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12章
『月のため息』(丈・洋編 4)
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「洋、もっと脚を開いて」
「ん……相変わらず……丈は、いやらしい奴だな」
そんな風に言い返しながらも、結局俺は丈によく見えるようにと脚を大きく開いてしまうのだから……相当なものだ。
ふと露わになった丈の下半身に目をやると、もう最大級の大きさになっているのが確認できた。
うわっ、大きい。もう……充分過ぎだろう。
俺との差を見せつけられているようで羨ましくもなるよ。丈のものは本当に太くて長く逞しい。立派なの持ってるよな。はぁ……
ソファの横の大きな窓からは朝日が差し込み、小鳥の囀りも聞こえてくる。竹林は爽やかな風を運ぶようで、新年を迎えた朝らしく、どこか厳かな雰囲気も漂っていた。
こんな明るいうちに抱かれるのは、やはり慣れていない。
じわじわと羞恥心が蘇ってきてしまい、丈のそこを見ないようにギュッと目を閉じると、丈が俺の頬を優しく撫でてくれた。丈は性急に挿れたりはせず、少し萎えてしまった俺のものを手で擦りだした。
「ん……そんなこと、いいのに……」
「洋と一緒に気持ちよくならないと、意味がないからな」
「あっ……」
「洋のここ、本当に綺麗だ」
また恥ずかしいことを言われ、頬が火照るのを感じた。
「もう……言うな。いつもいつも……どうせ、そこは……」
「……それが嬉しいよ」
そうだ。俺は女性を抱いたことはない。丈と知り合うまでの人生は、それどころではなかったから。だから他人の躰の中に挿入するという行為がどういう感覚なのかを知らない。
でも……もう知らなくていい。ずっとこのままでいいと思っている。知らなくても充分だ。丈は俺をどこまでも高めてくれるし、俺の躰は、丈によって震えるほど過敏に感じられる。
「なぁ……洋がもしもそういう体験したいのなら、そういう玩具を買ってこようか」
「もう! おいっ、なんで今日はそういう話になるんだよ!」
「ははっ悪い。どうやら洋があんな玩具を持ってくるから、そのギャップに萌えてしまったようだ」
「丈……もうじらすな」
丈は口では余裕なことを言いながらも、俺の躰のあらゆる場所を愛撫する手をやめていなかったので、俺はそちらに気を取られてしまう。
「あうっ……ううっ」
それにしても何で俺が感じるところばかり知っているんだよ! と問いただしたくなるほど、丈には性感帯を知り尽くされている。気持ち良すぎてスパークしそうだよ。
「そろそろ挿れるぞ」
唇を吸われ首筋に舌を這わされ、その後、丈のものが一気に俺を貫いた。いつの間にか潤滑油を沢山塗られ、さっきの玩具によって焦らされ、もうぐちゅぐちゅになっていたので、難なく丈の猛ったものをすっぽりとすべて受け入れ呑み込んでしまった。
「一気に入ったな」
「あっ……あ……」
途切れ途切れ……変な声が上がってしまう。
新年早々こんなことをして……と思うのに、俺の方も、もうグズグズだ。
丈にしか感じない。こんな風にしたいと思う相手は君だけだ。飢えるように丈はいつも俺を求めてくる。
かつて叶わなかった想いが、未だに宇宙を彷徨っているのか。未だに俺たちが変えた過去だけでない、悲しい過去が存在するかのような神秘的な現象なんだ。
いいよ。
君に求められたら、俺はいつだって君に抱かれる。どんなに願っても叶わない想いがあるのを知っているから、俺も欲しくなる。
せめてこの世では、ずっと繋がっていよう。
抱かれ抱いて……生きていこうと。
このまま二人で新年に漕ぎ出していこう。
重なって揺れて、波に身を任せて柔軟に……
「あっ……もうイク! いっちゃう……」
やがて熱いものが俺の最奥をじわっと濡らすのを感じた。
生命の雫。丈の命を受け止めたのだ。
同時に俺のも呼応するように弾けた。
「洋……新しい年の初めてだな」
「うん……俺達にもまだまだ……いろんな初めてがあるんだな」
「そうだ」
チュッと優しいキスをされ、労わるように深く丈の胸に抱かれると、またあのオーデコロンの香りが漂った。丈の汗と混ざり官能的な香りへと変化しているようでクラクラした。なんで丈はこんなにカッコよく男らしくて艶めいているのか。歳を重ねるごとに大人の魅力にやられっぱなしだよ。
「洋、もう一度といいたいところだが、そろそろ支度をしないとな」
「ん……そうしよう。丈……よかったよ。玩具なんかの比にならないよ。お前のは」
「ふっ、そうだろう。あんなもので洋をイカすのは勿体ない。私の手ですべてを味わわせないと気が済まない。もうあれは処分しよう」
「うん、涼には文句言うよ! あいつは未成年のくせになんであんなものを」
「ははっ、きっと今頃……あれを贈ったことを後悔して、震えあがっているだろう」
その時、突然玄関のインターホンが鳴った。
えっ、最近このパターン多くないか! 心臓が止まりそうになる。
「だ、誰だ?」
「……まずいな」
丈が俺を起こしながら、眉間に皺を寄せた。
「おーい、開けてくれ! 甘酒を持ってきたぞ」
わわっ! やっぱり流さんが来ちゃったじゃないか。
見渡せばソファの座面はさっきの情事のせいで、グチャグチャに乱れ、クッションは全部床に転がっていた。俺は上半身はセーターで下半身裸というあられもない姿。しかも丈を受け止めたものが内股を伝い、しっとりと濡れている有様だ。
うわ……なんという痴態だよ。
「丈……お、おいっ、どうすんだよ!これ!」
思わず半分涙目で丈のことをきっと睨んでしまった。そんな様子を丈は目を細めて見つめている。
「まぁ、そう焦るな。流兄さんの突然の訪問は今に始まったことではないだろう。洋はシャワールームへ行け。私が対応しておくから」
「うっ……うん、分かった!」
コクコクと頷いて、俺はシャワー室へ慌てて駆け込んだ。
「ん……相変わらず……丈は、いやらしい奴だな」
そんな風に言い返しながらも、結局俺は丈によく見えるようにと脚を大きく開いてしまうのだから……相当なものだ。
ふと露わになった丈の下半身に目をやると、もう最大級の大きさになっているのが確認できた。
うわっ、大きい。もう……充分過ぎだろう。
俺との差を見せつけられているようで羨ましくもなるよ。丈のものは本当に太くて長く逞しい。立派なの持ってるよな。はぁ……
ソファの横の大きな窓からは朝日が差し込み、小鳥の囀りも聞こえてくる。竹林は爽やかな風を運ぶようで、新年を迎えた朝らしく、どこか厳かな雰囲気も漂っていた。
こんな明るいうちに抱かれるのは、やはり慣れていない。
じわじわと羞恥心が蘇ってきてしまい、丈のそこを見ないようにギュッと目を閉じると、丈が俺の頬を優しく撫でてくれた。丈は性急に挿れたりはせず、少し萎えてしまった俺のものを手で擦りだした。
「ん……そんなこと、いいのに……」
「洋と一緒に気持ちよくならないと、意味がないからな」
「あっ……」
「洋のここ、本当に綺麗だ」
また恥ずかしいことを言われ、頬が火照るのを感じた。
「もう……言うな。いつもいつも……どうせ、そこは……」
「……それが嬉しいよ」
そうだ。俺は女性を抱いたことはない。丈と知り合うまでの人生は、それどころではなかったから。だから他人の躰の中に挿入するという行為がどういう感覚なのかを知らない。
でも……もう知らなくていい。ずっとこのままでいいと思っている。知らなくても充分だ。丈は俺をどこまでも高めてくれるし、俺の躰は、丈によって震えるほど過敏に感じられる。
「なぁ……洋がもしもそういう体験したいのなら、そういう玩具を買ってこようか」
「もう! おいっ、なんで今日はそういう話になるんだよ!」
「ははっ悪い。どうやら洋があんな玩具を持ってくるから、そのギャップに萌えてしまったようだ」
「丈……もうじらすな」
丈は口では余裕なことを言いながらも、俺の躰のあらゆる場所を愛撫する手をやめていなかったので、俺はそちらに気を取られてしまう。
「あうっ……ううっ」
それにしても何で俺が感じるところばかり知っているんだよ! と問いただしたくなるほど、丈には性感帯を知り尽くされている。気持ち良すぎてスパークしそうだよ。
「そろそろ挿れるぞ」
唇を吸われ首筋に舌を這わされ、その後、丈のものが一気に俺を貫いた。いつの間にか潤滑油を沢山塗られ、さっきの玩具によって焦らされ、もうぐちゅぐちゅになっていたので、難なく丈の猛ったものをすっぽりとすべて受け入れ呑み込んでしまった。
「一気に入ったな」
「あっ……あ……」
途切れ途切れ……変な声が上がってしまう。
新年早々こんなことをして……と思うのに、俺の方も、もうグズグズだ。
丈にしか感じない。こんな風にしたいと思う相手は君だけだ。飢えるように丈はいつも俺を求めてくる。
かつて叶わなかった想いが、未だに宇宙を彷徨っているのか。未だに俺たちが変えた過去だけでない、悲しい過去が存在するかのような神秘的な現象なんだ。
いいよ。
君に求められたら、俺はいつだって君に抱かれる。どんなに願っても叶わない想いがあるのを知っているから、俺も欲しくなる。
せめてこの世では、ずっと繋がっていよう。
抱かれ抱いて……生きていこうと。
このまま二人で新年に漕ぎ出していこう。
重なって揺れて、波に身を任せて柔軟に……
「あっ……もうイク! いっちゃう……」
やがて熱いものが俺の最奥をじわっと濡らすのを感じた。
生命の雫。丈の命を受け止めたのだ。
同時に俺のも呼応するように弾けた。
「洋……新しい年の初めてだな」
「うん……俺達にもまだまだ……いろんな初めてがあるんだな」
「そうだ」
チュッと優しいキスをされ、労わるように深く丈の胸に抱かれると、またあのオーデコロンの香りが漂った。丈の汗と混ざり官能的な香りへと変化しているようでクラクラした。なんで丈はこんなにカッコよく男らしくて艶めいているのか。歳を重ねるごとに大人の魅力にやられっぱなしだよ。
「洋、もう一度といいたいところだが、そろそろ支度をしないとな」
「ん……そうしよう。丈……よかったよ。玩具なんかの比にならないよ。お前のは」
「ふっ、そうだろう。あんなもので洋をイカすのは勿体ない。私の手ですべてを味わわせないと気が済まない。もうあれは処分しよう」
「うん、涼には文句言うよ! あいつは未成年のくせになんであんなものを」
「ははっ、きっと今頃……あれを贈ったことを後悔して、震えあがっているだろう」
その時、突然玄関のインターホンが鳴った。
えっ、最近このパターン多くないか! 心臓が止まりそうになる。
「だ、誰だ?」
「……まずいな」
丈が俺を起こしながら、眉間に皺を寄せた。
「おーい、開けてくれ! 甘酒を持ってきたぞ」
わわっ! やっぱり流さんが来ちゃったじゃないか。
見渡せばソファの座面はさっきの情事のせいで、グチャグチャに乱れ、クッションは全部床に転がっていた。俺は上半身はセーターで下半身裸というあられもない姿。しかも丈を受け止めたものが内股を伝い、しっとりと濡れている有様だ。
うわ……なんという痴態だよ。
「丈……お、おいっ、どうすんだよ!これ!」
思わず半分涙目で丈のことをきっと睨んでしまった。そんな様子を丈は目を細めて見つめている。
「まぁ、そう焦るな。流兄さんの突然の訪問は今に始まったことではないだろう。洋はシャワールームへ行け。私が対応しておくから」
「うっ……うん、分かった!」
コクコクと頷いて、俺はシャワー室へ慌てて駆け込んだ。
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