあちゃんがでてきました。
「いらっしゃい。おや、ミケもクロも服がぬれてるね。水遊びしたのかい。タオルでよくふきなさいね」
 そう言って、ねこばあちゃんはタオルをもってきてくれました。
「のどがかわいたときは、すいかがおいしいよ。ほら」
 まんまるの大きなすいかをわたしてくれました。
「おこづかい、たりるかな?」
 ミケとクロが、財布の中身をみながら心配そうに言いました。
「じゃあ、バケツいっぱいのフナと交換でいいよ」
 ミケとクロは大喜び。
「いいの? ありがとう」
 大きなすいかをかかえてかえろうとします。
「あっそうそう。すいかの皮はすてないでね。おいしいコンポートになるから、食べたらもっておいで」
「コンポート?」
「なんだろう?」
「とにかく早くすいかを食べようよ。ぼくの家で一緒にたべよ」
 ミケの家にかけていきました。
 すいかを半分に切ります。
 真っ赤なすいかにかぶりつきます。
 あまくておいしいすいかです。
 ミケもクロも、パクパク食べました。
「あー、おいしかった」
 すいかの皮が、たくさん残りました。
「ねこばあちゃんのところにもっていこう」
 ミケとクロは、すいかの皮を袋に入れてかけだしました。
「ねこばあちゃん、すいかの皮もってきたよ」
「はいはい。じゃ、さっそく作ろうかねぇ」
 ねこばあちゃんは、台所にいきます。
「ミケもクロもみてていいよ。作り方をおぼえてかえってね」
「すいかの皮のかじったところを切ってきれいにしていくよ。それから、緑のかたいところも切るよ」
 ねこばあちゃんは、包丁で上手に切っていきます。白いところだけ残します。
「赤いところがちょっとついててもいいからね」
 すいかの皮を、どんどん切っていきます。
「さぁ、鍋に入れるよ。すいかの汁も入れてね。さとうを好きな量入れていいよ。でも、多すぎたらあますぎるから、大さじ2杯くらいかな。それで、火にかけるんだよ。弱火でね。とろとろ煮ていくよ」
 鍋の中で、すいかの皮とさとうがとけあっていきます。
「あっ、ちょっと水が出てきた!」
 クロがびっくりしています。
「水を入れなくても、すいかの皮からでてくるんだよ」
 ねこばあちゃんが教えてくれました。
 10分くらい煮たら、レモンをきゅっとひとしぼり。
「このまま、ちょっと冷ました方がおいしいよ」
 ねこばあちゃんと魚とりのお話をいっぱいしゃべっているうちに、コンポートができあがりました。
 ねこばあちゃんが、ガラスのおさらに入れてだしてくれました。
 ミケとクロは、ひと口食べてびっくり。
「あまずっぱくておいしい!」
「これが、すいかの皮?」
 ミケとクロは、夢中で食べてしまいました。
「すいかの皮って、おいしいんだね」
「そうだよ。だから、すてないでね」
 ねこばあちゃんは、にっこりわらいました。
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