458 / 1,730
成就編
心の秋映え 29
しおりを挟む
「瑞樹っ」
「宗吾さんっ……」
両手をシャワーブースの壁についた姿で、背後から宗吾さんの熱く昂ったものを受け入れた。
彼を躰の奥で感じ淫らに締め付けると、自分の屹立からも熱をポトポトと放出していた。
「うっ……もう」
ガラスが白く曇っていくのを見ながら、意識が遠のいていった。
その後……
「瑞樹……みずき、起きたか」
「えっ」
気が付くと僕はベッドに横になっていて、パジャマの中の素肌はさらさら、さっぱりとしていた。
「あ、あの……」
「ごめんな。感じ過ぎたのと逆上せたみたいで、シャワーブースで意識を飛ばしてしまったんだ。ほら、水を飲め」
「あ、はい……」
上体を起こさ、渡されたペットボトルの水を飲もうとしたが、まだ躰に力は入らなかった。
「おっと、まだ駄目みたいだな」
宗吾さんがグイっと水を口に含み、唇を押し当てて来た。
「あ、……っ」
ごくりと嚥下すると、あやされるように頬を優しく撫でられた。
「よしよし上手だな。もっといるか」
「……はい」
「さっきはすごく可愛かったよ」
男なのに可愛いという言葉に喜んでしまう。宗吾さんに愛されるのが心地よくて堪らない。
抱かれるほど、好きになる。
もう一口、もう少し……
僕の躰は、抱かれた余韻にまだまだ浸っていたいようだ。
そして安心したのか、再び微睡んでしまった。
明け方しっかり目覚めると、宗吾さんに抱きしめられたまま眠っていた。
「あっ──」
すぐに昨日の痴態を思い出し、猛烈に恥ずかしい気持ちになった。
彼の匂いに包まれていると、昨日解された部分が勝手に疼きだしてしまい困惑した。今すぐ宗吾さんを起こして、ここに埋めて欲しくなってしまう。
こんな淫らな考えを抱くなんて、僕はなんて節操ないんだ。
こんな人間だった?
宗吾さんに抱かれる度に、躰が作り替えられているような気分だ。
「いや、今日はもう無理だ……」
僕は彼の腕をすり抜け、芽生くんのベッドに移動した。
芽生くんは昨日行き倒れたように眠ったままで、すぅすぅといつものように可愛い寝息を立てていた。
ぐっすり眠っているね。
昨夜のバスルームでの騒動……気づかれなくてよかった。
「君のパパを独り占めしちゃったね。ありがとう。ふぁぁ……」
芽生くんの添い寝をすると陽だまりの匂いに安堵したのか、また眠くなってきた。
ふぅ……僕、かなりバテたみたいだ。
慣れない事をしたからだな、きっと。
練乳とかシャワーブースとか……僕には未知の体験過ぎましたよ、
隣のベッドを横目で見ると、宗吾さんは満足そうな顔で眠っていた。
きっと起きたらケロッとして元気なんだろうな。
「ん……おに……たん」
「あっごめん。起こしちゃったかい。僕はここにいるよ」
「……ん……だっこぉ」
「まだ起きるには早いから、一緒に眠ろうね」
寝ぼけた芽生くんを抱きしめて寝かしつけているうちに、僕もまた眠ってしまった。
****
朝、目覚めると腕の中の瑞樹が行方不明になっていたので焦ったが、すぐに芽生と一緒に眠っているのが分かりホッとした。
彼が俺の腕から逃げ出したのは、昨日かなりしつこく抱いて、調子に乗っていらぬことをしまくったせいか。だとしたら居たたまれない。
だが、慣れないプレイじみたことにも懸命に応えてくれた瑞樹が、とにかく可愛かった。
シャワーブースに押しつぶすように抱いてしまった。彼の細腰をきつくホールドしガラスに擦り付けた行為には、俺も興奮してしまった。
実は瑞樹が逃げ出してしまいそうで言えなかったが……昨夜の情事、全部、浴室の鏡に映っていたんだよな。
だから俺は二倍興奮してしまったわけさ。そんでいつもの倍、瑞樹の中に放出してしまった。すまん……。
さてと、そろそろ起こすか。疲れているのは承知だが、朝食の時間が終わってしまうし、その前に、朝風呂にも行きたいからな。
「おーい、そろそろ起きろ! 朝風呂に行くぞ」
「ん……まだ……眠い……です」
「むにゃむにゃ……」
瑞樹は気怠そうで、芽生はまだ夢の中か。
「駄目だ。ほら、布団を捲るぞ」
ところがパッと布団をはいで、ギョッとした。
瑞樹の浴衣は大きく胸元が乱れ、芽生がそこに子猫のように顔を埋めていた。
うぉ……!
自分が昨夜散々瑞樹の胸を吸ったのは、そっちのけで驚愕してしまった。
まぁ……よく見たら、偶然の産物なんだが。
浴衣は着崩れしやすいものだし、芽生の寝相が悪いのも承知だ。
だがこれではまるで、親子の授乳風景だぞ!
あー、昨日のアレ……つまり練乳プレイに完璧に引きずられているな。
「ん……むにゃむにゃ」
更に芽生の口元がまるでおっぱいをしゃぶる時のようにパクパクしたので、驚いてしまった。
「芽生、コラっ、もう起きろー!!」
「え、わ……? め、芽生くん?」
目を覚ました瑞樹も顔を赤くし、仰天していた。
今日は旅行最終日。
とんでもない幕開けだが、やっぱり旅はいいな!
普段と違う朝がやってきた。
俺は元気いっぱいだが、君のコンディションはどうだ?
今日も俺と旅をしてくれよ。
今日も空は秋晴れで、心の中は秋映えだ。
「宗吾さんっ……」
両手をシャワーブースの壁についた姿で、背後から宗吾さんの熱く昂ったものを受け入れた。
彼を躰の奥で感じ淫らに締め付けると、自分の屹立からも熱をポトポトと放出していた。
「うっ……もう」
ガラスが白く曇っていくのを見ながら、意識が遠のいていった。
その後……
「瑞樹……みずき、起きたか」
「えっ」
気が付くと僕はベッドに横になっていて、パジャマの中の素肌はさらさら、さっぱりとしていた。
「あ、あの……」
「ごめんな。感じ過ぎたのと逆上せたみたいで、シャワーブースで意識を飛ばしてしまったんだ。ほら、水を飲め」
「あ、はい……」
上体を起こさ、渡されたペットボトルの水を飲もうとしたが、まだ躰に力は入らなかった。
「おっと、まだ駄目みたいだな」
宗吾さんがグイっと水を口に含み、唇を押し当てて来た。
「あ、……っ」
ごくりと嚥下すると、あやされるように頬を優しく撫でられた。
「よしよし上手だな。もっといるか」
「……はい」
「さっきはすごく可愛かったよ」
男なのに可愛いという言葉に喜んでしまう。宗吾さんに愛されるのが心地よくて堪らない。
抱かれるほど、好きになる。
もう一口、もう少し……
僕の躰は、抱かれた余韻にまだまだ浸っていたいようだ。
そして安心したのか、再び微睡んでしまった。
明け方しっかり目覚めると、宗吾さんに抱きしめられたまま眠っていた。
「あっ──」
すぐに昨日の痴態を思い出し、猛烈に恥ずかしい気持ちになった。
彼の匂いに包まれていると、昨日解された部分が勝手に疼きだしてしまい困惑した。今すぐ宗吾さんを起こして、ここに埋めて欲しくなってしまう。
こんな淫らな考えを抱くなんて、僕はなんて節操ないんだ。
こんな人間だった?
宗吾さんに抱かれる度に、躰が作り替えられているような気分だ。
「いや、今日はもう無理だ……」
僕は彼の腕をすり抜け、芽生くんのベッドに移動した。
芽生くんは昨日行き倒れたように眠ったままで、すぅすぅといつものように可愛い寝息を立てていた。
ぐっすり眠っているね。
昨夜のバスルームでの騒動……気づかれなくてよかった。
「君のパパを独り占めしちゃったね。ありがとう。ふぁぁ……」
芽生くんの添い寝をすると陽だまりの匂いに安堵したのか、また眠くなってきた。
ふぅ……僕、かなりバテたみたいだ。
慣れない事をしたからだな、きっと。
練乳とかシャワーブースとか……僕には未知の体験過ぎましたよ、
隣のベッドを横目で見ると、宗吾さんは満足そうな顔で眠っていた。
きっと起きたらケロッとして元気なんだろうな。
「ん……おに……たん」
「あっごめん。起こしちゃったかい。僕はここにいるよ」
「……ん……だっこぉ」
「まだ起きるには早いから、一緒に眠ろうね」
寝ぼけた芽生くんを抱きしめて寝かしつけているうちに、僕もまた眠ってしまった。
****
朝、目覚めると腕の中の瑞樹が行方不明になっていたので焦ったが、すぐに芽生と一緒に眠っているのが分かりホッとした。
彼が俺の腕から逃げ出したのは、昨日かなりしつこく抱いて、調子に乗っていらぬことをしまくったせいか。だとしたら居たたまれない。
だが、慣れないプレイじみたことにも懸命に応えてくれた瑞樹が、とにかく可愛かった。
シャワーブースに押しつぶすように抱いてしまった。彼の細腰をきつくホールドしガラスに擦り付けた行為には、俺も興奮してしまった。
実は瑞樹が逃げ出してしまいそうで言えなかったが……昨夜の情事、全部、浴室の鏡に映っていたんだよな。
だから俺は二倍興奮してしまったわけさ。そんでいつもの倍、瑞樹の中に放出してしまった。すまん……。
さてと、そろそろ起こすか。疲れているのは承知だが、朝食の時間が終わってしまうし、その前に、朝風呂にも行きたいからな。
「おーい、そろそろ起きろ! 朝風呂に行くぞ」
「ん……まだ……眠い……です」
「むにゃむにゃ……」
瑞樹は気怠そうで、芽生はまだ夢の中か。
「駄目だ。ほら、布団を捲るぞ」
ところがパッと布団をはいで、ギョッとした。
瑞樹の浴衣は大きく胸元が乱れ、芽生がそこに子猫のように顔を埋めていた。
うぉ……!
自分が昨夜散々瑞樹の胸を吸ったのは、そっちのけで驚愕してしまった。
まぁ……よく見たら、偶然の産物なんだが。
浴衣は着崩れしやすいものだし、芽生の寝相が悪いのも承知だ。
だがこれではまるで、親子の授乳風景だぞ!
あー、昨日のアレ……つまり練乳プレイに完璧に引きずられているな。
「ん……むにゃむにゃ」
更に芽生の口元がまるでおっぱいをしゃぶる時のようにパクパクしたので、驚いてしまった。
「芽生、コラっ、もう起きろー!!」
「え、わ……? め、芽生くん?」
目を覚ました瑞樹も顔を赤くし、仰天していた。
今日は旅行最終日。
とんでもない幕開けだが、やっぱり旅はいいな!
普段と違う朝がやってきた。
俺は元気いっぱいだが、君のコンディションはどうだ?
今日も俺と旅をしてくれよ。
今日も空は秋晴れで、心の中は秋映えだ。
11
お気に入りに追加
832
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
『別れても好きな人』
設樂理沙
ライト文芸
大好きな夫から好きな女性ができたから別れて欲しいと言われ、離婚した。
夫の想い人はとても美しく、自分など到底敵わないと思ったから。
ほんとうは別れたくなどなかった。
この先もずっと夫と一緒にいたかった……だけど世の中には
どうしようもないことがあるのだ。
自分で選択できないことがある。
悲しいけれど……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
登場人物紹介
戸田貴理子 40才
戸田正義 44才
青木誠二 28才
嘉島優子 33才
小田聖也 35才
2024.4.11 ―― プロット作成日
💛イラストはAI生成自作画像
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる