1,478 / 1,730
小学生編
ムーンライト・セレナーデ 30(月影寺の夏休み編)
しおりを挟む
「むにゃ、むにゃ……むにゃ」
風太の背中を優しく撫で寝付かせていると、まるで子守歌のように風に乗って落ち着いたメロディが届いた。
どこかで聞いたことがある曲だぞ。
何だったかな? ジャズソングの……あぁそうだ!
『ムーンライトセレナーデ』という曲名だ。
なるほど! 月影寺にぴったりだ。
今宵は見事な月夜。
竹林に囲まれた芝生の広場で夜空を仰ぐと、大きな満月が幻想的に浮かんでいた。
ここだけあまりに別世界で、不思議な心地になる。
幼子は眠り、大人の時間到来というわけか。
このナイトピクニック会場は薄暗い照明だったので、月明かりが頼りだ。
目を凝らすと、月光を浴びながら、丈さんと洋くんが身体をぴったり密着させて、音楽に合わせて揺れている。
彼らは重なるのが似合う。二人一緒なのが本当にしっくり来る。
芝生と竹林の狭間はダンス舞台のようだ。
「瑞樹、俺たちも踊ろうぜ!」
「あ、はい……」
丈さんと洋くんの大人な雰囲気に見蕩れていると、宗吾さんに手を引かれて葉山も舞台に上がってきた。
くくくっ、宗吾さんは相変わらず血気盛んだよな。絶対にあれは丈さんと洋くんの大人な雰囲気に感化されたのだろう。
人目も憚ることなく、葉山をギュッと抱きしめる宗吾さん。
「瑞樹ぃ、俺たちもチークダンス踊ろうぜ」
なるほど、チークダンスというのか! 昭和な感じだが、何故か宗吾さんには似合う。そう言えば、宗吾さんのカラオケの持ち歌って、オール昭和歌謡だったような。
「え、ですが、皆が見てますよ」
「みんなそれぞれの相手に夢中だから気にしなくていい。それよりさ、丈さんと洋くんを見てみろ。俺もあんな風にしたい」
「……もう、仕方がないですね。少しだけですよ」
「ありがとう! 瑞樹」
「あぁっ」
宗吾さんに抱きしめられると、葉山が変な声を出した。
「おー! いい声出すな」
「も、もう――」
宗吾さんって、やるなぁ~!
お堅い葉山をガラガラと崩す名人だ!
ところで、芽生坊はどこだ?
あぁ、なるほど、そういうことか。
芽生坊は洋くんのおばあさまに膝枕してもらい、スヤスヤ寝息を立てていた。
よかったな。
芽生坊が甘えられる存在がまた一人増えたな。
上品なご婦人は、芽生坊の髪をそっと撫で、涙ぐんでいるようだった。
ここに集う人は、共通している。
悲しみや苦しみを人一倍、味わってしまった人だ。
そう感じたのは間違いではない。
俺と風太。宗吾さんと葉山、丈さんも洋くん、翠さんも流さんと薙くん、菫さんと潤くんといっくん……
一人一人の名前を心の中で呼んだ。
みんな辛かったな、しんどかったな。
だからこそ、今、この空間がどんなに恵まれた場所なのかを噛みしめ感謝し、満喫している。
よし! 俺も楽しもう。
チークダンスも魅力的だが、俺と風太はこっちが似合う。
膝枕していた風太の頭をそっとずらし、マットに横向きに寝かせた。
「風太、本当に酔っ払ってぐっすりなんだな。俺も一緒に転た寝をするよ。夢の中でダンスしようぜ、俺たちはそれがいい」
俺も横になり、風太のあどけない寝顔を見つめ笑みを浮かべた。
可愛いほっぺだな。
あんこが詰まっているみたいに、ぷにゅぷにゅだ。
風太って、ベイビーフェイスだよな。
あどけなさ、幼さ、それも全部好きだよ。
俺のあんこくん。
目を閉じると、風太の夢の中に潜れた気がした。
……
「かんのくーん、あんあんあんこちゃんの歌、歌いませんか」
「あぁ、一緒に歌って踊ろう」
「踊る? いいですね。じゃあ『あんことおもちはぺったんこダンス』がいいです」
「ん?」(なんちゅうネーミングだ)
すると夢の中の風太は大胆にも、俺に向けて下半身をぴったりくっつけてきた。なんとなく自分のものが嵩を増したようで、赤面してしまう。
「わわ、よせ……まずいって」
「これが、あんこダンスですよぅ~ あん、あん、あんこちゃーん」
「……ははは、あんあん……ねぇ(色気もくれ!)」
****
「父さん、オレ、そろそろ部屋に戻るよ」
「ん? どうした?」
「明日も朝練だから寝ないと。しかしお盆休みもやるなんてスパルタだよな」
「じゃあ、そろそろお開きにしよう」
「いや、父さんたちはもう少し楽しんで。せっかく、今、最高にいいムードなんだし」
「……じゃあ、父さんが部屋まで送るよ」
「過保護だなぁ」
と言いつつ、薙は照れ臭そうに微笑んでくれた。
小さい薙を置いて突然消えたことへの後悔は尽きぬ。だがどんなに後悔しても、幼い薙と過ごすはずだった時間は取り戻せない。だからこそ、今、この一瞬一瞬が愛おしいよ。
「父さんに甘やかされているよな~」
「ふふ、薙を溺愛しているからね」
「と、父さんって時々大胆だ!」
「そうかな? そのままの事実を話しただけだよ」
そう伝えると、薙はこくりと頷いて破顔した。
「ありがとう! 今日は最高に楽しかったよ。オレも早く父さんと酒を飲みたいなって思った!」
「そうだね。そう遠くはない、直にやってくるよ」
「早く大人になりたいような、まだこのままでいたいような気持ちだよ」
「どちらも持っているといいよ。いずれにせよ時は自然と流れていくのだから、今この瞬間を大切にしていけば思い残すことはない」
薙は月を仰いで、微笑んでいた。
「父さん、すげぇカッコいい」
「あ、ありがとう。照れ臭いけど、息子にそんな風に言ってもらえるなんて、幸せ者だ」
お休み……薙。
薙を部屋に送り、またナイトピクニック会場に戻った。
いっくんと菫さんと潤くんは三人で仲良くマットの上で転た寝をしていた。小森くんと管野くんもね。
流が蚊取り線香を焚いたり、肌掛けをかけたりと甲斐甲斐しく客人の世話をしている。
それが終わると、流はひとり……遠い目をした。
どうした?
視線を辿ると、竹林の前で宗吾さんと瑞樹くん、丈と洋が緩やかに身体を寄せ合って揺れていた。
踊っているようだ。
とても大人っぽい雰囲気だね。
恋人たちのダンスタイム。
月光の当たる場所はダンスホール。
流れる音楽は「ムーンライトセレナーデ」
流の瞳に宿るのは「憧れ」だ。
流も踊りたいのかな?
ならば、誘ってもいいか。
「流、僕らも踊らないか」
耳元でそう囁くと、流は目を見開いた後、破顔した。
「あぁ、俺も踊りたい」
「僕もだよ。さぁ行こう!」
手を差し出すと、グイッと引っ張られた。
子供の頃から、いつもそうだったよね。
僕が引っ張るはずが、いつの間にか逆転して……
長男として生まれ、いつも弟たちの見本になるよう背筋を伸ばしてきた僕だったが、その瞬間だけはいつも流に甘えられた。
「流、待って、待っておくれ。そんなに急いだら転んでしまうよ」
「悪い! 早く踊りたくて、早くこうしたくて」
思う存分抱きしめられた。
息が出来ないほど強く。
心臓が高鳴るほど甘く。
熱を帯びた視線を浴びながら、流とひとつになる時のように、身体をぴったりと合わせた。
「これでいいかい?」
「最高だ。こんな風に皆と踊りたかった。翠……翠……俺の翠」
風太の背中を優しく撫で寝付かせていると、まるで子守歌のように風に乗って落ち着いたメロディが届いた。
どこかで聞いたことがある曲だぞ。
何だったかな? ジャズソングの……あぁそうだ!
『ムーンライトセレナーデ』という曲名だ。
なるほど! 月影寺にぴったりだ。
今宵は見事な月夜。
竹林に囲まれた芝生の広場で夜空を仰ぐと、大きな満月が幻想的に浮かんでいた。
ここだけあまりに別世界で、不思議な心地になる。
幼子は眠り、大人の時間到来というわけか。
このナイトピクニック会場は薄暗い照明だったので、月明かりが頼りだ。
目を凝らすと、月光を浴びながら、丈さんと洋くんが身体をぴったり密着させて、音楽に合わせて揺れている。
彼らは重なるのが似合う。二人一緒なのが本当にしっくり来る。
芝生と竹林の狭間はダンス舞台のようだ。
「瑞樹、俺たちも踊ろうぜ!」
「あ、はい……」
丈さんと洋くんの大人な雰囲気に見蕩れていると、宗吾さんに手を引かれて葉山も舞台に上がってきた。
くくくっ、宗吾さんは相変わらず血気盛んだよな。絶対にあれは丈さんと洋くんの大人な雰囲気に感化されたのだろう。
人目も憚ることなく、葉山をギュッと抱きしめる宗吾さん。
「瑞樹ぃ、俺たちもチークダンス踊ろうぜ」
なるほど、チークダンスというのか! 昭和な感じだが、何故か宗吾さんには似合う。そう言えば、宗吾さんのカラオケの持ち歌って、オール昭和歌謡だったような。
「え、ですが、皆が見てますよ」
「みんなそれぞれの相手に夢中だから気にしなくていい。それよりさ、丈さんと洋くんを見てみろ。俺もあんな風にしたい」
「……もう、仕方がないですね。少しだけですよ」
「ありがとう! 瑞樹」
「あぁっ」
宗吾さんに抱きしめられると、葉山が変な声を出した。
「おー! いい声出すな」
「も、もう――」
宗吾さんって、やるなぁ~!
お堅い葉山をガラガラと崩す名人だ!
ところで、芽生坊はどこだ?
あぁ、なるほど、そういうことか。
芽生坊は洋くんのおばあさまに膝枕してもらい、スヤスヤ寝息を立てていた。
よかったな。
芽生坊が甘えられる存在がまた一人増えたな。
上品なご婦人は、芽生坊の髪をそっと撫で、涙ぐんでいるようだった。
ここに集う人は、共通している。
悲しみや苦しみを人一倍、味わってしまった人だ。
そう感じたのは間違いではない。
俺と風太。宗吾さんと葉山、丈さんも洋くん、翠さんも流さんと薙くん、菫さんと潤くんといっくん……
一人一人の名前を心の中で呼んだ。
みんな辛かったな、しんどかったな。
だからこそ、今、この空間がどんなに恵まれた場所なのかを噛みしめ感謝し、満喫している。
よし! 俺も楽しもう。
チークダンスも魅力的だが、俺と風太はこっちが似合う。
膝枕していた風太の頭をそっとずらし、マットに横向きに寝かせた。
「風太、本当に酔っ払ってぐっすりなんだな。俺も一緒に転た寝をするよ。夢の中でダンスしようぜ、俺たちはそれがいい」
俺も横になり、風太のあどけない寝顔を見つめ笑みを浮かべた。
可愛いほっぺだな。
あんこが詰まっているみたいに、ぷにゅぷにゅだ。
風太って、ベイビーフェイスだよな。
あどけなさ、幼さ、それも全部好きだよ。
俺のあんこくん。
目を閉じると、風太の夢の中に潜れた気がした。
……
「かんのくーん、あんあんあんこちゃんの歌、歌いませんか」
「あぁ、一緒に歌って踊ろう」
「踊る? いいですね。じゃあ『あんことおもちはぺったんこダンス』がいいです」
「ん?」(なんちゅうネーミングだ)
すると夢の中の風太は大胆にも、俺に向けて下半身をぴったりくっつけてきた。なんとなく自分のものが嵩を増したようで、赤面してしまう。
「わわ、よせ……まずいって」
「これが、あんこダンスですよぅ~ あん、あん、あんこちゃーん」
「……ははは、あんあん……ねぇ(色気もくれ!)」
****
「父さん、オレ、そろそろ部屋に戻るよ」
「ん? どうした?」
「明日も朝練だから寝ないと。しかしお盆休みもやるなんてスパルタだよな」
「じゃあ、そろそろお開きにしよう」
「いや、父さんたちはもう少し楽しんで。せっかく、今、最高にいいムードなんだし」
「……じゃあ、父さんが部屋まで送るよ」
「過保護だなぁ」
と言いつつ、薙は照れ臭そうに微笑んでくれた。
小さい薙を置いて突然消えたことへの後悔は尽きぬ。だがどんなに後悔しても、幼い薙と過ごすはずだった時間は取り戻せない。だからこそ、今、この一瞬一瞬が愛おしいよ。
「父さんに甘やかされているよな~」
「ふふ、薙を溺愛しているからね」
「と、父さんって時々大胆だ!」
「そうかな? そのままの事実を話しただけだよ」
そう伝えると、薙はこくりと頷いて破顔した。
「ありがとう! 今日は最高に楽しかったよ。オレも早く父さんと酒を飲みたいなって思った!」
「そうだね。そう遠くはない、直にやってくるよ」
「早く大人になりたいような、まだこのままでいたいような気持ちだよ」
「どちらも持っているといいよ。いずれにせよ時は自然と流れていくのだから、今この瞬間を大切にしていけば思い残すことはない」
薙は月を仰いで、微笑んでいた。
「父さん、すげぇカッコいい」
「あ、ありがとう。照れ臭いけど、息子にそんな風に言ってもらえるなんて、幸せ者だ」
お休み……薙。
薙を部屋に送り、またナイトピクニック会場に戻った。
いっくんと菫さんと潤くんは三人で仲良くマットの上で転た寝をしていた。小森くんと管野くんもね。
流が蚊取り線香を焚いたり、肌掛けをかけたりと甲斐甲斐しく客人の世話をしている。
それが終わると、流はひとり……遠い目をした。
どうした?
視線を辿ると、竹林の前で宗吾さんと瑞樹くん、丈と洋が緩やかに身体を寄せ合って揺れていた。
踊っているようだ。
とても大人っぽい雰囲気だね。
恋人たちのダンスタイム。
月光の当たる場所はダンスホール。
流れる音楽は「ムーンライトセレナーデ」
流の瞳に宿るのは「憧れ」だ。
流も踊りたいのかな?
ならば、誘ってもいいか。
「流、僕らも踊らないか」
耳元でそう囁くと、流は目を見開いた後、破顔した。
「あぁ、俺も踊りたい」
「僕もだよ。さぁ行こう!」
手を差し出すと、グイッと引っ張られた。
子供の頃から、いつもそうだったよね。
僕が引っ張るはずが、いつの間にか逆転して……
長男として生まれ、いつも弟たちの見本になるよう背筋を伸ばしてきた僕だったが、その瞬間だけはいつも流に甘えられた。
「流、待って、待っておくれ。そんなに急いだら転んでしまうよ」
「悪い! 早く踊りたくて、早くこうしたくて」
思う存分抱きしめられた。
息が出来ないほど強く。
心臓が高鳴るほど甘く。
熱を帯びた視線を浴びながら、流とひとつになる時のように、身体をぴったりと合わせた。
「これでいいかい?」
「最高だ。こんな風に皆と踊りたかった。翠……翠……俺の翠」
11
お気に入りに追加
832
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
『別れても好きな人』
設樂理沙
ライト文芸
大好きな夫から好きな女性ができたから別れて欲しいと言われ、離婚した。
夫の想い人はとても美しく、自分など到底敵わないと思ったから。
ほんとうは別れたくなどなかった。
この先もずっと夫と一緒にいたかった……だけど世の中には
どうしようもないことがあるのだ。
自分で選択できないことがある。
悲しいけれど……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
登場人物紹介
戸田貴理子 40才
戸田正義 44才
青木誠二 28才
嘉島優子 33才
小田聖也 35才
2024.4.11 ―― プロット作成日
💛イラストはAI生成自作画像
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる