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小学生編
新緑の輝き 21
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もうすぐ、もうすぐ、宗吾さんの実家に到着する。
僕は心の中で、芽生くんに呼びかけた。
芽生くん、君にたった一晩会わないだけで恋しくなってしまったよ。
芽生くんの存在が、本当に大切なんだ。
芽生くんのことが、大好きだよ。
言葉にして伝えたいことが、どんどん溢れてくる。
「瑞樹、もうすぐ着くぞ」
「はい」
「なぁ瑞樹、芽生の笑顔は俺たちの元気の源だから早く会いたいな!」
「はい!」
宗吾さんも同じ気持ちなんだ。
それが嬉しくて、くすぐったくて、今日も幸せだと実感する。
宗吾さんのご実家の門を潜ると、いつもの習慣で立ち止まってしまう。
こじんまりとしているがよく手入れされた日本庭園が広がっている。
都心の一軒家で、庭があるのは珍しい。
ほとんどが3階建てで、庭部分はガレージになっているから。
ここは僕も手入れを時折手伝う、お母さんの大切な庭だ。
宗吾さんのお母さんは『緑の手』を持っているので、植物を育てるのが本当に上手だ。緑の手を持つ人は、植物と話ができる人だ。だからなのか、お母さんは僕の気持ちをいつも本当によく汲み取ってくれる。
庭をぐるりと見渡すと、奥の花壇に蹲る小さな男の子を見つけた。
あれは芽生くんだ!
芽生くんは、僕にすぐに気付き、お日様のような明るい笑顔を放ってくれた。
「お兄ちゃん、おはよう!」
あぁ……芽生くんが病気で入院していた時、ずっと、この笑顔が恋しかった。
「おはよう、芽生くん」
「お兄ちゃんも早起きしちゃったの?」
「うん。芽生くんに会いたくてね」
素直な気持ちを伝えよう。
今日この瞬間は、人生に一度きり。
後悔のないように、伝えたい言葉は惜しまない。
「えへへ、ボクもだよ。早くおきたら早く会えるかなって思ったんだ」
「芽生くんっ」
ぎゅっ――
嬉しくて小さな温もりを抱きしめると、日だまりの匂いが立ちこめた。
「お水を撒いていたの?」
「うん、お家でいつもしているお手伝いだから、むずかしくなかったよ」
「うんうん、偉かったね」
「あのね、あのね」
芽生くんが小さな手で僕を引っ張る。
「花だんに新しい芽がいっぱいなの」
「本当だね。あちこち双葉が出てきているね」
「これは何になるのかな。こっちと少し葉っぱの色と形が違うの」
「あぁ、これは向日葵で、こっちは朝顔だよ。ほら、去年芽生くんがおばあちゃんに種をプレゼントしたの覚えている?」
「うん! わぁ~ 本当に種から芽が出たんだね」
「そうだよ。こうやってまたスクスク成長していくんだ」
芽生くんと仲良く並んで双葉を見つめていると、縁側から声をかけられた。
「瑞樹、おはよう!」
「瑞樹、おはよう!」
重なる二つの声は、お母さんと憲吾さんだった。
「あっ、お母さん、お兄さん、おはようございます」
「朝から会えてうれしいわ」
「瑞樹、会いたかったよ」
わわ、憲吾さんからストレートな言葉が届くので、照れてしまった。
すごく、嬉しい!
「あの……僕もです」
居間で芽生くんに着替えを渡し、ランドセルの中身を入れ換えるお手伝いをした。
「ずいぶん早く来たのね」
「実は……母さんと兄さんに折り入って頼みがあって」
「なあに?」
宗吾さんが改まった声を出す。
「その前に芽生、パパたちの話を聞いてくれるか」
「なあに?」
ゴールデンウィークの間、宗吾さんと僕が同じイベントに携わることになり休みがなくなってしまったこと。
だから学校がお休みなのに、どこにも連れて行ってあげられないこと。芽生くんを一人にさせてしまう旨を、丁寧に噛み砕いて伝えた。
「そっか~ うん、分かった。ボク、ちゃんとおるすばんするよ」
「芽生、そうだわ。おばあちゃんのお家にいらっしゃいよ」
「うん、そうだね……そうしようかな」
あぁ、やっぱり――
明らかに寂しそうな様子だ。
それもそうだよね。
GW期間中、宗吾さんの仕事は分かっていたので、その分僕といろいろ出掛けようと約束していたのに。
「芽生くん、本当にごめんね」
「ううん、だってお仕事だもん」
「……」
なんとなく場が沈むと憲吾さんが力強い声で、提案してくれた。
「宗吾と瑞樹が同じ職場で働けるのは貴重なんだろう? 頑張ってこい。私はカレンダー通りで休みだから芽生を任せて欲しい。実はGW期間はいろいろ出掛ける予定だったが厳しそうなんだ。だから芽生と過ごせるのは嬉しいよ。芽生、おじさんも実は寂しいから、一緒に過ごしてくれないか」
「え……おじさんもさみしいの? そっか、ボクだけじゃないんだね」
「そうなんだ。芽生に話した通り、美智が……」
芽生くんの機嫌は上向いたが、憲吾さんの話の内容がとても気になる。
何かあったのかな?
ゴールデンウィークの外出の予定が駄目になるほど重大なことが。
まさか、何か良くないことでは?
心配になって宗吾さんと顔を見合わせていると、パジャマにカーディガンを羽織った美智さんが居間にやってきた。
えっ、美智さん、あきらかに顔色が悪い。
まさか何か悪い病気なのか。
芽生くんのことがあるので、胸が潰れるほど緊張した。
「憲吾さん、昨日はごめんなさい」
「美智! 起きてきていいのか。無理はするな。昨日はかなり辛そうだったぞ」
「でも、せっかく芽生くんが来てくれているのだから、顔くらい見せたいわ」
もう黙っていられない。
思わず身を乗り出して、質問してしまった。
すると隣の宗吾さんも同じ質問をした。
「あ、あの、一体どうされたのですか。美智さん、どこか悪いのですか」
「あ、宗吾さん、瑞樹くん、こんな格好でごめんなさい。そうよね。心配かけちゃうわよね。あのね……実は……ねっ、憲吾さん」
「あぁ、そうなんだ」
そこで宗吾さんがポンと膝を打った。
「もしかして、ご懐妊ですか」
「察しがいいな。実はそうなんだ。昨日分かったばかりで……あー コホン、美智が二人目を授かった」
憲吾さんが照れ臭そうに眼鏡をフレームを指で掴んで上下させ、美智さんはそんな憲吾さんを見て、優しく微笑んだ。
「そういう理由で、つわりが酷くて寝込んでいて、芽生くんの相手を出来なくてごめんね。せっかくのゴールデンウィークも私がこんな調子だから、憲吾さんと彩芽を芽生くんにお願いしてもいかしら? 二人ともさみしがりやで……あと芽生くんが大好きなの」
美智さんの言葉に、芽生くんの目がどんどん輝き出す。
やっぱり人には『役目』があるといいんだね。
生き生きしてくるね。
「ボク、あーちゃんといっぱい遊ぶよ。おじさんとも遊ぶよ」
「芽生、本当か! 一緒に宗吾と瑞樹の薔薇のイベントにも遊びに行こう。どうだ?」
「わぁ! パパとお兄ちゃんがお仕事をしている所をみられるの?」
「そうだ」
「やったー! やったー! 行くー」
「あと、おじさんと男同士で野球観戦に行かないか」
「どこまで?」
「東京ドリームだよ」
「え! すごい! 行ってみたかったよ」
芽生くんと憲吾さんが盛り上がるのを見て、僕たちはほっとを撫で下ろした。
「瑞樹、宗吾、というわけで仕事に打ち込んで来い。芽生はここに泊まるといい。だから二人もGWは、ここで過ごすといい」
「そうしなさいよ。お父さんのお部屋をあなたたちのお部屋に改造したのよ」
「でも……悪いです」
「そんなことないわ。芽生だってその方が嬉しいし、あたたたちも家事の時間を芽生と遊ぶ時間にあてられるわ」
お母さんと憲吾さんの嬉しい申し出が、有り難かった。
無理はしない。
意地は張らない。
甘えられる時は甘える。
宗吾さんと芽生くんと過ごした3年間で学んだことだ。
素直になろう、心を大きく開いて――
「宜しくお願いします」
「母さん、兄さん、ありがとう」
「よろしくおねがいします」
間もなくゴールデンウィーク。
新緑の輝きが一層増す季節の到来だ。
僕たちも新緑のようにキラキラ輝こう!
生き生きしていると、いい風が吹いてくる。
風通しが良いと、幸せが舞い込んでくるから。
『新緑の輝き』 了
僕は心の中で、芽生くんに呼びかけた。
芽生くん、君にたった一晩会わないだけで恋しくなってしまったよ。
芽生くんの存在が、本当に大切なんだ。
芽生くんのことが、大好きだよ。
言葉にして伝えたいことが、どんどん溢れてくる。
「瑞樹、もうすぐ着くぞ」
「はい」
「なぁ瑞樹、芽生の笑顔は俺たちの元気の源だから早く会いたいな!」
「はい!」
宗吾さんも同じ気持ちなんだ。
それが嬉しくて、くすぐったくて、今日も幸せだと実感する。
宗吾さんのご実家の門を潜ると、いつもの習慣で立ち止まってしまう。
こじんまりとしているがよく手入れされた日本庭園が広がっている。
都心の一軒家で、庭があるのは珍しい。
ほとんどが3階建てで、庭部分はガレージになっているから。
ここは僕も手入れを時折手伝う、お母さんの大切な庭だ。
宗吾さんのお母さんは『緑の手』を持っているので、植物を育てるのが本当に上手だ。緑の手を持つ人は、植物と話ができる人だ。だからなのか、お母さんは僕の気持ちをいつも本当によく汲み取ってくれる。
庭をぐるりと見渡すと、奥の花壇に蹲る小さな男の子を見つけた。
あれは芽生くんだ!
芽生くんは、僕にすぐに気付き、お日様のような明るい笑顔を放ってくれた。
「お兄ちゃん、おはよう!」
あぁ……芽生くんが病気で入院していた時、ずっと、この笑顔が恋しかった。
「おはよう、芽生くん」
「お兄ちゃんも早起きしちゃったの?」
「うん。芽生くんに会いたくてね」
素直な気持ちを伝えよう。
今日この瞬間は、人生に一度きり。
後悔のないように、伝えたい言葉は惜しまない。
「えへへ、ボクもだよ。早くおきたら早く会えるかなって思ったんだ」
「芽生くんっ」
ぎゅっ――
嬉しくて小さな温もりを抱きしめると、日だまりの匂いが立ちこめた。
「お水を撒いていたの?」
「うん、お家でいつもしているお手伝いだから、むずかしくなかったよ」
「うんうん、偉かったね」
「あのね、あのね」
芽生くんが小さな手で僕を引っ張る。
「花だんに新しい芽がいっぱいなの」
「本当だね。あちこち双葉が出てきているね」
「これは何になるのかな。こっちと少し葉っぱの色と形が違うの」
「あぁ、これは向日葵で、こっちは朝顔だよ。ほら、去年芽生くんがおばあちゃんに種をプレゼントしたの覚えている?」
「うん! わぁ~ 本当に種から芽が出たんだね」
「そうだよ。こうやってまたスクスク成長していくんだ」
芽生くんと仲良く並んで双葉を見つめていると、縁側から声をかけられた。
「瑞樹、おはよう!」
「瑞樹、おはよう!」
重なる二つの声は、お母さんと憲吾さんだった。
「あっ、お母さん、お兄さん、おはようございます」
「朝から会えてうれしいわ」
「瑞樹、会いたかったよ」
わわ、憲吾さんからストレートな言葉が届くので、照れてしまった。
すごく、嬉しい!
「あの……僕もです」
居間で芽生くんに着替えを渡し、ランドセルの中身を入れ換えるお手伝いをした。
「ずいぶん早く来たのね」
「実は……母さんと兄さんに折り入って頼みがあって」
「なあに?」
宗吾さんが改まった声を出す。
「その前に芽生、パパたちの話を聞いてくれるか」
「なあに?」
ゴールデンウィークの間、宗吾さんと僕が同じイベントに携わることになり休みがなくなってしまったこと。
だから学校がお休みなのに、どこにも連れて行ってあげられないこと。芽生くんを一人にさせてしまう旨を、丁寧に噛み砕いて伝えた。
「そっか~ うん、分かった。ボク、ちゃんとおるすばんするよ」
「芽生、そうだわ。おばあちゃんのお家にいらっしゃいよ」
「うん、そうだね……そうしようかな」
あぁ、やっぱり――
明らかに寂しそうな様子だ。
それもそうだよね。
GW期間中、宗吾さんの仕事は分かっていたので、その分僕といろいろ出掛けようと約束していたのに。
「芽生くん、本当にごめんね」
「ううん、だってお仕事だもん」
「……」
なんとなく場が沈むと憲吾さんが力強い声で、提案してくれた。
「宗吾と瑞樹が同じ職場で働けるのは貴重なんだろう? 頑張ってこい。私はカレンダー通りで休みだから芽生を任せて欲しい。実はGW期間はいろいろ出掛ける予定だったが厳しそうなんだ。だから芽生と過ごせるのは嬉しいよ。芽生、おじさんも実は寂しいから、一緒に過ごしてくれないか」
「え……おじさんもさみしいの? そっか、ボクだけじゃないんだね」
「そうなんだ。芽生に話した通り、美智が……」
芽生くんの機嫌は上向いたが、憲吾さんの話の内容がとても気になる。
何かあったのかな?
ゴールデンウィークの外出の予定が駄目になるほど重大なことが。
まさか、何か良くないことでは?
心配になって宗吾さんと顔を見合わせていると、パジャマにカーディガンを羽織った美智さんが居間にやってきた。
えっ、美智さん、あきらかに顔色が悪い。
まさか何か悪い病気なのか。
芽生くんのことがあるので、胸が潰れるほど緊張した。
「憲吾さん、昨日はごめんなさい」
「美智! 起きてきていいのか。無理はするな。昨日はかなり辛そうだったぞ」
「でも、せっかく芽生くんが来てくれているのだから、顔くらい見せたいわ」
もう黙っていられない。
思わず身を乗り出して、質問してしまった。
すると隣の宗吾さんも同じ質問をした。
「あ、あの、一体どうされたのですか。美智さん、どこか悪いのですか」
「あ、宗吾さん、瑞樹くん、こんな格好でごめんなさい。そうよね。心配かけちゃうわよね。あのね……実は……ねっ、憲吾さん」
「あぁ、そうなんだ」
そこで宗吾さんがポンと膝を打った。
「もしかして、ご懐妊ですか」
「察しがいいな。実はそうなんだ。昨日分かったばかりで……あー コホン、美智が二人目を授かった」
憲吾さんが照れ臭そうに眼鏡をフレームを指で掴んで上下させ、美智さんはそんな憲吾さんを見て、優しく微笑んだ。
「そういう理由で、つわりが酷くて寝込んでいて、芽生くんの相手を出来なくてごめんね。せっかくのゴールデンウィークも私がこんな調子だから、憲吾さんと彩芽を芽生くんにお願いしてもいかしら? 二人ともさみしがりやで……あと芽生くんが大好きなの」
美智さんの言葉に、芽生くんの目がどんどん輝き出す。
やっぱり人には『役目』があるといいんだね。
生き生きしてくるね。
「ボク、あーちゃんといっぱい遊ぶよ。おじさんとも遊ぶよ」
「芽生、本当か! 一緒に宗吾と瑞樹の薔薇のイベントにも遊びに行こう。どうだ?」
「わぁ! パパとお兄ちゃんがお仕事をしている所をみられるの?」
「そうだ」
「やったー! やったー! 行くー」
「あと、おじさんと男同士で野球観戦に行かないか」
「どこまで?」
「東京ドリームだよ」
「え! すごい! 行ってみたかったよ」
芽生くんと憲吾さんが盛り上がるのを見て、僕たちはほっとを撫で下ろした。
「瑞樹、宗吾、というわけで仕事に打ち込んで来い。芽生はここに泊まるといい。だから二人もGWは、ここで過ごすといい」
「そうしなさいよ。お父さんのお部屋をあなたたちのお部屋に改造したのよ」
「でも……悪いです」
「そんなことないわ。芽生だってその方が嬉しいし、あたたたちも家事の時間を芽生と遊ぶ時間にあてられるわ」
お母さんと憲吾さんの嬉しい申し出が、有り難かった。
無理はしない。
意地は張らない。
甘えられる時は甘える。
宗吾さんと芽生くんと過ごした3年間で学んだことだ。
素直になろう、心を大きく開いて――
「宜しくお願いします」
「母さん、兄さん、ありがとう」
「よろしくおねがいします」
間もなくゴールデンウィーク。
新緑の輝きが一層増す季節の到来だ。
僕たちも新緑のようにキラキラ輝こう!
生き生きしていると、いい風が吹いてくる。
風通しが良いと、幸せが舞い込んでくるから。
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