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成就編
白銀の世界に羽ばたこう 20
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雪だるまと記念撮影した芽生くんは満足そうな顔で、ソリを指さした。
やっぱり次の興味はそっちだよね。
「ボク、ソリもしてみたいな」
「うん、いいよ」
「やった! パパは見ていて」
「おう!」
「おにいちゃん、いっしょに行こう」
「あ、うん」
さりげなく僕のウェアの裾に掴まってくるのが、可愛いな。斜面の上に行くための動く歩道もソリも、全て初体験なのだ。さっきから少しおっかなびっくりな動きだ。
「じゃあ、ここに座ってごらん」
プラスチック製のソリに、芽生くんを跨がらせ、しっかり腰を落とさせる。
「そうそう寝っ転がるような感じでね」
「お兄ちゃん……ボク……ひとりですべるの?」
不安そうな顔で振り向かれ、キュンとなる。
「うん、出来るかな?」
「うーん」
3歳くらいまでなら同乗できるが、流石にこの小さなソリに二人乗りは厳しいかな。すると芽生くんは心配そうに辺りを見渡した。芽生くんより小さな子がひとりで滑っている様子を見て、頑張ろうという気持ちになったらしい。
「うん! やってみる!」
「応援しているよ」
「ちゃんと、見ていてね」
芽生くんは緊張した面持ちで、ソリに座った。
「これでいいの?」
「そうだよ。紐を持って、足を広げて。よしっ、しっかり前を見てね! 降りた所にパパがいるから大丈夫だよ」
「あ! 見えた! おにいちゃん……いってらっしゃいして」
「うん、行っておいで」
芽生くんのソリを軽く押してあげると緩やかに動き出し、次第に勢いよく滑り出した。
「わ……わぁぁぁ! わーい! わーい!」
最初は怯えた声だったけれど、最後は大歓声になっていた。
「あ、わわわっ」
しかし最後の最後でバランスを崩して、派手に転んでしまった。
あっ、まずい! 泣いてしまうかも!
慌てて駆けつけようとしたら、すぐに自分で起き上がって、僕を見上げて小さな手をぶんぶんと振ってくれた。
「おにーちゃん、できたよー! ひとりでおりたよー!」
「うんうん、すごいよ!」
転んだことよりも達成感が大きいようで、ご機嫌だ。
懐かしいな。僕も子供の頃は、転ぶのが……芽生くんのように怖くなかった。転んでもダメージが少なかったし、起き上がればいいと前向きに思えた。
大人になると、転ぶのは人目を気にして格好悪いと思うし、怪我する可能性も大きいし、一度転ぶと起き上がるのが困難になることもある。
だからこそ、小さい芽生くんには、今のうちに転ぶ体験をさせてあげたい。
芽生くんは今度はひとりで動く歩道に乗り、ひとりで滑った。
何度も繰り返し、時折、転んで雪まみれになってしまうが、楽しさの方が勝っているようで、すぐにまたソリを持って走り出していた。
子供の体力って未知数だね。止らない好奇心も見習いたいよ。
「兄さんたちも、そろそろスキーをしてきたら?」
「え?」
「まず宗吾さんに教えないと、日が暮れちまうぞ」
「あ、確かに」
「ここはオレが見ているから、ほら、あっちの初心者用ゲレンデに行って練習して!」
「潤……ありがとう」
「いいって。まずは宗吾さんを滑れるようにしておいでよ」
潤に明るく送り出された。もちろん芽生くんにもね。
「パパー、ファイト!」
****
僕と宗吾さんはスキー板を持って、初心者コースに移動した。
「瑞樹、待ってくれ、君はどうしてそんなに雪の中を軽々と歩けるんだ?」
「え?」
宗吾さんは本気で雪に慣れていないらしい。まぁ函館でもよく転んでいたし想定内ではあるが……まさか板の履き方を一から教えることになるとは。
「あの、一度スキーはやったことあるのでは? 小さい頃行ったりしませんでしたか」
「我が家はインドア一家だった。それは君も知っているだろう?」
僕は弟が生まれる前から冬場はいつもスキー場で過ごしたといっても過言でない。
お父さんもお母さんも運動神経が良く、スキーをこよなく愛していた。僕のスキーの基礎は両親から受け継いだものなんだ。宗吾さんとの会話で、また1つ思い出せた。一番最初はお父さんとソリをして、それから両脇を支えてもらいスキーを学んだ。
宗吾さんの所は、お父さんはどこかの学者さんのようだったし……憲吾さんは勉強一筋で、お母さんも生け花やお琴、着物を楽しむ大和撫子だ。
「中学の時、学校主催のスキー合宿に無理矢理行かされて、初日に酷い捻挫してしまったんだ。結局何も出来ず……トラウマに。大学の時、流行っていたのでリベンジしたが……うーむ。あとは聞かないでくれ。黒歴史さ」
「そ、そうなんですね」
意外な弱点を見つけてしまった。
「でも、乗り越えたいんだ。君や芽生と一緒に滑りたいからね」
「はい! では今日はしっかり言うこと聞いてくださいね」
僕が主導権を握る日がくるなんて……やっぱり落ち着かないな。
「あぁ、しごいてくれ。芽生にカッコイイ姿を見せたいから、スパルタ瑞樹に付いていくよ」
「ぼ、僕は怖くはありませんよ」
「さぁどうだか。バレンタインの例もあるし」
「チョコが来なかったことを、まだ根に持っているのですか」
「ははは」
「さ、さぁ、もう始めますよ」
さてと……初心者が最速でスキーを上達するために覚えたいのは、履き方・歩き方・ハの字・滑る姿勢かな。徹底的に基本の4点を学ぶのが大事だと習った。
本当に基礎の基礎……最初にブーツとスキー板の名称を説明した。板の先がトップ、後ろがテール。黒い方が滑走面で、スキー板の両端に金属がエッジ……あとは、靴の留め具をバックルで……
「さぁ、じゃあ初心者用のコースに行ってみましょう」
「おう!」
「あれ……宗吾さん?」
板を履いたまま斜面を登っていたら、宗吾さんの姿が視界からフッと消えた。
「わっ! わわーわぁ」
悲鳴の方向を探すと、坂の下に戻っていた。ゴロゴロ転がりながら!
「だ、大丈夫ですか!」
慌てて僕も、シュッと滑り降りる。
身長が186 cmもある宗吾さんが雪の上で派手に転んだのだから、大惨事だ。周りの人も逃げ出して。
「ううう、イテテ……なんでこんなにツルツル滑るんだ?」
「スキーを履いて歩くのは、普段道を歩くのとは感覚が違いますよ。滑るスキー板を止めながら歩くのをイメージしてください。えっと……雪の上で止まるために、エッジを使ってスキーが滑るのをブロックするのが大事なんです」
「イテテ。腰が……エッジか……あぁ、つまりこういうことか」
「そうそう、そうです! 斜面に対して垂直方向にエッジを食い込ませると止まります。じゃあ練習で、そのまま横向きカニ歩きで上がって下さい」
「了解! 瑞樹先生!」
大柄な宗吾さんが、ちょこちょこ・よちよちと動く姿に、思わず目を細めてしまった。
「そうです! 上手です!」
可愛い……ん? でもこれって……もしかして、親の境地?
違う違う。宗吾さんは僕の大切な人だ。首をブンブン横に振ってしまった。
「なぁ瑞樹、今、俺のことを『かわいい♡』とか、思わなかったよな?」
「え? お……思っていませんって!」
「そうかぁ」
疑い深い顔で見つめられたので、慌てて目を逸らした。
何故なら、可愛い宗吾さんもいいが、やっぱりカッコイイ宗吾さんがいい。
しっかり教えて、一緒に併走して滑りたい。
白銀の世界に、僕が飛び立つ姿を見て欲しい。
やっぱり次の興味はそっちだよね。
「ボク、ソリもしてみたいな」
「うん、いいよ」
「やった! パパは見ていて」
「おう!」
「おにいちゃん、いっしょに行こう」
「あ、うん」
さりげなく僕のウェアの裾に掴まってくるのが、可愛いな。斜面の上に行くための動く歩道もソリも、全て初体験なのだ。さっきから少しおっかなびっくりな動きだ。
「じゃあ、ここに座ってごらん」
プラスチック製のソリに、芽生くんを跨がらせ、しっかり腰を落とさせる。
「そうそう寝っ転がるような感じでね」
「お兄ちゃん……ボク……ひとりですべるの?」
不安そうな顔で振り向かれ、キュンとなる。
「うん、出来るかな?」
「うーん」
3歳くらいまでなら同乗できるが、流石にこの小さなソリに二人乗りは厳しいかな。すると芽生くんは心配そうに辺りを見渡した。芽生くんより小さな子がひとりで滑っている様子を見て、頑張ろうという気持ちになったらしい。
「うん! やってみる!」
「応援しているよ」
「ちゃんと、見ていてね」
芽生くんは緊張した面持ちで、ソリに座った。
「これでいいの?」
「そうだよ。紐を持って、足を広げて。よしっ、しっかり前を見てね! 降りた所にパパがいるから大丈夫だよ」
「あ! 見えた! おにいちゃん……いってらっしゃいして」
「うん、行っておいで」
芽生くんのソリを軽く押してあげると緩やかに動き出し、次第に勢いよく滑り出した。
「わ……わぁぁぁ! わーい! わーい!」
最初は怯えた声だったけれど、最後は大歓声になっていた。
「あ、わわわっ」
しかし最後の最後でバランスを崩して、派手に転んでしまった。
あっ、まずい! 泣いてしまうかも!
慌てて駆けつけようとしたら、すぐに自分で起き上がって、僕を見上げて小さな手をぶんぶんと振ってくれた。
「おにーちゃん、できたよー! ひとりでおりたよー!」
「うんうん、すごいよ!」
転んだことよりも達成感が大きいようで、ご機嫌だ。
懐かしいな。僕も子供の頃は、転ぶのが……芽生くんのように怖くなかった。転んでもダメージが少なかったし、起き上がればいいと前向きに思えた。
大人になると、転ぶのは人目を気にして格好悪いと思うし、怪我する可能性も大きいし、一度転ぶと起き上がるのが困難になることもある。
だからこそ、小さい芽生くんには、今のうちに転ぶ体験をさせてあげたい。
芽生くんは今度はひとりで動く歩道に乗り、ひとりで滑った。
何度も繰り返し、時折、転んで雪まみれになってしまうが、楽しさの方が勝っているようで、すぐにまたソリを持って走り出していた。
子供の体力って未知数だね。止らない好奇心も見習いたいよ。
「兄さんたちも、そろそろスキーをしてきたら?」
「え?」
「まず宗吾さんに教えないと、日が暮れちまうぞ」
「あ、確かに」
「ここはオレが見ているから、ほら、あっちの初心者用ゲレンデに行って練習して!」
「潤……ありがとう」
「いいって。まずは宗吾さんを滑れるようにしておいでよ」
潤に明るく送り出された。もちろん芽生くんにもね。
「パパー、ファイト!」
****
僕と宗吾さんはスキー板を持って、初心者コースに移動した。
「瑞樹、待ってくれ、君はどうしてそんなに雪の中を軽々と歩けるんだ?」
「え?」
宗吾さんは本気で雪に慣れていないらしい。まぁ函館でもよく転んでいたし想定内ではあるが……まさか板の履き方を一から教えることになるとは。
「あの、一度スキーはやったことあるのでは? 小さい頃行ったりしませんでしたか」
「我が家はインドア一家だった。それは君も知っているだろう?」
僕は弟が生まれる前から冬場はいつもスキー場で過ごしたといっても過言でない。
お父さんもお母さんも運動神経が良く、スキーをこよなく愛していた。僕のスキーの基礎は両親から受け継いだものなんだ。宗吾さんとの会話で、また1つ思い出せた。一番最初はお父さんとソリをして、それから両脇を支えてもらいスキーを学んだ。
宗吾さんの所は、お父さんはどこかの学者さんのようだったし……憲吾さんは勉強一筋で、お母さんも生け花やお琴、着物を楽しむ大和撫子だ。
「中学の時、学校主催のスキー合宿に無理矢理行かされて、初日に酷い捻挫してしまったんだ。結局何も出来ず……トラウマに。大学の時、流行っていたのでリベンジしたが……うーむ。あとは聞かないでくれ。黒歴史さ」
「そ、そうなんですね」
意外な弱点を見つけてしまった。
「でも、乗り越えたいんだ。君や芽生と一緒に滑りたいからね」
「はい! では今日はしっかり言うこと聞いてくださいね」
僕が主導権を握る日がくるなんて……やっぱり落ち着かないな。
「あぁ、しごいてくれ。芽生にカッコイイ姿を見せたいから、スパルタ瑞樹に付いていくよ」
「ぼ、僕は怖くはありませんよ」
「さぁどうだか。バレンタインの例もあるし」
「チョコが来なかったことを、まだ根に持っているのですか」
「ははは」
「さ、さぁ、もう始めますよ」
さてと……初心者が最速でスキーを上達するために覚えたいのは、履き方・歩き方・ハの字・滑る姿勢かな。徹底的に基本の4点を学ぶのが大事だと習った。
本当に基礎の基礎……最初にブーツとスキー板の名称を説明した。板の先がトップ、後ろがテール。黒い方が滑走面で、スキー板の両端に金属がエッジ……あとは、靴の留め具をバックルで……
「さぁ、じゃあ初心者用のコースに行ってみましょう」
「おう!」
「あれ……宗吾さん?」
板を履いたまま斜面を登っていたら、宗吾さんの姿が視界からフッと消えた。
「わっ! わわーわぁ」
悲鳴の方向を探すと、坂の下に戻っていた。ゴロゴロ転がりながら!
「だ、大丈夫ですか!」
慌てて僕も、シュッと滑り降りる。
身長が186 cmもある宗吾さんが雪の上で派手に転んだのだから、大惨事だ。周りの人も逃げ出して。
「ううう、イテテ……なんでこんなにツルツル滑るんだ?」
「スキーを履いて歩くのは、普段道を歩くのとは感覚が違いますよ。滑るスキー板を止めながら歩くのをイメージしてください。えっと……雪の上で止まるために、エッジを使ってスキーが滑るのをブロックするのが大事なんです」
「イテテ。腰が……エッジか……あぁ、つまりこういうことか」
「そうそう、そうです! 斜面に対して垂直方向にエッジを食い込ませると止まります。じゃあ練習で、そのまま横向きカニ歩きで上がって下さい」
「了解! 瑞樹先生!」
大柄な宗吾さんが、ちょこちょこ・よちよちと動く姿に、思わず目を細めてしまった。
「そうです! 上手です!」
可愛い……ん? でもこれって……もしかして、親の境地?
違う違う。宗吾さんは僕の大切な人だ。首をブンブン横に振ってしまった。
「なぁ瑞樹、今、俺のことを『かわいい♡』とか、思わなかったよな?」
「え? お……思っていませんって!」
「そうかぁ」
疑い深い顔で見つめられたので、慌てて目を逸らした。
何故なら、可愛い宗吾さんもいいが、やっぱりカッコイイ宗吾さんがいい。
しっかり教えて、一緒に併走して滑りたい。
白銀の世界に、僕が飛び立つ姿を見て欲しい。
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