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出逢いの章
溶けていく心 4
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「少し酔いましたか?」
「いや大丈夫です」
洋くんから恋人の丈さんを紹介され、そのまま四人でクリスマスディナーを食べた。年上で落ち着いている雰囲気の丈さんと、僕が会話から零れ落ちないようにサポートしてくれるKaiくんのお陰で、楽しい時間を過ごせた。
そのせいか勧められたワインをついつい飲み過ぎてしまったようで、頭が次第にクラッととしてきた。そんな僕に対して洋くんが心配そうにテーブルに水を置いてくれた。確かにほろ酔い気分で気持ちがいい。
Kaiくんに仕事帰りに強引に連れて来られ最初は戸惑ってしまったが、きっと僕はこの誘いがなかったら、いつものように真っすぐに家に戻り、一人で寂しく過ごしていだだろう。
今日は思い切って参加して良かった。
こんなにも賑やかなクリスマスは久しぶりだ。
洋くんの相手の丈さんは、想像通りの人だった。以前から僕は、洋くんが嬉しそうに彼と肩を並べて帰っていく姿を何度も見たことがあった。その時からきっと洋くんの彼だろうと思っていたので、あまり驚くことはなかった。
こうやって今彼と洋くんが楽しそうに話している姿を見て、最初は羨ましくも眩しくも感じたが、一緒に過ごしているうちに、この二人の間の目に見えない絆は浮ついたものではなく何か大きな苦しみをを乗り越えた深いものであることが、ひしひしと伝わって来た。
それにしても、もう真夜中のニ時過ぎか。深夜に始まったパーティーも、そろそろお開きだろう。
「あの松本さん、俺と少し酔いを醒ましにいきませんか。この家には天窓があるんですよ。それを是非見て欲しくて」
「いいですよ」
洋くんは物腰が柔らかくよく気が付いて、それが嫌味じゃないので心地よい。そんな洋くんを穏やかな眼差しで見つめる丈さんとの間に流れる空気も心地よかった。そして僕の隣で、僕が会話に置いていかれないように全力でサポートしてくれるKaiくんがすごく頼もしい。
翔と別れてからずっと一人で生きて来た僕なのに、ついKaiくんには甘えたくなってしまう。年下なのにKaiくんの大らかな性格は、僕を安心させ自由にしてくれる。
「松本さん、行ってきなよ」
そうKaiくんにも背中を押されたので、洋くんと二人で二階へ向かった。ドアを開けると部屋の中央に天窓があるらしく、ちょうどその部分の床に月明かりが静かに降りて来ていた。
そこから上を見上げれば幾千もの星が、冬の澄んだ夜空に浮かんでいた。
「すごい…」
二人で空を見上げていると、隣で洋くんが優しく英語の歌をさりげなく口ずさんだ。囁くような小さな歌声だ。
When you wish upon a star
makes no difference who you are
Anything your heart desires
Will come to you
If your heart is in your dream
No request is too extreme
When you wish upon a star
As dreamers do
Fate is kind
She brings to those who love
The sweet fulfillment of
Their secret longing
Like abolt out of the blue
Fate steps in and sees you through
When you wish upon a star
Your dreams come true
Fate is kind
She brings to those who love
The sweet fulfillment of
Their secret longing
When you wish upon a star
You dreams come true
When you wish upon a star
You dreams come true
Dreams come true...
(日本語訳)
輝く星に 心の夢を
祈ればいつか叶うでしょう
きらきら星は不思議な力
あなたの夢を満たすでしょう
人は誰もひとり
哀しい夜を過ごしてる
星に祈れば淋しい日々を
光り照らしてくれるでしょう
ドリームズ カム トゥルー
出典・星に願いを / ピノキオ
歌 ディズニー(コンピレーション)
作詞 Ned Washington
作曲 Leigh Harline
「いい曲だね。洋くん……この曲僕もどこかで聴いたことあるよ。でもこんなに心に染み入ることはなかったよ」
「あっすいません。つい星空を見上げると、いつも頭の中にこのメロディが浮かんで……」
「確かに、ぴったりだね」
「あの……松本さん。俺が突然こんなこと言うのは変かもしれないけれども、松本さんは一人じゃないから、だから上を見上げて欲しくて」
「洋くん?何故そのようなことを?」
「不躾なこと言ってすいません。あの……もしかして日本で何か酷く哀しいことがありませんでしたか」
「……」
ドキリとした。図星だ。何故分かったんだろう。誰に話していないことなのいに。
洋くんはそんな僕の様子を見て、何も問わずに話を続けた。
「松本さん聞いてください。俺は日本でとても嫌なことがあって、この世にいられない程辛いことがあって、一人で哀しい夜を幾夜も過ごしました。でも丈と出会って、もう一度生まれ変わったように生きていこうと思えて……だから松本さんにもきっと」
洋くんが涙声になっていた。懸命に必死に伝えようとしていることが、心に染み入って来た。
「洋くん……僕……ごめん。実は洋くんのこと妬んだり羨ましく想うこともあった」
「松本さん……大丈夫です。そういう気持ちもわかります。俺だって何も起こらず平和に生きているひとを妬むことがありました。でもこうやって星を見上げると、人って何かを願いたくなりませんか。もしも松本さんも、もう一度輝きたいという願いを星に懸けるなら、運命は思いがけなくやって来て、きっと夢を叶えてくれると思うから……だから」
洋くんの優しい語りに、心の奥底に封印していた想いがじわじわと溶け出して来てしまった。
そうだ……僕だって幸せになりたい。
本当はずっとそう思っていた。
もう一人は寂しい。
翔とのことをもう過去の思い出として、新しい世界へ旅立ってみたい。
新しい出会いを待っているのは、僕の方だ。
天窓を見上げるとソウルに来てから泣けなかった涙が、いつの間にか溢れ出てきた。俯くとそれは零れ落ちそうで、必死に上を向いて耐えた。
「くっ…うっ……」
「あ……Kai……来たのか。交代しよう」
「ありがとう」
気が付くと洋くんはドアの外へ出て行って、入れ替わりにKaiくんが入って来た。Kaiくんは真っすぐに僕のところへ歩み寄って来て、そのまま上を見上げて涙を必死に堪えている僕の躰を優しく抱きしめてくれた。
「松本さん……どうした?こんなに泣いて」
「……泣いてなんか」
久しぶりに自分じゃない誰かに抱きしめてもらうのが心地よくて安心できて、温かくて……思わずKaiくんの胸に顔を埋めて、とうとう泣いてしまった。
「何か悲しいことがあったのか」
「違う……嬉しくて……僕は一人じゃないってことに気が付いて……それが嬉しくて」
Kaiくんのことを見上げたら、自然と凍っていた笑顔が戻って来た。
「あぁやっと笑ってくれた。松本さんの笑顔……ずっと見たかったんだ」
「Kaiくん……僕なんかのこと、どうして……こんなに気にかけて、こんなに優しくしてくれるんだ?」
「だって気になってしょうがないよ。俺にとって松本さんの笑顔が最高のクリスマスプレゼントだ」
「僕の……僕なんかが……」
「あぁそうだよ。メリークリスマス!あのさ……これからは優也さんって呼んでもいい?」
「いや大丈夫です」
洋くんから恋人の丈さんを紹介され、そのまま四人でクリスマスディナーを食べた。年上で落ち着いている雰囲気の丈さんと、僕が会話から零れ落ちないようにサポートしてくれるKaiくんのお陰で、楽しい時間を過ごせた。
そのせいか勧められたワインをついつい飲み過ぎてしまったようで、頭が次第にクラッととしてきた。そんな僕に対して洋くんが心配そうにテーブルに水を置いてくれた。確かにほろ酔い気分で気持ちがいい。
Kaiくんに仕事帰りに強引に連れて来られ最初は戸惑ってしまったが、きっと僕はこの誘いがなかったら、いつものように真っすぐに家に戻り、一人で寂しく過ごしていだだろう。
今日は思い切って参加して良かった。
こんなにも賑やかなクリスマスは久しぶりだ。
洋くんの相手の丈さんは、想像通りの人だった。以前から僕は、洋くんが嬉しそうに彼と肩を並べて帰っていく姿を何度も見たことがあった。その時からきっと洋くんの彼だろうと思っていたので、あまり驚くことはなかった。
こうやって今彼と洋くんが楽しそうに話している姿を見て、最初は羨ましくも眩しくも感じたが、一緒に過ごしているうちに、この二人の間の目に見えない絆は浮ついたものではなく何か大きな苦しみをを乗り越えた深いものであることが、ひしひしと伝わって来た。
それにしても、もう真夜中のニ時過ぎか。深夜に始まったパーティーも、そろそろお開きだろう。
「あの松本さん、俺と少し酔いを醒ましにいきませんか。この家には天窓があるんですよ。それを是非見て欲しくて」
「いいですよ」
洋くんは物腰が柔らかくよく気が付いて、それが嫌味じゃないので心地よい。そんな洋くんを穏やかな眼差しで見つめる丈さんとの間に流れる空気も心地よかった。そして僕の隣で、僕が会話に置いていかれないように全力でサポートしてくれるKaiくんがすごく頼もしい。
翔と別れてからずっと一人で生きて来た僕なのに、ついKaiくんには甘えたくなってしまう。年下なのにKaiくんの大らかな性格は、僕を安心させ自由にしてくれる。
「松本さん、行ってきなよ」
そうKaiくんにも背中を押されたので、洋くんと二人で二階へ向かった。ドアを開けると部屋の中央に天窓があるらしく、ちょうどその部分の床に月明かりが静かに降りて来ていた。
そこから上を見上げれば幾千もの星が、冬の澄んだ夜空に浮かんでいた。
「すごい…」
二人で空を見上げていると、隣で洋くんが優しく英語の歌をさりげなく口ずさんだ。囁くような小さな歌声だ。
When you wish upon a star
makes no difference who you are
Anything your heart desires
Will come to you
If your heart is in your dream
No request is too extreme
When you wish upon a star
As dreamers do
Fate is kind
She brings to those who love
The sweet fulfillment of
Their secret longing
Like abolt out of the blue
Fate steps in and sees you through
When you wish upon a star
Your dreams come true
Fate is kind
She brings to those who love
The sweet fulfillment of
Their secret longing
When you wish upon a star
You dreams come true
When you wish upon a star
You dreams come true
Dreams come true...
(日本語訳)
輝く星に 心の夢を
祈ればいつか叶うでしょう
きらきら星は不思議な力
あなたの夢を満たすでしょう
人は誰もひとり
哀しい夜を過ごしてる
星に祈れば淋しい日々を
光り照らしてくれるでしょう
ドリームズ カム トゥルー
出典・星に願いを / ピノキオ
歌 ディズニー(コンピレーション)
作詞 Ned Washington
作曲 Leigh Harline
「いい曲だね。洋くん……この曲僕もどこかで聴いたことあるよ。でもこんなに心に染み入ることはなかったよ」
「あっすいません。つい星空を見上げると、いつも頭の中にこのメロディが浮かんで……」
「確かに、ぴったりだね」
「あの……松本さん。俺が突然こんなこと言うのは変かもしれないけれども、松本さんは一人じゃないから、だから上を見上げて欲しくて」
「洋くん?何故そのようなことを?」
「不躾なこと言ってすいません。あの……もしかして日本で何か酷く哀しいことがありませんでしたか」
「……」
ドキリとした。図星だ。何故分かったんだろう。誰に話していないことなのいに。
洋くんはそんな僕の様子を見て、何も問わずに話を続けた。
「松本さん聞いてください。俺は日本でとても嫌なことがあって、この世にいられない程辛いことがあって、一人で哀しい夜を幾夜も過ごしました。でも丈と出会って、もう一度生まれ変わったように生きていこうと思えて……だから松本さんにもきっと」
洋くんが涙声になっていた。懸命に必死に伝えようとしていることが、心に染み入って来た。
「洋くん……僕……ごめん。実は洋くんのこと妬んだり羨ましく想うこともあった」
「松本さん……大丈夫です。そういう気持ちもわかります。俺だって何も起こらず平和に生きているひとを妬むことがありました。でもこうやって星を見上げると、人って何かを願いたくなりませんか。もしも松本さんも、もう一度輝きたいという願いを星に懸けるなら、運命は思いがけなくやって来て、きっと夢を叶えてくれると思うから……だから」
洋くんの優しい語りに、心の奥底に封印していた想いがじわじわと溶け出して来てしまった。
そうだ……僕だって幸せになりたい。
本当はずっとそう思っていた。
もう一人は寂しい。
翔とのことをもう過去の思い出として、新しい世界へ旅立ってみたい。
新しい出会いを待っているのは、僕の方だ。
天窓を見上げるとソウルに来てから泣けなかった涙が、いつの間にか溢れ出てきた。俯くとそれは零れ落ちそうで、必死に上を向いて耐えた。
「くっ…うっ……」
「あ……Kai……来たのか。交代しよう」
「ありがとう」
気が付くと洋くんはドアの外へ出て行って、入れ替わりにKaiくんが入って来た。Kaiくんは真っすぐに僕のところへ歩み寄って来て、そのまま上を見上げて涙を必死に堪えている僕の躰を優しく抱きしめてくれた。
「松本さん……どうした?こんなに泣いて」
「……泣いてなんか」
久しぶりに自分じゃない誰かに抱きしめてもらうのが心地よくて安心できて、温かくて……思わずKaiくんの胸に顔を埋めて、とうとう泣いてしまった。
「何か悲しいことがあったのか」
「違う……嬉しくて……僕は一人じゃないってことに気が付いて……それが嬉しくて」
Kaiくんのことを見上げたら、自然と凍っていた笑顔が戻って来た。
「あぁやっと笑ってくれた。松本さんの笑顔……ずっと見たかったんだ」
「Kaiくん……僕なんかのこと、どうして……こんなに気にかけて、こんなに優しくしてくれるんだ?」
「だって気になってしょうがないよ。俺にとって松本さんの笑顔が最高のクリスマスプレゼントだ」
「僕の……僕なんかが……」
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