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発展編
恋の行方 10
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瑞樹のパジャマも下着も全部脱がし、産まれたままの姿にさせて、ガバっと覆い被さった。
口づけの合間に俺にぎゅっとしがみつく姿が、可愛くて可愛くて堪らない。
そっとほっそりとした脚を開かせて、その奥の窄まりに触れていく。弧を描くようにゆっくりと入り口を確認する。この1年……瑞樹は奥深くまで誰も受け入れていない。だからキュッとキツク閉じてしまった、そこを丹念に解してやりたい。絶対に痛い思いだけはさせたくない。
「瑞樹、ここ使っていいか」
「……は……い……」
少し怯えた声。彼の緊張が手に取るように分かる。だから汗で濡れた前髪をかき分けてやり、あやすように額に口づけてやった。
「大丈夫だ。怖くないよ」
オイルを纏った指をそっと潜らせると、つぷりと俺の指を呑み込んで行く手ごたえに、興奮してしまった。しっかり閉じているのでキツイので、ゆっくり丁寧に扱っていく。時間をかけてそこを解してやった。
「宗吾さん……もうっ──」
瑞樹は顔を赤く染め、時折身悶えるようにシーツを掴んでいた。挿入する指を増やすたびに、シーツの皺が大胆に増えていく。
「もう……もういいですから」
「駄目だ。もう少し」
「……っ」
本当は……心のどこかで前の男の影がチラついていたのは本音だ。俺で上書きしてやると奢ったことも考えていた。でも俺の指先だけで、こんなに過敏に反応してくれる瑞樹を見ていると、もう瑞樹は真っ白になっていたんだと気づかされた。俺だけの瑞樹になっていたのだ。
「瑞樹……とても好きだよ。さぁもう少し力を抜いて」
「は……いっ」
指を出し入れし円を描くうちにだいぶ解れて来た。入り口が緩んでいく手ごたえを感じた。
慎ましい瑞樹のそこ。中を探りながら、ここかと思うポイントをグッと指の腹で押すと、瑞樹の腰がビクンっと大きく跳ねた。
「あっ……うっ!」
「ここだな」
一気に快楽の波に巻き込んでいく。もうここからは止まれないよ。
1年分の思いの丈を注ぎ込みたいという野蛮な気持ちになるのを必死に押さえつけ、なるべく怖がらせないように優しく抱くことに努めなくては。
瑞樹が小刻みに喘ぎ出す。
この声……クルな。
瑞樹は恥ずかしいのか時折、膝を閉じようとしてしまうので、それを制し、快楽の波に巻き込んでいく。
もっともとだ。一気に俺色に染め上げてしまいたい。
「あ……ん、うっ」
瑞樹の茎もしっかり勃ちあがり、先端からは透明の液体が蜜のように溢れていた。
「そろそろいいか。力を抜いて」
瑞樹の脚を更に大きく開き、しっかり肌と肌を密着させて、俺のものをググっと呑み込ませていく。蕩けるような熱を感じる皮膜……そのまま突き進み、奥へ奥へと入っていく。
「うっ……あっ」
瑞樹は一瞬顔を歪めた。
ほんの一瞬、前の彼氏を思い出したようだった。
俺が繋ぎとめる。
「今……瑞樹を抱くのは誰だ? 」
「そっ……宗吾さんです。僕の……宗吾さんです」
瑞樹がギュッと閉じた目を開けて、俺をしっかりと見つめた。
その表情が、俺の心を揺さぶる。
「やっとだな。やっと一つになれた。君と繋がれた」
「……は……い」
そこからはもう夢中だった。
瑞樹の形のよい額、耳、頬、唇──
あらゆる所に、キスの雨を降らし、君を濡らしていく。
しっとりと瑞々しい躰が匂いたつように艶めかしい。
「動くよ」
小刻みに、まるでさざ波を作るように俺は腰を擦り合わせた。
「んっ……あ、あっ」
瑞樹から甘ったるい吐息が届く。快楽の海に溺れていく瑞樹と一緒に俺も潜っていく。
更に腰を抱き上げ、脚を大きく開かせて動く。
今度の波は大きい。
「しっかり掴まっていろ!」
瑞樹が悶えるように手を伸ばし、俺を抱きしめてくれたので、俺も瑞樹の細い体をキツク抱いてやった。
ふたりで大きな波を乗り越えていく。
共に弾けよう──
最後にとばかりに、大きく腰をぐるりと撫でつけるように回すと、頭がパーンっと真っ白になった。
うっ……良すぎるっ、瑞樹──
「宗吾さん……」
「瑞樹っ……くっ……」
くらくらする。
瑞樹の中が良すぎて眩暈がするよ。
二人は同時に放っていた。
こんな風にすべてをかけて抱くなんて。俺が今までしてきたものは何だったのか。
俺が瑞樹を求め、瑞樹も俺を求めて、ふたりの息がぴったりと合って……この1年間追い続けていた瑞樹のすべてを、俺は今、見せてもらった。
同時に俺のすべても君に──捧げた。
「……こんな宗吾さん……初めて見ました」
瑞樹が幸せそうに笑った。
濡れた肢体はどこまでも艶めいているくせに、花が咲くような美しい清廉な笑顔を浮かべていた。
「瑞樹のすべてを見せてもらったぞ」
「宗吾さん、僕は……もうあなたにしか……抱かれません」
「そうだ。俺も君だけを抱く。ずっと抱き続けるよ」
もう一度口づけから始めよう。
1年間も待ったんだ。
もっともっと、君を知りたいから。
「もう一度はじめから……」
「ふっ、いいですよ。宗吾さんが飽きるまで」
「好きだ、大好きだ」
「僕も好きです。大好きです」
欲しい言葉を惜しみなく与えてくれる瑞樹に、涙が出そうになる。
君を抱くと、俺の心は潤っていくよ。
優しく愛おしい気持ち。目の前にいる人を大切にしたい気持ち。
全部、瑞樹が教えてくれた。
「宗吾さん、僕は……『恋の行方』を捜していたのかも……しれません」
「うん?」
「あの日……失った恋は、新しい恋に生まれ変わって、ちゃんとここにありました」
「そうか……もう永遠に、瑞樹の恋心は、俺の元に留まるだろう」
「それがいいです。もう僕は……それがいいです」
『恋の行方』 了
あとがき(不要な方はスルーご対応)
****
志生帆海です。いつも読んで下さり、ありがとうございます。
ようやく二人の逢瀬を描ききりました。長くなってしまい、すみません。
でも……1年越しなので中途半端にしたくなくて……心を込めてじっくりと。
でもRシーンを書くのは、結構体力がいりまして、少し脱力なんです。
私は皆さんのリアクションを糧に、いつも更新しております♡
本当に励まされています。いつもありがとうございます。
この先、やっと結ばれた二人のラブをもう少し書きたいと思いますので、
お付き合いいただけたら嬉しいです。これからもどうぞよろしくお願いします。
口づけの合間に俺にぎゅっとしがみつく姿が、可愛くて可愛くて堪らない。
そっとほっそりとした脚を開かせて、その奥の窄まりに触れていく。弧を描くようにゆっくりと入り口を確認する。この1年……瑞樹は奥深くまで誰も受け入れていない。だからキュッとキツク閉じてしまった、そこを丹念に解してやりたい。絶対に痛い思いだけはさせたくない。
「瑞樹、ここ使っていいか」
「……は……い……」
少し怯えた声。彼の緊張が手に取るように分かる。だから汗で濡れた前髪をかき分けてやり、あやすように額に口づけてやった。
「大丈夫だ。怖くないよ」
オイルを纏った指をそっと潜らせると、つぷりと俺の指を呑み込んで行く手ごたえに、興奮してしまった。しっかり閉じているのでキツイので、ゆっくり丁寧に扱っていく。時間をかけてそこを解してやった。
「宗吾さん……もうっ──」
瑞樹は顔を赤く染め、時折身悶えるようにシーツを掴んでいた。挿入する指を増やすたびに、シーツの皺が大胆に増えていく。
「もう……もういいですから」
「駄目だ。もう少し」
「……っ」
本当は……心のどこかで前の男の影がチラついていたのは本音だ。俺で上書きしてやると奢ったことも考えていた。でも俺の指先だけで、こんなに過敏に反応してくれる瑞樹を見ていると、もう瑞樹は真っ白になっていたんだと気づかされた。俺だけの瑞樹になっていたのだ。
「瑞樹……とても好きだよ。さぁもう少し力を抜いて」
「は……いっ」
指を出し入れし円を描くうちにだいぶ解れて来た。入り口が緩んでいく手ごたえを感じた。
慎ましい瑞樹のそこ。中を探りながら、ここかと思うポイントをグッと指の腹で押すと、瑞樹の腰がビクンっと大きく跳ねた。
「あっ……うっ!」
「ここだな」
一気に快楽の波に巻き込んでいく。もうここからは止まれないよ。
1年分の思いの丈を注ぎ込みたいという野蛮な気持ちになるのを必死に押さえつけ、なるべく怖がらせないように優しく抱くことに努めなくては。
瑞樹が小刻みに喘ぎ出す。
この声……クルな。
瑞樹は恥ずかしいのか時折、膝を閉じようとしてしまうので、それを制し、快楽の波に巻き込んでいく。
もっともとだ。一気に俺色に染め上げてしまいたい。
「あ……ん、うっ」
瑞樹の茎もしっかり勃ちあがり、先端からは透明の液体が蜜のように溢れていた。
「そろそろいいか。力を抜いて」
瑞樹の脚を更に大きく開き、しっかり肌と肌を密着させて、俺のものをググっと呑み込ませていく。蕩けるような熱を感じる皮膜……そのまま突き進み、奥へ奥へと入っていく。
「うっ……あっ」
瑞樹は一瞬顔を歪めた。
ほんの一瞬、前の彼氏を思い出したようだった。
俺が繋ぎとめる。
「今……瑞樹を抱くのは誰だ? 」
「そっ……宗吾さんです。僕の……宗吾さんです」
瑞樹がギュッと閉じた目を開けて、俺をしっかりと見つめた。
その表情が、俺の心を揺さぶる。
「やっとだな。やっと一つになれた。君と繋がれた」
「……は……い」
そこからはもう夢中だった。
瑞樹の形のよい額、耳、頬、唇──
あらゆる所に、キスの雨を降らし、君を濡らしていく。
しっとりと瑞々しい躰が匂いたつように艶めかしい。
「動くよ」
小刻みに、まるでさざ波を作るように俺は腰を擦り合わせた。
「んっ……あ、あっ」
瑞樹から甘ったるい吐息が届く。快楽の海に溺れていく瑞樹と一緒に俺も潜っていく。
更に腰を抱き上げ、脚を大きく開かせて動く。
今度の波は大きい。
「しっかり掴まっていろ!」
瑞樹が悶えるように手を伸ばし、俺を抱きしめてくれたので、俺も瑞樹の細い体をキツク抱いてやった。
ふたりで大きな波を乗り越えていく。
共に弾けよう──
最後にとばかりに、大きく腰をぐるりと撫でつけるように回すと、頭がパーンっと真っ白になった。
うっ……良すぎるっ、瑞樹──
「宗吾さん……」
「瑞樹っ……くっ……」
くらくらする。
瑞樹の中が良すぎて眩暈がするよ。
二人は同時に放っていた。
こんな風にすべてをかけて抱くなんて。俺が今までしてきたものは何だったのか。
俺が瑞樹を求め、瑞樹も俺を求めて、ふたりの息がぴったりと合って……この1年間追い続けていた瑞樹のすべてを、俺は今、見せてもらった。
同時に俺のすべても君に──捧げた。
「……こんな宗吾さん……初めて見ました」
瑞樹が幸せそうに笑った。
濡れた肢体はどこまでも艶めいているくせに、花が咲くような美しい清廉な笑顔を浮かべていた。
「瑞樹のすべてを見せてもらったぞ」
「宗吾さん、僕は……もうあなたにしか……抱かれません」
「そうだ。俺も君だけを抱く。ずっと抱き続けるよ」
もう一度口づけから始めよう。
1年間も待ったんだ。
もっともっと、君を知りたいから。
「もう一度はじめから……」
「ふっ、いいですよ。宗吾さんが飽きるまで」
「好きだ、大好きだ」
「僕も好きです。大好きです」
欲しい言葉を惜しみなく与えてくれる瑞樹に、涙が出そうになる。
君を抱くと、俺の心は潤っていくよ。
優しく愛おしい気持ち。目の前にいる人を大切にしたい気持ち。
全部、瑞樹が教えてくれた。
「宗吾さん、僕は……『恋の行方』を捜していたのかも……しれません」
「うん?」
「あの日……失った恋は、新しい恋に生まれ変わって、ちゃんとここにありました」
「そうか……もう永遠に、瑞樹の恋心は、俺の元に留まるだろう」
「それがいいです。もう僕は……それがいいです」
『恋の行方』 了
あとがき(不要な方はスルーご対応)
****
志生帆海です。いつも読んで下さり、ありがとうございます。
ようやく二人の逢瀬を描ききりました。長くなってしまい、すみません。
でも……1年越しなので中途半端にしたくなくて……心を込めてじっくりと。
でもRシーンを書くのは、結構体力がいりまして、少し脱力なんです。
私は皆さんのリアクションを糧に、いつも更新しております♡
本当に励まされています。いつもありがとうございます。
この先、やっと結ばれた二人のラブをもう少し書きたいと思いますので、
お付き合いいただけたら嬉しいです。これからもどうぞよろしくお願いします。
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