1,226 / 1,657
14章
追憶の由比ヶ浜 28
しおりを挟む
翠とは……何度も角度を変え、唇を重ねた。
おっと流石にそろそろまずいか。恋人同士のキスは終わらせないとな。
名残惜しさが込み上げる中、離れようとした時、翠の手がグイッと俺の作務衣の袖を引っぱった。
「……もっと」
「もっと?」
いくら個室とはいえ入院中の病室でキスをするなんて、普段の翠なら絶対に許してくれない行為なのに、今日はおねだりまで? 最高だな!
「もちろん、いいぜ!」
だから調子に乗って翠をベッドに押し倒し、キスを深めた。舌を差し込んで口腔内も蹂躙し、薄くて淡い桜貝のような唇をきつく吸い上げてやった。
「ん……」
翠も抵抗せず仰向けのまま目を閉じて……身を委ねてくれる。
可愛い……従順な翠もいい。
パジャマの裾から手を入れ小さな突起を見つけ出し、指先でしつこい程丁寧に撫でてやる。
「ふっ……うっ……ん」
色っぽい声が、脳天を直撃してくる。
参ったな……キスだけのつもりが止まらない。
夢中になって唇を吸いながら乳首を攻めていると、翠に背中をドンドンっと叩かれた。
「なんだ? もっとか」
「ば、馬鹿……も……う駄目だ」
はっと我に返れば、目元を赤く染めた翠が、唇を濡らして震えていた。パジャマは胸までまくれ上がり、白い肌に充血したような乳首が丸見えで、なんともエロい。
「悪い。忘れられないキスにしようと頑張ったんだ」
「馬鹿……が、頑張りすぎだ!」
明らかに動揺し照れまくる翠に悶絶していると、扉をノックされた。
「張矢翠さん? あのぉ~入りますよ」
「あ……っ、は……い!」
俺はすぐさま翠の唇を作務衣の袖で拭って、パジャマを整えてやった。
その次のタイミングで、クリームイエローのカーテンがシャッと開いたので間一髪だった。
「あら? 面会中でしたか」
「あ……弟が来ていたので」
「まぁ、弟さん? タイプが違いますね」
「ははっ、よく言われます。兄のことをよろしくお願いします」
「はい! モチロンお任せ下さい♡」
♡~♡~♪
ん? 今♡がふわふわと飛んだ気がしたが、目の錯覚だよな?
「あら? 顔が熱いですね。熱でも? 体温計で測ってみましょう」
「あ……はい」
先ほどまでのキスの雨で濡れそぼっていた翠の唇は乾いていても、色気を孕んだままだった。おまけに目元が赤く染まって艶めいていた。
翠、おいっ、早くクールダウンしろよ。
翠は恨みがましく俺を見ていたが、翠が言い出したことだぜと素知らぬふりをした。
「あら? さっきより血圧も高いですね。それに心拍数も随分あがって」
それはそうだ! さっきまでかなり興奮していたからな。
「何か直前まで激しい運動していたのですか」
お! 鋭いな、それ図星だぜ!
俺が窓辺でニヤリと笑うと、翠に目で制された。
目元を手で覆い、もう片方の手で外に出て行くよう促している。
ハイハイ、兄さんモード発動ですな。
「と、特にしていません。入院になれなくて検査前で緊張しているだけです」
翠が気を取り直してそう言えば、看護師はキラキラと目を輝かす。
「大丈夫ですよ、そんなに緊張されなくても。全部私達が手取り足取りサポートしますから♡」
♡~♡♪
ハートはいらんだろ! と突っ込みたくなったが、グッと我慢した。
それにしても翠は、どうして布団の中で膝を立てている?
「では、あと15分後にまた来ますね。それまで検査のため採尿をお願いします。個室のトイレを使って、紙コップは中の棚に置いておいて下さいね」
「は……はい」
もぞもぞと気まずそうに目元を染めて身動ぐ翠。
もしかして、もしかして……
先ほどのキスで勃ったのか‼
看護師が出て行ったので、窓辺に立っていた俺はワクワクした顔で翠に近づいた。
「翠、なぁ手伝ってやろうか。採尿のついでにさ」
「ば、馬鹿‼ りゅ、流、自分のも見て見ろ!」
「へ? おおぉ~」
作務衣の上衣に隠れて目立たんが……
翠が勃てば、俺も勃つ。
当たり前の法則だったな。
おっと流石にそろそろまずいか。恋人同士のキスは終わらせないとな。
名残惜しさが込み上げる中、離れようとした時、翠の手がグイッと俺の作務衣の袖を引っぱった。
「……もっと」
「もっと?」
いくら個室とはいえ入院中の病室でキスをするなんて、普段の翠なら絶対に許してくれない行為なのに、今日はおねだりまで? 最高だな!
「もちろん、いいぜ!」
だから調子に乗って翠をベッドに押し倒し、キスを深めた。舌を差し込んで口腔内も蹂躙し、薄くて淡い桜貝のような唇をきつく吸い上げてやった。
「ん……」
翠も抵抗せず仰向けのまま目を閉じて……身を委ねてくれる。
可愛い……従順な翠もいい。
パジャマの裾から手を入れ小さな突起を見つけ出し、指先でしつこい程丁寧に撫でてやる。
「ふっ……うっ……ん」
色っぽい声が、脳天を直撃してくる。
参ったな……キスだけのつもりが止まらない。
夢中になって唇を吸いながら乳首を攻めていると、翠に背中をドンドンっと叩かれた。
「なんだ? もっとか」
「ば、馬鹿……も……う駄目だ」
はっと我に返れば、目元を赤く染めた翠が、唇を濡らして震えていた。パジャマは胸までまくれ上がり、白い肌に充血したような乳首が丸見えで、なんともエロい。
「悪い。忘れられないキスにしようと頑張ったんだ」
「馬鹿……が、頑張りすぎだ!」
明らかに動揺し照れまくる翠に悶絶していると、扉をノックされた。
「張矢翠さん? あのぉ~入りますよ」
「あ……っ、は……い!」
俺はすぐさま翠の唇を作務衣の袖で拭って、パジャマを整えてやった。
その次のタイミングで、クリームイエローのカーテンがシャッと開いたので間一髪だった。
「あら? 面会中でしたか」
「あ……弟が来ていたので」
「まぁ、弟さん? タイプが違いますね」
「ははっ、よく言われます。兄のことをよろしくお願いします」
「はい! モチロンお任せ下さい♡」
♡~♡~♪
ん? 今♡がふわふわと飛んだ気がしたが、目の錯覚だよな?
「あら? 顔が熱いですね。熱でも? 体温計で測ってみましょう」
「あ……はい」
先ほどまでのキスの雨で濡れそぼっていた翠の唇は乾いていても、色気を孕んだままだった。おまけに目元が赤く染まって艶めいていた。
翠、おいっ、早くクールダウンしろよ。
翠は恨みがましく俺を見ていたが、翠が言い出したことだぜと素知らぬふりをした。
「あら? さっきより血圧も高いですね。それに心拍数も随分あがって」
それはそうだ! さっきまでかなり興奮していたからな。
「何か直前まで激しい運動していたのですか」
お! 鋭いな、それ図星だぜ!
俺が窓辺でニヤリと笑うと、翠に目で制された。
目元を手で覆い、もう片方の手で外に出て行くよう促している。
ハイハイ、兄さんモード発動ですな。
「と、特にしていません。入院になれなくて検査前で緊張しているだけです」
翠が気を取り直してそう言えば、看護師はキラキラと目を輝かす。
「大丈夫ですよ、そんなに緊張されなくても。全部私達が手取り足取りサポートしますから♡」
♡~♡♪
ハートはいらんだろ! と突っ込みたくなったが、グッと我慢した。
それにしても翠は、どうして布団の中で膝を立てている?
「では、あと15分後にまた来ますね。それまで検査のため採尿をお願いします。個室のトイレを使って、紙コップは中の棚に置いておいて下さいね」
「は……はい」
もぞもぞと気まずそうに目元を染めて身動ぐ翠。
もしかして、もしかして……
先ほどのキスで勃ったのか‼
看護師が出て行ったので、窓辺に立っていた俺はワクワクした顔で翠に近づいた。
「翠、なぁ手伝ってやろうか。採尿のついでにさ」
「ば、馬鹿‼ りゅ、流、自分のも見て見ろ!」
「へ? おおぉ~」
作務衣の上衣に隠れて目立たんが……
翠が勃てば、俺も勃つ。
当たり前の法則だったな。
10
お気に入りに追加
443
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます
夏ノ宮萄玄
BL
オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。
――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。
懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。
義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
悩める文官のひとりごと
きりか
BL
幼い頃から憧れていた騎士団に入りたくても、小柄でひ弱なリュカ・アルマンは、学校を卒業と同時に、文官として騎士団に入団する。方向音痴なリュカは、マルーン副団長の部屋と間違え、イザーク団長の部屋に入り込む。
そこでは、惚れ薬を口にした団長がいて…。
エチシーンが書けなくて、朝チュンとなりました。
ムーンライト様にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる