夕凪の空 京の香り

志生帆 海

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第三章

夜のしじま 3

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R18

「くっ……うっ…あっ…」

 苦しいのに気持ち良すぎて、嗚咽がひっきりなしに零れていた。

 二人の男から欲しがられている。
 それがこんなにも躰を熱くするなんて。

 燃えたぎるような欲情の渦に、自ら身を投じて溺れていく。

 下からは律矢さんの太いものに突かれ、腰が上下に揺れていく。口には信二郎の太いものを含み、呑み込めなかった唾液が喉へと伝い落ちていく。

 信じられない程あさましい姿。
 信じられないほど乱れた姿。

 そして上からも下からも攻められ、愛撫に悶え、その快感を露わにする躰。

「あっ……いや……もう無理……」
「求めているだろう。こんなにも夕凪自身が……」

 自分がこんな姿を晒していることがまだ信じられないが、やがてその羞恥心も熱に埋もれていく。

 慣れていない拙い行為に、信二郎のものは充分すぎる程感じ、膨れてくれていた。信二郎の手が俺の後頭部にまわり、耳や生え際を優しく撫でていく。

「んっ……んっ」

 あぁ……何もかもが気持ちいい。

 信二郎の熱いぬめりを喉奥まで含むと、やがてその先端から苦い汁が滲みだして来た。一方、下半身は律矢さんを迎えいれたまま、時に小刻みに、時に大きく突かれまくり、俺は躰を揺すりながら身悶えていた。

「もう、俺……あっ…」
「夕凪……凄い色香だ。綺麗だよ。お前は本当に」

 感嘆の声を信二郎が漏らす。
 そんな言葉にも敏感に感じてしまう。

「夕凪……信じられない程、美しい姿だ。ずっとこうしたかった。再びお前を抱けるなんて夢のようだ」

 背中に覆い被さっている律矢さんが、背後から手をまわし、胸を触ってくる。尖っていく乳首を捏ねまわされ全身が性感帯になったようで、背を丸めて震えることしか出来なかった。

「あっ…あ……!」

 耐え切れずに、がくがくと躰が揺れていく。

「やっ」
「すごいよ。お前の躰」
「律矢さんっ……信二郎っ……うっ……ああっ」

 喘ぎ声……叫び声……
 外に漏れてしまうと思ったが我慢できなかった。

 律矢さんに深く腰を抱かれ、くちゅりと中をかき回され、口の中でも信二郎のものがあらゆる場所を刺激して、もう限界だった。

 二人の名を呼びながら、俺は白濁のものを布団にぽたぽたと放ってしまった。

「くっ……うっう……」
「ああっ!」

 そして次の瞬間、今度は上からも下からも熱い液体で満たされた。
 同時に俺の躰に沁み込んで行くのは、二人の男の熱。

 受け入れられたんだ。二人同時に……

「夕凪っ」
「夕凪大丈夫か」

 二人の男の声が遠くから聞こえてくる。

 ほっとしたのだろう。久しぶりに己の躰に男を受け入れた上に、二人同時にという初めての行為に疲れがどっと出て、そのまま俺は布団に崩れ落ち、意識を失ってしまった。


 夜のしじま
 閉ざされた世界

 俺が愛し躰を開くのは、今日からこの二人。


 『夜のしじま』 了

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