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発展編
原っぱピクニック 4
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「美味しいか」
「はい!」
「よかったよ。さぁ卵焼きもどうだ? あとおにぎりの具は何がいい? 」
「ええ、ぜひいただきます。具はそうですね、鮭が好きです」
「やっぱりな。君のために北海道の鮭にしたよ」
「本当ですか!嬉しいです」
瑞樹はとても美味しそうに弁当を食べてくれた。
一品一品を丁寧に舌で味わってくれるのが嬉しくなる。それに瑞樹の短くハキハキとした言葉遣いや心の籠った礼の言葉もすべて心地いい。
始終ニコニコと爽やかな態度を取ってくれる瑞樹のことを、俺は白昼堂々じっくり堪能する。おにぎりにパクッと噛り付く口元もいいな。おいっ可愛すぎだろう。こんなにもひとりの人の一挙一動を愛おしく思うのは初めてで、そんな自分までも可愛くなってしまう始末だ。
人生が世界が……薔薇色とはこのことを言うのか。
それに俺が頑張って料理したものを美味しそうに食べてもらえるのは嬉しいもんだな。離婚した当初の見様見真似の料理は失敗してばかりで、芽生を泣かせたことは今となっては、ほろ苦い思い出だ。
ところが瑞樹の澄んだ瞳が、少し潤んでいるような気がして急に心配になった。一喜一憂だ。
「どうかしたか、悲しい目をしている……」
「あっいえ……滝沢さんのお料理はどれも美味しいし、ピクニックなんて小学生以来で楽しくて。だからな、なんだか幸せな気持ちで一杯になってしまって。最近涙腺が弱くなったのかな」
あぁそうか。瑞樹は確かお父さんを早くに亡くしていたんだったな。あの兄が父親代わりだったに違いない。母子家庭で大変だったろう。女手ひとつではピクニックに行く余裕もなかったのだろう。ただ……これは瑞樹にとってデリケートな部分なので声に出しては聞けないし聞かない。瑞樹が話したいことだけを、今は聞ければいい。
「あの日も家族でピクニックに行って……僕の可愛い弟はこのカニの形のウインナーが大好物で……本当に懐かしいです」
「そうか。芽生もカニのウインナーが大好だから君の弟さんと一緒だな」
「そうなんですね。これって作るの大変そうですね。足の部分の切込みが芸術的です!」
瑞樹はウインナーをじっと見つめていた。
「芽生が足が取れるのを嫌がるので、丁寧に慎重に切込みを入れたよ」
「なるほど!」
さっきからタコさん制覇に燃える芽生も口をはさむ。
「おにいちゃん、パパはすごいでしょう?」
「うん!本当にすごいパパだね」
「おにいちゃんありがとう~パパはあまりほめてもらえないから、きっとうれしいよ」
日曜日の昼下がりに、こんなにも長閑な時間を大好きな人と過ごせるなんて平和だ。以前は休日も平日も接待ゴルフや会食続きだった。そんなのが当たり前だったのが、今は遠い昔のようだよ。
俺にとって玲子との離婚は、人生の試練であり転機だったってわけか。
「おにいちゃん、僕……ねむい」
「あぁお腹いっぱいで眠くなってしまったんだね。ほらここを枕にして眠るといいよ」
「うん……おにいちゃんって、いつもなんかいいにおいがするね」
瑞樹に促され、芽生は膝枕をしてもらった。
ええぇ……息子よ!ずるいぞ!俺はまだしてもらってないのに!
瑞樹は俺の動揺に気が付くはずもなく、俺と目が合うといつものようにニコっと微笑んだ。
「芽生くんはやっぱりまだまだ小さいですね。お腹いっぱいになったらお昼寝なんて、可愛いな」
「そうだな」
瑞樹はとても穏やかな表情で、芽生がぐっすり眠りにつけるように優しく背中をトントンと一定間隔でリズムよく叩いてくれていた。
「おやすみ。芽生くん」
「ん……ムニャムニャ……」
「あっそうだ。滝沢さんすいません。僕の鞄の中に雨傘が入っているので取り出してもらえますか」
「うん?」
瑞樹の鞄から紺色の折り畳み傘を取り出して渡すと、瑞樹がすぐにパッと開いた。その頃にはもう芽生は夢の中で、スースーと健やかな寝息を立てていた。
「これが日傘代わりになるかなと思って。ちょうど芽生くんの顔に日が当たってしまっていたので」
「へぇなるほど。女の人が日傘を使う理由がわかったが、俺にとってはもっといいものに見えるぞ! 」
「えっ?」
日傘をさした瑞樹がキョトンとした表情で俺を見つめたので、その後頭部に手を回しグッと引き寄せた。何をされるか察した瑞樹の顔に衝撃が走る。
「まっ待ってください! ここ公園だし……芽生くんが」
目を大きく見開いて動揺する瑞樹があんまりにも可愛くて、そのままチュッと口づけしてしまった。悪ガキみたいだな、俺。
「あっ」
瑞樹は傘の奥に顔を隠してしまった。「傘に隠れて見えないよ」と言っても恥ずかしそうに俯いたままだ。
「……滝沢さんは時々意地悪です」
「ごめん。さっきからメイに妬いていたのかも、ほんとごめん、無理強いしたつもりはないが、やっぱりごめん!」
耳まで赤くする瑞樹が不憫になり、仕掛けた俺が平謝りだ。
「嫌じゃないです。でも……」
「ここじゃなかったらしてもいい?」
「えっ」
ますます顔を赤くする瑞樹、君のことが愛おしいよ。
「あっあの……そうだ。これ滝沢さんにあげます」
話を逸らすつもりなのか、瑞樹がポケットから何か取り出して俺の手のひらにのせてくれた。
「あっこれは……」
手のひらにそっと載せられたものは、あの日瑞樹にあげたのと同じシロツメ草の指輪だった。
「これ、滝沢さんの分ですよ。僕のとお揃いです」
ニコっと微笑みながら瑞樹はそれを摘まんで、俺の指に通してくれた。
お互いの指に宿った、シロツメグサの魔法。
まるで一緒に幸せになろうと誓っているようだった。
「今日は最高のピクニックだ。キスのあとの指輪交換なんてさ」
「えっ……あの、そんなつもりじゃ」
「なんだって? そんなつもりじゃないのか」
「いえ……あぁ……もう僕はどうしたらいいんですか」
困ったように笑う瑞樹の肩をそっと抱きしめた。
「ごめんごめん。焦らすつもりはない。でも俺の気持ちはこうだ。いつまでも瑞樹と一緒にいたい。この夏もやがてやってくる秋も共に、それから寒い冬も乗り越え、ぐるっと一年回った頃にはもっと深い関係になっていたいし、その先も……」
「夏も秋も……冬も。そして来年も再来年も……」
瑞樹も俺の言葉を、ゆっくり繰り返してくれた。
「約束を」
もう一度だけ短い口づけさせてもらう。
今度は瑞樹も逃げないで目を閉じて受け入れてくれた。
今日は最高のピクニックだ。
俺たちの生涯において、幸せな思い出のひとつになるだろう。
『原っぱピクニック』了
「はい!」
「よかったよ。さぁ卵焼きもどうだ? あとおにぎりの具は何がいい? 」
「ええ、ぜひいただきます。具はそうですね、鮭が好きです」
「やっぱりな。君のために北海道の鮭にしたよ」
「本当ですか!嬉しいです」
瑞樹はとても美味しそうに弁当を食べてくれた。
一品一品を丁寧に舌で味わってくれるのが嬉しくなる。それに瑞樹の短くハキハキとした言葉遣いや心の籠った礼の言葉もすべて心地いい。
始終ニコニコと爽やかな態度を取ってくれる瑞樹のことを、俺は白昼堂々じっくり堪能する。おにぎりにパクッと噛り付く口元もいいな。おいっ可愛すぎだろう。こんなにもひとりの人の一挙一動を愛おしく思うのは初めてで、そんな自分までも可愛くなってしまう始末だ。
人生が世界が……薔薇色とはこのことを言うのか。
それに俺が頑張って料理したものを美味しそうに食べてもらえるのは嬉しいもんだな。離婚した当初の見様見真似の料理は失敗してばかりで、芽生を泣かせたことは今となっては、ほろ苦い思い出だ。
ところが瑞樹の澄んだ瞳が、少し潤んでいるような気がして急に心配になった。一喜一憂だ。
「どうかしたか、悲しい目をしている……」
「あっいえ……滝沢さんのお料理はどれも美味しいし、ピクニックなんて小学生以来で楽しくて。だからな、なんだか幸せな気持ちで一杯になってしまって。最近涙腺が弱くなったのかな」
あぁそうか。瑞樹は確かお父さんを早くに亡くしていたんだったな。あの兄が父親代わりだったに違いない。母子家庭で大変だったろう。女手ひとつではピクニックに行く余裕もなかったのだろう。ただ……これは瑞樹にとってデリケートな部分なので声に出しては聞けないし聞かない。瑞樹が話したいことだけを、今は聞ければいい。
「あの日も家族でピクニックに行って……僕の可愛い弟はこのカニの形のウインナーが大好物で……本当に懐かしいです」
「そうか。芽生もカニのウインナーが大好だから君の弟さんと一緒だな」
「そうなんですね。これって作るの大変そうですね。足の部分の切込みが芸術的です!」
瑞樹はウインナーをじっと見つめていた。
「芽生が足が取れるのを嫌がるので、丁寧に慎重に切込みを入れたよ」
「なるほど!」
さっきからタコさん制覇に燃える芽生も口をはさむ。
「おにいちゃん、パパはすごいでしょう?」
「うん!本当にすごいパパだね」
「おにいちゃんありがとう~パパはあまりほめてもらえないから、きっとうれしいよ」
日曜日の昼下がりに、こんなにも長閑な時間を大好きな人と過ごせるなんて平和だ。以前は休日も平日も接待ゴルフや会食続きだった。そんなのが当たり前だったのが、今は遠い昔のようだよ。
俺にとって玲子との離婚は、人生の試練であり転機だったってわけか。
「おにいちゃん、僕……ねむい」
「あぁお腹いっぱいで眠くなってしまったんだね。ほらここを枕にして眠るといいよ」
「うん……おにいちゃんって、いつもなんかいいにおいがするね」
瑞樹に促され、芽生は膝枕をしてもらった。
ええぇ……息子よ!ずるいぞ!俺はまだしてもらってないのに!
瑞樹は俺の動揺に気が付くはずもなく、俺と目が合うといつものようにニコっと微笑んだ。
「芽生くんはやっぱりまだまだ小さいですね。お腹いっぱいになったらお昼寝なんて、可愛いな」
「そうだな」
瑞樹はとても穏やかな表情で、芽生がぐっすり眠りにつけるように優しく背中をトントンと一定間隔でリズムよく叩いてくれていた。
「おやすみ。芽生くん」
「ん……ムニャムニャ……」
「あっそうだ。滝沢さんすいません。僕の鞄の中に雨傘が入っているので取り出してもらえますか」
「うん?」
瑞樹の鞄から紺色の折り畳み傘を取り出して渡すと、瑞樹がすぐにパッと開いた。その頃にはもう芽生は夢の中で、スースーと健やかな寝息を立てていた。
「これが日傘代わりになるかなと思って。ちょうど芽生くんの顔に日が当たってしまっていたので」
「へぇなるほど。女の人が日傘を使う理由がわかったが、俺にとってはもっといいものに見えるぞ! 」
「えっ?」
日傘をさした瑞樹がキョトンとした表情で俺を見つめたので、その後頭部に手を回しグッと引き寄せた。何をされるか察した瑞樹の顔に衝撃が走る。
「まっ待ってください! ここ公園だし……芽生くんが」
目を大きく見開いて動揺する瑞樹があんまりにも可愛くて、そのままチュッと口づけしてしまった。悪ガキみたいだな、俺。
「あっ」
瑞樹は傘の奥に顔を隠してしまった。「傘に隠れて見えないよ」と言っても恥ずかしそうに俯いたままだ。
「……滝沢さんは時々意地悪です」
「ごめん。さっきからメイに妬いていたのかも、ほんとごめん、無理強いしたつもりはないが、やっぱりごめん!」
耳まで赤くする瑞樹が不憫になり、仕掛けた俺が平謝りだ。
「嫌じゃないです。でも……」
「ここじゃなかったらしてもいい?」
「えっ」
ますます顔を赤くする瑞樹、君のことが愛おしいよ。
「あっあの……そうだ。これ滝沢さんにあげます」
話を逸らすつもりなのか、瑞樹がポケットから何か取り出して俺の手のひらにのせてくれた。
「あっこれは……」
手のひらにそっと載せられたものは、あの日瑞樹にあげたのと同じシロツメ草の指輪だった。
「これ、滝沢さんの分ですよ。僕のとお揃いです」
ニコっと微笑みながら瑞樹はそれを摘まんで、俺の指に通してくれた。
お互いの指に宿った、シロツメグサの魔法。
まるで一緒に幸せになろうと誓っているようだった。
「今日は最高のピクニックだ。キスのあとの指輪交換なんてさ」
「えっ……あの、そんなつもりじゃ」
「なんだって? そんなつもりじゃないのか」
「いえ……あぁ……もう僕はどうしたらいいんですか」
困ったように笑う瑞樹の肩をそっと抱きしめた。
「ごめんごめん。焦らすつもりはない。でも俺の気持ちはこうだ。いつまでも瑞樹と一緒にいたい。この夏もやがてやってくる秋も共に、それから寒い冬も乗り越え、ぐるっと一年回った頃にはもっと深い関係になっていたいし、その先も……」
「夏も秋も……冬も。そして来年も再来年も……」
瑞樹も俺の言葉を、ゆっくり繰り返してくれた。
「約束を」
もう一度だけ短い口づけさせてもらう。
今度は瑞樹も逃げないで目を閉じて受け入れてくれた。
今日は最高のピクニックだ。
俺たちの生涯において、幸せな思い出のひとつになるだろう。
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