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成就編
聖なる夜に 8
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ソファで寝落ちてしまった芽生くんを、宗吾さんが子供部屋に移動させてくれた。
「芽生くん、寝てしまいましたね」
「あぁ、そろそろ俺たちも寝室に行くか」
「はい」
「今日は抱くよ」
「あ……はいっ」
お互いリラックスした状態でビールを飲んだせいか、いい感じにほろ酔い気分になっていた。
最近は仕事が忙しく……先週末から一度も抱かれていない。だから僕の方も宗吾さんが欲しくなっていた。
先に支度を調えて寝室に入ると、ふと不思議な気配を感じた。部屋には誰もいないはずなのに、よく知っている懐かしい気配を、近くに感じたのだ。
「どうした?」
「あの、実は……今日は少し変なのです」
「どうした?」
「銀座で空を見上げた時から、ずっと弟のことが頭から離れなくて……」
「弟って……夏樹くんか」
「えぇ、もう夏樹はこの世にいないのに、不思議な懐かしさが続いています」
「そうだな。クリスマスも近いから、天国から降りて……近くに遊びに来ているのかもしれないぞ」
宗吾さんから意外な言葉が返ってきた。そんな夢みたいなことを宗吾さんが言ってくれると思わなかったので、嬉しくなった。
「もし、そうならば会いたいです。夏樹……」
「そうだな……瑞樹が今、幸せに暮らしているのを見てもらおう」
「えっ、あっ……」
窓辺でカーテンを閉めながら話していると、突然宗吾さんに両肩を掴まれ、濃厚なキスを仕掛けられた。僕の方も……彼の少し乱暴な、強引なキスが心地良かったりするので、困ってしまう。
「ん……もうっ、ふう……いつも性急すぎです」
「悪い。だが今回はもう1週間も我慢した。辛かったよ」
「……僕も同じです」
そのまま僕をベッドに僕を押し倒してくる宗吾さんは、今日は大きなクマのぬいぐるみのようだ。寒くなってきたので……茶色いもふもふのフリースを、ガウン代わりに着ているからかな。
何だか妙に可愛くなってしまい、目を細めて彼を見上げた。
「ふっ、じっとしていますから、好きにしていいですよ」
「いい子だな」
彼の手がパジャマの裾から潜ってきて、胸を大きな手のひらでギュッと揉まれる。女の子のように……僕の平らな胸を弄られるのは、やはり恥ずかしいけれども、乳首に指が掠める度に、ビクンビクンと腰が淫らに跳ねてしまう。
「ん……あぁ、なんだか、やっぱり恥ずかしいです」
何故だか……幼い弟の顔がちらついて離れない。でも僕が思いだす夏樹の顔は……腕の中で冷たくなっていた時ではなく、草原を僕と走り回っていた時の、爽やかで明るい笑顔だった。
恋も愛も知らずに逝ってしまった君だけれども──
願わくば、天国で運命の人と巡り合って欲しい。もしも僕の願いが叶うのなら、大人の恋を経験し……こんな風に人に愛し愛されて、愛情という温もりを知って、過ごして欲しい。
君への……果てしない夢、願いを、宗吾さんに抱かれながら、祈っていた。
長い時間をかけて……キスの雨を全身に浴びていると、閉め損ねたカーテンの隙間から、雨音が聞こえて来た。
「あれ? 急に雨が降り出しましたね。天気予報と違うようですが……」
「そうだな。今日は雨音を隠れ蓑に、君を沢山啼かせるよ」
「んっ……んっ、あぁ!」
「そうだ。もっと感じてくれ。清楚な瑞樹も艶めいて乱れる瑞樹も……好きだ」
「んっ……」
宗吾さんは言葉でも、僕を甘やかす。
だから僕は彼との情事に溺れてしまう。
今年のクリスマスには、雪が見たい。
大沼に降ったような清らかな雪を……
雪の欠片を見てみたい。
夏樹とは、春夏秋冬……外を走り回った。
雪で埋もれる雪原も!
「芽生くん、寝てしまいましたね」
「あぁ、そろそろ俺たちも寝室に行くか」
「はい」
「今日は抱くよ」
「あ……はいっ」
お互いリラックスした状態でビールを飲んだせいか、いい感じにほろ酔い気分になっていた。
最近は仕事が忙しく……先週末から一度も抱かれていない。だから僕の方も宗吾さんが欲しくなっていた。
先に支度を調えて寝室に入ると、ふと不思議な気配を感じた。部屋には誰もいないはずなのに、よく知っている懐かしい気配を、近くに感じたのだ。
「どうした?」
「あの、実は……今日は少し変なのです」
「どうした?」
「銀座で空を見上げた時から、ずっと弟のことが頭から離れなくて……」
「弟って……夏樹くんか」
「えぇ、もう夏樹はこの世にいないのに、不思議な懐かしさが続いています」
「そうだな。クリスマスも近いから、天国から降りて……近くに遊びに来ているのかもしれないぞ」
宗吾さんから意外な言葉が返ってきた。そんな夢みたいなことを宗吾さんが言ってくれると思わなかったので、嬉しくなった。
「もし、そうならば会いたいです。夏樹……」
「そうだな……瑞樹が今、幸せに暮らしているのを見てもらおう」
「えっ、あっ……」
窓辺でカーテンを閉めながら話していると、突然宗吾さんに両肩を掴まれ、濃厚なキスを仕掛けられた。僕の方も……彼の少し乱暴な、強引なキスが心地良かったりするので、困ってしまう。
「ん……もうっ、ふう……いつも性急すぎです」
「悪い。だが今回はもう1週間も我慢した。辛かったよ」
「……僕も同じです」
そのまま僕をベッドに僕を押し倒してくる宗吾さんは、今日は大きなクマのぬいぐるみのようだ。寒くなってきたので……茶色いもふもふのフリースを、ガウン代わりに着ているからかな。
何だか妙に可愛くなってしまい、目を細めて彼を見上げた。
「ふっ、じっとしていますから、好きにしていいですよ」
「いい子だな」
彼の手がパジャマの裾から潜ってきて、胸を大きな手のひらでギュッと揉まれる。女の子のように……僕の平らな胸を弄られるのは、やはり恥ずかしいけれども、乳首に指が掠める度に、ビクンビクンと腰が淫らに跳ねてしまう。
「ん……あぁ、なんだか、やっぱり恥ずかしいです」
何故だか……幼い弟の顔がちらついて離れない。でも僕が思いだす夏樹の顔は……腕の中で冷たくなっていた時ではなく、草原を僕と走り回っていた時の、爽やかで明るい笑顔だった。
恋も愛も知らずに逝ってしまった君だけれども──
願わくば、天国で運命の人と巡り合って欲しい。もしも僕の願いが叶うのなら、大人の恋を経験し……こんな風に人に愛し愛されて、愛情という温もりを知って、過ごして欲しい。
君への……果てしない夢、願いを、宗吾さんに抱かれながら、祈っていた。
長い時間をかけて……キスの雨を全身に浴びていると、閉め損ねたカーテンの隙間から、雨音が聞こえて来た。
「あれ? 急に雨が降り出しましたね。天気予報と違うようですが……」
「そうだな。今日は雨音を隠れ蓑に、君を沢山啼かせるよ」
「んっ……んっ、あぁ!」
「そうだ。もっと感じてくれ。清楚な瑞樹も艶めいて乱れる瑞樹も……好きだ」
「んっ……」
宗吾さんは言葉でも、僕を甘やかす。
だから僕は彼との情事に溺れてしまう。
今年のクリスマスには、雪が見たい。
大沼に降ったような清らかな雪を……
雪の欠片を見てみたい。
夏樹とは、春夏秋冬……外を走り回った。
雪で埋もれる雪原も!
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