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発展編
帰郷 28
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「私よ。うちのタクシーに乗せたお客様がどこで降りたか教えて。えぇ緊急事態よ。車体番号は……」
これで彼らの行先は掴めるわ。さぁ次はソウルにいる優也に連絡を!
そこからは、まるで韓国と日本が一直線の糸で結ばれたように早かった。
優也から北鎌倉の洋くん、そしてあの悲し気に微笑んだ彼の本物の恋人の元へも──
彼……きっととても良くない事に巻き込まれている。
私の息子の穢れない眼差しが見つけたサインを、見逃さない。
****
勢いで瑞樹を拉致した手下を連れて新幹線に乗ったはいいが、どこで降りたらいいのか考えあぐねていた。
「軽井沢か、それとも長野、富山。まさか終点の金沢か。くそっおいっ何か手がかりはないのか」
「……今あげられたのは……全部、若社長には縁のない場所です」
「くそっ、参ったな」
ソイツはきっと瑞樹の弟を盾に取って、彼を束縛しているに違いない。
瑞樹の一番弱い部分を突かれてしまった。逃げ出すチャンスがあっても瑞樹は逃げられない。かつて交通事故でひとりだけ生き残ったので、自分ひとり助かるなんて到底許せないのだろう。その気持ちが今の俺には痛い程分かる。
瑞樹の考えることが手に取るように分かるから、余計に辛いよ。
瑞樹、もう弟はとっくに解放されている! だから逃げろ! 逃げ出せ! 逃げていいんだよ。そう伝えてやりたい。いや、俺がこの腕で君を救ってやりたい!
どこにいる──
突然スマホがブルっと震えたので、慌ててデッキに出た。一体誰だ?
「もしもしっ」
「宗吾か」
「え……」
「俺だ、流だ」
この声は確かに北鎌倉の流だ。彼に携帯番号は教えたが、このタイミングで一体何の用だ?
「お前は今、瑞樹くんと一緒にいるか。お前の隣にちゃんといるのか」
流の声も、焦って上擦っていた。
「何故、それを聞く?」
「いないんだな。やっぱりそうなのか」
「流っ何か知っているのか。お前が電話してくるなんて。実は瑞樹が……」
「誰かに無理矢理連れ去られたのか」
驚いた。まるでテレパシーのようだ。何故この状況が分かるのか本当に不思議だ。
「何故それを? 何か知っているのなら教えてくれ!」
「話せば長くなるが、新幹線で瑞樹を見かけた人がいて、こっちに連絡が入ったんだ。彼が今どこに連れ込まれたかも教えてもらった」
「えっ何だって? 瑞樹がどこにいるか知っているのか」
「軽井沢だ! お前は今どこにいる?」
「新幹線の中だ。軽井沢なら間もなく着く」
「よかった。時間を短縮出来るな。早く現地の警察にも連絡を! すぐにお前も駆けつけろ! 何かあってからでは遅い……万が一何かあったとしても、お前が傍にいれば必ず乗り越えられる! 」
心強い言葉をもらった。
「分かった、瑞樹の居場所を教えてくれ」
「今から住所をメールする」
何がどうなって流が瑞樹の居場所を知っているのか分からない。だが全部信じられる。
夏に流たちと偶然出逢い、秋に月影寺に泊まったこと、何もかも繋がっていく。
縁だ……縁があったからだ。
俺も流も、互いにその縁を大事にしたから、この窮地で救いとなった。
電話の後すぐに函館の宏樹にも連絡した。彼らも軽井沢に駆けつけてくれるそうで、警察にも通報してもらった。
相手は高校時代に瑞樹にしつこく付きまとっていたストーカーだと聞いた。当時、警察沙汰になり、処分を受けてもう終わったと油断していたそうだ。そんな奴が今このタイミングで……どうして瑞樹を見つけ出し、拉致監禁なんて大それたことを仕出かしたのか。
瑞樹、俺がもっと気を付けてやればよかった。まだ俺に話せないことがあったなんて知らずに俺ばかり浮かれて……
俺は何があっても瑞樹を手放さない。だから安心しろ。
瑞樹っもう少しだ、頑張れ。
持ち堪えろ! 逃げろ、もう逃げていい!
助けるから、俺が君を助けるから! 諦めるな!
****
油断した隙に床に押し倒されてしまった。そのまま高橋が僕に全体重を掛けながら覆い被さってきた。
「やめっ!」
首筋をベロリと舐められた。生温い舌の感触がおぞましい。よく知らない男の興奮した熱い息がフーフーと音を立てて耳元に聞こえてくる。
何度も何度も首筋をベロベロと舐められて、そこから生暖かい唾液が滴るのを感じた。嫌悪感が酷すぎて目に涙が滲む。そのまま有無を言わさぬ速さで着ていたコートとセーターを脱がされた。シャツを破られそうになって必死に阻止した。
「やめろ!」
「嫌だなぁ、何言ってるの? ここまで付いてきたクセに。君も同意の上だろう」
「何を言って……あなたが潤を盾に僕を脅したからだ! 」
「煩いなぁ。君のことが好きなのは知っていただろう? だから君を抱かせてよ。ずっと想像していたよ」
シャツをビリビリと引き裂かれてしまった。露わになった素肌が震えあがった。すぐに彼の手が僕の上半身を撫でまわしてくる。
気持ち悪い! 嫌だ!
「あぁ想像通りすべすべだね。綺麗な乳首だ」
彼の顔がグンっと胸元に近づいて……気持ち悪い唇が僕の胸の突起を挟んでくる。そのおぞましさに震えあがる。
「い……嫌だあっ!」
「ちょっと煩いぞ!」
破れかけたシャツの胸ぐらを掴まれて硬い床に打ち付けられた。一瞬意識が朦朧とする。後頭部と首筋に激痛が走る。その反動で浮かんだのは『潤が解放されたのなら、もうここにいる必要はない。早く逃げろ! いいようにされるな』というシグナルだった。
宗吾さんの声が聞こえる。
『瑞樹っ逃げろ! もう逃げていい! 今行くから、助けに行くから! 』
これは……幻聴だ。でも宗吾さんのことを思い出すと、失っていた力が湧いてきた。そうだ……僕の躰はこんな奴に抱かれるわけには行かない。
宗吾さん、あなたと繋がりたい。
僕はあなたに抱かれたい。こんな奴に触れさせたくない!
「やめろ! いい加減にしろっ。この手を離せ!」
渾身の力で暴れた。
「ふぅん、やっぱり弟が解放されたらいう事を聞かなくなるんだね」
「……」
彼がこのまま僕を犯そうとしていることはもう嫌という程理解できた。その前に更なる暴力で僕の動きを封じようとしていることも。
「つぅっ! 」
どんどん暴力が酷くなっていく。腹を殴られ頬を叩かれた。
僕は一瞬の隙が出来るのを、必死に痛みに耐えながら見計らった。
彼が僕を殴り疲れて、肩でハァハァと息をした瞬間……
今だ!
彼の股間を勢いよく蹴り上げた。これは洋くんが僕にと教えてくれた護身術だ。それを渾身の力で実行した。
これで彼らの行先は掴めるわ。さぁ次はソウルにいる優也に連絡を!
そこからは、まるで韓国と日本が一直線の糸で結ばれたように早かった。
優也から北鎌倉の洋くん、そしてあの悲し気に微笑んだ彼の本物の恋人の元へも──
彼……きっととても良くない事に巻き込まれている。
私の息子の穢れない眼差しが見つけたサインを、見逃さない。
****
勢いで瑞樹を拉致した手下を連れて新幹線に乗ったはいいが、どこで降りたらいいのか考えあぐねていた。
「軽井沢か、それとも長野、富山。まさか終点の金沢か。くそっおいっ何か手がかりはないのか」
「……今あげられたのは……全部、若社長には縁のない場所です」
「くそっ、参ったな」
ソイツはきっと瑞樹の弟を盾に取って、彼を束縛しているに違いない。
瑞樹の一番弱い部分を突かれてしまった。逃げ出すチャンスがあっても瑞樹は逃げられない。かつて交通事故でひとりだけ生き残ったので、自分ひとり助かるなんて到底許せないのだろう。その気持ちが今の俺には痛い程分かる。
瑞樹の考えることが手に取るように分かるから、余計に辛いよ。
瑞樹、もう弟はとっくに解放されている! だから逃げろ! 逃げ出せ! 逃げていいんだよ。そう伝えてやりたい。いや、俺がこの腕で君を救ってやりたい!
どこにいる──
突然スマホがブルっと震えたので、慌ててデッキに出た。一体誰だ?
「もしもしっ」
「宗吾か」
「え……」
「俺だ、流だ」
この声は確かに北鎌倉の流だ。彼に携帯番号は教えたが、このタイミングで一体何の用だ?
「お前は今、瑞樹くんと一緒にいるか。お前の隣にちゃんといるのか」
流の声も、焦って上擦っていた。
「何故、それを聞く?」
「いないんだな。やっぱりそうなのか」
「流っ何か知っているのか。お前が電話してくるなんて。実は瑞樹が……」
「誰かに無理矢理連れ去られたのか」
驚いた。まるでテレパシーのようだ。何故この状況が分かるのか本当に不思議だ。
「何故それを? 何か知っているのなら教えてくれ!」
「話せば長くなるが、新幹線で瑞樹を見かけた人がいて、こっちに連絡が入ったんだ。彼が今どこに連れ込まれたかも教えてもらった」
「えっ何だって? 瑞樹がどこにいるか知っているのか」
「軽井沢だ! お前は今どこにいる?」
「新幹線の中だ。軽井沢なら間もなく着く」
「よかった。時間を短縮出来るな。早く現地の警察にも連絡を! すぐにお前も駆けつけろ! 何かあってからでは遅い……万が一何かあったとしても、お前が傍にいれば必ず乗り越えられる! 」
心強い言葉をもらった。
「分かった、瑞樹の居場所を教えてくれ」
「今から住所をメールする」
何がどうなって流が瑞樹の居場所を知っているのか分からない。だが全部信じられる。
夏に流たちと偶然出逢い、秋に月影寺に泊まったこと、何もかも繋がっていく。
縁だ……縁があったからだ。
俺も流も、互いにその縁を大事にしたから、この窮地で救いとなった。
電話の後すぐに函館の宏樹にも連絡した。彼らも軽井沢に駆けつけてくれるそうで、警察にも通報してもらった。
相手は高校時代に瑞樹にしつこく付きまとっていたストーカーだと聞いた。当時、警察沙汰になり、処分を受けてもう終わったと油断していたそうだ。そんな奴が今このタイミングで……どうして瑞樹を見つけ出し、拉致監禁なんて大それたことを仕出かしたのか。
瑞樹、俺がもっと気を付けてやればよかった。まだ俺に話せないことがあったなんて知らずに俺ばかり浮かれて……
俺は何があっても瑞樹を手放さない。だから安心しろ。
瑞樹っもう少しだ、頑張れ。
持ち堪えろ! 逃げろ、もう逃げていい!
助けるから、俺が君を助けるから! 諦めるな!
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油断した隙に床に押し倒されてしまった。そのまま高橋が僕に全体重を掛けながら覆い被さってきた。
「やめっ!」
首筋をベロリと舐められた。生温い舌の感触がおぞましい。よく知らない男の興奮した熱い息がフーフーと音を立てて耳元に聞こえてくる。
何度も何度も首筋をベロベロと舐められて、そこから生暖かい唾液が滴るのを感じた。嫌悪感が酷すぎて目に涙が滲む。そのまま有無を言わさぬ速さで着ていたコートとセーターを脱がされた。シャツを破られそうになって必死に阻止した。
「やめろ!」
「嫌だなぁ、何言ってるの? ここまで付いてきたクセに。君も同意の上だろう」
「何を言って……あなたが潤を盾に僕を脅したからだ! 」
「煩いなぁ。君のことが好きなのは知っていただろう? だから君を抱かせてよ。ずっと想像していたよ」
シャツをビリビリと引き裂かれてしまった。露わになった素肌が震えあがった。すぐに彼の手が僕の上半身を撫でまわしてくる。
気持ち悪い! 嫌だ!
「あぁ想像通りすべすべだね。綺麗な乳首だ」
彼の顔がグンっと胸元に近づいて……気持ち悪い唇が僕の胸の突起を挟んでくる。そのおぞましさに震えあがる。
「い……嫌だあっ!」
「ちょっと煩いぞ!」
破れかけたシャツの胸ぐらを掴まれて硬い床に打ち付けられた。一瞬意識が朦朧とする。後頭部と首筋に激痛が走る。その反動で浮かんだのは『潤が解放されたのなら、もうここにいる必要はない。早く逃げろ! いいようにされるな』というシグナルだった。
宗吾さんの声が聞こえる。
『瑞樹っ逃げろ! もう逃げていい! 今行くから、助けに行くから! 』
これは……幻聴だ。でも宗吾さんのことを思い出すと、失っていた力が湧いてきた。そうだ……僕の躰はこんな奴に抱かれるわけには行かない。
宗吾さん、あなたと繋がりたい。
僕はあなたに抱かれたい。こんな奴に触れさせたくない!
「やめろ! いい加減にしろっ。この手を離せ!」
渾身の力で暴れた。
「ふぅん、やっぱり弟が解放されたらいう事を聞かなくなるんだね」
「……」
彼がこのまま僕を犯そうとしていることはもう嫌という程理解できた。その前に更なる暴力で僕の動きを封じようとしていることも。
「つぅっ! 」
どんどん暴力が酷くなっていく。腹を殴られ頬を叩かれた。
僕は一瞬の隙が出来るのを、必死に痛みに耐えながら見計らった。
彼が僕を殴り疲れて、肩でハァハァと息をした瞬間……
今だ!
彼の股間を勢いよく蹴り上げた。これは洋くんが僕にと教えてくれた護身術だ。それを渾身の力で実行した。
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