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11章
夏休み番外編『SUMMER VACATION 2nd』11
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俺の愛撫で吐き出した翠の温かいものが、屹立を辿るように零れ落ちてきたので、俺はすぐに舌でそれを追いかけて舐めとってやった。
「それ……い、いやだ! 舐めたりするな!」
翠が恥ずかしそうに、手の甲で目を隠しながら叫ぶ。
美しい鼻梁、充血したように染まった唇。
それだけ見えるのも色っぽいな……
そうだ……
俺は、解いた絹の腰紐で今度は翠の目を覆った。
「何……を?」
「何度でもしていいんだろう?」
「あ……」
確かに翠はそう言ってくれた。
何もかも許してくれた。
目隠しをされた翠は不安げに、俺を探して手を彷徨わせていた。その手をぐっと掴んで握ってやる。
「大丈夫だ、俺はここにいる」
「流……」
翠の細く長い指を俺の指に1本1本絡ませて、翠の頭の横で押さえつける。そのまま、今度は乳首を攻めていく。
「あっ……んんっ!」
軽く触れるように舐めただけで、翠の腰がビクンっと上に跳ねた。
見えない分、感度がいつもより上がっているようで、掠めるように触れるだけでも、興奮した吐息を漏らす翠が壮絶に色っぽい。
明日からお盆で忙しくなるのだから、無理はさせられない。そう頭では理解しているのに、こうやって俺の思うがままに組み敷かれた、しどけない肢体を目の当たりにしては、制御出来ない。
少し震えている翠の髪を撫でてやる。
「翠、怖くないか……」
翠は少しだけ戸惑いがちに頷く。
「う、うん……何をされても……相手が流だから怖くない」
俺に何もかも明け渡そうとしてくれる……その姿。その言葉だけでも感極まる。
翠の手が、俺の顔のパーツを確認するように触れていく。
「お前の通った鼻筋、頬骨、逞しい輪郭……耳……少し癖のある硬めの髪、見えなくても分かる。全部知っている。ずっと生まれた時から見てきた僕のものだから」
目隠ししていても翠の美しい顔が優しく和やかに微笑んだのが分かった。
その表情に、俺の興奮は一気に高まっていく。
この優しい兄を組み敷いて、躰を開かせているのは弟の俺だ。
興奮が高まる。
征服欲なのか、これは。
もっともっと翠に感じて欲しい。
もっと欲しがれとすら思えてしまう。
翠の躰の下のシーツを一気に引きはがし、仰向けに寝ている翠の胸元にベールのようにかけてやる。
「なに……?」
「安心しろ。ただのシーツだ」
「何故……そんなことを……?」
「こうしたいからだ」
シーツ越しに、翠の乳首に触れていく。
「あぁ!!」
布越しで摩擦面が増したせいで、翠が一際感じる声をあげてくれた。
コリコリと摘まんだり、シーツが湿る程たっぷりと、レロレロと執拗に舐めあげていく。
「あ……いやだ。そんな風に舐めるな」
翠の吐く甘い息が、どんどん早くなっていく。
「あぁ……」
感じているな。かなり……
爪先で引っ掻いて刺激を与え、今度はいきなりシーツを剥がして、生でしゃぶりつき、吸い上げる。
「うっ……う……」
目隠しの白い絹が、みるみる濡れていく。
泣くほどに、翠は感じてくれている。
いつもよりハードに抱いている自覚はある。
夏の宵が俺の興奮を煽っているのは、知っていた。
兄でもある翠がここまで許してくれるとは……正直思っていなかったから、興奮が止められない。
切ない声を漏らし……目隠しを濡らしながらも、俺の求めに躰を委ねてくれる翠のことが愛おしすぎて……その細腰に手を回し、ぎゅっと胸と胸がつくほどきつく抱きしめてやる。
「もうこれ……外すか……」
「……いい、このままでいい」
何もかも許してくれる翠。
愛おしい兄。
無防備な喉元へとキスの雨を降らしながら翠の脚を大きく割り開き、その間に我が身を沈めていく。
深く奥まで貫いていく。
俺の想いと共に……一気に。
「あぁ……うっ」
翠の肉が俺をしめつけ、俺も翠の肉で感じる。
擦るように浅く律動を繰り返し、翠の性感帯を探す。
もう何度も確かめた場所。
そこに刺激を与えながら、大きく挿入を繰り返していく。
翠の腰を持ち上げ密着させて、翠の中に潜り込む行為に耽っていく。
この世のものとは思えない極楽の地を、翠はその身に持っている。
****
遠い昔、闇の中で弟に抱かれた記憶。
僕は流に深く抱かれながら、それを思い出していた。
最近の僕は……流に抱かれながら、僕の躰は知らないはずの遠い過去の記憶に想いを馳せることが多い。
そうだ、あれは……彼が点てた抹茶だった。
いつもより苦い味に気が付いたのに、一滴も残さず飲み干した。
僕をどこに誘う気なのか……
彼がくれるものなら毒でも飲む覚悟だった。
やがて暗闇の世界で、僕を夢中で抱く彼の鼓動を感じた。
痛みと共に躰のありえない場所へと広がっていく液体の熱。
最初で最後の夢の中での二人の逢瀬。
どんなに願っても二度となかった行為。
暗闇の世界で流に抱かれながら、こんなことが遠い昔もあったと思うと、感じ過ぎた躰が涙を流すのと同時に、懐かしくも辛い過去に触れて涙が溢れた。
「翠……大丈夫か。そんなに泣くな。もうずっと一緒だ。二度と置いてなんていかない」
何度も何度も……流は僕を胸に抱いて、囁いてくれていた。
その言葉に安堵し、年甲斐もなく、むせび泣いた。
最近の僕は流とふたりきりでいると、泣いてばかりだ。
こんなに幸せなのに……変だよな。
いや……幸せだから泣いているのか。
「それ……い、いやだ! 舐めたりするな!」
翠が恥ずかしそうに、手の甲で目を隠しながら叫ぶ。
美しい鼻梁、充血したように染まった唇。
それだけ見えるのも色っぽいな……
そうだ……
俺は、解いた絹の腰紐で今度は翠の目を覆った。
「何……を?」
「何度でもしていいんだろう?」
「あ……」
確かに翠はそう言ってくれた。
何もかも許してくれた。
目隠しをされた翠は不安げに、俺を探して手を彷徨わせていた。その手をぐっと掴んで握ってやる。
「大丈夫だ、俺はここにいる」
「流……」
翠の細く長い指を俺の指に1本1本絡ませて、翠の頭の横で押さえつける。そのまま、今度は乳首を攻めていく。
「あっ……んんっ!」
軽く触れるように舐めただけで、翠の腰がビクンっと上に跳ねた。
見えない分、感度がいつもより上がっているようで、掠めるように触れるだけでも、興奮した吐息を漏らす翠が壮絶に色っぽい。
明日からお盆で忙しくなるのだから、無理はさせられない。そう頭では理解しているのに、こうやって俺の思うがままに組み敷かれた、しどけない肢体を目の当たりにしては、制御出来ない。
少し震えている翠の髪を撫でてやる。
「翠、怖くないか……」
翠は少しだけ戸惑いがちに頷く。
「う、うん……何をされても……相手が流だから怖くない」
俺に何もかも明け渡そうとしてくれる……その姿。その言葉だけでも感極まる。
翠の手が、俺の顔のパーツを確認するように触れていく。
「お前の通った鼻筋、頬骨、逞しい輪郭……耳……少し癖のある硬めの髪、見えなくても分かる。全部知っている。ずっと生まれた時から見てきた僕のものだから」
目隠ししていても翠の美しい顔が優しく和やかに微笑んだのが分かった。
その表情に、俺の興奮は一気に高まっていく。
この優しい兄を組み敷いて、躰を開かせているのは弟の俺だ。
興奮が高まる。
征服欲なのか、これは。
もっともっと翠に感じて欲しい。
もっと欲しがれとすら思えてしまう。
翠の躰の下のシーツを一気に引きはがし、仰向けに寝ている翠の胸元にベールのようにかけてやる。
「なに……?」
「安心しろ。ただのシーツだ」
「何故……そんなことを……?」
「こうしたいからだ」
シーツ越しに、翠の乳首に触れていく。
「あぁ!!」
布越しで摩擦面が増したせいで、翠が一際感じる声をあげてくれた。
コリコリと摘まんだり、シーツが湿る程たっぷりと、レロレロと執拗に舐めあげていく。
「あ……いやだ。そんな風に舐めるな」
翠の吐く甘い息が、どんどん早くなっていく。
「あぁ……」
感じているな。かなり……
爪先で引っ掻いて刺激を与え、今度はいきなりシーツを剥がして、生でしゃぶりつき、吸い上げる。
「うっ……う……」
目隠しの白い絹が、みるみる濡れていく。
泣くほどに、翠は感じてくれている。
いつもよりハードに抱いている自覚はある。
夏の宵が俺の興奮を煽っているのは、知っていた。
兄でもある翠がここまで許してくれるとは……正直思っていなかったから、興奮が止められない。
切ない声を漏らし……目隠しを濡らしながらも、俺の求めに躰を委ねてくれる翠のことが愛おしすぎて……その細腰に手を回し、ぎゅっと胸と胸がつくほどきつく抱きしめてやる。
「もうこれ……外すか……」
「……いい、このままでいい」
何もかも許してくれる翠。
愛おしい兄。
無防備な喉元へとキスの雨を降らしながら翠の脚を大きく割り開き、その間に我が身を沈めていく。
深く奥まで貫いていく。
俺の想いと共に……一気に。
「あぁ……うっ」
翠の肉が俺をしめつけ、俺も翠の肉で感じる。
擦るように浅く律動を繰り返し、翠の性感帯を探す。
もう何度も確かめた場所。
そこに刺激を与えながら、大きく挿入を繰り返していく。
翠の腰を持ち上げ密着させて、翠の中に潜り込む行為に耽っていく。
この世のものとは思えない極楽の地を、翠はその身に持っている。
****
遠い昔、闇の中で弟に抱かれた記憶。
僕は流に深く抱かれながら、それを思い出していた。
最近の僕は……流に抱かれながら、僕の躰は知らないはずの遠い過去の記憶に想いを馳せることが多い。
そうだ、あれは……彼が点てた抹茶だった。
いつもより苦い味に気が付いたのに、一滴も残さず飲み干した。
僕をどこに誘う気なのか……
彼がくれるものなら毒でも飲む覚悟だった。
やがて暗闇の世界で、僕を夢中で抱く彼の鼓動を感じた。
痛みと共に躰のありえない場所へと広がっていく液体の熱。
最初で最後の夢の中での二人の逢瀬。
どんなに願っても二度となかった行為。
暗闇の世界で流に抱かれながら、こんなことが遠い昔もあったと思うと、感じ過ぎた躰が涙を流すのと同時に、懐かしくも辛い過去に触れて涙が溢れた。
「翠……大丈夫か。そんなに泣くな。もうずっと一緒だ。二度と置いてなんていかない」
何度も何度も……流は僕を胸に抱いて、囁いてくれていた。
その言葉に安堵し、年甲斐もなく、むせび泣いた。
最近の僕は流とふたりきりでいると、泣いてばかりだ。
こんなに幸せなのに……変だよな。
いや……幸せだから泣いているのか。
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