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13章
安志&涼編 『僕の決意』12
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まずい……まずい、まずいぞ。
俺は非常に、まずいことになっていた。
Ryoの部屋のシャワールームで、自分の下半身を見て絶句した。いやいや……この反応って明らかにRyoに対してだよな?
康太の家からRyoの家までは、タクシーに乗った。
後ろの座席に二人で座ると俺の躰がデカすぎるせいで、Ryoとの距離が滅茶苦茶近かった。久しぶりに会ったRyoはN.Y.で見ていた時よりも、ずっと可愛らしくなっていて驚いた。
やっぱり日本人だから日本の水が肌に合うのか……肌は思わず触れたくなるほどしっとりと艶やかで、栗色の髪も潤いが半端なく天使の輪が出来ていた。それにモデルを始めたせいか、洋服やヘアスタイルもぐっと洗練されて、本当にどこかの国の王子様のように上品だ。
タクシー内は距離が近く密室な上に、少し眠たそうにしていたRyoが時折、俺に体重を預けてくるその重みが溜まらなかった。おいっ! なんで男のくせにそんな爽やかないい匂いさせんだよ。と叫びたくなったぜ。
はぁ……参ったな。
認めたいような、認めたくないような。
そんな心理状態でタクシーを降りれば、今度はRyoの部屋に二人きりだ。Ryoの匂いのする部屋にバスルームだろ。Ryoがいつもここで裸で身体を洗っていると思ったら、見事に勃起してしまった。
俺にはLisaっていう彼女がちゃんといて、最後までしている。なのになんでRyoの身体に反応するんだよ! 俺はやっぱりオカシイのか。どーなってるんだ。
にしたって日本のバスルームは狭すぎる。これじゃ俺が少し手を動かせば壁に当たるじゃないか。
さてと……これどうしよう。股間に見事に勃ち上がったソレと目が合って溜息だ。自分でいうのもなんだが俺のは大っきい。こんなの勃たせたままRyoの前には戻れない!
Ryoは俺を友人として信頼して、この部屋で二人きりになってくれたんだ。それを野獣のような振る舞いで台無しにするわけにはいかないだろう。
よしっ! とりあえず、抜くか!
目を瞑り……Lisaの身体を必死に思い浮かる。日本に来る前だって散々したんだ。イケる! そう思うのに頭の中にはRyoの姿がはっきりと浮かんでくる。
あのサマーキャンプでの水着姿。
小さな胸の突起……乳首の淡い色。
日本人の肌って象牙色でなめらかだ。
水滴がついているのも艶めかしい。
そんなRyoの身体を、俺は思いっきり抱きしめる。
下半身を密着させ、擦り付ける。
逃げそうな腰を強く掴んで、上下に……
駄目だ、これは、ダメだ!
あぁっっつ!
うぉ……とうとう、やってしまった。
眼を開けると、バスルームの薄い壁に白濁のものが見事に飛び散っていた。
すまないっ!
****
そこからは少し気持ちがふっきれて、この先は紳士になれそうな気がした。
Ryoが思ってくれるのは『友人としてのBilly』だ。
おいっ、お前はスポーツマンだ。正々堂々としろと自分を叱咤激励し、頬をパンっと叩いて気合を入れて旅行鞄から部屋着を出し、バスタオルで髪を無造作に拭いた。
ふとバスルームの小さな鏡に映る自分の顔と目が合った。
金髪碧眼の長身。男らしく凛々しい眉。
ハイスクール時代も大学時代も、ファンクラブが出来るほどのモテっぷり。
ステディな彼女がいるからあれだが、俺がじっと見つめ優しい一声をかけたら、女をすぐに落とせる自信がある。
こんな俺じゃ駄目か……Ryoは男は対象じゃないのか。
あぁぁ……俺こんなんじゃやっぱり駄目だ。
LisaにもRyoにも申し訳ないだろう。
しっかりしろ。スポーツマンシップにのっとり……この先は煩悩を抹殺し、友人として接するぞ!
なのに、バスルームから出て見つけたRyoの姿。
それは……反則だろ!
薄暗い部屋のベッドで、心もとなく膝を抱いているなんて。なんだかいつもよりか弱く小さく見えてしまう。
呼びかけると、はっと顔をあげたが……そのつぶらな黒い瞳には、涙が浮かんでいて今にも零れそうだった。
え……どうしたんだよ。
何故、そんなに切ない顔をしているんだよ。
「どうした? センチメンタルな気分?」
俺はベッドにあがり、そっと肩を抱いてやった。あくまでも友人としてのスタンスで……
「あれ、なんで泣いたんだろ? お、おかしいな……」
Ryoが恥ずかしそうに手の甲で、目元をゴシゴシと乱暴に拭うと、さらに涙が広がった。
「ホームシックか。それとも……?」
滅多に見られないRyoの泣き顔をもっと近くで見たくて、思わず覗き込んでしまった。至近距離で改めて見ると、本当に綺麗な顔だと見惚れてしまうよ。
「違うって、そっ……それより顔近い!」
Ryoが手で俺を押しのけようとした時、その涙は流れ星みたいに落下したんだ。
その涙と共に俺の理性も、あえなく落下してしまった。
ごめん――、もう止まらない。
「Ryo、泣くなよ。そんな顔すんな!」
俺が励ましてやる。Ryoにそんな顔させるのは誰だよ!
何だか泣いている原因がホームシックとかではなく、恋煩いではないかと思ったら急に悔しくなった。
「えっBilly! stop! Wait a moment!」
「Ryo……可愛い。君を慰めたいよ」
「stop‼‼」
抵抗する手を壁にドンっと押さえつけ、Ryoの脚に跨る形で身を乗り出してキスしてしまった。
男に……恋人のキスをするのは初めてだ。
だが綺麗に整った透明感のある唇は、なんの違和感もなく、もっともっと欲しい気持ちでいっぱいになる。
うわぁ! 柔らかい。
ヤバイ! 甘い! なんだ……これっ!
夢中でRyoの唇を、何度も角度を変えては吸ってしまった。腕を振り解こうとRyoが必死にもがくが、それをねじ伏せる。ズルいやり方だ。力じゃ俺の方が上だと知っていて……
「はぁ……あっ、うっ……いや……やめっ……やめろぉ――‼」
ところが……甘い口づけに夢中だった俺の下半身にとんでもない激痛が走ったのは、その時だった。
俺は非常に、まずいことになっていた。
Ryoの部屋のシャワールームで、自分の下半身を見て絶句した。いやいや……この反応って明らかにRyoに対してだよな?
康太の家からRyoの家までは、タクシーに乗った。
後ろの座席に二人で座ると俺の躰がデカすぎるせいで、Ryoとの距離が滅茶苦茶近かった。久しぶりに会ったRyoはN.Y.で見ていた時よりも、ずっと可愛らしくなっていて驚いた。
やっぱり日本人だから日本の水が肌に合うのか……肌は思わず触れたくなるほどしっとりと艶やかで、栗色の髪も潤いが半端なく天使の輪が出来ていた。それにモデルを始めたせいか、洋服やヘアスタイルもぐっと洗練されて、本当にどこかの国の王子様のように上品だ。
タクシー内は距離が近く密室な上に、少し眠たそうにしていたRyoが時折、俺に体重を預けてくるその重みが溜まらなかった。おいっ! なんで男のくせにそんな爽やかないい匂いさせんだよ。と叫びたくなったぜ。
はぁ……参ったな。
認めたいような、認めたくないような。
そんな心理状態でタクシーを降りれば、今度はRyoの部屋に二人きりだ。Ryoの匂いのする部屋にバスルームだろ。Ryoがいつもここで裸で身体を洗っていると思ったら、見事に勃起してしまった。
俺にはLisaっていう彼女がちゃんといて、最後までしている。なのになんでRyoの身体に反応するんだよ! 俺はやっぱりオカシイのか。どーなってるんだ。
にしたって日本のバスルームは狭すぎる。これじゃ俺が少し手を動かせば壁に当たるじゃないか。
さてと……これどうしよう。股間に見事に勃ち上がったソレと目が合って溜息だ。自分でいうのもなんだが俺のは大っきい。こんなの勃たせたままRyoの前には戻れない!
Ryoは俺を友人として信頼して、この部屋で二人きりになってくれたんだ。それを野獣のような振る舞いで台無しにするわけにはいかないだろう。
よしっ! とりあえず、抜くか!
目を瞑り……Lisaの身体を必死に思い浮かる。日本に来る前だって散々したんだ。イケる! そう思うのに頭の中にはRyoの姿がはっきりと浮かんでくる。
あのサマーキャンプでの水着姿。
小さな胸の突起……乳首の淡い色。
日本人の肌って象牙色でなめらかだ。
水滴がついているのも艶めかしい。
そんなRyoの身体を、俺は思いっきり抱きしめる。
下半身を密着させ、擦り付ける。
逃げそうな腰を強く掴んで、上下に……
駄目だ、これは、ダメだ!
あぁっっつ!
うぉ……とうとう、やってしまった。
眼を開けると、バスルームの薄い壁に白濁のものが見事に飛び散っていた。
すまないっ!
****
そこからは少し気持ちがふっきれて、この先は紳士になれそうな気がした。
Ryoが思ってくれるのは『友人としてのBilly』だ。
おいっ、お前はスポーツマンだ。正々堂々としろと自分を叱咤激励し、頬をパンっと叩いて気合を入れて旅行鞄から部屋着を出し、バスタオルで髪を無造作に拭いた。
ふとバスルームの小さな鏡に映る自分の顔と目が合った。
金髪碧眼の長身。男らしく凛々しい眉。
ハイスクール時代も大学時代も、ファンクラブが出来るほどのモテっぷり。
ステディな彼女がいるからあれだが、俺がじっと見つめ優しい一声をかけたら、女をすぐに落とせる自信がある。
こんな俺じゃ駄目か……Ryoは男は対象じゃないのか。
あぁぁ……俺こんなんじゃやっぱり駄目だ。
LisaにもRyoにも申し訳ないだろう。
しっかりしろ。スポーツマンシップにのっとり……この先は煩悩を抹殺し、友人として接するぞ!
なのに、バスルームから出て見つけたRyoの姿。
それは……反則だろ!
薄暗い部屋のベッドで、心もとなく膝を抱いているなんて。なんだかいつもよりか弱く小さく見えてしまう。
呼びかけると、はっと顔をあげたが……そのつぶらな黒い瞳には、涙が浮かんでいて今にも零れそうだった。
え……どうしたんだよ。
何故、そんなに切ない顔をしているんだよ。
「どうした? センチメンタルな気分?」
俺はベッドにあがり、そっと肩を抱いてやった。あくまでも友人としてのスタンスで……
「あれ、なんで泣いたんだろ? お、おかしいな……」
Ryoが恥ずかしそうに手の甲で、目元をゴシゴシと乱暴に拭うと、さらに涙が広がった。
「ホームシックか。それとも……?」
滅多に見られないRyoの泣き顔をもっと近くで見たくて、思わず覗き込んでしまった。至近距離で改めて見ると、本当に綺麗な顔だと見惚れてしまうよ。
「違うって、そっ……それより顔近い!」
Ryoが手で俺を押しのけようとした時、その涙は流れ星みたいに落下したんだ。
その涙と共に俺の理性も、あえなく落下してしまった。
ごめん――、もう止まらない。
「Ryo、泣くなよ。そんな顔すんな!」
俺が励ましてやる。Ryoにそんな顔させるのは誰だよ!
何だか泣いている原因がホームシックとかではなく、恋煩いではないかと思ったら急に悔しくなった。
「えっBilly! stop! Wait a moment!」
「Ryo……可愛い。君を慰めたいよ」
「stop‼‼」
抵抗する手を壁にドンっと押さえつけ、Ryoの脚に跨る形で身を乗り出してキスしてしまった。
男に……恋人のキスをするのは初めてだ。
だが綺麗に整った透明感のある唇は、なんの違和感もなく、もっともっと欲しい気持ちでいっぱいになる。
うわぁ! 柔らかい。
ヤバイ! 甘い! なんだ……これっ!
夢中でRyoの唇を、何度も角度を変えては吸ってしまった。腕を振り解こうとRyoが必死にもがくが、それをねじ伏せる。ズルいやり方だ。力じゃ俺の方が上だと知っていて……
「はぁ……あっ、うっ……いや……やめっ……やめろぉ――‼」
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