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小学生編

Brand New Day 1

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「んっ、あぁっ」
「どうだ?」
「いいです、すごく……っ、あぁ……もう駄目、もう駄目です」

 白薔薇フェスタを無事終えた僕は、その晩、長い時間をかけて、宗吾さんに抱かれた。
 
 意識が飛んでしまいそうになると宗吾さんに背後から激しく突かるので、また感じ出して、もうグズグズだ。

 気持ち良すぎておかしくなりそうだ。

 今日は身体はとても疲れていたが、お互いに望んでいた。

 だから止まらない。
 
 腰を掴まれ、しどけない姿で揺さぶられている。

「はぁっ、はぁ――」 
「くっ」
「あぁ……っ」
 
 宗吾さんが放ったものが蕾から溢れ出し、内股を濡らしていく。

 こんなに本格的に抱かれるのは久しぶりだ。

「瑞樹のここ、辛そうだ」
「あ、今触れたら……駄目、もう無理、もう出ないです」
「まだ出そうだ」
「あっ……くっ」

 宗吾さんの手で揉み込まれて、悶えながらシーツにポタポタと精を放ってしまった。

「最後まで出そうな」

 最後の1滴まで絞り出された。

 いよいよ腰が抜けてしまいシーツに俯せに崩れ落ちると、今度はごろんと仰向けにされた。

「あっ……」

 太股を掴まれ、左右に大きく開かれる。

 何もかもさらけ出す姿に、今更ながら羞恥心で一杯だ。

「見ないで下さい……そんなに」
「瑞樹、可愛いよ。本当に君は可愛い」
「あぁ……んっ、んっ」

 僕のものを綺麗に舐めて、宗吾さんが嬉しそうに笑った。

「美味しい」
「そんなとこ……美味しくなんか……ないです。もうっ」
「ははっ、膨れっ面もいいな。なぁ、もっといろんな表情を見せてくれよ。喜怒哀楽、感情を動かすって、生きているからこそ出来ることだろう」

 今日初めて宗吾さんに見せた悔しさ。

 それすらも愛おしいと言ってくれる宗吾さん。

 生きているから出来ることという言葉が胸に響く。

「宗吾さん、宗吾さん、大好きです」
「俺も好きだ。瑞樹の顔も身体も……何より心が大好きだ。人としてとても可愛いんだ」
「宗吾さん……僕もあなたの全てが好きです」

 ぎゅっと腕を回してしがみつくと、重なっていた下半身に兆しを感じた。

「おお! 俺のまた元気になった」
「くすっ、はい、そのようですね」
「余裕だな、瑞樹……君のも同じだぞ」
「あっ……」

 僕たちは久しぶりに思う存分、お互いの身体を味わった。

 これは愛し合っていれば自然に満ちてくる欲求だ。

 だから僕も心のままに彼を求め、夜更け過ぎまで、愛を重ね合った。

 
*****

 朝一番にシャワーを浴び、すぐにシーツを捲って洗濯機を回して、部屋の換気もしっかりした。

 瑞樹は最後は意識を飛ばすように眠ってしまった。

 だから俺が蒸しタオルで清め自室に部屋に運んでやったので、まだぐっすり眠っている。

 はぁ、羽目を外し過ぎたか。

 昨日は久しぶりに、思う存分瑞樹を抱いた。

 芽生は誕生日会ではしゃいだせいか、ぐっすり眠っていたから。

 薔薇フェスタの準備でここ暫く時間がなかったし、この一週間は実家暮らしだったので、圧倒的に瑞樹不足だった。

「おはよう、芽生」
「あれれ、もう朝なの? ボク、どうやって帰ってきたの?」
「芽生はおばあちゃんちで遊び疲れてバタンキューだったぞ」
「バタンキュー?」
「死語か? 寝落ちたってこと」
「そっか、パパがおんぶしてくれたの?」
「そうだよ。だいぶ重たくなったな」
「だってもう9歳だもん!」

 芽生はぴょんっとベッドから飛び下りて、子供部屋から俺の寝室に走っていった。

 瑞樹を探しているようだ。

「お兄ちゃーん、おはよう! どこ?」
「瑞樹は疲れているから、まだ自分の部屋で寝ているんだ。もう少し寝かしてやろう」
「そっか、疲れているんだね」
「まぁな、瑞樹は人前で話すのは、けっして得意じゃないからな気疲れもしただろう」
「お兄ちゃん、すごく、がんばっていたよね」

 少し息子と語りたくなった。
 
 俺の大好きな人を、息子も深く理解し寄り添ってくれる。

 同性同士ということも乗り越え、素直に瑞樹が好きだと慕ってくれる息子が誇らしい。

 芽生がベッドに腰掛けたので、俺も横に座った。

 二人で並んで座ると、俺たちはよく似た親子だと改めて思う。

 利発そうなクリクリの目、少し硬い黒髪。

 元気溌剌、明るくポジティブな芽生は、俺の子供時代を彷彿する。

「芽生もありがとうな。昨日はすごくかっこ良かったぞ。瑞樹が帰宅前に泣いてしまったことどうして分かったんだ?」
「だって……お兄ちゃんの目がいつもよりうるうるしていたんだ」
「よく見ているんだな。それにしてもクリームも驚いたよ」
「えへへ、おばあちゃんのうりうりだよ~」
「ははっ、また、それか!」
「パパ、あのね……昨日ボクが言ったことは、本当のきもちだよ。旅行はもちろん楽しいけど、パパとお兄ちゃんといっしょにいるだけでも……しあわせなんだ。パパがお兄ちゃんと出会ってくれてうれしいんだよ」

 芽生……

 たった9歳で、もう『幸せな存在』を知っているのか。

 俺なんて気づくのに何十年もかかったのに……

 芽生の優しさは瑞樹譲りだ。

 俺たちの子だ。

 芽生はもう立派な俺たちの子だ。

「パパぁ、朝からシーツまであらったの?」
「あ、あぁ、1週間いなかったらな」
「ふぅん、そろそろベッドの下もお掃除しないと、お兄ちゃんの雷が落ちちゃうよ~」
「わ! よせ! 覗くな」
「クシュン! わぁ ほこりさんがいっぱい」
「はははっ、コイツ~ こちょこちょの刑だ」
「パパこそこちょこちょだよ~」

 ベッドの上で芽生とじゃれ合っていると、瑞樹が起きてきた。

 寝起きのぼんやりした顔も可愛い。

 こんな可愛い子と暮らしているなんて、俺は幸せもんだ。

「おはようございます。あの、すみません、寝坊して」
「もう起きて大丈夫か」
「あ、はい。シャワーを浴びてきますね」
「おぅ!」

 ****

 幸せの余韻に浸りながら、シャワーを浴びた。

 昨日の悔しさはもう欠片も残ってなかった。

 また挑戦できる楽しみが生まれた。
 
 僕の人生はまだまだ続くのだから、また挑戦すればいい。

 悔しさも糧に、もっと良い作品を生み出せるように努力しよう。

 そう思うと、ぐっと心が軽くなった。

 それに芽生くんからもらった「ただ一緒にいるだけで充分幸せ」と言う言葉と、宗吾さんに愛し抜かれたお陰で、僕の心のエネルギーは満タンになっていた。

 また今日から1日1日を大切に、丁寧に生きていこう。

 鏡の向こうの僕は、幸せそうに微笑んでいた。

 

 
 
 
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