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小学生編

秋陽の中 23

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 良介くんがお風呂に入っている間、僕の心臓は破裂しそうでした。

 そっと胸を両手で押さえてみると、心臓がすごい早さで動いていますよ。

 ドキドキ、ドキドキドキ!

「はぁ~ いよいよですね」

 これから何をするのか、何をされるのかということよりも、良介くんと僕がひとつになれる瞬間が待ち遠しいです。

 今一度、流さんからの教えをおさらいしておきましょう。

……
 
「あーコホンコホン、ところでだな、男同士がどうやって一つになるのか、小森は知っているのか」
「いいえ、知りませんよ。その前に確認しますが、ちゅーで赤ちゃんは出来ませんよね?」
「はぁ? お前何を読んだ?」
「あ、ちょっと妹の少女小説を」
「やっぱり……いいか、男と男は、こことここを使う」

 流さんのジェスチャーは早すぎますよ。

「こことここぉ?」
「そのとぼけた顔。もういい、図解してやる」

 流さんが墨絵で○と□を描いて、説明してくれます。

「ふんふん、あそことあそこですね」
「おぉ! 理解したのか」
「はい!(たぶん)ばっちりです」
「うーむ不安だな。そうそう男のそこは勝手に濡れないから、そこに潤滑剤を塗ってよく解す必要がある。現地では、これを塗れ。どっちにもたっぷりな」
「ご親切にどうも」
「よし、しっかり『解脱』してこい!」
「んん? 解脱? 何か違うような……」
「お前の場合は束縛からの解脱だ。苦悩から解き放され自由の境地に達することも『解脱』だ。お前は今まで普通でいないとならないというレッテルに囚われすぎていた」
「あ……そうかもしれません」
 
……

 パジャマ少し大きいですね。

 二十歳も過ぎたのに、まだ子供みたいな幼い身体。

 本当に良介くんに愛してもらえるのでしょうか。

 ベッドに腰掛けて足をぶらぶらさせていると、良介くんが息を切らせて戻ってきましたよ。

「良介くん、早かったですね」
「風太、抱いてもいいか!」
「はい、そうして下さい」

 僕の方から、良介くんを抱きしめました。

 観音さまが全てを受け入れようと手を広げるように、僕も身体の力を抜いていきます。

 そのままベッドに押し倒され、パジャマのボタンを外されました。

「あの……僕、子供っぽくありませんか」

  問いかけると「子供はこんなことしない」と言われました。

 少し安心出来たので、僕も良介くんの首筋に両腕を回して引き寄せて、キスをしました。

 キス、キス、キスって、とっても甘いです。

 あんこより甘いものがあるなんて、良介くんと出逢うまで知りませんでしたよ。

 だから大好きです。

 角度を変えて何度も、スタンプを押すようなキスをしあいました。

 まるで恋文を届けあうみたいですね。

 暫くすると、良介くんが身体を下へとずらしました。

「ん……っ……」

 ぴちゃっと水音がして、心臓が飛び跳ねました。

「あ、そこは……」
「あ、んん……っ」

 僕の胸……そんな場所を……あ、でも気持ちいい。

 不思議な感じ。

 良介くんが僕に跨がっているので、無意識のうちに腰をすり寄せていたようです。

「風太、あ、煽るな……うう、ちょっと待て」
「なんかこう、ムズムズしてくるんです」
「いいか」
「え?」
「生で見ても」

 生! 生って生々しい響きですね。

 僕はパジャマのズボンを一気に下げられました。

 パジャマの上も一緒に脱がされて、真っ裸になってしまいました。

 わぁ、恥ずかしいですね。

 裸を見せるというのは、全てを見せるということですから。
 
「ああっ……」

 良介くんの手が触れた途端、どくりとしたものが身体の奥から溢れてきました。

「な、何でしょう?」
「こんなに濡れて、風太の身体は、どこもかしこも甘いんだな」
「うわ、沢山……いっぱい愛が溢れてきます……どうしよう?」

 息も絶え絶えに訴えると、良介くんが身体を起こして苦しそうな表情をしました。

「ううう……まずい……イクっ」
「ええ?」

 良介くんが身を屈めて、股間を手で押さえています。
 
 そこから溢れる白濁のもの……ええっと、これって、これって!

「もしかして、今、イキましたか」
「ごめん、風太の裸に興奮して耐えられなかった」
「僕の裸に興奮してくれたのですか」
「当たり前だよ。好きな子の裸に興奮しない男なんていない!」
「嬉しいです。嬉しいですよ。僕は男の子ですが、良介くんとひとつになってもいいですか」
「俺は風太がいい。風太の中に入りたい」
「来て下さい」
「挿れてもいいのか」
「はい、すべてを受け入れます」
「ありがとう! いきなりは無理だから、ゆっくり慣らしていこう。ちょっと待ってて」

 良介くんが鞄を漁っています。

 あ、僕もアレを出さないと。

「良介くん、これを使って下さい!」
「風太、これを使おう!」

 僕は桃ワセリン、菅野くんはハチミツハンドクリームを手に握っていました。

「わぁ、ハチミツですか」
「おぉ? 桃かぁ」

 僕たち、周囲から愛されているようですね。

「参ったな、これを持たせたの流さん?」
「はい、沢山買ったからお一つどうぞと」
「はは、そっか。こっちは宗吾さんからだ。携帯用で便利だってさ」
「ふふ、どっちも美味しそうですね」
「あんこクリームもあればよかったな」
「良介くん、今はあんこはなしですよ。あんこより僕を食べてください」
「おぉ! 風太がそんなこと言うなんて」

 あれ? そういえばそうですよね。

 あんなにあんこが好きなのに、今日はもう満喫したせいか、今はあんこより良介くんから触れてもらう方が甘くて幸せです。

「よし、じゃあ塗るぞ」
「は、はい」

 僕は膝を深く折られ、腰を浮かされました。

 奥まった場所に良介くんの指がそろりと這ってきます。

「あぁ、やっぱりそこなんですね」
「知っていたのか」
「本能のままに自分の身体に問いかけたら、僕の入り口はそこかなって」
「そうだ、ここだよ」

 良介くんの濡れた指が、狭間を奥へ奥へと進みます。

 そこは固く閉じた花の蕾のよう。

 誰も知らない秘密の場所を、これから共有するのですね。

 ひとつになるって、秘密の共有のよう。

 指は優しく丁寧に入り口を解していきます。
 
「ひ……あぁっ……んっ」

 僕の口からはひっきりなしに上擦った声があがっています。

 こんな声、どこから?

「怖くないか、大丈夫か」
「は……い、怖くはないです」
「よかった。さっき一度イッテおいてよかったよ。参ったな。風太がエロすぎて、もうギチギチだ、ほら」
「わぁ、良介くんの息子くん、おっきいですね」

 僕は手を伸ばして、そっと触れてみました。
 
 すると良介くんが顔を真っ赤にして俯いてしまいました。

「だ……駄目だ、またイキそうだ。くそぅ……格好悪い」
「あ、僕も……僕も……大きくなっています」
「よし! 風太、集中して解そう」

 良介くんが僕の腰をしっかりホールドし、僕の高まりを口に含んで舌先で転がしたり吸ってきました。

「あっ、あっ……」
 
 指は僕の奥深くで蠢いています。

「あ……や、……いやっ」
 
 そんなこと誰にもされたことないです。

「本当に嫌? 嫌ならここまでにするよ」

 嫌? 違います。
 
 あぁ『解脱』が近づいているのですね。

 流さんが教えてくれた、僕が僕を解き放つ時が。

「このままして下さい。このまましたい。良介くんが欲しい……」

 あんこ以外のものが、こんなに欲しくなるなんて――

 愛はあんこに勝るものなんですね。

「良介くん……好き、大好きですよ」
「風太、俺もだよ。今度は一緒にいこう!」



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