上 下
252 / 1,730
発展編

恋心……溢れて 1

しおりを挟む
【前置き、ご注意】

こんにちは、志生帆海です。


本日は前置きを……

【瑞樹視点】でのRシーンになります。昨日(宗吾さん視点)と同じシーンを瑞樹視点で忠実に追っているので、表現が重なっている部分が多くありますので、ご注意下さい。

一馬とは躰を長年何度も繋げていた瑞樹が、どういう気持ちで宗吾さんに抱かれ、一馬の名残を昇華したのかは、このお話を長編化していく上で、連載当初から絶対に書きたかったことなので……

正直……連日のRシーンばかりで、シツコイと思われる方もいらっしゃると……リアクションでも感じていますが、どうか作者の我儘をお許しくださいませ。

次話からは、また芽生を含めた、ほのぼのとした日常に戻っていきます。











****

 宗吾さんの名残で満たされた躰だった。

 かなり夢中になって、夜更け過ぎまでふたりで愛を交し合ってしまったので、受け入れる僕の方はもう体力の限界だった。

 朦朧としているうちに綺麗に身体を拭いてもらい、中も掻き出してもらい、どうやらそのまま彼の胸に抱かれて暫く記憶を失ったように眠ってしまったようだ。

「んっ……」

 ふと夜中に目覚めてから先ほど彼に抱かれたことを思いだし、躰が火照って寝付けなくなってしまった。

 宗吾さんは、僕をどこまでも優しく貪欲に求めてくれた。とうとう僕のすべてを宗吾さんに委ねた。もう何もかも宗吾さんに見せてしまった。

 隅々まで受けた愛撫に、胸が高鳴り震えた。

 素敵だった。

 躰を繋げることの意味を初めて知ったような、新鮮な気持ちになってしまった。

 もう一度、夢の中で彼に抱かれたくなるような……そんな甘い余韻だ。
 
 そうだ、最初から辿ってみようか、初めての甘い想い出を──


****

 パジャマも下着も滑るように脱がされていた。

 産まれたままの姿の僕に、同じく裸の宗吾さんが、ガバっと覆い被さってきた。彼の重みを全身で感じたくて、僕は力を抜いて受け止めた。

 僕が怖くないように、躰への愛撫の合間に沢山口づけをしてくれる。なのでまるで小さな子供のように彼の背中に手を回し、ぎゅっとしがみついてしまった。

「可愛いよ、とても」

 彼の手によって太ももの内側から左右に大きく開かれ、宗吾さんの指先が奥の窄まりに触れてきた。

 そこは……この1年間しっかりと閉じていた場所だ。そこは軽井沢でも、あなたのために必死に守った場所だ。

 宗吾さんの手はどこまでも優しく、弧を描くようにゆっくりと窄まりの周りを撫でだした。

「瑞樹……ここ使ってもいいか」
「は……いっ……」

 僕の声は小さく震えていた。すると宗吾さんが甘く微笑んで、汗で濡れた前髪をかき分け、まるで幼子をあやすように額に口づけしてくれた。どこまでも優しい仕草に安堵した。

 大丈夫……大丈夫。

 心の中で必死に唱えていると……宗吾さんにも伝わったようだ。

「大丈夫だよ。怖くないよ」
 
 オイルを纏った彼の指を、つぷりと僕の蕾が呑み込んだ。とうとうこの時が……躰の内側に初めて彼を感じた瞬間だ。何度も出し入れされて湿った水音を立てるのが恥ずかしくて必死にシーツを掴んで耐えた。

「宗吾さん……もう、もう……大丈夫ですから」
「駄目だ。もう少し」

 僕の躰はまるで初めて男性を受け付けるかのように真っ白な気持ちで過敏に反応していた。やがて時間をかけて僕の入り口が宗吾さんの指に馴染んで来た。彼が丹念に中を探ってくる。一番過敏なポイントをグッと指の腹で押された時は、あまりの気持ち良さに腰がビクンと跳ねてしまった。

「あっ……うっ!」
「ここだな」

 そこから一気に快楽の波に巻き込まれてしまった。

 もう委ねよう……あなたに。

 宗吾さんは時折はっとした表情で自分を諫めるように優しく緩やかになり、それでいて次の瞬間にはまた激しく僕を抱いた。

「あっ、うっ」

 小さな喘ぎ声が止まらなくなる。恥ずかしくて閉じたくなる脚を制され、僕はもっと深い快楽の波に連れて行かれた。

 もっと宗吾さんの色に染めて欲しい。
 アイツの余波に巻き込まれないように!

「あ……んうっ」

 僕のモノもしっかり勃ちあがり、先端からは透明の蜜がとろりと溢れていた。


「そろそろいいか。力を抜いて」

 脚を更に大きく開かれ、宗吾さんの下半身としっかり密着させられた。すぐに僕の中へ彼がやって来た。僕の内部があなたを迎え入れて……燃えるような熱で一気に奥深くまで貫かれた。

「うっ!あっ……ううっ」

 一馬っ? 

 突然、思い出してしまった。

 アイツの顔が脳裏を過る。
 最奥に受け止めた最後の一夜のことも蘇る。
 形を覚えておこうと、何度も強請ったあの日の情事までも!

 駄目だ! 駄目……!!

 慌てて目をギュッと瞑ると、宗吾さんに耳元で何度も呼ばれた。

「瑞樹っ、今……瑞樹を抱くのは誰だ? 」
「そっ……宗吾さんです。僕の……宗吾さんです」

 そうだ、僕を抱くのは宗吾さんだ。
 僕が今愛しているのは、目の前にいる宗吾さん!

 だから必死に目を開いて、しっかりと彼を見つめた。

「やっとだな。やっと一つになれた。君と繋がれた」

 宗吾さんを確認すると……あとはもう夢中だった。

 額、耳、頬、唇──キスの雨が降り続ける。僕の躰がしっとりと水を吸い濡れていく。同時に躰の内側から水分が溢れるように満ち足りた気持ちになっていた。

「動くぞ」

 宗吾さんと僕はそれからふたりで抱き合い……小刻みに、まるでさざ波を作るように腰を擦り合わせた。

「んっ……あ、あっ」

 僕の口からはもう甘ったるい吐息しか出なかった。快楽の海に溺れていくようだ。やがて腰をホールドされ、最後の大波を受け止める準備をした。

「しっかり掴まっていろ!」

 僕も必死に彼の背中にしがみつき、宗吾さんも僕をきつく抱きしめた。

 腰をぐるりと撫でつけるように大きく回され、甘い痺れの後、脳内がパーンっと真っ白になった。 ふたりで大きな波を乗り越え、弾けた! 

 もう宗吾さんが良すぎて、どうにかなりそうだ!

「宗吾さん……」
「瑞樹っ……くっ」

 僕の中に潜り込む宗吾さんのモノがあまりにフィットするので、クラクラと目眩がするようだった。

 こんなにも、あなたのモノがしっくりくるなんて――!

 ずっと待たせて、待って、やっと辿り着いた奥深い場所での逢瀬で、宗吾さんのすべてを捧げてもらったような充足感に包まれていた。

 彼の躰からは汗が流れ精悍な色気で満ちていた。すべてを僕に注いでくれたのが身をもって感じられた。

 あの日一馬に置いて行かれて、行き場のなくなった僕の恋心。

 彷徨って守って……ここに落ち着いた。

 宗吾さんの胸に抱かれて彼の鼓動を聞けば、僕はそこに到着した恋心を確かめることが出来た。

 ドクドクと規則正しい鼓動が聞こえる。


****


 夢の中で思い出していたら、躰がまた熱くなってきてしまった。

 わ……僕っ……まずいっ

 慌てて寝返りを打つと宗吾さんに見つかってしまった。

 もう、恥ずかしいっ!

「どうした? 瑞樹……もしかして眠れないのか」

















しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

『別れても好きな人』 

設樂理沙
ライト文芸
 大好きな夫から好きな女性ができたから別れて欲しいと言われ、離婚した。  夫の想い人はとても美しく、自分など到底敵わないと思ったから。  ほんとうは別れたくなどなかった。  この先もずっと夫と一緒にいたかった……だけど世の中には  どうしようもないことがあるのだ。  自分で選択できないことがある。  悲しいけれど……。   ―――――――――――――――――――――――――――――――――  登場人物紹介 戸田貴理子   40才 戸田正義    44才 青木誠二    28才 嘉島優子    33才  小田聖也    35才 2024.4.11 ―― プロット作成日 💛イラストはAI生成自作画像

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

あなたの子ですが、内緒で育てます

椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」  突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。  夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。  私は強くなることを決意する。 「この子は私が育てます!」  お腹にいる子供は王の子。  王の子だけが不思議な力を持つ。  私は育った子供を連れて王宮へ戻る。  ――そして、私を追い出したことを後悔してください。 ※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ ※他サイト様でも掲載しております。 ※hotランキング1位&エールありがとうございます!

公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-

猫まんじゅう
恋愛
 そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。  無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。  筈だったのです······が? ◆◇◆  「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」  拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?  「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」  溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない? ◆◇◆ 安心保障のR15設定。 描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。 ゆるゆる設定のコメディ要素あり。 つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。 ※妊娠に関する内容を含みます。 【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】 こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)

懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。

梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。 あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。 その時までは。 どうか、幸せになってね。 愛しい人。 さようなら。

処理中です...