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小学生編
新緑の輝き 17
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潤からの返事は、すぐに届いた。
オーナーが、『柊雪』を『エンジェルズ・ガーデン』に喜んで迎えたいと即答してくれたそうだ。
潤の嬉しそうな様子や返事の早さからも、潤がどれだけオーナーに信頼され大切にされているのかが伝わってきた。
庭師という職業は、高校を卒業してあてもなく工事現場を渡り歩いていた潤がようやく見つけた天職だ。潤は去年ローズガーデンで菫さんといっくんと出逢い、結婚式を挙げ、もうすぐ二人の子供の父となる。
弟はもう大丈夫。このまま軽井沢に安住し、温かい家庭を築いていくだろう。
兄として嬉しいし、全面的に応援したい。
僕もこれからは今日のように潤を頼り、潤も僕を頼ってくれる。
兄弟が歩み寄る。
それは僕がずっと抱いていた夢だ。
それが叶ったことが、嬉しくて嬉しくて。
「葉山さん、弱った『柊雪』はここから羽ばたき、海里先生と柊一さんが好きだった軽井沢で息を吹き返すようだな」
「はい、テツさん。僕の弟を信頼していただけると嬉しいです。僕も全力でサポ-トします」
「よろしく頼みます。葉山さんの名刺をいただいても」
「もちろんです」
名刺のやりとりをしていると、拍手が聞こえた。
「縁は縁と結びつくものよ。縁を大切にした人には新しい良い縁が巡ってくるのよ」
いつの間にか、雪也さんと白江さんが後ろに立っていた。
更に、宗吾さんも穏やかな目で、僕を見つめていた。
「こちらこそ宜しくお願いします。弟と一緒に大切な『柊雪』を預からせていただきます」
「やっぱりあなたでよかった。ご苦労さまです」
白江さんに労いの言葉をかけられ、雪也さんからは糧となる言葉を贈られた。
「君だから任せるんだよ。薔薇フェスティバルの方も頼んだよ」
「はい!」
その日は夕方まで打ち合わせが長引いた。
イベントはもう来週なので大詰めだ。
区を上げての大がかりなイベントになる。
しっかり気を引き締めよう!
結局『カフェ&レストラン月湖』を後にしたのは、18時半過ぎだった。
「瑞樹、すっかり遅くなったな」
「えぇ、もうこんな時間です。芽生くんを急いで迎えに行かないと」
薄暗い道を走り出そうとすると、優しく引き止められた。
「大丈夫だ。実は君が『柊雪』の相談にのっている間に実家に電話しておいたよ。今日は遅くなる気がしてな。そうしたら直帰した兄さんが張り切って迎えに行って、実家で晩飯を食わせてくれるってさ」
流石宗吾さん、いつも段取り上手で感心してしまう。
「そうだったのですね。良かったです。芽生くんを放課後スクールに19時まで待機させるのは可哀想ですから」
「芽生はいつも帰り道、腹をグーグー鳴らせるよな」
「えぇ、育ち盛りですから」
そのタイミングで、突然僕のお腹がぐぅーっと大きく鳴ってしまった。
「え?」
「ええっ!」
滅多にお腹なんて鳴らないのに、このタイミングで鳴るなんて猛烈に恥ずかしい。
「あ、あの……今の、聞かなかった事にして下さい。忘れて下さい」
「お腹が空いているのは君もだな」
「今のは……その、えっと……」
僕は何を言って? あぁもう動揺して支離滅裂だ。
「お、おい! 落ち着けって」
「ううう……恥ずかしいです。いい大人が」
「どうして? 可愛いじゃないか。一生懸命に生きてる証さ!」
宗吾さんはいつも僕が逃げ隠れしたくなる時に、こうやって救い上げてくれる。
だから好きだ。
宗吾さんがいるから、僕は息が出来る。
そう思えるほどに、大好きな人だ。
地下鉄の改札を潜った所で、宗吾さんの足が止まった。
「ちょっと待てよ」
背広のポケットからスマホを取り出したので、電話をかけるようだ。
「もしもし母さん。今終わったよ。芽生は? いい? じゃあ頼んだよ」
ニカッと笑う宗吾さん。
宗吾さんが笑えば、その先は晴れの世界になる。
「瑞樹、行こう!」
「え?」
帰りのラッシュアワーの人混みに紛れて、宗吾さんが僕の手を掴んだ。
「あの、どこへ?」
「デートさ」
「え?」
「芽生、彩芽ちゃんと楽しく遊んで盛り上がっているから、夕食も一緒に食べるって。母さんからのお達しは、瑞樹をデートに誘うことだ」
「えぇ?」
お母さんは、いつもさり気なく僕と宗吾さんに大人の時間を下さる。
「あのさ、デートもいいが、今日はこっちを試してみても?」
「?」
「あーコホン、葉山さん、よかったら親睦を深めるために飲みに行きませんか」
「え?」
どういう意味だろう?
怪訝に思って宗吾さんを見つめると、楽しそうに肩を揺らした。
「瑞樹、これは同僚ごっこだよ。ちょっと付き合え」
「あ、はい!」
地下鉄に乗ってどこへ?
こんなサプライズ、ドキドキする。
終日。仕事を一緒に出来ただけでも幸せなのに。
到着したのは国内を代表するホテル御三家のひとつ『ホテルニューコタニ』だった。
「来たことある?」
「いえ、ここは格式が格段に上なので恐れ多いです」
「んなことないぞ」
宗吾さんが堂々と中に入ったので、慌ててついて行った。
正面玄関には、大がかりな『花月流』の生け花があった。
「わぁ、これはすごいですね。新緑が眩しいです。瑞々しい雨上がりのような雰囲気ですね」
「ここは和のあしらいが上手なのさ」
「勉強になります」
まるで月影寺の流さんが庭の木々を豪快に折って生け込んだような大胆さ。
僕には真似出来ない世界に圧倒されていると、宗吾さんに肩を組まれた。
「人は人、瑞樹は瑞樹だ。自分に自信を持て」
最初、宗吾さんの会社に圧倒されたのもお見通しのようで恥ずかしい。
「そうですね。僕は僕が築き上げてきたものを大切に育てていきます」
今日、潤とのやりとりで学んだことを告げると、宗吾さんが大きく頷いた。
「葉山さん、その調子ですよ」
「滝沢さんに今日はとことん付き合います」
僕も同僚ごっこに付き合うと、宗吾さんもノリノリだ。
「しがないサラリーマンにも、優しい場所があるんですよ。どうぞ」
「あ、はい!」
ホテルは迷路のように入り組んでいて、迷子になりそうだ。
その中を、宗吾さんは勝手知ったる様子でスタスタ歩いて行く。
「ここですよ」
こんなホテルに、こんな大衆的な焼き鳥屋さんがあるなんて。
「ここは拘りの備長炭焼きで、一串のボリュームがあってリーズナブルなんですよ。どうですか」
「いいですね。僕、焼き鳥、好きです」
店内は僕達みたいなサラリーマン同士で混み合っていた。
宗吾さんが手際よく焼き鳥の盛り合わせとビールを頼んでくれた。
腕捲りした宗吾さんの逞しい腕を、夢見心地で見つめていた。
「瑞樹、同僚ごっこはもうお終いか」
「い、いえ」
まずはビールで乾杯。
白い泡を口の周りにつけた宗吾さんが陽気に笑う。
「葉山さんと仕事が出来て嬉しいです。このイベント成功させましょう!」
「僕もです。滝沢さんとまさか仕事が出来るなんて嬉しいです。どうぞ宜しくお願いします」
「ベストを尽くしましょう」
「はい!」
お腹いっぱい食べて、ビールを3杯も飲んで、ほろ酔い気分になってしまった。
普通のサラリーマン同士のようなシチュエーションは楽しかったが、帰り道は宗吾さんに恋人として触れたくなった。
そこにまた電話が鳴る。
宗吾さんが「よろしくお願いします」と電話を切った。
「瑞樹、芽生、このまま実家に泊まりたいってさ。明日の朝、ランドセルと着替えを届けに行こう。兄さんが張り切って相手してくれて、盛り上がっているらしい」
「あ……でも」
「たまにはいいんじゃないか。なぁ、もう同僚ごっこは終わりにしていいか」
今宵は二人きり?
胸の鼓動が一気に高まった。
「は……はい」
「デートしよう! 瑞樹」
「喜んで!」
春の宵――
ほろ酔い気分で歩く道は、恋色に染まっていく。
「何度でも君を好きになるよ」
「僕もです」
玄関に入るなり、耳元で囁かれ、唇を重ねられた。
「あっ……」
とても幸せな1日だった。
この1日は明日に続く幸せだ。
終わりを気にして臆病だった心を解き放ち、宗吾さんの胸に素直に飛び込んだ。
オーナーが、『柊雪』を『エンジェルズ・ガーデン』に喜んで迎えたいと即答してくれたそうだ。
潤の嬉しそうな様子や返事の早さからも、潤がどれだけオーナーに信頼され大切にされているのかが伝わってきた。
庭師という職業は、高校を卒業してあてもなく工事現場を渡り歩いていた潤がようやく見つけた天職だ。潤は去年ローズガーデンで菫さんといっくんと出逢い、結婚式を挙げ、もうすぐ二人の子供の父となる。
弟はもう大丈夫。このまま軽井沢に安住し、温かい家庭を築いていくだろう。
兄として嬉しいし、全面的に応援したい。
僕もこれからは今日のように潤を頼り、潤も僕を頼ってくれる。
兄弟が歩み寄る。
それは僕がずっと抱いていた夢だ。
それが叶ったことが、嬉しくて嬉しくて。
「葉山さん、弱った『柊雪』はここから羽ばたき、海里先生と柊一さんが好きだった軽井沢で息を吹き返すようだな」
「はい、テツさん。僕の弟を信頼していただけると嬉しいです。僕も全力でサポ-トします」
「よろしく頼みます。葉山さんの名刺をいただいても」
「もちろんです」
名刺のやりとりをしていると、拍手が聞こえた。
「縁は縁と結びつくものよ。縁を大切にした人には新しい良い縁が巡ってくるのよ」
いつの間にか、雪也さんと白江さんが後ろに立っていた。
更に、宗吾さんも穏やかな目で、僕を見つめていた。
「こちらこそ宜しくお願いします。弟と一緒に大切な『柊雪』を預からせていただきます」
「やっぱりあなたでよかった。ご苦労さまです」
白江さんに労いの言葉をかけられ、雪也さんからは糧となる言葉を贈られた。
「君だから任せるんだよ。薔薇フェスティバルの方も頼んだよ」
「はい!」
その日は夕方まで打ち合わせが長引いた。
イベントはもう来週なので大詰めだ。
区を上げての大がかりなイベントになる。
しっかり気を引き締めよう!
結局『カフェ&レストラン月湖』を後にしたのは、18時半過ぎだった。
「瑞樹、すっかり遅くなったな」
「えぇ、もうこんな時間です。芽生くんを急いで迎えに行かないと」
薄暗い道を走り出そうとすると、優しく引き止められた。
「大丈夫だ。実は君が『柊雪』の相談にのっている間に実家に電話しておいたよ。今日は遅くなる気がしてな。そうしたら直帰した兄さんが張り切って迎えに行って、実家で晩飯を食わせてくれるってさ」
流石宗吾さん、いつも段取り上手で感心してしまう。
「そうだったのですね。良かったです。芽生くんを放課後スクールに19時まで待機させるのは可哀想ですから」
「芽生はいつも帰り道、腹をグーグー鳴らせるよな」
「えぇ、育ち盛りですから」
そのタイミングで、突然僕のお腹がぐぅーっと大きく鳴ってしまった。
「え?」
「ええっ!」
滅多にお腹なんて鳴らないのに、このタイミングで鳴るなんて猛烈に恥ずかしい。
「あ、あの……今の、聞かなかった事にして下さい。忘れて下さい」
「お腹が空いているのは君もだな」
「今のは……その、えっと……」
僕は何を言って? あぁもう動揺して支離滅裂だ。
「お、おい! 落ち着けって」
「ううう……恥ずかしいです。いい大人が」
「どうして? 可愛いじゃないか。一生懸命に生きてる証さ!」
宗吾さんはいつも僕が逃げ隠れしたくなる時に、こうやって救い上げてくれる。
だから好きだ。
宗吾さんがいるから、僕は息が出来る。
そう思えるほどに、大好きな人だ。
地下鉄の改札を潜った所で、宗吾さんの足が止まった。
「ちょっと待てよ」
背広のポケットからスマホを取り出したので、電話をかけるようだ。
「もしもし母さん。今終わったよ。芽生は? いい? じゃあ頼んだよ」
ニカッと笑う宗吾さん。
宗吾さんが笑えば、その先は晴れの世界になる。
「瑞樹、行こう!」
「え?」
帰りのラッシュアワーの人混みに紛れて、宗吾さんが僕の手を掴んだ。
「あの、どこへ?」
「デートさ」
「え?」
「芽生、彩芽ちゃんと楽しく遊んで盛り上がっているから、夕食も一緒に食べるって。母さんからのお達しは、瑞樹をデートに誘うことだ」
「えぇ?」
お母さんは、いつもさり気なく僕と宗吾さんに大人の時間を下さる。
「あのさ、デートもいいが、今日はこっちを試してみても?」
「?」
「あーコホン、葉山さん、よかったら親睦を深めるために飲みに行きませんか」
「え?」
どういう意味だろう?
怪訝に思って宗吾さんを見つめると、楽しそうに肩を揺らした。
「瑞樹、これは同僚ごっこだよ。ちょっと付き合え」
「あ、はい!」
地下鉄に乗ってどこへ?
こんなサプライズ、ドキドキする。
終日。仕事を一緒に出来ただけでも幸せなのに。
到着したのは国内を代表するホテル御三家のひとつ『ホテルニューコタニ』だった。
「来たことある?」
「いえ、ここは格式が格段に上なので恐れ多いです」
「んなことないぞ」
宗吾さんが堂々と中に入ったので、慌ててついて行った。
正面玄関には、大がかりな『花月流』の生け花があった。
「わぁ、これはすごいですね。新緑が眩しいです。瑞々しい雨上がりのような雰囲気ですね」
「ここは和のあしらいが上手なのさ」
「勉強になります」
まるで月影寺の流さんが庭の木々を豪快に折って生け込んだような大胆さ。
僕には真似出来ない世界に圧倒されていると、宗吾さんに肩を組まれた。
「人は人、瑞樹は瑞樹だ。自分に自信を持て」
最初、宗吾さんの会社に圧倒されたのもお見通しのようで恥ずかしい。
「そうですね。僕は僕が築き上げてきたものを大切に育てていきます」
今日、潤とのやりとりで学んだことを告げると、宗吾さんが大きく頷いた。
「葉山さん、その調子ですよ」
「滝沢さんに今日はとことん付き合います」
僕も同僚ごっこに付き合うと、宗吾さんもノリノリだ。
「しがないサラリーマンにも、優しい場所があるんですよ。どうぞ」
「あ、はい!」
ホテルは迷路のように入り組んでいて、迷子になりそうだ。
その中を、宗吾さんは勝手知ったる様子でスタスタ歩いて行く。
「ここですよ」
こんなホテルに、こんな大衆的な焼き鳥屋さんがあるなんて。
「ここは拘りの備長炭焼きで、一串のボリュームがあってリーズナブルなんですよ。どうですか」
「いいですね。僕、焼き鳥、好きです」
店内は僕達みたいなサラリーマン同士で混み合っていた。
宗吾さんが手際よく焼き鳥の盛り合わせとビールを頼んでくれた。
腕捲りした宗吾さんの逞しい腕を、夢見心地で見つめていた。
「瑞樹、同僚ごっこはもうお終いか」
「い、いえ」
まずはビールで乾杯。
白い泡を口の周りにつけた宗吾さんが陽気に笑う。
「葉山さんと仕事が出来て嬉しいです。このイベント成功させましょう!」
「僕もです。滝沢さんとまさか仕事が出来るなんて嬉しいです。どうぞ宜しくお願いします」
「ベストを尽くしましょう」
「はい!」
お腹いっぱい食べて、ビールを3杯も飲んで、ほろ酔い気分になってしまった。
普通のサラリーマン同士のようなシチュエーションは楽しかったが、帰り道は宗吾さんに恋人として触れたくなった。
そこにまた電話が鳴る。
宗吾さんが「よろしくお願いします」と電話を切った。
「瑞樹、芽生、このまま実家に泊まりたいってさ。明日の朝、ランドセルと着替えを届けに行こう。兄さんが張り切って相手してくれて、盛り上がっているらしい」
「あ……でも」
「たまにはいいんじゃないか。なぁ、もう同僚ごっこは終わりにしていいか」
今宵は二人きり?
胸の鼓動が一気に高まった。
「は……はい」
「デートしよう! 瑞樹」
「喜んで!」
春の宵――
ほろ酔い気分で歩く道は、恋色に染まっていく。
「何度でも君を好きになるよ」
「僕もです」
玄関に入るなり、耳元で囁かれ、唇を重ねられた。
「あっ……」
とても幸せな1日だった。
この1日は明日に続く幸せだ。
終わりを気にして臆病だった心を解き放ち、宗吾さんの胸に素直に飛び込んだ。
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