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小学生編
にこにこ、にっこり 6
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「あれ? いっくん、寝ちゃったのか」
いっくんは、潤の胸の上で、安心しきった顔で眠ってしまった。
コアラの赤ちゃんみたいにくっついている。
しばらくすると、あの日の芽生くんのように、すぅすぅと可愛い寝息が聞えてきた。
「まるで空から降りてきた天使のようだね」
潤に話し掛けると、照れ臭そうに笑っていた。
「いっくんさ、結婚式の衣装を選んでいたら、自分で天使の格好をするって言い出したんだよ」
「わぁ、それは可愛いだろうね。当日が楽しみだよ」
「兄さん、オレさ……こんなに幸せでいいのかな」
「潤、いいんだよ。これからは幸せな潤が、いっくんと菫さんの幸せを、しっかり守ってあげるんだよ」
「あぁ、分かった」
いっくんが眠っている間に、僕と芽生くんはショッピングモール内を散策した。
「芽生くん、パパにお土産買おうか」
「……うん」
「何がいいかな」
「……なんでも」
「芽生くん?」
ところが、二人になった途端に芽生くんの元気がなくなったのが気になった。
「あのね……お兄ちゃん、いっくんにはパパがいなかったんでしょう?」
「……そうだよ」
「もしかして死んじゃったの?」
「……うん」
「それでジュンくんが急にパパになったんだね」
「そうだよ」
「そっかぁ、だからなんだね」
芽生くんの笑顔は消え、寂しそうな表情だ。
「どうかした?」
「ううん、なんでもない」
芽生くんの『なんでもない』は、絶対に何かある時だ。
「お兄ちゃんには話してくれないのかな?」
芽生くんと目線を合わせて、優しく問いかけてみた。
「あ、あのね、ジュンくん、今日はいそがしかったかなぁって……ちょっとだけ……思ったの!」
「あ……」
「いいんだ。パパになったばかりのときって、たいへんだよね。ボクのパパもいそがしくて、ボクのことわすれちゃったみたいなときがあって、ちょっとさみしかったんだぁ」
「芽生くん」
芽生くんもまだ7歳のあどけない子供なのに、あまりに明るくていい子だから、ボクも失念していた。いつもなら潤が芽生くんを沢山抱っこし、飛行機もしてくれたよね。
「よーし、芽生くん、僕が飛行機をしてあげるよ」
「ほんと?」
僕だって……伊達にフローリストをやっているわけではない。重たい花材や花器を持ち運ぶ力仕事をしているのだから、たぶん……芽生くんを抱っこして走るくらい出来るはず。
「おいで!」
両手を広げると、芽生くんが飛び込んでくれた。
僕は芽生くんを抱っこしたまま、公園に向かって走り出した。潤のように力強く飛び立てなかったが、精一杯頑張った。
「お兄ちゃんのひこうき、すごーい」
「よかった!」
やがて丘の向こうに潤の姿が見えた。いっくんはレジャーマットでお昼寝していたので、今なら潤の手が空いている。
「ジューン!」
「お、オレにも抱っこさせてくれよ」
「ありがとう!」
潤が芽生くんを受け取って、僕よりも高い位置で抱っこ、そして大きく旋回する飛行機をしてくれた。
「きゃー! わぁ~」
芽生くんの笑顔が、途端に弾ける。
良かったね! 芽生くん。
「芽生坊、重くなったなぁ。でもまだまだ出来るぞ! それー!」
潤も本当にいい笑顔で、僕は菫さんと並んでその様子を見つめた。
「潤くん、『芽生坊、芽生坊』って、芽生くんの話を沢山してくれましたよ」
「本当ですか」
「明るくて優しく可愛い坊やで、瑞樹くんの秘蔵っ子だって。だから今日会えるの楽しみにしていました。いっくんと沢山遊んでくれてありがとうございます」
「こちらこそ。芽生くんは一人っ子なので、弟が出来たみたいで嬉しかったと思います」
菫さんがじっと僕を見つめる。
「あの……お節介かもしれませんが、いつもと違うテンションでかなり疲れたとも思うので、帰りは沢山甘えさせてあげてくださいね」
「あ……はい」
流石だな。母親らしい目線に感服した。
「お兄ちゃーん」
芽生くんが潤の腕の中から、笑顔を振りまいている。明るい日差しが、二人に降り注いでいた。
「兄さん、芽生坊って、やっぱメチャクチャ可愛いな」
「えへへ、ジュンくんもかっこいいよぅ~」
ようやく芽生くんらしい甘い笑顔が見られて、ホッとした。
「よーし、もう一周するか」
「うん!」
「ビューン!」
いっくんはあどけない顔で、まだ両手をバンザイしたまま眠っている。まだまだ赤ちゃんのような寝顔で、天使そのものだ。
そういえば、結婚式に天使の服を着ると言っていたが似合うだろうな。そうなると一緒にフラワーボーイをする芽生くんは、どんな式服を着せたらいいかな?
うーん、迷うな。
トラッドスーツ? ベストスーツ? それとも半ズボンにサスペンダー、蝶ネクタイなんかも可愛いかも。
「あの、もう芽生くんの結婚式のお洋服って、決めていますか」
「いえ、入学式のスーツは小さくなってしまったので、どうしようかなと」
「瑞樹くんたちは、東京にお住まいですよね」
「はい」
「銀座も、お近いですか」
「職場からは、すぐですよ」
「じゃあよかったら、ここオススメです。本格的なテーラーなのに、子供服のフォーマルも扱っているんですよ。私の仕事先でお世話になった先輩が開業したばかりなので宣伝させて下さい」
菫さんから、一枚の名刺をもらった。
東銀座の『テーラー桐生』
聞いたことないが、場所はだいたい分かる。
今度宗吾さんと覗いてみようかな。
「ありがとうございます」
「瑞樹くんのパートナーの方とぜひ」
「あ、はい」
テーラーでスーツを作った経験は僕にはないが、宗吾さんが喜びそうなので行ってみたくなった。それに僕も結構な親バカだから、『いっくん天使』にも引けを取らない可愛い衣装を着せてあげたくなった。
「芽生坊、楽しかったな」
「ジュンくん、ありがとう!」
芽生くんはすっかりご機嫌になり、潤は子供との接し方がますます上手くなり、微笑ましいばかりだ。
今日も僕の周りには、いい風が吹いている。
原っぱで気ままに戯れるだけの時間だが、最高にいい。
ここに宗吾さんがいてくれたら、もっともっと居心地が良くなるだろうな。
「宗吾さん、お仕事、頑張っていますか。会いたいです」
****
4月並の気温だったので昼飯は、外で食うことにした。
大きな噴水の見えるベンチで、ネクタイをクイッと緩めてコンビニのサンドイッチを頬張っていると、軽やかな鈴の音が聞えた。
お? 瑞樹が今、俺を思ってくれたんじゃないか。
そんな優しい気配を感じたぞ。
俺たち以心伝心だもんな。
あたりをキョロキョロ見渡すと、花壇に色とりどりのチューリップの花が揺れていた。
春なんだなぁ。
間もなく4月。
いい季節になる。
芽生の進級に、瑞樹と芽生の誕生日、兄さんたちと中華街で会食。
楽しいことが宝石のように散らばっている毎日が待っている。
この俺が、彩りのある日々を送れるのは、全部、瑞樹のお陰だ。
感謝しているよ。
いっくんは、潤の胸の上で、安心しきった顔で眠ってしまった。
コアラの赤ちゃんみたいにくっついている。
しばらくすると、あの日の芽生くんのように、すぅすぅと可愛い寝息が聞えてきた。
「まるで空から降りてきた天使のようだね」
潤に話し掛けると、照れ臭そうに笑っていた。
「いっくんさ、結婚式の衣装を選んでいたら、自分で天使の格好をするって言い出したんだよ」
「わぁ、それは可愛いだろうね。当日が楽しみだよ」
「兄さん、オレさ……こんなに幸せでいいのかな」
「潤、いいんだよ。これからは幸せな潤が、いっくんと菫さんの幸せを、しっかり守ってあげるんだよ」
「あぁ、分かった」
いっくんが眠っている間に、僕と芽生くんはショッピングモール内を散策した。
「芽生くん、パパにお土産買おうか」
「……うん」
「何がいいかな」
「……なんでも」
「芽生くん?」
ところが、二人になった途端に芽生くんの元気がなくなったのが気になった。
「あのね……お兄ちゃん、いっくんにはパパがいなかったんでしょう?」
「……そうだよ」
「もしかして死んじゃったの?」
「……うん」
「それでジュンくんが急にパパになったんだね」
「そうだよ」
「そっかぁ、だからなんだね」
芽生くんの笑顔は消え、寂しそうな表情だ。
「どうかした?」
「ううん、なんでもない」
芽生くんの『なんでもない』は、絶対に何かある時だ。
「お兄ちゃんには話してくれないのかな?」
芽生くんと目線を合わせて、優しく問いかけてみた。
「あ、あのね、ジュンくん、今日はいそがしかったかなぁって……ちょっとだけ……思ったの!」
「あ……」
「いいんだ。パパになったばかりのときって、たいへんだよね。ボクのパパもいそがしくて、ボクのことわすれちゃったみたいなときがあって、ちょっとさみしかったんだぁ」
「芽生くん」
芽生くんもまだ7歳のあどけない子供なのに、あまりに明るくていい子だから、ボクも失念していた。いつもなら潤が芽生くんを沢山抱っこし、飛行機もしてくれたよね。
「よーし、芽生くん、僕が飛行機をしてあげるよ」
「ほんと?」
僕だって……伊達にフローリストをやっているわけではない。重たい花材や花器を持ち運ぶ力仕事をしているのだから、たぶん……芽生くんを抱っこして走るくらい出来るはず。
「おいで!」
両手を広げると、芽生くんが飛び込んでくれた。
僕は芽生くんを抱っこしたまま、公園に向かって走り出した。潤のように力強く飛び立てなかったが、精一杯頑張った。
「お兄ちゃんのひこうき、すごーい」
「よかった!」
やがて丘の向こうに潤の姿が見えた。いっくんはレジャーマットでお昼寝していたので、今なら潤の手が空いている。
「ジューン!」
「お、オレにも抱っこさせてくれよ」
「ありがとう!」
潤が芽生くんを受け取って、僕よりも高い位置で抱っこ、そして大きく旋回する飛行機をしてくれた。
「きゃー! わぁ~」
芽生くんの笑顔が、途端に弾ける。
良かったね! 芽生くん。
「芽生坊、重くなったなぁ。でもまだまだ出来るぞ! それー!」
潤も本当にいい笑顔で、僕は菫さんと並んでその様子を見つめた。
「潤くん、『芽生坊、芽生坊』って、芽生くんの話を沢山してくれましたよ」
「本当ですか」
「明るくて優しく可愛い坊やで、瑞樹くんの秘蔵っ子だって。だから今日会えるの楽しみにしていました。いっくんと沢山遊んでくれてありがとうございます」
「こちらこそ。芽生くんは一人っ子なので、弟が出来たみたいで嬉しかったと思います」
菫さんがじっと僕を見つめる。
「あの……お節介かもしれませんが、いつもと違うテンションでかなり疲れたとも思うので、帰りは沢山甘えさせてあげてくださいね」
「あ……はい」
流石だな。母親らしい目線に感服した。
「お兄ちゃーん」
芽生くんが潤の腕の中から、笑顔を振りまいている。明るい日差しが、二人に降り注いでいた。
「兄さん、芽生坊って、やっぱメチャクチャ可愛いな」
「えへへ、ジュンくんもかっこいいよぅ~」
ようやく芽生くんらしい甘い笑顔が見られて、ホッとした。
「よーし、もう一周するか」
「うん!」
「ビューン!」
いっくんはあどけない顔で、まだ両手をバンザイしたまま眠っている。まだまだ赤ちゃんのような寝顔で、天使そのものだ。
そういえば、結婚式に天使の服を着ると言っていたが似合うだろうな。そうなると一緒にフラワーボーイをする芽生くんは、どんな式服を着せたらいいかな?
うーん、迷うな。
トラッドスーツ? ベストスーツ? それとも半ズボンにサスペンダー、蝶ネクタイなんかも可愛いかも。
「あの、もう芽生くんの結婚式のお洋服って、決めていますか」
「いえ、入学式のスーツは小さくなってしまったので、どうしようかなと」
「瑞樹くんたちは、東京にお住まいですよね」
「はい」
「銀座も、お近いですか」
「職場からは、すぐですよ」
「じゃあよかったら、ここオススメです。本格的なテーラーなのに、子供服のフォーマルも扱っているんですよ。私の仕事先でお世話になった先輩が開業したばかりなので宣伝させて下さい」
菫さんから、一枚の名刺をもらった。
東銀座の『テーラー桐生』
聞いたことないが、場所はだいたい分かる。
今度宗吾さんと覗いてみようかな。
「ありがとうございます」
「瑞樹くんのパートナーの方とぜひ」
「あ、はい」
テーラーでスーツを作った経験は僕にはないが、宗吾さんが喜びそうなので行ってみたくなった。それに僕も結構な親バカだから、『いっくん天使』にも引けを取らない可愛い衣装を着せてあげたくなった。
「芽生坊、楽しかったな」
「ジュンくん、ありがとう!」
芽生くんはすっかりご機嫌になり、潤は子供との接し方がますます上手くなり、微笑ましいばかりだ。
今日も僕の周りには、いい風が吹いている。
原っぱで気ままに戯れるだけの時間だが、最高にいい。
ここに宗吾さんがいてくれたら、もっともっと居心地が良くなるだろうな。
「宗吾さん、お仕事、頑張っていますか。会いたいです」
****
4月並の気温だったので昼飯は、外で食うことにした。
大きな噴水の見えるベンチで、ネクタイをクイッと緩めてコンビニのサンドイッチを頬張っていると、軽やかな鈴の音が聞えた。
お? 瑞樹が今、俺を思ってくれたんじゃないか。
そんな優しい気配を感じたぞ。
俺たち以心伝心だもんな。
あたりをキョロキョロ見渡すと、花壇に色とりどりのチューリップの花が揺れていた。
春なんだなぁ。
間もなく4月。
いい季節になる。
芽生の進級に、瑞樹と芽生の誕生日、兄さんたちと中華街で会食。
楽しいことが宝石のように散らばっている毎日が待っている。
この俺が、彩りのある日々を送れるのは、全部、瑞樹のお陰だ。
感謝しているよ。
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