重なる月

志生帆 海

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第3部 15章

花を咲かせる風 41

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「さぁ、ここですよ。私はこの寺の住職をしています」

 通されたのは、京都の雅な雰囲気を感じさせる瀟洒な寺だった。

 その寺の名前の看板を見て、俺と丈、翠さんと薙くんは驚愕した。

「え……月光寺……?」

 光があるから、影が出来る。
 影があるのは、光があるから。

「なんと……」

 翠さんが一番驚いていたかもしれない。

「あの……僕も住職をしているのですが……僕の寺は、北鎌倉の『月影寺』と言います」
「なんと!」

 信一さんも目を見開いて、驚いていた。

「光と影……やはりご縁が深そうですね」
「本当に……」

 12畳ほどの広い和室に通された。

 そこは中庭に面しており、明るい雰囲気だった。



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