1,042 / 1,730
小学生編
賑やかな日々 26
しおりを挟む
「ただいま!」
「……」
「広樹、どうかしら? 思い切ってイメチェンしちゃったわ」
店に戻ると、軒先にいた広樹が口を開けたまま固まってしまった。
「広樹、聞いている?」
「あ……あぁ、いやぁ驚いたな。本当に母さん?」
「当たり前でしょ!」
「すごく若返った! 10歳は余裕だ!」
「本当? 髪色もいいでしょ? メイクもしたのよ」
後は、広樹は照れ臭そうにコクコクと頷くばかり。
「もうっ、あなたもお父さんに似て、口下手なのね」
「あ……えっと……母さん、すごいな。そんなに変わるなんて」
「……あのね……今、少しいい? 広樹には先に話しておきたくて」
改まった声を出すと、広樹は「よせやい」と顔の前で手を振った。
「母さん、俺、熊田さんのことなら全面的に賛成だ! もうさっさと結婚していいよ。いや、是非してくれ!」
何を言うのかと思ったら、私の方が恥ずかしくて真っ赤になるわ。
「い、いやだわ……まだそんな話……何もしていないのに」
「明日、されるかもしれないだろう。その時は即答でいいぞ。俺たちなら大丈夫だから」
「……広樹ってば、もうっ、この子は」
広樹が一番……亡くなった主人に似ているの。
「あなたがそう言ってくれると、お父さんに許してもらった気分になるわ」
「許すも何も……父さんだってきっと喜んでいるよ。母さんの人生はまだまだこれからだ。30代で父さんが逝って……その後20年間以上、ひとりで店を守って、俺たち三兄弟を立派に育ててくれたんだ。感謝しているよ」
「……広樹」
駄目だわ。もう……これ以上喋ったら泣いちゃいそう。
感無量だわ――
「母さん、今までありがとう。これからもよろしくな。幸せになって欲しいし、熊田さんは出会って間もないけど、瑞樹の父親代わりだし……俺はその件でもすごく嬉しいんだ」
「え?」
「いや、その……もしも本当に熊田さんと再婚したらさ……」
「だから先走り過ぎよ。まだ何も言われていないのに」
「いや明日、何かが起こる! これは男の勘だ!」
広樹の目は真剣だった。
東京の滝沢さんからも、みっちゃんからも「これは女の勘よ。明日は大事な日になりそう。身だしなみを整えるために美容院に行かないと」と言われたのよね。
「もしも母さんが再婚したら……熊田さんは、本当に瑞樹のお父さんになるんだな」
「あ……」
瑞樹の本当のお父さん?
その言葉に、新しい窓を開くような新鮮な気持ちになったわ。
「まだね……どうなるかは分からないけど……母さんね……熊田さんと幸せになりたいの。広樹は……応援してくれる?」
「もちろんさ!」
「私もですよ! お義母さん!」
優美ちゃんを抱っこした、みっちゃんからもエールをもらった。
****
「宗吾さん、まるで夢のような連休でしたね」
芽生を寝かしつけた瑞樹が俺のベッドに潜り込み、そっと寄り添ってきた。
満ち足りて、うっとりした表情にそそられる。
「瑞樹、夢じゃないぞ? 全部現実だったんだ。君と芽生の誕生日を祝って、皆で会食に行って、毎日、賑やかだったな」
「あの……賑やかっていいですね」
「あぁ、そうだな」
「僕も……本当は……とても賑やかな家庭で育ったんです。お父さんは快活でリーダーシップのある人で、お母さんは明るくてきめ細やかで、熊田さんはユーモアもあって大きくて暖かく人で……夏樹は僕よりも活発な子供で、家の中でも飛び回っていましたよ」
瑞樹が両親のことを……失った過去を積極的に話せるようになった。
それが嬉しくて俺は彼の細い腰に手を回して、じっと聞き入った。
「引き取ってもらった函館の家も……賑やかな家庭でした。ただ僕が消えてしまった日々を思い出すのが辛くて、なかなか馴染めなかっただけです。お母さんも兄さんも潤も……本来明るい性格で……お母さんはいつも忙しかったけれども賑やかな毎日でした」
「そうだったんだろうな。広樹やお母さんの明るい性格からも伝わってくるよ。潤はすっかりいい男だしな」
「何だか最近……函館のお母さんにも、もっと幸せになってもらいたいと思うんです」
「同感だな」
「ん……」
軽く啄むようなキスをすると、瑞樹が眠そうに目を擦った。
昨日は玲子の件で心配をかけて、今日は丸一日、俺の親兄弟に付き合わせて、流石に疲れただろう。
俺の家族にすっかり馴染んでくれているのは嬉しいが、やはり俺たちだけの時間とは違うからな。
「そろそろ寝よう」
「……すみません」
「なんで謝る?」
「……眠くなってしまって」
「いいんだよ。明日からまた会社だ。お互い体調を整えないとな」
「……宗吾さん」
眠気が増して、とろんとした表情になったので、そのまま横にしてやった。
「おやすみ、瑞樹」
「宗吾さん……ありがとうございます」
謙虚で清楚な君だから、大切に大切にしたいよ。
受け入れる側の身体の負担を思えば、闇雲に突っ走るなんて出来ない。
君とは長いスパンだから、焦らない。
若い頃にように、即物的に手に入れようとはしない。
****
「いっくん、どうしたの?」
「ママ……きょうはパパにあえる?」
「んー どうかな?」
潤くんは今、模擬結婚式の準備で忙しいの。イングリッシュガーデンに全面的に協力する約束で負担なく式を挙げられるのだから、仕方が無いわ。
といっても、大人の事情をいっくんに伝えても、分からないわよね。
「パパぁ……どこぉ?」
背伸びして窓にくっつく、いっくんの背中が寂しそう。
腰を痛めていなかったら、思いっきり高く抱っこしてあげられるのに、ごめんね。いっくんの小さな背中を、そっと背後から抱きしめてあげた。
「ママぁ……パパにあいたいね」
「そうね」
「ママもあいたい?」
「うん……」
いっくんに優しく聞かれれば、素直に答えるしかないわ。
「じゃあ、いっくんがあわせてあげるよ」
「え?」
いっくんが画用紙にクレヨンで絵を描いてくれたの。
「パパはおはだのいろがくろいの」
「ふふっ、一年中、お庭にいるから日焼けしているのよ」
「えへへ、とってもつよそうだよね」
「そうね!」
「ママはね、むらさきいろのおようふくがにあうの」
「わぁ~そうかしら? ありがとう」
いっくんの絵は、以前に比べて格段に明るくなった。
今まで、黒や灰色、寂しいブルーで、ママといっくんしかいない寂しい絵だった。
私はいつも泣いていた。
いっくんも、いつも泣いていた。
「ママもパパもいっくんも笑顔ね」
「うん! だってまいにちニコニコだもん!」
「そうよね」
「あ、あとみーくんとめーくんもかくよ」
「わぁ、ますます賑やかになるわね」
「にぎやか? うん! ワイワイしてるのって、たのしいね」
「そう思うわ」
可愛いお兄さんと小さなお兄ちゃん。
「いっくんね、いっぺんに、おにいちゃんがふたりもできちゃった! うれしいな」
いっくんの笑顔に、可愛い花が咲く。
息子の幸せそうな笑顔に包まれて、明日を迎える。
今までの生活にはなかった時間だわ。
潤くん……私といっくんに夢と希望……何よりの幸せをありがとう!
『賑やかな日々 了』
あとがき(不要な方は飛ばして下さい)
****
瑞樹と芽生の誕生日にかけた『賑やかな日々』も今日でラストです。
明日以降は函館の母と熊田さんの恋の行方。潤の結婚式。瑞樹の会社ライフなどを描いて行こうと思います。
いつも読んで下さり温かい応援をありがとうございます。毎日更新していく糧になっております。
「……」
「広樹、どうかしら? 思い切ってイメチェンしちゃったわ」
店に戻ると、軒先にいた広樹が口を開けたまま固まってしまった。
「広樹、聞いている?」
「あ……あぁ、いやぁ驚いたな。本当に母さん?」
「当たり前でしょ!」
「すごく若返った! 10歳は余裕だ!」
「本当? 髪色もいいでしょ? メイクもしたのよ」
後は、広樹は照れ臭そうにコクコクと頷くばかり。
「もうっ、あなたもお父さんに似て、口下手なのね」
「あ……えっと……母さん、すごいな。そんなに変わるなんて」
「……あのね……今、少しいい? 広樹には先に話しておきたくて」
改まった声を出すと、広樹は「よせやい」と顔の前で手を振った。
「母さん、俺、熊田さんのことなら全面的に賛成だ! もうさっさと結婚していいよ。いや、是非してくれ!」
何を言うのかと思ったら、私の方が恥ずかしくて真っ赤になるわ。
「い、いやだわ……まだそんな話……何もしていないのに」
「明日、されるかもしれないだろう。その時は即答でいいぞ。俺たちなら大丈夫だから」
「……広樹ってば、もうっ、この子は」
広樹が一番……亡くなった主人に似ているの。
「あなたがそう言ってくれると、お父さんに許してもらった気分になるわ」
「許すも何も……父さんだってきっと喜んでいるよ。母さんの人生はまだまだこれからだ。30代で父さんが逝って……その後20年間以上、ひとりで店を守って、俺たち三兄弟を立派に育ててくれたんだ。感謝しているよ」
「……広樹」
駄目だわ。もう……これ以上喋ったら泣いちゃいそう。
感無量だわ――
「母さん、今までありがとう。これからもよろしくな。幸せになって欲しいし、熊田さんは出会って間もないけど、瑞樹の父親代わりだし……俺はその件でもすごく嬉しいんだ」
「え?」
「いや、その……もしも本当に熊田さんと再婚したらさ……」
「だから先走り過ぎよ。まだ何も言われていないのに」
「いや明日、何かが起こる! これは男の勘だ!」
広樹の目は真剣だった。
東京の滝沢さんからも、みっちゃんからも「これは女の勘よ。明日は大事な日になりそう。身だしなみを整えるために美容院に行かないと」と言われたのよね。
「もしも母さんが再婚したら……熊田さんは、本当に瑞樹のお父さんになるんだな」
「あ……」
瑞樹の本当のお父さん?
その言葉に、新しい窓を開くような新鮮な気持ちになったわ。
「まだね……どうなるかは分からないけど……母さんね……熊田さんと幸せになりたいの。広樹は……応援してくれる?」
「もちろんさ!」
「私もですよ! お義母さん!」
優美ちゃんを抱っこした、みっちゃんからもエールをもらった。
****
「宗吾さん、まるで夢のような連休でしたね」
芽生を寝かしつけた瑞樹が俺のベッドに潜り込み、そっと寄り添ってきた。
満ち足りて、うっとりした表情にそそられる。
「瑞樹、夢じゃないぞ? 全部現実だったんだ。君と芽生の誕生日を祝って、皆で会食に行って、毎日、賑やかだったな」
「あの……賑やかっていいですね」
「あぁ、そうだな」
「僕も……本当は……とても賑やかな家庭で育ったんです。お父さんは快活でリーダーシップのある人で、お母さんは明るくてきめ細やかで、熊田さんはユーモアもあって大きくて暖かく人で……夏樹は僕よりも活発な子供で、家の中でも飛び回っていましたよ」
瑞樹が両親のことを……失った過去を積極的に話せるようになった。
それが嬉しくて俺は彼の細い腰に手を回して、じっと聞き入った。
「引き取ってもらった函館の家も……賑やかな家庭でした。ただ僕が消えてしまった日々を思い出すのが辛くて、なかなか馴染めなかっただけです。お母さんも兄さんも潤も……本来明るい性格で……お母さんはいつも忙しかったけれども賑やかな毎日でした」
「そうだったんだろうな。広樹やお母さんの明るい性格からも伝わってくるよ。潤はすっかりいい男だしな」
「何だか最近……函館のお母さんにも、もっと幸せになってもらいたいと思うんです」
「同感だな」
「ん……」
軽く啄むようなキスをすると、瑞樹が眠そうに目を擦った。
昨日は玲子の件で心配をかけて、今日は丸一日、俺の親兄弟に付き合わせて、流石に疲れただろう。
俺の家族にすっかり馴染んでくれているのは嬉しいが、やはり俺たちだけの時間とは違うからな。
「そろそろ寝よう」
「……すみません」
「なんで謝る?」
「……眠くなってしまって」
「いいんだよ。明日からまた会社だ。お互い体調を整えないとな」
「……宗吾さん」
眠気が増して、とろんとした表情になったので、そのまま横にしてやった。
「おやすみ、瑞樹」
「宗吾さん……ありがとうございます」
謙虚で清楚な君だから、大切に大切にしたいよ。
受け入れる側の身体の負担を思えば、闇雲に突っ走るなんて出来ない。
君とは長いスパンだから、焦らない。
若い頃にように、即物的に手に入れようとはしない。
****
「いっくん、どうしたの?」
「ママ……きょうはパパにあえる?」
「んー どうかな?」
潤くんは今、模擬結婚式の準備で忙しいの。イングリッシュガーデンに全面的に協力する約束で負担なく式を挙げられるのだから、仕方が無いわ。
といっても、大人の事情をいっくんに伝えても、分からないわよね。
「パパぁ……どこぉ?」
背伸びして窓にくっつく、いっくんの背中が寂しそう。
腰を痛めていなかったら、思いっきり高く抱っこしてあげられるのに、ごめんね。いっくんの小さな背中を、そっと背後から抱きしめてあげた。
「ママぁ……パパにあいたいね」
「そうね」
「ママもあいたい?」
「うん……」
いっくんに優しく聞かれれば、素直に答えるしかないわ。
「じゃあ、いっくんがあわせてあげるよ」
「え?」
いっくんが画用紙にクレヨンで絵を描いてくれたの。
「パパはおはだのいろがくろいの」
「ふふっ、一年中、お庭にいるから日焼けしているのよ」
「えへへ、とってもつよそうだよね」
「そうね!」
「ママはね、むらさきいろのおようふくがにあうの」
「わぁ~そうかしら? ありがとう」
いっくんの絵は、以前に比べて格段に明るくなった。
今まで、黒や灰色、寂しいブルーで、ママといっくんしかいない寂しい絵だった。
私はいつも泣いていた。
いっくんも、いつも泣いていた。
「ママもパパもいっくんも笑顔ね」
「うん! だってまいにちニコニコだもん!」
「そうよね」
「あ、あとみーくんとめーくんもかくよ」
「わぁ、ますます賑やかになるわね」
「にぎやか? うん! ワイワイしてるのって、たのしいね」
「そう思うわ」
可愛いお兄さんと小さなお兄ちゃん。
「いっくんね、いっぺんに、おにいちゃんがふたりもできちゃった! うれしいな」
いっくんの笑顔に、可愛い花が咲く。
息子の幸せそうな笑顔に包まれて、明日を迎える。
今までの生活にはなかった時間だわ。
潤くん……私といっくんに夢と希望……何よりの幸せをありがとう!
『賑やかな日々 了』
あとがき(不要な方は飛ばして下さい)
****
瑞樹と芽生の誕生日にかけた『賑やかな日々』も今日でラストです。
明日以降は函館の母と熊田さんの恋の行方。潤の結婚式。瑞樹の会社ライフなどを描いて行こうと思います。
いつも読んで下さり温かい応援をありがとうございます。毎日更新していく糧になっております。
11
お気に入りに追加
832
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
『別れても好きな人』
設樂理沙
ライト文芸
大好きな夫から好きな女性ができたから別れて欲しいと言われ、離婚した。
夫の想い人はとても美しく、自分など到底敵わないと思ったから。
ほんとうは別れたくなどなかった。
この先もずっと夫と一緒にいたかった……だけど世の中には
どうしようもないことがあるのだ。
自分で選択できないことがある。
悲しいけれど……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
登場人物紹介
戸田貴理子 40才
戸田正義 44才
青木誠二 28才
嘉島優子 33才
小田聖也 35才
2024.4.11 ―― プロット作成日
💛イラストはAI生成自作画像
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる