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小学生編
ゆめの国 17
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「お兄ちゃん、ポップコーンもっと食べる?」
「ありがとう。もらおうかな」
「あれれ? もうなくなっちゃった」
芽生くんが空っぽのポップコーンケースの底を見つめ悲しそうにしていると、宗吾さんが即答してくれた。
「芽生、いいぜ! 俺と瑞樹が結構食べちゃったからまた買いに行こう!」
「ほんと? パパ、本当にいいの?」
「あぁ」
「やったぁ~!」
そんなに喜んで……芽生くんは、もっと我が儘でもいいくらいだよ。芽生くんくらいの時、僕の弟の潤は大暴れして大変だったよ。懐かしいな……当時の僕は潤の駄々っ子ぶりに驚いたが……今考えると、男兄弟ってあんなものなのかもしれないな。僕と夏樹が穏やか過ぎたのかも?
「あれれ、随分並んでいるな」
「本当ですね。ちょうどおやつの時間だからでしょうか」
人気のキャラメルポップコーンだからなのか、長蛇の列になっていた。
「よーし! ボクが並ぶから、お兄ちゃんとパパはそこで待っていて」
「え?」
「あのね……ボク、そろそろひとりでお買い物してみたかったんだ」
ポップコーンの列に同年代の女の子が一人で並んでいたからかな? 突然の『はじめてのおつかい』いや『はじめてのお買い物』宣言に、宗吾さんと顔を見合わせてしまった。
「あの、大丈夫でしょうか」
「まぁここは『ゆめの国』だし、大丈夫だろう。やらせてみるか」
「そうですね。目の前にベンチもあるし、あそこで見守りましょう」
「あぉ」
少し寂しい気持ちと応援したい気持ちが交差した。
「じゃあ、芽生、おかわりくださいって言って、このケースにいれてもらうんだぞ。ほらお金だ。落とさないようにポケットにいれて」
「わかった! やってみるね」
「頑張ってね」
「お兄ちゃん、ちゃんと見ていてね。ボクひとりでお買い物するよ」
芽生くんは好奇心いっぱいの表情で、キリッとしていた。
子供のやってみたいという気持ち、応援しないとな。
「瑞樹、ちょっと寂しいな。芽生の独り立ち」
「そうですね、なんだか急に……」
「まぁ幼くなったり、大人の真似をしてみたくなったり……芽生も忙しない年頃なんだな。君と出会った頃は、まだ上手に幼稚園の制服も着られなかったし、おねしょもしていたのにな」
「あ……」
「どうした?」
宗吾さんに言われて、ふと気付いたことがある。僕と宗吾さんは思い出を共有できるようになっていた。この2年で……それが嬉しかった。
芽生くんが並ぶ列は、少しずつ進んでいた。最初はこちらを見て手を振る余裕があったが、だんだん緊張していくのが手に取るように伝わって来た。
「次だな」
「お金ちゃんと出せるでしょうか」
僕と宗吾さんはじっと見つめた。
「あの、ポップコーンのおかわり下さい! ここに入れてもらえますか」
芽生くんの大きな声が聞こえてきた。
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます! えっとぉ、100円玉を1枚、2枚、3枚、4枚……これでたりますか」
「はい! 大丈夫です。ありがとうございました」
出来たてポップコーンを船型のケースに入れてもらった芽生くんが大きく手を振る。
「パパー、お兄ちゃーん、ボクひとりで出来たよ」
宗吾さんと僕の元に、嬉しそうにすごい勢いで駆け寄ってくる。
ところが……
あっ……危ない!
本当によくあるシーンになってしまった。
ゴテッ!
興奮した芽生くんが足を絡ませて見事に転んでしまったのだ。
ガシャン――
しかもその表紙にポップコーンケースの蓋が開いて、買ったばかりのポップコーンが道に大量に散乱してしまった。
「大丈夫か!」
「芽生くん!」
「うう……ポップコーンが……」
芽生くんは痛みよりショックで呆然としていた。
すると僕たちが駆け寄るのと同じタイミングでスタッフの人がわらわらと飛んで来てくれ、芽生くんに話かけてくれた。
「大丈夫ですよ。あぁ泣かないで……今から魔法をかけてあげますね。さぁ目をつぶって待っていて下さい」
「う、うん」
芽生くんは僕と宗吾さんに抱きかかえられ、目をギュッと閉じていた
スタッフの方はにっこり微笑んで、ポップコーンケースをワゴンに持って行き、こっそり新しいポップコーンを入れてくれた。しかも芽生くんが目を閉じている間に、他のスタッフさんが零してしまったポップコーンを片付けてくれた。
「さぁ魔法がかかりましたよ。目を開けて下さい」
「あ! どうして……」
芽生くんのポップコーンケースには熱々のポップコーンが沢山入っていた。
「ここは『ゆめの国』ですから、魔法を使いましたよ」
「すごい、お兄ちゃん、パパ、魔法だ! 見た? すごい」
大喜びの芽生くんに、ホッとした。
流石『ゆめの国』だ。
魔法を使ったサービスで、子供にとってショックな出来事を素敵な思い出に変えてくれるなんて……!
現実はこんなに順調にはいかないが、時に人はこんな風にケアしてもらいたくなる。癒やしの時間がなければ、傷ついた心は傷ついたままだ。
「あ、ありがとうごじゃいましゅ。あっ」
芽生くんは舌を噛んで、照れ笑いしていた。ふふっ、可愛いね。
****
その後いくつかの乗り物を楽しんでぶらぶら施設内を歩いていると、芽生も瑞樹も少し疲れてきたようだ。俺はタフなんでまだまだ元気だが。
「お兄ちゃん、ちょっと疲れちゃった。これ、持ってくれる?」
「いいよ。少ししたら休憩しようか」
「うん」
芽生がポップコーンケースを、瑞樹に預けた。
「ボク……おトイレに行きたいな」
「急に忙しいな、じゃあ俺も行きたいから一緒に行くよ。瑞樹も行くか」
「いえ、僕は大丈夫です。ここで荷物を持ってまっています」
「そうか、悪いな」
瑞樹に二匹のぬいぐるみとお土産のぬいぐるみ、ポップコーンケースを持って貰うと、荷物に埋もれそうで、心配になった。
「すぐに戻るよ」
ところが芽生とトイレを済まし戻ってくると、瑞樹は日陰に移動していた。
よく晴れているので、気温も上がってきていた。
「お兄ちゃん~ こっちこっち! 早く~」
「芽生くん!」
瑞樹が荷物を持って走り出すと、そこに突然小さな子供が方向転換し横切ったので、避けようとした瑞樹がよろけてバランスを崩してしまった。
「あっ!」
「危ない」
子供を避ける時に必要以上に飛び退いたせいで、持っていたポップコーンを落としてしまったのだ。
またもや先ほどの光景が広がる。
食べかけのポップコーンが床に散乱してしまった。
「あ……」
瑞樹は呆然として立ち尽くしている。
子供の母親が謝っているのに、上の空だ。
「パパ! すぐに助けに行こう!」
「あぁ!」
平謝りの子供の母親には、俺から大丈夫だからもう行って下さいと伝えた。
「瑞樹、大丈夫だ。心配するなって」
「ご、ごめんなさい。芽生くんのポップコーンケース無事でしょうか!」
「お兄ちゃん大丈夫だよ。ほら、こわれてないよ」
「よかった……、でも、どうしよう……散らかしちゃって」
咄嗟にハプニングに弱い瑞樹が狼狽える。
「瑞樹、こんなことよくあるさ」
「でも……僕は大人なのに……もう恥ずかしくて消え入りたいです」
「馬鹿。こんなことで消えるなって。これはな、そうだな『ポップコーンパーティー』だ」
「パパ、何それ? ワクワクするね」
そんな話をいると、ちりとりとほうきをもったスタッフがささっと近づいて来てくれた。
「あらぁ~楽しそう! ポップコーンパーティーをしているんですね。参加させてください~♫」
「あ、さっきのスタッフさんだ」
ランチの後写真を撮ってくれた瑞樹の母親くらいの年代の女性が、手際よくとても楽しそうにちりとりでお掃除をしてくれた。
「あ、ありがとうございます!」
「こちらこそ、パーティーに参加させてくださってありがとうございます。パパさんたち、また家族写真を撮りましょうか。ここは絶好のスポットなんですよ~」
話をぐいぐい逸らしてくれるので、瑞樹もトラウマにならずに済みそうだ。
やはりここは『ゆめの国』だ。
長い人生、羽を休める場所も必要ってことだ。
また来よう。
俺たちさ、いつも仕事も家事も育児も頑張っているから、ここに休みに来よう!
「ありがとう。もらおうかな」
「あれれ? もうなくなっちゃった」
芽生くんが空っぽのポップコーンケースの底を見つめ悲しそうにしていると、宗吾さんが即答してくれた。
「芽生、いいぜ! 俺と瑞樹が結構食べちゃったからまた買いに行こう!」
「ほんと? パパ、本当にいいの?」
「あぁ」
「やったぁ~!」
そんなに喜んで……芽生くんは、もっと我が儘でもいいくらいだよ。芽生くんくらいの時、僕の弟の潤は大暴れして大変だったよ。懐かしいな……当時の僕は潤の駄々っ子ぶりに驚いたが……今考えると、男兄弟ってあんなものなのかもしれないな。僕と夏樹が穏やか過ぎたのかも?
「あれれ、随分並んでいるな」
「本当ですね。ちょうどおやつの時間だからでしょうか」
人気のキャラメルポップコーンだからなのか、長蛇の列になっていた。
「よーし! ボクが並ぶから、お兄ちゃんとパパはそこで待っていて」
「え?」
「あのね……ボク、そろそろひとりでお買い物してみたかったんだ」
ポップコーンの列に同年代の女の子が一人で並んでいたからかな? 突然の『はじめてのおつかい』いや『はじめてのお買い物』宣言に、宗吾さんと顔を見合わせてしまった。
「あの、大丈夫でしょうか」
「まぁここは『ゆめの国』だし、大丈夫だろう。やらせてみるか」
「そうですね。目の前にベンチもあるし、あそこで見守りましょう」
「あぉ」
少し寂しい気持ちと応援したい気持ちが交差した。
「じゃあ、芽生、おかわりくださいって言って、このケースにいれてもらうんだぞ。ほらお金だ。落とさないようにポケットにいれて」
「わかった! やってみるね」
「頑張ってね」
「お兄ちゃん、ちゃんと見ていてね。ボクひとりでお買い物するよ」
芽生くんは好奇心いっぱいの表情で、キリッとしていた。
子供のやってみたいという気持ち、応援しないとな。
「瑞樹、ちょっと寂しいな。芽生の独り立ち」
「そうですね、なんだか急に……」
「まぁ幼くなったり、大人の真似をしてみたくなったり……芽生も忙しない年頃なんだな。君と出会った頃は、まだ上手に幼稚園の制服も着られなかったし、おねしょもしていたのにな」
「あ……」
「どうした?」
宗吾さんに言われて、ふと気付いたことがある。僕と宗吾さんは思い出を共有できるようになっていた。この2年で……それが嬉しかった。
芽生くんが並ぶ列は、少しずつ進んでいた。最初はこちらを見て手を振る余裕があったが、だんだん緊張していくのが手に取るように伝わって来た。
「次だな」
「お金ちゃんと出せるでしょうか」
僕と宗吾さんはじっと見つめた。
「あの、ポップコーンのおかわり下さい! ここに入れてもらえますか」
芽生くんの大きな声が聞こえてきた。
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます! えっとぉ、100円玉を1枚、2枚、3枚、4枚……これでたりますか」
「はい! 大丈夫です。ありがとうございました」
出来たてポップコーンを船型のケースに入れてもらった芽生くんが大きく手を振る。
「パパー、お兄ちゃーん、ボクひとりで出来たよ」
宗吾さんと僕の元に、嬉しそうにすごい勢いで駆け寄ってくる。
ところが……
あっ……危ない!
本当によくあるシーンになってしまった。
ゴテッ!
興奮した芽生くんが足を絡ませて見事に転んでしまったのだ。
ガシャン――
しかもその表紙にポップコーンケースの蓋が開いて、買ったばかりのポップコーンが道に大量に散乱してしまった。
「大丈夫か!」
「芽生くん!」
「うう……ポップコーンが……」
芽生くんは痛みよりショックで呆然としていた。
すると僕たちが駆け寄るのと同じタイミングでスタッフの人がわらわらと飛んで来てくれ、芽生くんに話かけてくれた。
「大丈夫ですよ。あぁ泣かないで……今から魔法をかけてあげますね。さぁ目をつぶって待っていて下さい」
「う、うん」
芽生くんは僕と宗吾さんに抱きかかえられ、目をギュッと閉じていた
スタッフの方はにっこり微笑んで、ポップコーンケースをワゴンに持って行き、こっそり新しいポップコーンを入れてくれた。しかも芽生くんが目を閉じている間に、他のスタッフさんが零してしまったポップコーンを片付けてくれた。
「さぁ魔法がかかりましたよ。目を開けて下さい」
「あ! どうして……」
芽生くんのポップコーンケースには熱々のポップコーンが沢山入っていた。
「ここは『ゆめの国』ですから、魔法を使いましたよ」
「すごい、お兄ちゃん、パパ、魔法だ! 見た? すごい」
大喜びの芽生くんに、ホッとした。
流石『ゆめの国』だ。
魔法を使ったサービスで、子供にとってショックな出来事を素敵な思い出に変えてくれるなんて……!
現実はこんなに順調にはいかないが、時に人はこんな風にケアしてもらいたくなる。癒やしの時間がなければ、傷ついた心は傷ついたままだ。
「あ、ありがとうごじゃいましゅ。あっ」
芽生くんは舌を噛んで、照れ笑いしていた。ふふっ、可愛いね。
****
その後いくつかの乗り物を楽しんでぶらぶら施設内を歩いていると、芽生も瑞樹も少し疲れてきたようだ。俺はタフなんでまだまだ元気だが。
「お兄ちゃん、ちょっと疲れちゃった。これ、持ってくれる?」
「いいよ。少ししたら休憩しようか」
「うん」
芽生がポップコーンケースを、瑞樹に預けた。
「ボク……おトイレに行きたいな」
「急に忙しいな、じゃあ俺も行きたいから一緒に行くよ。瑞樹も行くか」
「いえ、僕は大丈夫です。ここで荷物を持ってまっています」
「そうか、悪いな」
瑞樹に二匹のぬいぐるみとお土産のぬいぐるみ、ポップコーンケースを持って貰うと、荷物に埋もれそうで、心配になった。
「すぐに戻るよ」
ところが芽生とトイレを済まし戻ってくると、瑞樹は日陰に移動していた。
よく晴れているので、気温も上がってきていた。
「お兄ちゃん~ こっちこっち! 早く~」
「芽生くん!」
瑞樹が荷物を持って走り出すと、そこに突然小さな子供が方向転換し横切ったので、避けようとした瑞樹がよろけてバランスを崩してしまった。
「あっ!」
「危ない」
子供を避ける時に必要以上に飛び退いたせいで、持っていたポップコーンを落としてしまったのだ。
またもや先ほどの光景が広がる。
食べかけのポップコーンが床に散乱してしまった。
「あ……」
瑞樹は呆然として立ち尽くしている。
子供の母親が謝っているのに、上の空だ。
「パパ! すぐに助けに行こう!」
「あぁ!」
平謝りの子供の母親には、俺から大丈夫だからもう行って下さいと伝えた。
「瑞樹、大丈夫だ。心配するなって」
「ご、ごめんなさい。芽生くんのポップコーンケース無事でしょうか!」
「お兄ちゃん大丈夫だよ。ほら、こわれてないよ」
「よかった……、でも、どうしよう……散らかしちゃって」
咄嗟にハプニングに弱い瑞樹が狼狽える。
「瑞樹、こんなことよくあるさ」
「でも……僕は大人なのに……もう恥ずかしくて消え入りたいです」
「馬鹿。こんなことで消えるなって。これはな、そうだな『ポップコーンパーティー』だ」
「パパ、何それ? ワクワクするね」
そんな話をいると、ちりとりとほうきをもったスタッフがささっと近づいて来てくれた。
「あらぁ~楽しそう! ポップコーンパーティーをしているんですね。参加させてください~♫」
「あ、さっきのスタッフさんだ」
ランチの後写真を撮ってくれた瑞樹の母親くらいの年代の女性が、手際よくとても楽しそうにちりとりでお掃除をしてくれた。
「あ、ありがとうございます!」
「こちらこそ、パーティーに参加させてくださってありがとうございます。パパさんたち、また家族写真を撮りましょうか。ここは絶好のスポットなんですよ~」
話をぐいぐい逸らしてくれるので、瑞樹もトラウマにならずに済みそうだ。
やはりここは『ゆめの国』だ。
長い人生、羽を休める場所も必要ってことだ。
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