1,689 / 1,730
小学生編
冬から春へ 81
しおりを挟む
いっくん、うれちい! すごくうれちいよ。
おじいちゃんがいっくんにつくってくれたたからばこ。
なかにはめーくんからおくりものがはいっていたよ。
いっしょにたからさがしをしてくれるおやくそくもはいっていたよ。
いっくんのたからばこは、おかしのはこだったの。
めーくんからのプレゼントだいじにしていたのに、かじでやけちゃったから、うれしいよ。
「おじいちゃん、おじいちゃん、ありがとう!」
いっくんうれちくて、おじいちゃんにとびついちゃった。
パパとはちょっとちがう、おひげのおじいちゃん。
「おじいちゃんのおてて、しゅごい。ベッドもたからばこもつくれちゃうなんて」
あれれ?
おじいちゃんのおててにほっぺをくっつけてみたら、ガサガサしていたよ。
「あ! ちょっとまってね」
いっくんのリュックのなかから、みーくんからもらったおててのクリームをだしたよ。ママのおててにどうぞってくれたけど、これ、おじいちゃんのおててにもぬってあげたいな。
「おじいちゃん、おててだしてぇ」
「え? おじいちゃんはいいよ。こんなの舐めときゃ治る」
「だめだよ~ いっくんのだいじなおじいちゃんなんだもん」
「……いっくん」
おじいちゃんのおててのガサガサしているところに、そーっとそーっとぬってあげたよ。
それからはやくよくなりますようにのおまじないも!
ほいくえんのせんせいがしてくれるみたいにいきを「ふー、ふー」ってかけてあげたの。
「いっくん、ありがとう。おじいちゃん、うれしいよ」
「よかった。おじいちゃんもおばあちゃんもからだをだいじにしてね」
だいすきだから、ずっとそばにいてほしいの。
もうだれもいなくならないでね。
****
参ったな。
いっくんがオレの手のあかぎれを心配してくれるなんて。
連日酷使していたので、手の甲がガサガサし、指先はささくれ立っていた。
だが、こんなの北の大地で過ごすオレには、日常茶飯事だ。
だから気にしてなかったのに――
それに、この香り……
ハンドクリームからは、優しいラベンダーの香りがした。
その瞬間……
駄目だ、また涙腺が緩む。
……
「大樹さん、作業終わりました」
「おー サンキュ! 熊田のおかげで捗るよ。ベビーベッドもうすぐ完成だな」
「お役に立てて嬉しいです」
「あれ? 手をどうした?」
根を詰めて作業したせいか、すっかり荒れしてしまった。
慌てて隠したのに、大樹さんに掴まれた。
「こんなに荒れて……悪かったな」
「大樹さんが謝ることじゃないです」
「いや、負担かけてしまったな。澄子……何か塗るものはあるか」
「あるわ、熊田さん、こっちに来て」
看護師の資格を持つ澄子さんはお世話上手で、アロマテラピーにも詳しく、自分の化粧品やクリームを作っていた。
「ハンドクリームを塗ってあげるわ」
「おっ、俺は大丈夫ですって」
「駄目よ、熊田さんも大切な我が家の一員なんだから」
澄子さんが塗ってくれたクリームからは、仄かにラベンダーの香りがした。
「良い匂いですね」
「これは真正ラベンダーよ。筋肉の緊張を解いてくれるので、疲労した身体にも良いのよ。熊田さん、いつもありがとう。赤ちゃんのベッド作りまで手伝ってもらえて嬉しいわ」
「あのアロマオイルは妊娠中に大丈夫なんですか」
何かの雑誌で読んだことがあったので、気になって聞いてしまった。
「ラベンダーは妊娠初期は使えないけれども、妊娠後期から産後の期間には使っても良い精油なのよ」
「そうなんですね」
「ふふ、熊田さん、私の身体のことまで心配してくれてありがとう。本当に頼もしい人だわ」
優しく優しく労ってもらい、泣きそうになった。
こんなに優しい夫婦がこの世にいるなんて――
大樹さんと澄子さんは、身寄りがなくなった俺を丸ごと受け入れてくれた。
……
「おじいちゃん、どうしたの?」
「あ、悪い、なんでもないよ」
「えっとぉ、やさしいおもいでをおもいだしたの?」
「え……どうして分かるんだ?」
「えっと、だれかにあいたそうなおかおをしていたから」
いっくんは天使だ。
本気で思う。
「いっくん、今日はおじいちゃんと寝るか」
「うん! おじいちゃんとおばあちゃんのあいだで、ねんねしたい」
「大歓迎だ!」
「まぁ、可愛いわね」
「潤、いいか」
「もちろんです。是非そうしてください」
潤たちの到着を見届けたら、その足で帰ろうと思っていたが、急に名残惜しくなってしまった。
おじいちゃんと孫。
そんな関係は俺には生涯無縁だと思っていた。
だから名残惜しい。
「おじいちゃん、あしたかえっちゃうの。さみしいな。でもまたあえるよ」
「そうだな。また会える」
「さぁ、オムライスが冷めちゃうわよ」
「いただきます」
遅めの昼食。
夜は急遽俺が石狩鍋を作って振る舞った。
軽井沢の冬が春になるのには、もう少し時間がかかるが、俺の心は既に冬から春へと移り変わっていた。
小さなぬくもりを感じながら眠る夜は、泣きそうになるほど幸せだった。
小さなみーくん。
君が運んできてくれた幸せは、今ここにある。
俺を幸せにしてくれてありがとう。
****
「そうですか、それがいいと思います。僕ももう1泊した方がいいと思っていました」
「そうなのか」
「はい、いっくんはくまさんのことが大好きなので、だから……」
「俺もいっくんが大好きだ」
「くまさんの愛情はあたたかくヌクヌクです」
「みーくん、ありがとう。みーくんも風邪を引くなよ」
「はい、気をつけます」
潤たちは無事に新居に到着したそうだ。
邪魔をしたくないから潤と入れ違いで帰ると言い張っていたお父さんが、もう1泊すると聞いて、嬉しくなった。
間もなく3月。
こちらは最近は寒さも緩み、春の足音が微かに聞こえるようになった。
「瑞樹、来週からもう三月だなんて早いな」
「宗吾さん、都会の冬もそろそろ終わりでしょうか」
「そうだな。季節が巡るようだ」
「冬から春へですね」
「そうだ、季節が変わり、草花が芽吹く俺たちが大好きな季節がやってくる」
「楽しみです」
明日が楽しみになる言葉。
そういえば、最近の僕は宗吾さんといつも未来の話をしている。
宗吾さんと芽生くんと過ごす明日が待ち遠しくて……
今日という日も名残惜しいが、明日がやってくるのが一段と楽しみだ。
宗吾さんをもっと好きになる日。
芽生くんをもっと好きになる日。
僕は毎日好きを更新していく。
そして幸せも更新していくよ。
おじいちゃんがいっくんにつくってくれたたからばこ。
なかにはめーくんからおくりものがはいっていたよ。
いっしょにたからさがしをしてくれるおやくそくもはいっていたよ。
いっくんのたからばこは、おかしのはこだったの。
めーくんからのプレゼントだいじにしていたのに、かじでやけちゃったから、うれしいよ。
「おじいちゃん、おじいちゃん、ありがとう!」
いっくんうれちくて、おじいちゃんにとびついちゃった。
パパとはちょっとちがう、おひげのおじいちゃん。
「おじいちゃんのおてて、しゅごい。ベッドもたからばこもつくれちゃうなんて」
あれれ?
おじいちゃんのおててにほっぺをくっつけてみたら、ガサガサしていたよ。
「あ! ちょっとまってね」
いっくんのリュックのなかから、みーくんからもらったおててのクリームをだしたよ。ママのおててにどうぞってくれたけど、これ、おじいちゃんのおててにもぬってあげたいな。
「おじいちゃん、おててだしてぇ」
「え? おじいちゃんはいいよ。こんなの舐めときゃ治る」
「だめだよ~ いっくんのだいじなおじいちゃんなんだもん」
「……いっくん」
おじいちゃんのおててのガサガサしているところに、そーっとそーっとぬってあげたよ。
それからはやくよくなりますようにのおまじないも!
ほいくえんのせんせいがしてくれるみたいにいきを「ふー、ふー」ってかけてあげたの。
「いっくん、ありがとう。おじいちゃん、うれしいよ」
「よかった。おじいちゃんもおばあちゃんもからだをだいじにしてね」
だいすきだから、ずっとそばにいてほしいの。
もうだれもいなくならないでね。
****
参ったな。
いっくんがオレの手のあかぎれを心配してくれるなんて。
連日酷使していたので、手の甲がガサガサし、指先はささくれ立っていた。
だが、こんなの北の大地で過ごすオレには、日常茶飯事だ。
だから気にしてなかったのに――
それに、この香り……
ハンドクリームからは、優しいラベンダーの香りがした。
その瞬間……
駄目だ、また涙腺が緩む。
……
「大樹さん、作業終わりました」
「おー サンキュ! 熊田のおかげで捗るよ。ベビーベッドもうすぐ完成だな」
「お役に立てて嬉しいです」
「あれ? 手をどうした?」
根を詰めて作業したせいか、すっかり荒れしてしまった。
慌てて隠したのに、大樹さんに掴まれた。
「こんなに荒れて……悪かったな」
「大樹さんが謝ることじゃないです」
「いや、負担かけてしまったな。澄子……何か塗るものはあるか」
「あるわ、熊田さん、こっちに来て」
看護師の資格を持つ澄子さんはお世話上手で、アロマテラピーにも詳しく、自分の化粧品やクリームを作っていた。
「ハンドクリームを塗ってあげるわ」
「おっ、俺は大丈夫ですって」
「駄目よ、熊田さんも大切な我が家の一員なんだから」
澄子さんが塗ってくれたクリームからは、仄かにラベンダーの香りがした。
「良い匂いですね」
「これは真正ラベンダーよ。筋肉の緊張を解いてくれるので、疲労した身体にも良いのよ。熊田さん、いつもありがとう。赤ちゃんのベッド作りまで手伝ってもらえて嬉しいわ」
「あのアロマオイルは妊娠中に大丈夫なんですか」
何かの雑誌で読んだことがあったので、気になって聞いてしまった。
「ラベンダーは妊娠初期は使えないけれども、妊娠後期から産後の期間には使っても良い精油なのよ」
「そうなんですね」
「ふふ、熊田さん、私の身体のことまで心配してくれてありがとう。本当に頼もしい人だわ」
優しく優しく労ってもらい、泣きそうになった。
こんなに優しい夫婦がこの世にいるなんて――
大樹さんと澄子さんは、身寄りがなくなった俺を丸ごと受け入れてくれた。
……
「おじいちゃん、どうしたの?」
「あ、悪い、なんでもないよ」
「えっとぉ、やさしいおもいでをおもいだしたの?」
「え……どうして分かるんだ?」
「えっと、だれかにあいたそうなおかおをしていたから」
いっくんは天使だ。
本気で思う。
「いっくん、今日はおじいちゃんと寝るか」
「うん! おじいちゃんとおばあちゃんのあいだで、ねんねしたい」
「大歓迎だ!」
「まぁ、可愛いわね」
「潤、いいか」
「もちろんです。是非そうしてください」
潤たちの到着を見届けたら、その足で帰ろうと思っていたが、急に名残惜しくなってしまった。
おじいちゃんと孫。
そんな関係は俺には生涯無縁だと思っていた。
だから名残惜しい。
「おじいちゃん、あしたかえっちゃうの。さみしいな。でもまたあえるよ」
「そうだな。また会える」
「さぁ、オムライスが冷めちゃうわよ」
「いただきます」
遅めの昼食。
夜は急遽俺が石狩鍋を作って振る舞った。
軽井沢の冬が春になるのには、もう少し時間がかかるが、俺の心は既に冬から春へと移り変わっていた。
小さなぬくもりを感じながら眠る夜は、泣きそうになるほど幸せだった。
小さなみーくん。
君が運んできてくれた幸せは、今ここにある。
俺を幸せにしてくれてありがとう。
****
「そうですか、それがいいと思います。僕ももう1泊した方がいいと思っていました」
「そうなのか」
「はい、いっくんはくまさんのことが大好きなので、だから……」
「俺もいっくんが大好きだ」
「くまさんの愛情はあたたかくヌクヌクです」
「みーくん、ありがとう。みーくんも風邪を引くなよ」
「はい、気をつけます」
潤たちは無事に新居に到着したそうだ。
邪魔をしたくないから潤と入れ違いで帰ると言い張っていたお父さんが、もう1泊すると聞いて、嬉しくなった。
間もなく3月。
こちらは最近は寒さも緩み、春の足音が微かに聞こえるようになった。
「瑞樹、来週からもう三月だなんて早いな」
「宗吾さん、都会の冬もそろそろ終わりでしょうか」
「そうだな。季節が巡るようだ」
「冬から春へですね」
「そうだ、季節が変わり、草花が芽吹く俺たちが大好きな季節がやってくる」
「楽しみです」
明日が楽しみになる言葉。
そういえば、最近の僕は宗吾さんといつも未来の話をしている。
宗吾さんと芽生くんと過ごす明日が待ち遠しくて……
今日という日も名残惜しいが、明日がやってくるのが一段と楽しみだ。
宗吾さんをもっと好きになる日。
芽生くんをもっと好きになる日。
僕は毎日好きを更新していく。
そして幸せも更新していくよ。
61
お気に入りに追加
832
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
『別れても好きな人』
設樂理沙
ライト文芸
大好きな夫から好きな女性ができたから別れて欲しいと言われ、離婚した。
夫の想い人はとても美しく、自分など到底敵わないと思ったから。
ほんとうは別れたくなどなかった。
この先もずっと夫と一緒にいたかった……だけど世の中には
どうしようもないことがあるのだ。
自分で選択できないことがある。
悲しいけれど……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
登場人物紹介
戸田貴理子 40才
戸田正義 44才
青木誠二 28才
嘉島優子 33才
小田聖也 35才
2024.4.11 ―― プロット作成日
💛イラストはAI生成自作画像
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる