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小学生編
積み重ねるのも愛 3
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「瑞樹……」
俺の恋人は、最高にいじらしい。
俺の恋人は、息子を我が子のように愛してくれる。
何もかも……相手が瑞樹だから成り立つ方程式。
パズルのピースが、全てあてはまるようにしっくりくる存在だ。
「君の悲しい過去も、これまでの人生も、全部俺たちが受け止めるから、君もまるごと飛び込んで来い! もっともっと幸せになろう、俺たち……力を合わせて」
涙を隠す手をそっと掴んで、額にキスをしてやる。
「だからもう泣くな」
そのまま目元の雫を吸い取って、乾いたくちびるを押し開いてやった。
「あ……は、ぅ……」
皮膜から瑞樹の熱を直に感じると、愛おしさが湧き上がってくる。
角度を変えながら口づけを深めれば、瑞樹の頬は花が咲くように薔薇色に染まっていく。
いつも思うことだが、君は本当に可憐な男だよ。
今日は瑞樹を優しく抱く。
そう決めていたから、優しく君への口づけを繰り返す。
赤子をあやすように、ゆったりと。
「あ……ふっ……」
瑞樹も今日は少し幼い表情で俺に縋ってくれる。
「沢山感じてくれ」
瑞樹のものを手ですっぽり包んで、ぬちゅぬちゅと扱いてやる。
「ん……、ん、ん」
ベッドの中での瑞樹は清純な色香を振りまいて、俺を煽ってくる。
瑞樹を追い詰めているはずが、俺の方が切羽詰まってくるんだよな。
君が良すぎて……
「悪い……もう挿れたい。君の中に」
「いいですよ。僕もそうして欲しいです」
瑞樹が少し躊躇いがちに足を開いてくれるので、窄まりに潤滑剤を纏った指を這わした。
「んっ」
指だけでもう過敏に反応する腰を押さえながら、更に中へと押し進めて様子を窺う。
「もうこんなに熱くなってトロトロじゃないか。いつも可愛いな」
「宗吾さん……言わないで下さい……あっ、あっ――」
瑞樹は喉を反らせて、過敏に反応してくれる。
剥き出しの象牙色の肩も、滑らかな胸も、何もかも穢れなき雪のようで、踏むのを躊躇う程だ。
「もう……宗吾さんが……ほしいです」
「あぁ」
瑞樹のほっそりとした太股を抱え上げて、ググッと挿入し、ゆっくり中に進んだ。
「締め付けがすごいな」
「い、言わないで……もう……んっ、ふっ……うっ」
腰を打ち付けると、瑞樹が小さな声で啼く。
その様子が可愛くて、この腕で守ってやりたい気持ちで一杯になる。
「瑞樹……沢山、感じてくれ」
「宗吾さん……っ、宗吾さん……函館でも一緒にいて下さい。絶対離れないで」
「大丈夫だよ。俺が傍にいる」
君の一抹の不安を蹴散らすように大きく腰を揺らして、中をくちゅりと掻き混ぜる。
「ああぁ……いや……いやです。もうそんなにしたら」
「いやなのか。じゃあやめようか」
「あ……まって、いかないで……駄目です」
そんな繰り返しを楽しみながら、二人でどんどん昇り詰めていく。
「もっと……もっと下さい」
「いいのか。キツくないか」
「大丈夫です」
両手、瑞樹の細腰を抱えなおして、更にズンッと突き上げていく。
優しく抱くつもりが、止まらなくなってしまう。
参ったな――
「あ……あっ、いく……」
「いけ!」
最後に一際大きく穿つと、瑞樹が先に吐精した。
「ああ……っ」
そのまま俺も甘い声を漏らし身悶える君を抱きしめながら、最奥を突いた。
「くっ」
「あ……あぁ……宗吾さんの……大きくて……変になる」
達したばかりで震える身体を抱きしめてやる。
「瑞樹……大丈夫か、もう一度いいか」
「え……今は……駄目、まだ……駄目です」
「じゃあここで待とう」
未だ熱を孕んだままのものを瑞樹の中に留まらせると、瑞樹は困惑した表情になっていた。
「今日は、一度だけって……」
「そうだったな。だが今日の君、可愛すぎて……溜まらないんだ」
「宗吾さん、僕……そんなに求めてもらえて……幸せです」
瑞樹が自ら……整わない呼吸で、優しくキスしてくれる。
それが嬉しかった。
一方通行ではない愛だ。
両方向から求め合い、愛し合うって……素晴らしいことだ。
****
大人の寄り道と大人の時間を満喫した俺たちは、また日常に戻った。
芽生は三学期が始まり、俺たちは仕事に明け暮れ、函館へのスキー旅行を楽しみにしながら、慌ただしい日々を過ごしていた。
1月も下旬のことだ。
雑誌撮影の立ち会いをしていると、カメラマンの林さんが近づいてきた。
「滝沢さん、正月以来ですね」
「お! お疲れさん」
「そうだ。ちょっといいですか」
「ん?」
鞄から取り出したのは、白いUSBメモリだった。
「これ」
「なんです?」
「ほら、正月に瑞樹くんに頼まれたものだよ」
「あぁ……瑞樹の実母のこと、何か分かったか」
「それが『青木澄子』さんと言うカメラマンは散々探したが見当たらなかったんだ」
そうなのか、瑞樹……がっかりするだろうな。
「いや、瑞樹も十歳の時だったから記憶が朧気なようでな。それに函館の育ての親も、瑞樹の母とは遠い親戚すぎて、よく分からないようだし……」
「……あの、もしかしたら瑞樹くんのお母さん、カメラマンの助手だったんじゃないですか」
なるほど、そういう可能性もあるな。
「だから瑞樹くんが十歳位の頃に北国で活躍していたカメラマンの写真を、ここに沢山落としてみました。後で……彼と見て下さい」
「あ……そうだ、父親の方は何か分かったか」
「それが、何も引っかからないんですよね」
念のため、後から瑞樹の父親の名前も聞いて調べてもらったが、何も出なかったのか。
「あとは直感ですかね?」
「そうか……とにかく助かったよ。ありがとう!」
青木大樹《あおきだいき》
それが瑞樹の父の名だった。
俺の恋人は、最高にいじらしい。
俺の恋人は、息子を我が子のように愛してくれる。
何もかも……相手が瑞樹だから成り立つ方程式。
パズルのピースが、全てあてはまるようにしっくりくる存在だ。
「君の悲しい過去も、これまでの人生も、全部俺たちが受け止めるから、君もまるごと飛び込んで来い! もっともっと幸せになろう、俺たち……力を合わせて」
涙を隠す手をそっと掴んで、額にキスをしてやる。
「だからもう泣くな」
そのまま目元の雫を吸い取って、乾いたくちびるを押し開いてやった。
「あ……は、ぅ……」
皮膜から瑞樹の熱を直に感じると、愛おしさが湧き上がってくる。
角度を変えながら口づけを深めれば、瑞樹の頬は花が咲くように薔薇色に染まっていく。
いつも思うことだが、君は本当に可憐な男だよ。
今日は瑞樹を優しく抱く。
そう決めていたから、優しく君への口づけを繰り返す。
赤子をあやすように、ゆったりと。
「あ……ふっ……」
瑞樹も今日は少し幼い表情で俺に縋ってくれる。
「沢山感じてくれ」
瑞樹のものを手ですっぽり包んで、ぬちゅぬちゅと扱いてやる。
「ん……、ん、ん」
ベッドの中での瑞樹は清純な色香を振りまいて、俺を煽ってくる。
瑞樹を追い詰めているはずが、俺の方が切羽詰まってくるんだよな。
君が良すぎて……
「悪い……もう挿れたい。君の中に」
「いいですよ。僕もそうして欲しいです」
瑞樹が少し躊躇いがちに足を開いてくれるので、窄まりに潤滑剤を纏った指を這わした。
「んっ」
指だけでもう過敏に反応する腰を押さえながら、更に中へと押し進めて様子を窺う。
「もうこんなに熱くなってトロトロじゃないか。いつも可愛いな」
「宗吾さん……言わないで下さい……あっ、あっ――」
瑞樹は喉を反らせて、過敏に反応してくれる。
剥き出しの象牙色の肩も、滑らかな胸も、何もかも穢れなき雪のようで、踏むのを躊躇う程だ。
「もう……宗吾さんが……ほしいです」
「あぁ」
瑞樹のほっそりとした太股を抱え上げて、ググッと挿入し、ゆっくり中に進んだ。
「締め付けがすごいな」
「い、言わないで……もう……んっ、ふっ……うっ」
腰を打ち付けると、瑞樹が小さな声で啼く。
その様子が可愛くて、この腕で守ってやりたい気持ちで一杯になる。
「瑞樹……沢山、感じてくれ」
「宗吾さん……っ、宗吾さん……函館でも一緒にいて下さい。絶対離れないで」
「大丈夫だよ。俺が傍にいる」
君の一抹の不安を蹴散らすように大きく腰を揺らして、中をくちゅりと掻き混ぜる。
「ああぁ……いや……いやです。もうそんなにしたら」
「いやなのか。じゃあやめようか」
「あ……まって、いかないで……駄目です」
そんな繰り返しを楽しみながら、二人でどんどん昇り詰めていく。
「もっと……もっと下さい」
「いいのか。キツくないか」
「大丈夫です」
両手、瑞樹の細腰を抱えなおして、更にズンッと突き上げていく。
優しく抱くつもりが、止まらなくなってしまう。
参ったな――
「あ……あっ、いく……」
「いけ!」
最後に一際大きく穿つと、瑞樹が先に吐精した。
「ああ……っ」
そのまま俺も甘い声を漏らし身悶える君を抱きしめながら、最奥を突いた。
「くっ」
「あ……あぁ……宗吾さんの……大きくて……変になる」
達したばかりで震える身体を抱きしめてやる。
「瑞樹……大丈夫か、もう一度いいか」
「え……今は……駄目、まだ……駄目です」
「じゃあここで待とう」
未だ熱を孕んだままのものを瑞樹の中に留まらせると、瑞樹は困惑した表情になっていた。
「今日は、一度だけって……」
「そうだったな。だが今日の君、可愛すぎて……溜まらないんだ」
「宗吾さん、僕……そんなに求めてもらえて……幸せです」
瑞樹が自ら……整わない呼吸で、優しくキスしてくれる。
それが嬉しかった。
一方通行ではない愛だ。
両方向から求め合い、愛し合うって……素晴らしいことだ。
****
大人の寄り道と大人の時間を満喫した俺たちは、また日常に戻った。
芽生は三学期が始まり、俺たちは仕事に明け暮れ、函館へのスキー旅行を楽しみにしながら、慌ただしい日々を過ごしていた。
1月も下旬のことだ。
雑誌撮影の立ち会いをしていると、カメラマンの林さんが近づいてきた。
「滝沢さん、正月以来ですね」
「お! お疲れさん」
「そうだ。ちょっといいですか」
「ん?」
鞄から取り出したのは、白いUSBメモリだった。
「これ」
「なんです?」
「ほら、正月に瑞樹くんに頼まれたものだよ」
「あぁ……瑞樹の実母のこと、何か分かったか」
「それが『青木澄子』さんと言うカメラマンは散々探したが見当たらなかったんだ」
そうなのか、瑞樹……がっかりするだろうな。
「いや、瑞樹も十歳の時だったから記憶が朧気なようでな。それに函館の育ての親も、瑞樹の母とは遠い親戚すぎて、よく分からないようだし……」
「……あの、もしかしたら瑞樹くんのお母さん、カメラマンの助手だったんじゃないですか」
なるほど、そういう可能性もあるな。
「だから瑞樹くんが十歳位の頃に北国で活躍していたカメラマンの写真を、ここに沢山落としてみました。後で……彼と見て下さい」
「あ……そうだ、父親の方は何か分かったか」
「それが、何も引っかからないんですよね」
念のため、後から瑞樹の父親の名前も聞いて調べてもらったが、何も出なかったのか。
「あとは直感ですかね?」
「そうか……とにかく助かったよ。ありがとう!」
青木大樹《あおきだいき》
それが瑞樹の父の名だった。
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