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別れの先に
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西宮繭が家を飛び出し、電話もかけなくなって一年が過ぎようとしてる。
教会の寮で暮らして派遣先の工場で働きながら、彼女の心はすっかり教会の教えに染まり、もはや過去、それもあれほど憎んでいた両親を思い出すことすらもほとんどなくなろうとしていた。
だが、そんな時に事件は起こる。
それはある日の夕方、繭が寮の賄いの食事を摂った後に、共栄教会の聖約者イ・リキョンの語録を読んでいる時だった。
「繭ー!繭ー!いるんだろ!?顔を見せてくれ!!」
玄関のすぐ近くから聞こえる、自分を呼ぶ大声はほぼ一年ぶりに聞く声。
彼女の父親・正一のものだ。
玄関の外で叫ぶ父親の姿を窓の隙間からのぞいた瞬間、繭の心はざわつく。
どうやってこの場所を知ったのだろう?
教団の人たちも驚いて外に集まり始めた。
「帰って来てくれ、繭!一度でいいから話をしよう!」
「ちょっと、関係者以外立ち入り禁止ですから!」
「娘がいるんだ。会わせて欲しい」
教団の関係者たちはそれ以上足を踏み込ませないように立ちはだかり、必死に呼びかける父親と問答している声も聞こえる。
繭はカーテンの隙間から父親の姿をじっと見つめた。
一年ぶりに見るその姿は60代を過ぎたにしては老け、その姿は疲れ果て、まるで何かに縋りつくような様子だ。
心の中で顔を見せて、「帰れ」と言ってやろうと思ったが、寮長の新藤香菜がそっと近づいてきて言った。
「顔を見せることはないし、何も言うことはない」
しかし、老いた父の声は疲れきっていたが、その響きには切実な願いが込められていた。
周囲にいた共栄教会の関係者たちは、彼がこれ以上中に入れないように立ちはだかり、厳しい表情で彼を見つめる。父親の必死の叫びに心が揺れる繭。
すでに教会の教えに染まって、元の家族を捨てたつもりだったが、彼の声が響くたびに胸が締め付けられるような思いがする。
「帰れと言ってやるくらいなら…」
繭は一瞬顔を見せようかと思う。
しかし、その考えを新藤香菜が遮る。
「顔を見せることはないし、何も言うこともない」ともう一度冷たく言い放つ。
父親はさらに懇願するように続けた。
「帰ってきてくれ、いっぺん話し合おう」と声を張り上げる。
彼の目には深い悲しみが宿っており、周囲の近所の人々も何事かと集まってきていた。
それでも彼は必死に娘に呼びかける。
「母さんも心配してるんだ…」
その言葉を聞いた繭は、心の奥で激しい怒りが沸き起こる。
なぜ母親はここに来ないのだろう?いつもそうだ。
何かあれば夫である父親を前面に立たせ、自分は背後に隠れる卑怯な女。
頭に血がのぼり、苛立ちが増していく。
しかし、次の瞬間、父親の一言が彼女の心を突き刺した。
「母さんが病気なんだ。とても会いたがっているんだ。」
その言葉を聞いた瞬間、繭の心は揺れた。
「出て行ってはダメ!」新藤が再び厳しく釘を刺す。
だが、「病気」の一言が繭の心に残り、大きくく響いた。
「母さんが病気?本当に?」と心の中で繰り返す。
父親は母親が入院している病院の名前と病室を告げ、共栄教徒たちに促されながら、「待っているから!」と最後に行って肩を落とし、背中を見せてゆっくりと帰路についた。
寮の周囲にはまだ見物人たちがいて、何かが起きているのかとざわめいている。
「病気だから何なの?」新藤が冷たく詰問し、「まだ家族に未練があるの?」と繭のそばにいたルームメイトの真奈美までもが、同じように詰め寄ってきた。
真奈美の洗脳は繭よりも進んでいるようだ。
「別に気にしていません」
そうは言ったものの、その日の夜、繭の心は不安に包まれた。
母親が病気…どうしても気になってしまう。
翌日、そして翌々日と彼女は出勤した職場でスマートフォンを何度も手に取っては置き、新しい番号を使って頭に残ている実家の固定電話の番号に電話をしようとするが、寸前で踏みとどまる。
親への依存が断てていないと新藤に指摘された言葉が頭をよぎったからだ。
「でも、本当に病気なら…?」
父親がやってきてから数日後、何かの予感に駆られた繭は職場を早退、父親が告げた病院『世田谷記念病院』へ電車とバスを乗り継いで向かう。
車内では母親と再会した時のシミュレーションをしていた。
何と声を掛けようか?
謝る?いやいやまた罵倒してやろうか?
いや、別に冷淡にしている方がいいか?
そのようにしてようやく到着した世田谷記念病院だったが、母親が入院しているという病室は空だった。
誰もいない病室に立ち尽くし、彼女の心はさらに乱れる。
どういうことだ?
まさか…、いや、だってまだ60歳にはなっていないはずだし…。
看護師に「ここに入院していた人はどこへ行った?」と尋ねようとしたが、やめた。
退院したんだろうと思った、いや、思うことにした。
疑念と不安が交錯する中、繭は意を決して実家のある世田谷区喜多見に向かう。
喜多見駅を降り、久しぶりに見る実家の近所の風景。
懐かしい風景が目に入るたびに、彼女の心は不安と懐かしさの入り混じった複雑な感情に包まれ、懐かしさと共に思い出すのは、なぜか母親との思い出ばかり。
他のことを思い出そうとしても次々と蘇る。
通い慣れた商店街を抜け、静かな住宅街に入る。
そこに見慣れた実家の玄関が見えたが、何かが違った。
「え…?」
繭の胸は高鳴り、鼓動が速くなる。
実家の門の前には何台もの車が停まり、玄関には見知らぬ人たちが出入りしている。
黒い服を着た大人たちばかりで、小声で話しているのが聞こえた。
「これって…」
繭の心臓が冷たく縮み上がった。
彼女の足が震え、まるで地面に縫い付けられたかのように動けなくなる。
目の前にある現実が信じられなかった。
これはまごうことなき葬式…、それも自分の家で行われている。
そして亡くなったのは…。
まさかと思っていたことが頭をよぎり、喉が乾く。
「まさか…そんな…」
ふと家の中へ目を凝らすと、家の中に飾られた遺影。
そこには、母親の微笑む写真がはっきりと映っていた。
繭の視界が一瞬にして歪み、涙がこぼれ落ちた。
「母さん…」
彼女は唇を震わせ、足元が崩れそうになるのを感じながら、その場に立ち尽くす。
息をすることさえ苦しく感じた。
母親の遺影が、彼女の心に深く突き刺さった。
自分のせいで母が亡くなったのだという思いが、胸を締め付ける。
「母さん…」
繭は立ちすくんだまま、実家の中を見つめ続けた。
すると参列者の誰かが彼女に気づいたようだ。
慌てたように中から一人、近づいてくる人影が見える。
「見つかったらまずい…」
その一瞬で決意が固まった。
自分はここにいるべきではない。
彼女は息を荒げながら、実家から遠ざかるように走り出した。
足音が後を追いかけてくる気がして、ますます速く走った。
頭の中は混乱しつつも、涙が止まらない。
「母さん…母さん…!」
どうして自分はもっと早く戻ってこなかったのか。
どうして、あんなにも酷い言葉を浴びせてしまったのか。
後悔と悲しみが胸を締め付ける。
それから逃げるように繭は喜多見駅へと向かって、全力で駆ける。
足がもつれそうになりながらも、彼女は前だけを見つめて走る。
涙が風にさらわれていく。
目の前の道がどこまでも長く感じたが、駅までたどり着く。
息が荒く、胸が張り裂けそうなほど痛い。
それでも繭は止まらなかった。
改札を越えて、周りの人々の視線も気にせずホームへ上がる。
涙を流しながら全力で階段を上り続けた。
ホームにたどり着いた時、ついに彼女は涙を溢れさせ、叫び声を上げるようにして泣き出した。
「母さん!!!!」
その叫び声は、彼女の心の底から湧き上がる絶望と後悔の混じった叫びだった。
駅の喧騒の中で、その叫びは風にかき消されるようにして消えたが、繭の中では響き続けていた。
教会の寮で暮らして派遣先の工場で働きながら、彼女の心はすっかり教会の教えに染まり、もはや過去、それもあれほど憎んでいた両親を思い出すことすらもほとんどなくなろうとしていた。
だが、そんな時に事件は起こる。
それはある日の夕方、繭が寮の賄いの食事を摂った後に、共栄教会の聖約者イ・リキョンの語録を読んでいる時だった。
「繭ー!繭ー!いるんだろ!?顔を見せてくれ!!」
玄関のすぐ近くから聞こえる、自分を呼ぶ大声はほぼ一年ぶりに聞く声。
彼女の父親・正一のものだ。
玄関の外で叫ぶ父親の姿を窓の隙間からのぞいた瞬間、繭の心はざわつく。
どうやってこの場所を知ったのだろう?
教団の人たちも驚いて外に集まり始めた。
「帰って来てくれ、繭!一度でいいから話をしよう!」
「ちょっと、関係者以外立ち入り禁止ですから!」
「娘がいるんだ。会わせて欲しい」
教団の関係者たちはそれ以上足を踏み込ませないように立ちはだかり、必死に呼びかける父親と問答している声も聞こえる。
繭はカーテンの隙間から父親の姿をじっと見つめた。
一年ぶりに見るその姿は60代を過ぎたにしては老け、その姿は疲れ果て、まるで何かに縋りつくような様子だ。
心の中で顔を見せて、「帰れ」と言ってやろうと思ったが、寮長の新藤香菜がそっと近づいてきて言った。
「顔を見せることはないし、何も言うことはない」
しかし、老いた父の声は疲れきっていたが、その響きには切実な願いが込められていた。
周囲にいた共栄教会の関係者たちは、彼がこれ以上中に入れないように立ちはだかり、厳しい表情で彼を見つめる。父親の必死の叫びに心が揺れる繭。
すでに教会の教えに染まって、元の家族を捨てたつもりだったが、彼の声が響くたびに胸が締め付けられるような思いがする。
「帰れと言ってやるくらいなら…」
繭は一瞬顔を見せようかと思う。
しかし、その考えを新藤香菜が遮る。
「顔を見せることはないし、何も言うこともない」ともう一度冷たく言い放つ。
父親はさらに懇願するように続けた。
「帰ってきてくれ、いっぺん話し合おう」と声を張り上げる。
彼の目には深い悲しみが宿っており、周囲の近所の人々も何事かと集まってきていた。
それでも彼は必死に娘に呼びかける。
「母さんも心配してるんだ…」
その言葉を聞いた繭は、心の奥で激しい怒りが沸き起こる。
なぜ母親はここに来ないのだろう?いつもそうだ。
何かあれば夫である父親を前面に立たせ、自分は背後に隠れる卑怯な女。
頭に血がのぼり、苛立ちが増していく。
しかし、次の瞬間、父親の一言が彼女の心を突き刺した。
「母さんが病気なんだ。とても会いたがっているんだ。」
その言葉を聞いた瞬間、繭の心は揺れた。
「出て行ってはダメ!」新藤が再び厳しく釘を刺す。
だが、「病気」の一言が繭の心に残り、大きくく響いた。
「母さんが病気?本当に?」と心の中で繰り返す。
父親は母親が入院している病院の名前と病室を告げ、共栄教徒たちに促されながら、「待っているから!」と最後に行って肩を落とし、背中を見せてゆっくりと帰路についた。
寮の周囲にはまだ見物人たちがいて、何かが起きているのかとざわめいている。
「病気だから何なの?」新藤が冷たく詰問し、「まだ家族に未練があるの?」と繭のそばにいたルームメイトの真奈美までもが、同じように詰め寄ってきた。
真奈美の洗脳は繭よりも進んでいるようだ。
「別に気にしていません」
そうは言ったものの、その日の夜、繭の心は不安に包まれた。
母親が病気…どうしても気になってしまう。
翌日、そして翌々日と彼女は出勤した職場でスマートフォンを何度も手に取っては置き、新しい番号を使って頭に残ている実家の固定電話の番号に電話をしようとするが、寸前で踏みとどまる。
親への依存が断てていないと新藤に指摘された言葉が頭をよぎったからだ。
「でも、本当に病気なら…?」
父親がやってきてから数日後、何かの予感に駆られた繭は職場を早退、父親が告げた病院『世田谷記念病院』へ電車とバスを乗り継いで向かう。
車内では母親と再会した時のシミュレーションをしていた。
何と声を掛けようか?
謝る?いやいやまた罵倒してやろうか?
いや、別に冷淡にしている方がいいか?
そのようにしてようやく到着した世田谷記念病院だったが、母親が入院しているという病室は空だった。
誰もいない病室に立ち尽くし、彼女の心はさらに乱れる。
どういうことだ?
まさか…、いや、だってまだ60歳にはなっていないはずだし…。
看護師に「ここに入院していた人はどこへ行った?」と尋ねようとしたが、やめた。
退院したんだろうと思った、いや、思うことにした。
疑念と不安が交錯する中、繭は意を決して実家のある世田谷区喜多見に向かう。
喜多見駅を降り、久しぶりに見る実家の近所の風景。
懐かしい風景が目に入るたびに、彼女の心は不安と懐かしさの入り混じった複雑な感情に包まれ、懐かしさと共に思い出すのは、なぜか母親との思い出ばかり。
他のことを思い出そうとしても次々と蘇る。
通い慣れた商店街を抜け、静かな住宅街に入る。
そこに見慣れた実家の玄関が見えたが、何かが違った。
「え…?」
繭の胸は高鳴り、鼓動が速くなる。
実家の門の前には何台もの車が停まり、玄関には見知らぬ人たちが出入りしている。
黒い服を着た大人たちばかりで、小声で話しているのが聞こえた。
「これって…」
繭の心臓が冷たく縮み上がった。
彼女の足が震え、まるで地面に縫い付けられたかのように動けなくなる。
目の前にある現実が信じられなかった。
これはまごうことなき葬式…、それも自分の家で行われている。
そして亡くなったのは…。
まさかと思っていたことが頭をよぎり、喉が乾く。
「まさか…そんな…」
ふと家の中へ目を凝らすと、家の中に飾られた遺影。
そこには、母親の微笑む写真がはっきりと映っていた。
繭の視界が一瞬にして歪み、涙がこぼれ落ちた。
「母さん…」
彼女は唇を震わせ、足元が崩れそうになるのを感じながら、その場に立ち尽くす。
息をすることさえ苦しく感じた。
母親の遺影が、彼女の心に深く突き刺さった。
自分のせいで母が亡くなったのだという思いが、胸を締め付ける。
「母さん…」
繭は立ちすくんだまま、実家の中を見つめ続けた。
すると参列者の誰かが彼女に気づいたようだ。
慌てたように中から一人、近づいてくる人影が見える。
「見つかったらまずい…」
その一瞬で決意が固まった。
自分はここにいるべきではない。
彼女は息を荒げながら、実家から遠ざかるように走り出した。
足音が後を追いかけてくる気がして、ますます速く走った。
頭の中は混乱しつつも、涙が止まらない。
「母さん…母さん…!」
どうして自分はもっと早く戻ってこなかったのか。
どうして、あんなにも酷い言葉を浴びせてしまったのか。
後悔と悲しみが胸を締め付ける。
それから逃げるように繭は喜多見駅へと向かって、全力で駆ける。
足がもつれそうになりながらも、彼女は前だけを見つめて走る。
涙が風にさらわれていく。
目の前の道がどこまでも長く感じたが、駅までたどり着く。
息が荒く、胸が張り裂けそうなほど痛い。
それでも繭は止まらなかった。
改札を越えて、周りの人々の視線も気にせずホームへ上がる。
涙を流しながら全力で階段を上り続けた。
ホームにたどり着いた時、ついに彼女は涙を溢れさせ、叫び声を上げるようにして泣き出した。
「母さん!!!!」
その叫び声は、彼女の心の底から湧き上がる絶望と後悔の混じった叫びだった。
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