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成就編
アフタースキーを楽しもう 3
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「なんだ? 全員揃って。あぁ、風呂場で鉢合わせたのか」
「驚きましたよ。北野さんの客が、まさか宗吾さんの知り合いだったなんて」
「えぇ!? 陸と知り合いだったのか。それは奇遇だな。なら話が早い。今日のもう一組の客は、仕事仲間の陸と連れの空くんだ」
潤と北野さんの会話を聞きながら、僕もこの偶然の出会いをもっと楽しみたくなった。彼らも僕らと同じ関係だなんて縁があるし、それに陸さんが話してくれた『陸と空の関係』見解には、大いに励まされた。
「さぁ夕食はBBQだ! 潤、少し寒いが、外で焼くのを手伝ってくれ」
「はい!」
「あっ俺もやりますよ。BBQなら慣れているので」
「いいのか。客人に申し訳ないが」
「いえ、むしろやりたいです!」
宗吾さんが、嬉しそうに名乗り上げた。学生時代はアウトドアが趣味だったと聞いていたから、得意なんだな。彼の嬉々とした表情が眩しい。生き生きとしている宗吾さんが、やはり好きだ。
「瑞樹、ここは俺の出番だ。君に旨いものを沢山食べさせてやりたいから手伝ってくるよ。芽生とゆっくりしていてくれ」
「はい! 楽しみにしていますね」
人は適材適所だ。僕は料理全般が苦手な方なので任せよう。仕事でも家庭でも『任せること、任せられること』のバランスが、とても大切だと学んでいる。
「芽生くん、じゃあお絵描きでもしようか」
「うん!」
芽生くんは、すぐに北野さんのお子さんと遊ぶのかと思ったが、まだ場所に慣れずに恥ずかしいようだ。
その気持ち分かるよ。だから慣れるまでゆっくりでいいよ。
いきなり違う環境に入り、見知らぬ人と接するのは、いくら人懐っこい芽生くんだって、負担が大きいよね。特に今日は身体が疲れているし。
僕も……かつて、そうだった。10歳で環境が突然ガラリと変わり、新しい母と兄弟に戸惑った。今となっては相手も同じ気持ちだったから、お互いに慣れるまで一呼吸置けばよかった。
無理をして、その場ですぐに物わかりのいい子の仮面を被ったツケは、大きかった。どんどん本当の自分を見失う結果になってしまった。
「あの、先ほどは風呂場でどうも」
「あ、空さん!」
芽生くんとリビングでお絵かきしていると、空さんが話し掛けてくれた。
眼鏡をかけて髪をきちんと整えた空さんは、楚々としたスーツが似合いそうな物静かな男性だった。
モデルみたいに派手な外見の陸さんと、控えめな空さん。
二人並ぶと、ちょうど良い塩梅だ。宗吾さんと僕の性格が真逆なのと同じで、タイプが違う方が案外上手くいくのかもしれないな。
「いえ、こちらこそ」
「あの、瑞樹くんと呼んでも?」
「もちろんです」
「僕は空です。それから一部訂正させてください。陸とは……そのですね。恋人同士と言っても、なんというか、まだ……その……プラト……あぁ……うう、何でもないです」
空さんは結局、顔を赤らめて、俯いてしまった。とても真面目な人のようだ。何を言いたかったのかは、察した。
「いえいえ。お二人はとてもお似合いですね」
「あ……ありがとう。実は1年ぶりなんです……会うの。だからちょっと僕、テンパっていて、す、すみません。ニューヨークにいる陸から、帰国するから、一緒にスキーに行かないかと突然誘われて。もう何もかも放り投げて来てしまいました。僕、スキーなんてやったことなかったのに」
キュンとした。華やかな陸さんが選んだのが、こんなにも初々しい人なのが素敵だ。
僕たち、仲良くなれそうだ。
空さんの視線が、隣でお絵かきしている芽生くんに移動した。
「お絵かきが上手だね」
芽生くんはクレヨンで熱心にスキーの絵を描いていた。絵の中の芽生くんはニコニコと笑顔が弾けていた。
良かった。芽生くんにとって、スキーは楽しい思い出になったんだね。
「おにいさん、ありがとう!」
「君、名前はなんというの?」
「芽生だよ」
「メイくんか……えっと、君は瑞樹くんの息子さんだよね? 優しい雰囲気がよく似ているね」
「え? 違いますよ。この子は宗吾さんの息子さんです。顔だって宗吾さん似で」
「そうなの? でも……もう、君たち二人の息子さんだよね? だからそんな風に、ここでは訂正しなくてもいいよ」
「あ……」
空さんは聡い人だ。瞬時にそんな風に言えるなんて、すごい!
「僕は雑誌の編集の仕事をしていて、いろんな人と接する機会が多いから、人を見る目は鍛えているつもりだよ?」
すると僕たちの話を聞いた芽生くんが、絵の中と同じくらいニコニコになっていた。
「あのね、ソラくん。ボクにはね、ふたりのパパがいるんだよ。だからピンポーン! それは大当たりだよ」
芽生くんも宗吾さんと同じことを言ってくれるの?
それって、とても、とても……嬉しいよ!
このスキー旅行に来て良かった。芽生くんが僕もパパだと言ってくれるのは……普段と違う僕を見せられたお陰なのかな。更に知り合ったばかりの空さんからも、そんな風に見てもらえるなんて。
昨年、玲子さんから母親のポジションをバトンタッチされた。
とても嬉しかったし、きめ細かく芽生くんの成長を手助けできるのは、もちろんかけがえのない喜びだったが、最近少しだけ心にひっかかっていた。
それは……僕はどうあがいても男だということ。決して女性になりたいわけではない。男としての矜持も持っている。だから、腑に落ちないというか、自分の立場が覚束ないのが気になっていた。
一馬に振られ、少しずつ気持ちを取り戻していた矢先に、あのおぞましい事件に巻き込まれ……ズタズタでボロボロだった頃は、外部との接触が怖く、宗吾さんにしっかりと守られているのが心地良かったが、今は少しだけ違う。
僕も宗吾さんに甘えてもらいたいし、芽生くんにも頼られる人間になってみたいと欲求が生まれていた。でも……それは、二人にこんなに幸せにしてもらったのに、おこがましい考えなのかと悩んでいた。
だから今回のスキー旅行を通して、宗吾さんと芽生くんから自然に『ふたりのパパ』という言葉をもらい、心から嬉しかった。
「瑞樹くん……ポジションって固定されがちだけれども、恋人との関係は、それでは、つまらないよね」
空さんがさらりと言うことが、心にまた響く。
新しい人と接するのは……新しい風にあたるのと同じだ。
いつもと違う考えに刺激をもらう。
「はい、時には自ら打ち破ったり、時には思い切り甘えたり、甘えてもらったり……その場その場で、変化していけたらいいですね」
「その通りだよ。柔軟に生きたいよね。って、経験の浅い僕が偉そうに言うことではないが」
「いえ、心に届きました」
「……陸はね……重たい後悔を背負って生きているから、もっと自由にしてやりたいんだ」
後悔? それなら僕にもある。自分の行動と相手が噛み合わなく、息苦しい関係になってしまった苦い思い出もあった。
「あの……後悔している相手がいるのなら、一度思い切って会ってみるのも、いいのかもしれません」
そう呟いた時、頭上から声が降ってきた。
あとがき(不要な方はスルーです)
****
うーん、連日、萌えが少ないような……。
陸&空カップルはドライな大人の関係のせいか、なかなか崩れてくれなくて……頑張って連日沢山書いています。
『重なる月』は他サイトに掲載しております。https://estar.jp/novels/25539945
こんな展開でも応援していただけて、ものすごく励みになっています!
この展開は『幸せな存在』の最終ステップに向けて必要なので、どうかお付き合いくださいませ。
「驚きましたよ。北野さんの客が、まさか宗吾さんの知り合いだったなんて」
「えぇ!? 陸と知り合いだったのか。それは奇遇だな。なら話が早い。今日のもう一組の客は、仕事仲間の陸と連れの空くんだ」
潤と北野さんの会話を聞きながら、僕もこの偶然の出会いをもっと楽しみたくなった。彼らも僕らと同じ関係だなんて縁があるし、それに陸さんが話してくれた『陸と空の関係』見解には、大いに励まされた。
「さぁ夕食はBBQだ! 潤、少し寒いが、外で焼くのを手伝ってくれ」
「はい!」
「あっ俺もやりますよ。BBQなら慣れているので」
「いいのか。客人に申し訳ないが」
「いえ、むしろやりたいです!」
宗吾さんが、嬉しそうに名乗り上げた。学生時代はアウトドアが趣味だったと聞いていたから、得意なんだな。彼の嬉々とした表情が眩しい。生き生きとしている宗吾さんが、やはり好きだ。
「瑞樹、ここは俺の出番だ。君に旨いものを沢山食べさせてやりたいから手伝ってくるよ。芽生とゆっくりしていてくれ」
「はい! 楽しみにしていますね」
人は適材適所だ。僕は料理全般が苦手な方なので任せよう。仕事でも家庭でも『任せること、任せられること』のバランスが、とても大切だと学んでいる。
「芽生くん、じゃあお絵描きでもしようか」
「うん!」
芽生くんは、すぐに北野さんのお子さんと遊ぶのかと思ったが、まだ場所に慣れずに恥ずかしいようだ。
その気持ち分かるよ。だから慣れるまでゆっくりでいいよ。
いきなり違う環境に入り、見知らぬ人と接するのは、いくら人懐っこい芽生くんだって、負担が大きいよね。特に今日は身体が疲れているし。
僕も……かつて、そうだった。10歳で環境が突然ガラリと変わり、新しい母と兄弟に戸惑った。今となっては相手も同じ気持ちだったから、お互いに慣れるまで一呼吸置けばよかった。
無理をして、その場ですぐに物わかりのいい子の仮面を被ったツケは、大きかった。どんどん本当の自分を見失う結果になってしまった。
「あの、先ほどは風呂場でどうも」
「あ、空さん!」
芽生くんとリビングでお絵かきしていると、空さんが話し掛けてくれた。
眼鏡をかけて髪をきちんと整えた空さんは、楚々としたスーツが似合いそうな物静かな男性だった。
モデルみたいに派手な外見の陸さんと、控えめな空さん。
二人並ぶと、ちょうど良い塩梅だ。宗吾さんと僕の性格が真逆なのと同じで、タイプが違う方が案外上手くいくのかもしれないな。
「いえ、こちらこそ」
「あの、瑞樹くんと呼んでも?」
「もちろんです」
「僕は空です。それから一部訂正させてください。陸とは……そのですね。恋人同士と言っても、なんというか、まだ……その……プラト……あぁ……うう、何でもないです」
空さんは結局、顔を赤らめて、俯いてしまった。とても真面目な人のようだ。何を言いたかったのかは、察した。
「いえいえ。お二人はとてもお似合いですね」
「あ……ありがとう。実は1年ぶりなんです……会うの。だからちょっと僕、テンパっていて、す、すみません。ニューヨークにいる陸から、帰国するから、一緒にスキーに行かないかと突然誘われて。もう何もかも放り投げて来てしまいました。僕、スキーなんてやったことなかったのに」
キュンとした。華やかな陸さんが選んだのが、こんなにも初々しい人なのが素敵だ。
僕たち、仲良くなれそうだ。
空さんの視線が、隣でお絵かきしている芽生くんに移動した。
「お絵かきが上手だね」
芽生くんはクレヨンで熱心にスキーの絵を描いていた。絵の中の芽生くんはニコニコと笑顔が弾けていた。
良かった。芽生くんにとって、スキーは楽しい思い出になったんだね。
「おにいさん、ありがとう!」
「君、名前はなんというの?」
「芽生だよ」
「メイくんか……えっと、君は瑞樹くんの息子さんだよね? 優しい雰囲気がよく似ているね」
「え? 違いますよ。この子は宗吾さんの息子さんです。顔だって宗吾さん似で」
「そうなの? でも……もう、君たち二人の息子さんだよね? だからそんな風に、ここでは訂正しなくてもいいよ」
「あ……」
空さんは聡い人だ。瞬時にそんな風に言えるなんて、すごい!
「僕は雑誌の編集の仕事をしていて、いろんな人と接する機会が多いから、人を見る目は鍛えているつもりだよ?」
すると僕たちの話を聞いた芽生くんが、絵の中と同じくらいニコニコになっていた。
「あのね、ソラくん。ボクにはね、ふたりのパパがいるんだよ。だからピンポーン! それは大当たりだよ」
芽生くんも宗吾さんと同じことを言ってくれるの?
それって、とても、とても……嬉しいよ!
このスキー旅行に来て良かった。芽生くんが僕もパパだと言ってくれるのは……普段と違う僕を見せられたお陰なのかな。更に知り合ったばかりの空さんからも、そんな風に見てもらえるなんて。
昨年、玲子さんから母親のポジションをバトンタッチされた。
とても嬉しかったし、きめ細かく芽生くんの成長を手助けできるのは、もちろんかけがえのない喜びだったが、最近少しだけ心にひっかかっていた。
それは……僕はどうあがいても男だということ。決して女性になりたいわけではない。男としての矜持も持っている。だから、腑に落ちないというか、自分の立場が覚束ないのが気になっていた。
一馬に振られ、少しずつ気持ちを取り戻していた矢先に、あのおぞましい事件に巻き込まれ……ズタズタでボロボロだった頃は、外部との接触が怖く、宗吾さんにしっかりと守られているのが心地良かったが、今は少しだけ違う。
僕も宗吾さんに甘えてもらいたいし、芽生くんにも頼られる人間になってみたいと欲求が生まれていた。でも……それは、二人にこんなに幸せにしてもらったのに、おこがましい考えなのかと悩んでいた。
だから今回のスキー旅行を通して、宗吾さんと芽生くんから自然に『ふたりのパパ』という言葉をもらい、心から嬉しかった。
「瑞樹くん……ポジションって固定されがちだけれども、恋人との関係は、それでは、つまらないよね」
空さんがさらりと言うことが、心にまた響く。
新しい人と接するのは……新しい風にあたるのと同じだ。
いつもと違う考えに刺激をもらう。
「はい、時には自ら打ち破ったり、時には思い切り甘えたり、甘えてもらったり……その場その場で、変化していけたらいいですね」
「その通りだよ。柔軟に生きたいよね。って、経験の浅い僕が偉そうに言うことではないが」
「いえ、心に届きました」
「……陸はね……重たい後悔を背負って生きているから、もっと自由にしてやりたいんだ」
後悔? それなら僕にもある。自分の行動と相手が噛み合わなく、息苦しい関係になってしまった苦い思い出もあった。
「あの……後悔している相手がいるのなら、一度思い切って会ってみるのも、いいのかもしれません」
そう呟いた時、頭上から声が降ってきた。
あとがき(不要な方はスルーです)
****
うーん、連日、萌えが少ないような……。
陸&空カップルはドライな大人の関係のせいか、なかなか崩れてくれなくて……頑張って連日沢山書いています。
『重なる月』は他サイトに掲載しております。https://estar.jp/novels/25539945
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