パピプペポマン

こぐまじゅんこ

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パピプペポマン

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 パンチはするどく
 ピンチにつよい
 プロペラくぐってやってくる
 ペンダントがキラリと光るぜ
 ポテトだいすき パピプペポマン


「はるくん、ごはんよー」
 おかあさんが言います。
 今日は、はるくんの苦手なピーマンの炒め物。
「えーん、ピーマンきらい。たべたくない」
 はるくんがもんくを言っています。
 すると、どこからか、緑色の大きな怪獣、ピーマンギラスがやってきました。
「おいらをたべないなんて、悪い子だなぁ。こらしめてやる!」
 ピーマンギラスは、はるくんに無理やりピーマンをたべさせようとします。
「いやだぁ」
 はるくんは、大きな声で言うと、泣きだしました。
 すると、台所の換気扇が動き出しました。
 換気扇のプロペラが、くるくるまわります。
 そして、プロペラのすきまから、パピプペポマンがでてきました。
「パピプペポマン参上!」
 パピプペポマンは、ピーマンギラスにききます。
「ピーマンギラス、なにをしているんだ」
「おいらは、みんなにきらわれる。おいらをのけものにするやつを、こらしめるんだ」
 そう言うと、ピーマンギラスは、
「ピーマンビームをうけてみろ!」
と、頭から光線をはなちます。
 ピーマンビームは、パピプペポマンのペンダントに直撃。
 でも、パピプペポマンはわらっています。
 ペンダントは、キラリと光ると、ピーマンビームをそのままはねかえしてしまいました。
 ピーマンビームは、なんとピーマンギラスに……。
「うわぁ、やられたぁ」
 ピーマンギラスは、その場にすわりこみました。
 パピプペポマンは、ピーマンギラスをだきおこすと、
「ちょっとまってろよ」
と言ってお肉屋さんに行きました。
 ミンチを買ってくると、玉ねぎのみじん切りとパン粉・牛乳・玉子を入れて、塩とコショーをふって手でこねました。それを、ピーマンにつめると、フライパンで焼き始めました。
 はるくんの目の前に、ピーマンの肉詰めがでてきました。
 ケチャップが、とろりとかかっています。
「はるくん、たべてごらん」
 パピプペポマンが笑顔で言います。
 はるくんは、「うーん」とためらっています。
 しばらく、悩んでいたけれど、ひと口たべてみました。
「ピーマンがにがくない。お肉もおいしい!」
 はるくんは、ぺろりとたべてしまいました。
「あー、おいしかった」
 そのことばをきいたピーマンギラスは、そっとつぶやきます。
「はるくんが、おいしいって言ってくれた。おいら、うれしいよ」
 それから、ふわっとけむりがたったと思ったら、ピーマンギラスは、消えていました。
「もう、ピーマンギラスは、でてこないよ。はるくんが、ピーマンをたべれるようになったからね」
 パピプペポマンは、はるくんの頭をなでると、換気扇からとんでいきました。

 はるくんは、パピプペポマンにさけびます。
「ありがとう、パピプペポマン!」

 きっと、みんなのところにも、こまったときには、パピプペポマンがきてくれるよ。

 みんなの味方パピプペポマン。
 みんな大好き。
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