1,061 / 1,730
小学生編
誓いの言葉 19
しおりを挟む
「瑞樹、ここに座れ、洗ってやるよ」
「あ……はい」
「お兄ちゃん! ボクがおせなかをあらうね」
「ありがとう」
宗吾さんも芽生くんも、すごく張り切っているな。これは今日は大人しく言うことを聞いた方が良さそうだ。
骨折したわけでもないし注射のせいで痛みもぐっと減ったので、自分で洗えないこともないけれども、とにかく二人の目が輝いているので、とても「自分で出来ます」とは言い出せない雰囲気だった。
病院で巻き直してもらった右手のテーピングが仰々しかったのか、かなり二人を驚かせてしまったようだ。
でも……僕の身体を、心から心配してくれる人がいるのは、嬉しい。今日の僕は、二人がかりで甘やかされている。それが擽ったくも、嬉しいことだった。
「お兄ちゃんやさしくゴシゴシするよ」
「瑞樹、まずはここからな」
「ん……はい」
芽生くんが背中を泡のついたスポンジで洗ってくれ、宗吾さんが僕の胸もとを洗ってくれる。でも待って……ううっ……ちょっとこれって感じそうになる。
そ……宗吾さん意地悪はしないで下さいよ。
強く目で訴えると、宗吾さんは余裕のある笑みを浮かべていた。
「瑞樹、ほらバンザイして」
「え……」
「脇の下もちゃんと洗わないと」
「くっ、擽ったいです」
「我慢、我慢!」
「も、もう――」
「お兄ちゃん、おせなかきもちいいですか」
「う、うん」
はぁぁ、本気で逆上せるところだった。
お風呂上がりに、バスタオルで全身を二人がかりで拭かれ、パジャマまで着せてもらって……これでは、くまさんのログハウスにいる時よりも更に赤ちゃん扱いだ。
「お兄ちゃん、今日は大きな赤ちゃんだね」
「うう……そうかな?」(その通りだと僕も思う)
もちろん食事も、スプーンで食べさせてもらう羽目に。
「瑞樹、あーん」
僕は観念して、手をまた膝の上に置いて目を閉じて、口を開いた。
「美味しいか」
「はい! 宗吾さんのオムライス、久しぶりですね」
「食べさせやすいからな」
「パパ~ ボクもしたいな」
「あ……じゃあ芽生くんも食べさせてくれる?」
「うん!」
「お兄ちゃん、あーん」
和やかな優しい時間だな。たった1日離れていただけなのに、何日も離れていたように感じたのは僕だけではないようだ。
食後ソファで寛いでいると、宗吾さんがホットミルクをいれてくれた。
「瑞樹、あのさ……マグカップ割ってごめんな。今日はこれで我慢してくれ」
「そんなの気にしないで下さい。大丈夫ですから」
「お兄ちゃん、ごめんなさい」
「芽生くん、いいんだよ。あれは天国のお父さんの所にきっと行ったんだ。お父さんは器用だったから綺麗に修理してくれるよ」
「ほんとう?」
「うん、そうだよ」
昨日のことを思い出してしょんぼりする芽生くんを、膝に乗せてあげた。
「ちゃんと抱っこできなくてごめんね」
「ううん……ボク、おもたくなったでしょう?」
「まだまだ大丈夫だよ」
「そうなの? よかったぁ」
芽生くんがボクの胸元にほっぺたをつけて、安心したように息を吐き出し、暫くすると自然に体重がかかってきて静かになっていく。
「芽生……眠りそうだな。きっと瑞樹が帰ってきてホッとしたんだろうな」
「もう少しこのままで……眠りに就くまで……ここで」
「瑞樹、ありがとう。たった1日だったが瑞樹がいないだけで……俺、駄目駄目だった。芽生にあたってしまったし……イライラして最低だな。こんな父親……」
宗吾さんが珍しく自己嫌悪している。
「そんなことないですよ。宗吾さん……人は万能ではないです。いろんな日があります」
「だが……結局……芽生に怒鳴ってしまったんだ」
「……大丈夫ですよ。芽生くんもちゃんと分かってくれています」
既に昨夜電話で話してもらったことだが、宗吾さんはまだ引きずっているようだった。
「悪い……瑞樹と出会う前は、毎日が昨日みたいに荒れていたんだ。それを思い出しちまってな」
「……宗吾さん」
宗吾さんもソファに腰を下ろして、コトンと僕にもたれてくれた。
「大丈夫ですよ。僕がいますから……僕が二人を守ります……って……おこがましいことを言いました」
自分で言って、真っ赤になってしまった。
「瑞樹……」
自分から大胆な事を言うなんて……どうしてしまったのか。
「嬉しいよ。瑞樹を頼りにしている。俺も芽生も瑞樹が大好きなんだ」
「はい……僕もですよ」
宗吾さんが僕の左手を取って、恋人繋ぎしてくれる。
「急な出張、改めてお疲れさん」
「はい……くまさんやお母さんも手伝ってくれたので頑張れました」
「そうだ。熊田さんとお母さんのこともおめでとう」
「あ! そうだ……そのことで提案があって」
「何だ?」
「潤の結婚式で……二人の祝福もしてあげたいと思ったのですがどう思いますか」
「いいな。サプライズか」
「……お母さんは潤が落ち着いてから、ゆっくりと言うのですが」
「お母さんの気持ちも分かるが、周りが勢いをつけてやるのも大事だよな。特にあの年代は……」
「はい……だから僕から広樹兄さんと潤にも相談してみようと思っています」
葉山の家のことで……僕から提案したことなんて……一度もないのに……いや、だから今こそ、僕が動きたい! そんな衝動に駆られていた。
「瑞樹の好きなようにするといい。俺は全力でサポートするだけだ」
「あ……はい、心強いです!」
「瑞樹……キスしていいか」
「あ……はい」
胸元の芽生くんは、もう寝息を立てている。
そっと目を閉じると、唇全体が、優しいぬくもりで濡れた。
「ん……っ」
「恋しかったよ。君が」
「僕もです」
啄むようなキス、しっとり重ね合うキス。
深く口腔内をまさぐるようなキス。
キスがどんどん深まっていく。
「ん……んっ」
「瑞樹、そろそろ芽生をベッドに寝かしてくるよ」
「あ……はい」
宗吾さんが芽生くんを抱き上げて、子供部屋に入って行くと、僕も家に帰ってきた安心感からか、欠伸が出た。
このままソファで……寝てしまいそうだ。
とろんとして……瞬きを数回……
その後のことは、もう何も覚えていない。
目を覚ますと、カーテンの向こうが明るく、鳥のさえずりが聞こえた。
「あ……もう朝?」
「……瑞樹、起きたのか」
「すみません。寝ちゃって」
「いいんだよ。もともと昨夜は君を休ませてやるつもりだった」
「あの……ベッドまで宗吾さんが」
「お姫様抱っこでな」
「うわっ、それは……いたたまれません……」
「何を言う? そうだ、手の調子はどうだ?」
そっと右手を出して、開いたり閉じたりしてみた。
「あ……もう痛くないです。動きもスムーズです」
「良かったよ。ブーケを二つ作るのだろう?」
「あ……はい! お母さんと菫さんの分を作りたいです」
「じゃあ、兄弟には連絡しておかないとな」
「はい!」
宗吾さんが覆い被さり、僕の唇を4回啄んだ。
「瑞樹、お・は・よ・う」
「くすっ」
「今日は上機嫌だな」
「……僕たちって……永遠に新婚だなって」
「そうだな。俺は自信あるよ」
「あの……僕もです」
明るい朝のスタートは、おはようのキスから。
物語のような朝の挨拶は、宗吾さんと暮らすようになってから毎朝続いている。
これが僕の歩む道。
「起きましょう!」
「よーし、頑張るぞ」
「はい!」
潤の結婚式まで、あと三日だ。
「あ……はい」
「お兄ちゃん! ボクがおせなかをあらうね」
「ありがとう」
宗吾さんも芽生くんも、すごく張り切っているな。これは今日は大人しく言うことを聞いた方が良さそうだ。
骨折したわけでもないし注射のせいで痛みもぐっと減ったので、自分で洗えないこともないけれども、とにかく二人の目が輝いているので、とても「自分で出来ます」とは言い出せない雰囲気だった。
病院で巻き直してもらった右手のテーピングが仰々しかったのか、かなり二人を驚かせてしまったようだ。
でも……僕の身体を、心から心配してくれる人がいるのは、嬉しい。今日の僕は、二人がかりで甘やかされている。それが擽ったくも、嬉しいことだった。
「お兄ちゃんやさしくゴシゴシするよ」
「瑞樹、まずはここからな」
「ん……はい」
芽生くんが背中を泡のついたスポンジで洗ってくれ、宗吾さんが僕の胸もとを洗ってくれる。でも待って……ううっ……ちょっとこれって感じそうになる。
そ……宗吾さん意地悪はしないで下さいよ。
強く目で訴えると、宗吾さんは余裕のある笑みを浮かべていた。
「瑞樹、ほらバンザイして」
「え……」
「脇の下もちゃんと洗わないと」
「くっ、擽ったいです」
「我慢、我慢!」
「も、もう――」
「お兄ちゃん、おせなかきもちいいですか」
「う、うん」
はぁぁ、本気で逆上せるところだった。
お風呂上がりに、バスタオルで全身を二人がかりで拭かれ、パジャマまで着せてもらって……これでは、くまさんのログハウスにいる時よりも更に赤ちゃん扱いだ。
「お兄ちゃん、今日は大きな赤ちゃんだね」
「うう……そうかな?」(その通りだと僕も思う)
もちろん食事も、スプーンで食べさせてもらう羽目に。
「瑞樹、あーん」
僕は観念して、手をまた膝の上に置いて目を閉じて、口を開いた。
「美味しいか」
「はい! 宗吾さんのオムライス、久しぶりですね」
「食べさせやすいからな」
「パパ~ ボクもしたいな」
「あ……じゃあ芽生くんも食べさせてくれる?」
「うん!」
「お兄ちゃん、あーん」
和やかな優しい時間だな。たった1日離れていただけなのに、何日も離れていたように感じたのは僕だけではないようだ。
食後ソファで寛いでいると、宗吾さんがホットミルクをいれてくれた。
「瑞樹、あのさ……マグカップ割ってごめんな。今日はこれで我慢してくれ」
「そんなの気にしないで下さい。大丈夫ですから」
「お兄ちゃん、ごめんなさい」
「芽生くん、いいんだよ。あれは天国のお父さんの所にきっと行ったんだ。お父さんは器用だったから綺麗に修理してくれるよ」
「ほんとう?」
「うん、そうだよ」
昨日のことを思い出してしょんぼりする芽生くんを、膝に乗せてあげた。
「ちゃんと抱っこできなくてごめんね」
「ううん……ボク、おもたくなったでしょう?」
「まだまだ大丈夫だよ」
「そうなの? よかったぁ」
芽生くんがボクの胸元にほっぺたをつけて、安心したように息を吐き出し、暫くすると自然に体重がかかってきて静かになっていく。
「芽生……眠りそうだな。きっと瑞樹が帰ってきてホッとしたんだろうな」
「もう少しこのままで……眠りに就くまで……ここで」
「瑞樹、ありがとう。たった1日だったが瑞樹がいないだけで……俺、駄目駄目だった。芽生にあたってしまったし……イライラして最低だな。こんな父親……」
宗吾さんが珍しく自己嫌悪している。
「そんなことないですよ。宗吾さん……人は万能ではないです。いろんな日があります」
「だが……結局……芽生に怒鳴ってしまったんだ」
「……大丈夫ですよ。芽生くんもちゃんと分かってくれています」
既に昨夜電話で話してもらったことだが、宗吾さんはまだ引きずっているようだった。
「悪い……瑞樹と出会う前は、毎日が昨日みたいに荒れていたんだ。それを思い出しちまってな」
「……宗吾さん」
宗吾さんもソファに腰を下ろして、コトンと僕にもたれてくれた。
「大丈夫ですよ。僕がいますから……僕が二人を守ります……って……おこがましいことを言いました」
自分で言って、真っ赤になってしまった。
「瑞樹……」
自分から大胆な事を言うなんて……どうしてしまったのか。
「嬉しいよ。瑞樹を頼りにしている。俺も芽生も瑞樹が大好きなんだ」
「はい……僕もですよ」
宗吾さんが僕の左手を取って、恋人繋ぎしてくれる。
「急な出張、改めてお疲れさん」
「はい……くまさんやお母さんも手伝ってくれたので頑張れました」
「そうだ。熊田さんとお母さんのこともおめでとう」
「あ! そうだ……そのことで提案があって」
「何だ?」
「潤の結婚式で……二人の祝福もしてあげたいと思ったのですがどう思いますか」
「いいな。サプライズか」
「……お母さんは潤が落ち着いてから、ゆっくりと言うのですが」
「お母さんの気持ちも分かるが、周りが勢いをつけてやるのも大事だよな。特にあの年代は……」
「はい……だから僕から広樹兄さんと潤にも相談してみようと思っています」
葉山の家のことで……僕から提案したことなんて……一度もないのに……いや、だから今こそ、僕が動きたい! そんな衝動に駆られていた。
「瑞樹の好きなようにするといい。俺は全力でサポートするだけだ」
「あ……はい、心強いです!」
「瑞樹……キスしていいか」
「あ……はい」
胸元の芽生くんは、もう寝息を立てている。
そっと目を閉じると、唇全体が、優しいぬくもりで濡れた。
「ん……っ」
「恋しかったよ。君が」
「僕もです」
啄むようなキス、しっとり重ね合うキス。
深く口腔内をまさぐるようなキス。
キスがどんどん深まっていく。
「ん……んっ」
「瑞樹、そろそろ芽生をベッドに寝かしてくるよ」
「あ……はい」
宗吾さんが芽生くんを抱き上げて、子供部屋に入って行くと、僕も家に帰ってきた安心感からか、欠伸が出た。
このままソファで……寝てしまいそうだ。
とろんとして……瞬きを数回……
その後のことは、もう何も覚えていない。
目を覚ますと、カーテンの向こうが明るく、鳥のさえずりが聞こえた。
「あ……もう朝?」
「……瑞樹、起きたのか」
「すみません。寝ちゃって」
「いいんだよ。もともと昨夜は君を休ませてやるつもりだった」
「あの……ベッドまで宗吾さんが」
「お姫様抱っこでな」
「うわっ、それは……いたたまれません……」
「何を言う? そうだ、手の調子はどうだ?」
そっと右手を出して、開いたり閉じたりしてみた。
「あ……もう痛くないです。動きもスムーズです」
「良かったよ。ブーケを二つ作るのだろう?」
「あ……はい! お母さんと菫さんの分を作りたいです」
「じゃあ、兄弟には連絡しておかないとな」
「はい!」
宗吾さんが覆い被さり、僕の唇を4回啄んだ。
「瑞樹、お・は・よ・う」
「くすっ」
「今日は上機嫌だな」
「……僕たちって……永遠に新婚だなって」
「そうだな。俺は自信あるよ」
「あの……僕もです」
明るい朝のスタートは、おはようのキスから。
物語のような朝の挨拶は、宗吾さんと暮らすようになってから毎朝続いている。
これが僕の歩む道。
「起きましょう!」
「よーし、頑張るぞ」
「はい!」
潤の結婚式まで、あと三日だ。
11
お気に入りに追加
832
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
『別れても好きな人』
設樂理沙
ライト文芸
大好きな夫から好きな女性ができたから別れて欲しいと言われ、離婚した。
夫の想い人はとても美しく、自分など到底敵わないと思ったから。
ほんとうは別れたくなどなかった。
この先もずっと夫と一緒にいたかった……だけど世の中には
どうしようもないことがあるのだ。
自分で選択できないことがある。
悲しいけれど……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
登場人物紹介
戸田貴理子 40才
戸田正義 44才
青木誠二 28才
嘉島優子 33才
小田聖也 35才
2024.4.11 ―― プロット作成日
💛イラストはAI生成自作画像
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる