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13章
夏休み番外編『Let's go to the beach』20
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「ふっ……うっ……んんっ」
洋の小振りな尻を揉み、蕾に指先を挿入し、グルッと掻き混ぜた。
「うっ……」
さっきから必死に声を出さないように悶え苦しんでいる洋の表情を、じっと観察している。
色気溢れる美しい男が苦悩する顔に、そそられると言ったら呆れられるか。これではまるで洋を一方的に虐めているようなのに、どうにも止まらない。
嗜虐心を煽る躰を征服したくなる。私という色で――
私は生まれてからずっと他人への興味の薄すぎる人間だと自覚していた。そんな私が過去からの縁に導かれ洋と出会い……初めて湧き上がる『欲情』というものを感じた。
男の洋に感じる強い性欲……洋と出逢ってもう八年近く経っても、一向に衰える兆しがない。
「丈……あんまり見るな」
「何故だ? 」
「……恥ずかしいから」
「洋……お前が抱かれている顔が、どんなに色っぽいか知っているか」
「そんなの……それより……翠さんや流さん……起きていないか」
「あぁ洋が静かにしているから、大丈夫だ」
本当は最初から部屋にいないのに……それを教えない私は、まるで好きな子に意地悪をする子供みたいだと、密かに苦笑してしまった。
「洋は偉いな」
「そっそうかな」
洋を褒めてやると、まんざらでもない笑みを浮かべてくれた。素直に私のことを信じる洋が可愛くて、またチュッと唇を重ねた。
「あうっ」
その口づけを喉仏までずらし、更に胸元へと降ろし、つぶらな乳首をパクッと咥えると、案の定そこを私によって敏感過ぎるほど開拓された洋だから、大きな声を出してしまい、慌てて自分の口を押さえていた。
「ごっ、ごめん。あんまりそこ、弄るなよ。声……我慢出来なくなる」
「悪い。分かってはいるが美味しくてな」
こんな躰に誰がした?
私が手塩にかけて開拓し、好みの躰にじっくり育て上げた。
布団に包まって抱き合っているので洋も私も汗だくだ。
洋の乳首も塩味だった。
成る程、塩っ辛いな……昼間泳いだ海水を思い出す。
洋は海のようだ。
広い心で私を抱いてくれている。私が洋を抱くが、本当は逆で私が洋に抱かれているのかもしれない。
「そろそろ挿れるぞ」
「ん……」
洋に覆い被さるように重なり、その腰を浮かて、ググッと自身を挿入していく。みっちりと洋に包まれながら吸い込まれていく独特な感覚に酔いそうだ。
極上の躰だ。私に愛されるためだけの躰に育て上げたと自負している。
「あっ……ううぅ……う」
声を漏らすまいと歯を食いしばり耐える躰を、ぐっと最奥まで貫いた。
「今日の洋は一段と色気が強いな」
「あ……もう……早く。これ以上は変になる!」
洋との営みは、波に揺られる感覚と似ている。引いては返す波のように、私の欲情の塊は洋の胎内を行ったり来たりしている。
やがて洋の方が、先に弾けた。
まるで波のような白い飛沫をたっぷり放出したので、それは私の胸元まで届いた。
「あ……ごっ、ごめん」
「いや、後ろだけでちゃんとイケたな」
「はぁ……丈は全く……褒める所、それでいいのか」
「洋、私はこれからだ」
腰を揺らし洋を突き上げ……ずんずんとリズミカルに攻めていく。
「あっ駄目っ声が……出ちゃう! あうっ――」
これ以上の我慢は可哀想になり、洋を解き放つ。
彼の足首を掴んで大きく開脚させ、躰の中心に私の股間を押し当て、グリグリと動かし、 中をグルッと大きくかき混ぜると、グチュリと卑猥な音が届いた。
「んっ――」
「はうっ」
私の出した熱い飛沫は、そのまま洋の躰に吸い込まれていく。
「ああっ――」
洋は放心したように……横たわっていた。昼間太陽を浴び疲れていたのだろう。そのまま意識を遠のかせていくのを感じた。
「洋……無理させたな」
私はそれから洋の躰を蒸しタオルで清めてやった。先ほどまで抱かれていた素肌は桃色に上気し、玉のような透明な汗を浮かべ……また襲いたくなる程艶めかしい。
「まったく君は……本当にいつまで経っても美しいままだな。おやすみ……いい夢を」
****
流に深く抱かれた後……ゴム製のボートの上でまどろんでいた。 いつまでもここにいるわけに行かない。帰らないといけないのに気怠かった。
「流……そろそろ部屋に戻らないと」
「もう少しこのままでいてくれ」
流は僕を背後からキツク抱きしめた。僕のうなじに顔を埋めるようにして必死に抱きついて来た。
「流……どうした? 」
「翠と海に昇る……朝日を見たい」
「朝日? 」
「遠い昔……俺がどうしても掴めなかった夜明けを一緒に見たいから」
「あっ……」
僕の記憶も蘇る。
お前が僕を呼び、必死に暗闇に手を伸ばしている姿が……
これはお前の前世?
……臨終の姿?
まどろんでいるといつの間にか、東の空が明るくなってきた。ゆっくりと大地が動き、小屋にも光が差し込んできた。
遠い昔のお前は……いつか俺たちにもこんな夜明けが来ると信じていたはずだ。
「流……夜明けだね。お前が目指した夜明けがやってくるよ。僕に逢いに来てくれてありがとう。ずっと待っていたよ」
「俺は翠に一番近いところに産まれて来た。今度こそ、しっかりと最後まで結ばれるために」
「僕たちもっと幸せになろう」
暁から東雲《しののめ》、そしてやがて曙。
次々と美しく色づいていく世界を夢見て光に向かって、僕たちは手を必死に伸ばした。
遠い昔、君が伸ばした手を掴みたくて――
※『夕凪の空、京の香り』 心根 こころね 12とリンクしています。
洋の小振りな尻を揉み、蕾に指先を挿入し、グルッと掻き混ぜた。
「うっ……」
さっきから必死に声を出さないように悶え苦しんでいる洋の表情を、じっと観察している。
色気溢れる美しい男が苦悩する顔に、そそられると言ったら呆れられるか。これではまるで洋を一方的に虐めているようなのに、どうにも止まらない。
嗜虐心を煽る躰を征服したくなる。私という色で――
私は生まれてからずっと他人への興味の薄すぎる人間だと自覚していた。そんな私が過去からの縁に導かれ洋と出会い……初めて湧き上がる『欲情』というものを感じた。
男の洋に感じる強い性欲……洋と出逢ってもう八年近く経っても、一向に衰える兆しがない。
「丈……あんまり見るな」
「何故だ? 」
「……恥ずかしいから」
「洋……お前が抱かれている顔が、どんなに色っぽいか知っているか」
「そんなの……それより……翠さんや流さん……起きていないか」
「あぁ洋が静かにしているから、大丈夫だ」
本当は最初から部屋にいないのに……それを教えない私は、まるで好きな子に意地悪をする子供みたいだと、密かに苦笑してしまった。
「洋は偉いな」
「そっそうかな」
洋を褒めてやると、まんざらでもない笑みを浮かべてくれた。素直に私のことを信じる洋が可愛くて、またチュッと唇を重ねた。
「あうっ」
その口づけを喉仏までずらし、更に胸元へと降ろし、つぶらな乳首をパクッと咥えると、案の定そこを私によって敏感過ぎるほど開拓された洋だから、大きな声を出してしまい、慌てて自分の口を押さえていた。
「ごっ、ごめん。あんまりそこ、弄るなよ。声……我慢出来なくなる」
「悪い。分かってはいるが美味しくてな」
こんな躰に誰がした?
私が手塩にかけて開拓し、好みの躰にじっくり育て上げた。
布団に包まって抱き合っているので洋も私も汗だくだ。
洋の乳首も塩味だった。
成る程、塩っ辛いな……昼間泳いだ海水を思い出す。
洋は海のようだ。
広い心で私を抱いてくれている。私が洋を抱くが、本当は逆で私が洋に抱かれているのかもしれない。
「そろそろ挿れるぞ」
「ん……」
洋に覆い被さるように重なり、その腰を浮かて、ググッと自身を挿入していく。みっちりと洋に包まれながら吸い込まれていく独特な感覚に酔いそうだ。
極上の躰だ。私に愛されるためだけの躰に育て上げたと自負している。
「あっ……ううぅ……う」
声を漏らすまいと歯を食いしばり耐える躰を、ぐっと最奥まで貫いた。
「今日の洋は一段と色気が強いな」
「あ……もう……早く。これ以上は変になる!」
洋との営みは、波に揺られる感覚と似ている。引いては返す波のように、私の欲情の塊は洋の胎内を行ったり来たりしている。
やがて洋の方が、先に弾けた。
まるで波のような白い飛沫をたっぷり放出したので、それは私の胸元まで届いた。
「あ……ごっ、ごめん」
「いや、後ろだけでちゃんとイケたな」
「はぁ……丈は全く……褒める所、それでいいのか」
「洋、私はこれからだ」
腰を揺らし洋を突き上げ……ずんずんとリズミカルに攻めていく。
「あっ駄目っ声が……出ちゃう! あうっ――」
これ以上の我慢は可哀想になり、洋を解き放つ。
彼の足首を掴んで大きく開脚させ、躰の中心に私の股間を押し当て、グリグリと動かし、 中をグルッと大きくかき混ぜると、グチュリと卑猥な音が届いた。
「んっ――」
「はうっ」
私の出した熱い飛沫は、そのまま洋の躰に吸い込まれていく。
「ああっ――」
洋は放心したように……横たわっていた。昼間太陽を浴び疲れていたのだろう。そのまま意識を遠のかせていくのを感じた。
「洋……無理させたな」
私はそれから洋の躰を蒸しタオルで清めてやった。先ほどまで抱かれていた素肌は桃色に上気し、玉のような透明な汗を浮かべ……また襲いたくなる程艶めかしい。
「まったく君は……本当にいつまで経っても美しいままだな。おやすみ……いい夢を」
****
流に深く抱かれた後……ゴム製のボートの上でまどろんでいた。 いつまでもここにいるわけに行かない。帰らないといけないのに気怠かった。
「流……そろそろ部屋に戻らないと」
「もう少しこのままでいてくれ」
流は僕を背後からキツク抱きしめた。僕のうなじに顔を埋めるようにして必死に抱きついて来た。
「流……どうした? 」
「翠と海に昇る……朝日を見たい」
「朝日? 」
「遠い昔……俺がどうしても掴めなかった夜明けを一緒に見たいから」
「あっ……」
僕の記憶も蘇る。
お前が僕を呼び、必死に暗闇に手を伸ばしている姿が……
これはお前の前世?
……臨終の姿?
まどろんでいるといつの間にか、東の空が明るくなってきた。ゆっくりと大地が動き、小屋にも光が差し込んできた。
遠い昔のお前は……いつか俺たちにもこんな夜明けが来ると信じていたはずだ。
「流……夜明けだね。お前が目指した夜明けがやってくるよ。僕に逢いに来てくれてありがとう。ずっと待っていたよ」
「俺は翠に一番近いところに産まれて来た。今度こそ、しっかりと最後まで結ばれるために」
「僕たちもっと幸せになろう」
暁から東雲《しののめ》、そしてやがて曙。
次々と美しく色づいていく世界を夢見て光に向かって、僕たちは手を必死に伸ばした。
遠い昔、君が伸ばした手を掴みたくて――
※『夕凪の空、京の香り』 心根 こころね 12とリンクしています。
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