1,282 / 1,730
小学生編
心をこめて 13
しおりを挟む
コンビニに入ると、ふとソフトクリームが目に留まった。
そう言えば、僕も小さい頃はたまに熱を出して、その都度、お母さんが冷たいアイスやゼリーを食べさせてくれたんだった。
……
「瑞樹、今、キノシタくんが牧場のソフトクリームを持って来てくれたのよ。少し食べられそう?」
「えっ、来てくれたの?」
「そうよ、セイくんも一緒で、心配していたわよ。さぁ溶けちゃうから食べて」
木のスプーンには乳白色のソフトクリームがのっていた。口に含むと舌の上で冷たいミルクのようになって美味しかった。
キノシタの牧場は目と鼻の先で、セイの家はその隣だった。ソフトクリームが溶けないように、二人が走って持ってきてくれた姿が目に浮かんで、嬉しくなった。
友達っていいな。
「ん……おいしい」
「よかったわ。夏樹の風邪、やっぱりもらっちゃったのね」
「ちがうよ。夏樹のせいじゃないよ。ぼくがかってに……ごめんなさい」
「瑞樹は優しいのね。でも病気の時くらい我が儘言って甘えて欲しいわ。あなたは、まだ8歳なんだから」
「……お母さん」
「なぁに? みーくん」
お母さんの手、気持ちいい。夏樹が生まれてからあまり触れなくなってしまったけれども、こんな時は恋しくなるんだね。
僕が手を伸ばすと、お母さんは嬉しそうに目を細めてギュッと愛情を込めて抱きしめてくれた。
「みーくんのお熱が早く下がりますように。これはおまじないよ」
「だめだよっ、お母さんに……うつしちゃう」
「大丈夫よ。そんなこと気にしないで、いいの」
そう言われると、口の中に残る濃厚なミルクの味に、お母さんが恋しくて泣きそうになってしまった。
お母さんは目の前にいるのに、僕に触れてくれているのに、どうして?
熱のせいかな、頭がぼんやりしてくるよ。
「みーくん、いい子、いい子、さぁねんねして」
「……なんだか、ぼく……赤ちゃんみたい」
「赤ちゃんだったのよ、私のお腹にいたんだから」
……
「お兄ちゃん、アイスもおいしそうだね。まよっちゃう」
「じゃあ、どっちも買おうね」
「いいの?」
「もちろんだよ」
ゼリーの他にバニラアイスとレモンシャーベットもカゴに入れて、レジに向かった。
****
「芽生くん、あーん」
「あーん」
今日は急におねつを出しちゃったけど、お兄ちゃんが飛んで来てくれたよ。病院はいやだったし、けんさはこわかったけど、お兄ちゃんがずっとそばにいてくれたから、がまんできたよ。
「美味しい?」
「ん、これならおのどいたくてもたべられるよ」
「よかった。じゃあお薬もがんばれるかな?」
「がんばる」
お薬ものんだし、早くなおるといいなぁ。
からだ、熱くてだるいよ。
「よく飲めたね! じゃあもう寝ようね」
「うん……そうする」
「あ、身体をふいてあげるよ」
「うん」
お兄ちゃんがホカホカなタオルでからだをふいてくれて、少しさっぱりしたよ。
「うーん、まだ38度か。夜中に何かあったら、すぐに呼ぶんだよ」
「うん、あのね……ねむるまで、ここにいてくれる?」
「もちろんだよ」
よかった。
ボクにお兄ちゃんがいてくれて、よかった。
パパでもなく、おばあちゃんやおばちゃん、おじちゃんでもなく、今日はね、お兄ちゃんがいいんだ。
ふしぎだなぁ。
「お兄ちゃんね、芽生くんに甘えてもらえると嬉しいんだよ。だから今日は沢山甘えて欲しいな」
お兄ちゃんの優しい声に、とろんと眠くなったよ。
****
芽生くんの寝息が安定したのを確認してから、子供部屋を一旦退出した。
「今、何時だろう?」
リビングの時計を見ると、もう夜の7時だった。
コートのポケットに入れっぱなしのスマホを手に取ると、宗吾さんからの着信が並んでいた。
「あっ、連絡するの忘れていた!」
慌てて電話をかけると、すぐに出てくれた。
とても心配した様子だった。
「どうした? 着信が日中入っていたから、とても心配したぞ」
「あ……ごめんなさい。病院から帰ったら電話するつもりだったんです。でもアイスに気を取られて……」
「病院? どうした? 何かあったのか」
「実は芽生くんが学校で熱を出したので、迎えに行ってきたんです」
「なんだって! そうだったのか。対応してくれてありがとうな。それにしても芽生が熱を出すなんて久しぶりだな。熱高いのか」
「えぇ、ちょっと高かったので、午後病院に行ってきました」
宗吾さんの心配が手に取るように分かる。
父親として心から心配している。
「ありがとう! で、どうだった?」
「インフルエンザは陰性でしたが溶連菌という病気で……抗生剤など処方してもらいました。今はお薬を飲んでぐっすり眠っているので安心して下さい」
深い安堵の溜め息が聞こえた。
「そうか、原因が分かって良かったな。瑞樹も怖かったろう。君に負担をかけてごめんな」
「そんな風に謝らないで下さい。芽生くん……僕を頼って甘えてくれて……不謹慎ですが嬉しかったのですから」
「そうか、俺、明日……イベント本番で……」
「大丈夫です。僕が休みを取れそうなので……任せてくれますか」
「……いいのか、助かるよ。何かあったらすぐに連絡してくれ」
「はい、きっと宗吾さんが明後日戻られる頃には、熱も下がっていますよ」
男二人で芽生くんの子育てをするにあたり……
動ける人が動く、休める人が休む。
僕達の間では、いつの間にかそれが暗黙の了解になっていた。
僕にも出来ることがある。
それが素直に有り難いと思っている。
「瑞樹……君で良かったよ。ありがとう」
「僕こそ……僕に任せて下さってありがとうございます。お仕事頑張って下さいね」
「芽生のこと、どうか宜しく頼む」
「はい!」
「不安な時は、周りを頼ろう」
「そうするつもりです」
もう、怖くはない。
僕には頼れる人、相談出来る人が沢山いるのだから。
****
「いっくん、今度はママもおでかけしたいな」
「どこにいくの?」
「ケーキやさんよ」
「いくー! あ……でも、ママぁ……ぽんぽんおもくない?」
「ふふ、大丈夫よ。いっくんとお買い物、久しぶりね」
「うん! うん!」
すみれの提案に、いっくんが目を輝かせる。
「パパとママといっくんで、ケーキやさん」
「潤くんも、ついてきてね」
「おぅ! なんでも持つよ」
いっくんを真ん中に3人で手を繋いで歩いた。
仲良し親子の影が地面に映ったのを見て、いっくんがキャッキャッと喜んだ。
「いっくんとパパとママ、みんな、いるね!」
「そうだな」
「そうね」
「うれちい!」
たったそれだけのことにも、喜んでくれるのか。
いっくん……本当にオレは君のために、いろいろなことをしてやりたいよ。
ケーキ屋さんのショーケースには、色鮮やかなケーキがずらりと並んでいた。その中でもホールケーキは一際輝いて見えた。
いっくんがじっとケーキを見つめている。
「きれぇ……」
「いっくんのケーキも丸いのよ」
「うん! おうちにかえってからのおたのしみ」
いっくんが両手を頬にあて小首を傾げ、にっこりと微笑んでくれた。
その仕草が可愛すぎて、すみれと顔を見合わせて微笑んだ。
するとショーケースの向こうに立つ店員さんが、話しかけてくれた。
「仲良しご家族ですね。可愛いぼうや、お誕生日おめでとう。これはお店からのプレゼントですよ」
それは、いっくんの手よりも大きな葉っぱの形のクッキーだった。
「わぁ、わぁ……はっぱさん」
いっくんがまた感激のあまり、固まってしまった。
そうか、誕生日ケーキを注文する時、子供の好きなキャラクターや物を書く所が申込用紙にあったな。気の利いたサービスだ。
「あのね……あ……りがとう……ございましゅ」
いっくんが心をこめて丁寧にお礼を言ってぺこりと頭を下げると、お店の人もお客さんも感心してくれた。
「まぁ~ 礼儀正しくて可愛いお子さんね」
「天使みたいに愛らしいわ」
「親御さんは幸せね」
今日はオレたちが家族となり、初めて迎えるいっくんの誕生日だ。
とても大切な1日だ。
だからこそ、オレもいっくんのように心をこめて過ごそう。
この一瞬一瞬が愛おしい。
いっくんとすみれから、オレは大切なことを日々教えてもらっている。
君たちがいなかったら気付けなかったことばかりだ。
そう言えば、僕も小さい頃はたまに熱を出して、その都度、お母さんが冷たいアイスやゼリーを食べさせてくれたんだった。
……
「瑞樹、今、キノシタくんが牧場のソフトクリームを持って来てくれたのよ。少し食べられそう?」
「えっ、来てくれたの?」
「そうよ、セイくんも一緒で、心配していたわよ。さぁ溶けちゃうから食べて」
木のスプーンには乳白色のソフトクリームがのっていた。口に含むと舌の上で冷たいミルクのようになって美味しかった。
キノシタの牧場は目と鼻の先で、セイの家はその隣だった。ソフトクリームが溶けないように、二人が走って持ってきてくれた姿が目に浮かんで、嬉しくなった。
友達っていいな。
「ん……おいしい」
「よかったわ。夏樹の風邪、やっぱりもらっちゃったのね」
「ちがうよ。夏樹のせいじゃないよ。ぼくがかってに……ごめんなさい」
「瑞樹は優しいのね。でも病気の時くらい我が儘言って甘えて欲しいわ。あなたは、まだ8歳なんだから」
「……お母さん」
「なぁに? みーくん」
お母さんの手、気持ちいい。夏樹が生まれてからあまり触れなくなってしまったけれども、こんな時は恋しくなるんだね。
僕が手を伸ばすと、お母さんは嬉しそうに目を細めてギュッと愛情を込めて抱きしめてくれた。
「みーくんのお熱が早く下がりますように。これはおまじないよ」
「だめだよっ、お母さんに……うつしちゃう」
「大丈夫よ。そんなこと気にしないで、いいの」
そう言われると、口の中に残る濃厚なミルクの味に、お母さんが恋しくて泣きそうになってしまった。
お母さんは目の前にいるのに、僕に触れてくれているのに、どうして?
熱のせいかな、頭がぼんやりしてくるよ。
「みーくん、いい子、いい子、さぁねんねして」
「……なんだか、ぼく……赤ちゃんみたい」
「赤ちゃんだったのよ、私のお腹にいたんだから」
……
「お兄ちゃん、アイスもおいしそうだね。まよっちゃう」
「じゃあ、どっちも買おうね」
「いいの?」
「もちろんだよ」
ゼリーの他にバニラアイスとレモンシャーベットもカゴに入れて、レジに向かった。
****
「芽生くん、あーん」
「あーん」
今日は急におねつを出しちゃったけど、お兄ちゃんが飛んで来てくれたよ。病院はいやだったし、けんさはこわかったけど、お兄ちゃんがずっとそばにいてくれたから、がまんできたよ。
「美味しい?」
「ん、これならおのどいたくてもたべられるよ」
「よかった。じゃあお薬もがんばれるかな?」
「がんばる」
お薬ものんだし、早くなおるといいなぁ。
からだ、熱くてだるいよ。
「よく飲めたね! じゃあもう寝ようね」
「うん……そうする」
「あ、身体をふいてあげるよ」
「うん」
お兄ちゃんがホカホカなタオルでからだをふいてくれて、少しさっぱりしたよ。
「うーん、まだ38度か。夜中に何かあったら、すぐに呼ぶんだよ」
「うん、あのね……ねむるまで、ここにいてくれる?」
「もちろんだよ」
よかった。
ボクにお兄ちゃんがいてくれて、よかった。
パパでもなく、おばあちゃんやおばちゃん、おじちゃんでもなく、今日はね、お兄ちゃんがいいんだ。
ふしぎだなぁ。
「お兄ちゃんね、芽生くんに甘えてもらえると嬉しいんだよ。だから今日は沢山甘えて欲しいな」
お兄ちゃんの優しい声に、とろんと眠くなったよ。
****
芽生くんの寝息が安定したのを確認してから、子供部屋を一旦退出した。
「今、何時だろう?」
リビングの時計を見ると、もう夜の7時だった。
コートのポケットに入れっぱなしのスマホを手に取ると、宗吾さんからの着信が並んでいた。
「あっ、連絡するの忘れていた!」
慌てて電話をかけると、すぐに出てくれた。
とても心配した様子だった。
「どうした? 着信が日中入っていたから、とても心配したぞ」
「あ……ごめんなさい。病院から帰ったら電話するつもりだったんです。でもアイスに気を取られて……」
「病院? どうした? 何かあったのか」
「実は芽生くんが学校で熱を出したので、迎えに行ってきたんです」
「なんだって! そうだったのか。対応してくれてありがとうな。それにしても芽生が熱を出すなんて久しぶりだな。熱高いのか」
「えぇ、ちょっと高かったので、午後病院に行ってきました」
宗吾さんの心配が手に取るように分かる。
父親として心から心配している。
「ありがとう! で、どうだった?」
「インフルエンザは陰性でしたが溶連菌という病気で……抗生剤など処方してもらいました。今はお薬を飲んでぐっすり眠っているので安心して下さい」
深い安堵の溜め息が聞こえた。
「そうか、原因が分かって良かったな。瑞樹も怖かったろう。君に負担をかけてごめんな」
「そんな風に謝らないで下さい。芽生くん……僕を頼って甘えてくれて……不謹慎ですが嬉しかったのですから」
「そうか、俺、明日……イベント本番で……」
「大丈夫です。僕が休みを取れそうなので……任せてくれますか」
「……いいのか、助かるよ。何かあったらすぐに連絡してくれ」
「はい、きっと宗吾さんが明後日戻られる頃には、熱も下がっていますよ」
男二人で芽生くんの子育てをするにあたり……
動ける人が動く、休める人が休む。
僕達の間では、いつの間にかそれが暗黙の了解になっていた。
僕にも出来ることがある。
それが素直に有り難いと思っている。
「瑞樹……君で良かったよ。ありがとう」
「僕こそ……僕に任せて下さってありがとうございます。お仕事頑張って下さいね」
「芽生のこと、どうか宜しく頼む」
「はい!」
「不安な時は、周りを頼ろう」
「そうするつもりです」
もう、怖くはない。
僕には頼れる人、相談出来る人が沢山いるのだから。
****
「いっくん、今度はママもおでかけしたいな」
「どこにいくの?」
「ケーキやさんよ」
「いくー! あ……でも、ママぁ……ぽんぽんおもくない?」
「ふふ、大丈夫よ。いっくんとお買い物、久しぶりね」
「うん! うん!」
すみれの提案に、いっくんが目を輝かせる。
「パパとママといっくんで、ケーキやさん」
「潤くんも、ついてきてね」
「おぅ! なんでも持つよ」
いっくんを真ん中に3人で手を繋いで歩いた。
仲良し親子の影が地面に映ったのを見て、いっくんがキャッキャッと喜んだ。
「いっくんとパパとママ、みんな、いるね!」
「そうだな」
「そうね」
「うれちい!」
たったそれだけのことにも、喜んでくれるのか。
いっくん……本当にオレは君のために、いろいろなことをしてやりたいよ。
ケーキ屋さんのショーケースには、色鮮やかなケーキがずらりと並んでいた。その中でもホールケーキは一際輝いて見えた。
いっくんがじっとケーキを見つめている。
「きれぇ……」
「いっくんのケーキも丸いのよ」
「うん! おうちにかえってからのおたのしみ」
いっくんが両手を頬にあて小首を傾げ、にっこりと微笑んでくれた。
その仕草が可愛すぎて、すみれと顔を見合わせて微笑んだ。
するとショーケースの向こうに立つ店員さんが、話しかけてくれた。
「仲良しご家族ですね。可愛いぼうや、お誕生日おめでとう。これはお店からのプレゼントですよ」
それは、いっくんの手よりも大きな葉っぱの形のクッキーだった。
「わぁ、わぁ……はっぱさん」
いっくんがまた感激のあまり、固まってしまった。
そうか、誕生日ケーキを注文する時、子供の好きなキャラクターや物を書く所が申込用紙にあったな。気の利いたサービスだ。
「あのね……あ……りがとう……ございましゅ」
いっくんが心をこめて丁寧にお礼を言ってぺこりと頭を下げると、お店の人もお客さんも感心してくれた。
「まぁ~ 礼儀正しくて可愛いお子さんね」
「天使みたいに愛らしいわ」
「親御さんは幸せね」
今日はオレたちが家族となり、初めて迎えるいっくんの誕生日だ。
とても大切な1日だ。
だからこそ、オレもいっくんのように心をこめて過ごそう。
この一瞬一瞬が愛おしい。
いっくんとすみれから、オレは大切なことを日々教えてもらっている。
君たちがいなかったら気付けなかったことばかりだ。
12
お気に入りに追加
832
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
『別れても好きな人』
設樂理沙
ライト文芸
大好きな夫から好きな女性ができたから別れて欲しいと言われ、離婚した。
夫の想い人はとても美しく、自分など到底敵わないと思ったから。
ほんとうは別れたくなどなかった。
この先もずっと夫と一緒にいたかった……だけど世の中には
どうしようもないことがあるのだ。
自分で選択できないことがある。
悲しいけれど……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
登場人物紹介
戸田貴理子 40才
戸田正義 44才
青木誠二 28才
嘉島優子 33才
小田聖也 35才
2024.4.11 ―― プロット作成日
💛イラストはAI生成自作画像
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる