1,465 / 1,730
小学生編
ムーンライト・セレナーデ 17 (月影寺の夏休み編)
しおりを挟む
毎年恒例で、お盆は実家の土産物屋の手伝いに駆り出される。
今年は姉貴の閃きで由比ヶ浜海水浴場に甘味処『かんのや』を出店することになり、売り子を任された。
甘味処と聞いて「風太も一緒に店番をしないか。あんこ食べ放題付きだぞ」と誘うと、お盆時期にも関わらず、住職から休暇をもらえた。
「風太、今日は文化祭の模擬店気分で楽しかったな」
「はい、僕もそんな気分でしたよ。あとあとビーチボールも楽しかったですねぇ」
「あぁ、そうだな」
海水浴場で高校の同級生の青山と白石と偶然会えて、休み時間には一緒に遊べた。
病弱な白石は高校になっても病欠が多く、学生らしい日々を謳歌出来なかったことを知っている。そして中学までしか学生生活を送らなかった風太も同じだ。
今日は二人とも童心に返り無邪気にはしゃいでいた。
風太の笑顔、夏の日差しより眩しかったよ。白石もあんなに明るく笑うんだな。
それは昼の話で、夜は……
なんと俺は今、月影寺の風太の部屋で特別なマッサージを受けている。
疲れた身体を、風太が甲斐甲斐しくマッサージしてくれるので、気持ち良くて眠ってしまいそうだ。いや眠ろうとすると妙なツボにはまり下半身が疼くので困っている。
ううう、青山が真っ赤な顔でレインコートを羽織って蹲った気持ちが痛い程分かるぞ。
「かんのくーん、どうですか。マッサージの効き目は」
「うう、絶妙過ぎる……風太はテクニシャンだな」
「おぉ! そんな褒め言葉を頂戴するとは嬉しいですよ~ 想くんの丁寧な手解きをしっかり受けたので、自信があります」
「白石の教え方は丁寧で分かりやすかったな。そうだ風太にもしてやるよ」
「えっ! でもでも僕は精悍《せいかん》じゃないですよ。ただの、あんこですよぅ」
「あー もう風太はいちいち可愛いなぁ。あんこが好きな風太が好きだ」
風太の首筋に顔を埋めて匂いを嗅いだ。1日中あんこまみれだったので、甘くて美味しそうだ。
ペロッと首筋を舐めると、「わぁ」と目を見開き驚いた声を出す。
そのまま耳朶までペロペロ舐めると、風太の声が甘さを孕んでくる。
「あっ、あっ……」
お? もしかして感じているのか!
「キスしてもいいか」
「ちゅうですね、はい!」
そのまま唇をしっかり重ね、緊張している風太を抱き締めて、柔らかい薄い色素の髪を手で梳いてやる。更にキスを深めて、口腔内で舌を絡めてみた。
「あ……んっ、んっ」
「気持ちいいか」
「とろん……とろん、とろけますぅ」
「もっとしていいか」
「はい……菅野くぅん……大好きです」
おぉ! いいムードだぞ~!
風太を仰向けに寝かし跨ぐように覆い被さって、腰を抱き締めた。
「風太……なぁ、俺たち流石にそろそろ次のステップに進まないか」
「菅野くん、次はどうしたら? 僕もしたいです」
「いいのか!」
「はい、もちろんです」
風太も顔を真っ赤にして、同意してくれた!
「怖くないか」
「いいえ、管野くんについていきます。あぁ……僕もいよいよ大人の階段をのぼるのですね。目指せ! 丈さんと洋さんのような妖艶な色気ですよ」
おいおい、それはハードルが高いよ。
彼らは年季が入っているんだぞ。
でも俺たちも今日こそは……
ゴックンと喉が派手に鳴った。
その時、カランコロンと下駄の音が近づいてきた。
げげっ、猛烈に嫌な予感!
「おーい、今から肝試しをするから、お二人さんも手伝ってくれないかー」
流さんだ!
しかも遠慮なしにガラッと窓を開けられたので「ひぇ‼」っと、風太から1メートルも飛び退いてしまった。
「お? おぅ……あれ? もしかして俺、邪魔だったか」
「い、いえ、そういうわけじゃ。けっして、やましいことはしてません‼」
俺何を口走ってんだ?
「あー そっか、やべえ、あとで翠に怒られるかも」
流さんはボリボリと頭を掻いていた。
「流さん、何をお手伝いしましょうか」
「あぁ、そうそう、お前達も肝試しに参加してくれないか」
「肝試しですか。お任せください。仏の子のためなら、やんやこらですよ」
「仏の子? あぁエンジェルズのことか」
「そうです。あの坊や……樹くんはお化けを呼んでしまいそうなので、夜の墓地は少し心配です。なので僕が参りましょう」
「やっぱりそうか。小森風太しかと頼んだぞ。今日の肝試しは夏休みの楽しい思い出にしてやりたいんだ」
「了解です! 菅野くん行きましょう」
「お、おう」
うぉぉ……どうやら今日も寸止め劇場らしい。
宗吾さんが純真な葉山相手に、寸止め劇場を1年間も繰り広げたとは聞いたが、俺もそうなりそうだ。
だが仏の子のためなら、えんやこら。
俺にも御利益ありますように!
****
お寺のお庭にはあかりがなくて真っくらでちょっとこわいなぁ。
ボクはいっくんとしっかり手をつないで、ドキドキ歩いているよ。
いつもならお兄ちゃんに手をつないでもらうけど、今日はボクがお兄ちゃんだ!
がんばらないと!
「めーくん、くらくてよくみえないよ。こわいよぅ」
「そうだね。あれあれ、道が分からなくなっちゃった」
「あっち、いく!」
いっくんが手を離してかけ出そうとしたので、ボクはギュッとにぎってひきとめたよ。だって危ないもん。お兄ちゃんにたのまれたもん。
「いっくん、落ち着いて。あっちにはなにもないよ」
「でもぉ、なにかひかっているよ。いっくんきてってよんでるよ」
「え? だめだよ。いっちゃ、だめ!」
「でも、おいでおいで、いっくんほちいって、いってるよ」
「えぇ?」
いっくんが行こうとする方向に、オレンジ色の光りがぼうっと灯っているようにみえた。
あれ……なんだろう! こわい!
キャーって悲鳴をあげようとしたら、突然、ボクたちの前にこもりんくんが登場したよ。
「ぼうやたち、あっちはだめだ。こっちだよ」
「こもりんくんだー」
「ぼくたちも肝試し中なんです」
「こわかったよ」
「もう大丈夫。一緒にまわりましょう」
まっくらだけど、こもりんくんもきてくれたので、少しこわくなくなったよ。
「おばけさん、どこ? またくるかな」
「こわいね」
「大丈夫ですよー 僕がいますからね」
なんて言ってたのに、しげみからひょこっとあらわれたおばけに、こもりんくんが
「キャー♡」
って、悲鳴をあげたの。
あれれ? もしかして、こわいんじゃなくて、うれしいのかな?
「きゃー♡ なんと、みたらしおばけですよ。おいしそうです。あーん」
「わっ、よせっ! 涎を垂らすな。お、おい、食べるなー へんなとこさわるなー!」
あれれ? みたらしおばけの声って親分とにてるのは、気のせいかな?
「あぁん~ おばけさーん、まってくださいよぅ。じゅるるー」
「ギャー 人に食われるー!」
あれれ、どっちがおばけだったのかな?
えへへ、きもだめしって楽しいね。
ワクワクしてきたよ。
「めーくん、なんかたのしいね」
「うん! たのしくなってきたね。いっくん、ボクたちは先に進もう!」
「あい! いっくんね、めーくんとはなれないよ。めーくんとずっといっしょにいる」
今年は姉貴の閃きで由比ヶ浜海水浴場に甘味処『かんのや』を出店することになり、売り子を任された。
甘味処と聞いて「風太も一緒に店番をしないか。あんこ食べ放題付きだぞ」と誘うと、お盆時期にも関わらず、住職から休暇をもらえた。
「風太、今日は文化祭の模擬店気分で楽しかったな」
「はい、僕もそんな気分でしたよ。あとあとビーチボールも楽しかったですねぇ」
「あぁ、そうだな」
海水浴場で高校の同級生の青山と白石と偶然会えて、休み時間には一緒に遊べた。
病弱な白石は高校になっても病欠が多く、学生らしい日々を謳歌出来なかったことを知っている。そして中学までしか学生生活を送らなかった風太も同じだ。
今日は二人とも童心に返り無邪気にはしゃいでいた。
風太の笑顔、夏の日差しより眩しかったよ。白石もあんなに明るく笑うんだな。
それは昼の話で、夜は……
なんと俺は今、月影寺の風太の部屋で特別なマッサージを受けている。
疲れた身体を、風太が甲斐甲斐しくマッサージしてくれるので、気持ち良くて眠ってしまいそうだ。いや眠ろうとすると妙なツボにはまり下半身が疼くので困っている。
ううう、青山が真っ赤な顔でレインコートを羽織って蹲った気持ちが痛い程分かるぞ。
「かんのくーん、どうですか。マッサージの効き目は」
「うう、絶妙過ぎる……風太はテクニシャンだな」
「おぉ! そんな褒め言葉を頂戴するとは嬉しいですよ~ 想くんの丁寧な手解きをしっかり受けたので、自信があります」
「白石の教え方は丁寧で分かりやすかったな。そうだ風太にもしてやるよ」
「えっ! でもでも僕は精悍《せいかん》じゃないですよ。ただの、あんこですよぅ」
「あー もう風太はいちいち可愛いなぁ。あんこが好きな風太が好きだ」
風太の首筋に顔を埋めて匂いを嗅いだ。1日中あんこまみれだったので、甘くて美味しそうだ。
ペロッと首筋を舐めると、「わぁ」と目を見開き驚いた声を出す。
そのまま耳朶までペロペロ舐めると、風太の声が甘さを孕んでくる。
「あっ、あっ……」
お? もしかして感じているのか!
「キスしてもいいか」
「ちゅうですね、はい!」
そのまま唇をしっかり重ね、緊張している風太を抱き締めて、柔らかい薄い色素の髪を手で梳いてやる。更にキスを深めて、口腔内で舌を絡めてみた。
「あ……んっ、んっ」
「気持ちいいか」
「とろん……とろん、とろけますぅ」
「もっとしていいか」
「はい……菅野くぅん……大好きです」
おぉ! いいムードだぞ~!
風太を仰向けに寝かし跨ぐように覆い被さって、腰を抱き締めた。
「風太……なぁ、俺たち流石にそろそろ次のステップに進まないか」
「菅野くん、次はどうしたら? 僕もしたいです」
「いいのか!」
「はい、もちろんです」
風太も顔を真っ赤にして、同意してくれた!
「怖くないか」
「いいえ、管野くんについていきます。あぁ……僕もいよいよ大人の階段をのぼるのですね。目指せ! 丈さんと洋さんのような妖艶な色気ですよ」
おいおい、それはハードルが高いよ。
彼らは年季が入っているんだぞ。
でも俺たちも今日こそは……
ゴックンと喉が派手に鳴った。
その時、カランコロンと下駄の音が近づいてきた。
げげっ、猛烈に嫌な予感!
「おーい、今から肝試しをするから、お二人さんも手伝ってくれないかー」
流さんだ!
しかも遠慮なしにガラッと窓を開けられたので「ひぇ‼」っと、風太から1メートルも飛び退いてしまった。
「お? おぅ……あれ? もしかして俺、邪魔だったか」
「い、いえ、そういうわけじゃ。けっして、やましいことはしてません‼」
俺何を口走ってんだ?
「あー そっか、やべえ、あとで翠に怒られるかも」
流さんはボリボリと頭を掻いていた。
「流さん、何をお手伝いしましょうか」
「あぁ、そうそう、お前達も肝試しに参加してくれないか」
「肝試しですか。お任せください。仏の子のためなら、やんやこらですよ」
「仏の子? あぁエンジェルズのことか」
「そうです。あの坊や……樹くんはお化けを呼んでしまいそうなので、夜の墓地は少し心配です。なので僕が参りましょう」
「やっぱりそうか。小森風太しかと頼んだぞ。今日の肝試しは夏休みの楽しい思い出にしてやりたいんだ」
「了解です! 菅野くん行きましょう」
「お、おう」
うぉぉ……どうやら今日も寸止め劇場らしい。
宗吾さんが純真な葉山相手に、寸止め劇場を1年間も繰り広げたとは聞いたが、俺もそうなりそうだ。
だが仏の子のためなら、えんやこら。
俺にも御利益ありますように!
****
お寺のお庭にはあかりがなくて真っくらでちょっとこわいなぁ。
ボクはいっくんとしっかり手をつないで、ドキドキ歩いているよ。
いつもならお兄ちゃんに手をつないでもらうけど、今日はボクがお兄ちゃんだ!
がんばらないと!
「めーくん、くらくてよくみえないよ。こわいよぅ」
「そうだね。あれあれ、道が分からなくなっちゃった」
「あっち、いく!」
いっくんが手を離してかけ出そうとしたので、ボクはギュッとにぎってひきとめたよ。だって危ないもん。お兄ちゃんにたのまれたもん。
「いっくん、落ち着いて。あっちにはなにもないよ」
「でもぉ、なにかひかっているよ。いっくんきてってよんでるよ」
「え? だめだよ。いっちゃ、だめ!」
「でも、おいでおいで、いっくんほちいって、いってるよ」
「えぇ?」
いっくんが行こうとする方向に、オレンジ色の光りがぼうっと灯っているようにみえた。
あれ……なんだろう! こわい!
キャーって悲鳴をあげようとしたら、突然、ボクたちの前にこもりんくんが登場したよ。
「ぼうやたち、あっちはだめだ。こっちだよ」
「こもりんくんだー」
「ぼくたちも肝試し中なんです」
「こわかったよ」
「もう大丈夫。一緒にまわりましょう」
まっくらだけど、こもりんくんもきてくれたので、少しこわくなくなったよ。
「おばけさん、どこ? またくるかな」
「こわいね」
「大丈夫ですよー 僕がいますからね」
なんて言ってたのに、しげみからひょこっとあらわれたおばけに、こもりんくんが
「キャー♡」
って、悲鳴をあげたの。
あれれ? もしかして、こわいんじゃなくて、うれしいのかな?
「きゃー♡ なんと、みたらしおばけですよ。おいしそうです。あーん」
「わっ、よせっ! 涎を垂らすな。お、おい、食べるなー へんなとこさわるなー!」
あれれ? みたらしおばけの声って親分とにてるのは、気のせいかな?
「あぁん~ おばけさーん、まってくださいよぅ。じゅるるー」
「ギャー 人に食われるー!」
あれれ、どっちがおばけだったのかな?
えへへ、きもだめしって楽しいね。
ワクワクしてきたよ。
「めーくん、なんかたのしいね」
「うん! たのしくなってきたね。いっくん、ボクたちは先に進もう!」
「あい! いっくんね、めーくんとはなれないよ。めーくんとずっといっしょにいる」
11
お気に入りに追加
832
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
『別れても好きな人』
設樂理沙
ライト文芸
大好きな夫から好きな女性ができたから別れて欲しいと言われ、離婚した。
夫の想い人はとても美しく、自分など到底敵わないと思ったから。
ほんとうは別れたくなどなかった。
この先もずっと夫と一緒にいたかった……だけど世の中には
どうしようもないことがあるのだ。
自分で選択できないことがある。
悲しいけれど……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
登場人物紹介
戸田貴理子 40才
戸田正義 44才
青木誠二 28才
嘉島優子 33才
小田聖也 35才
2024.4.11 ―― プロット作成日
💛イラストはAI生成自作画像
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる