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第2部 10章
番外編 安志×涼 「君を守る」1
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日曜日の早朝から、俺は約束通りモデルのサオリさんの護衛の職務についていた。
「安志さんだぁ、おはようございます~」
「サオリさん! 今日は1日よろしくお願いします」
「あら? 今日はあの時計してないの?」
何故か視線は、俺の手首に釘付けだ。
「え……まぁ」
「駄目駄目。せっかくだからしましょうよ。今日のスポンサーはあの時計のメーカーよ。持って来ているんでしょ?」
図星だった。腕時計を見える部分に出来なくても、涼からの贈り物だ。いつだって手の届くところに置いておきたい。そう思って、上着のポケットに放り込んである。
「んーここね!」
いきなりサオリさんにボディタッチされて、焦ってしまう。そして、いとも簡単に時計は見つかってしまった。
「やっぱりね~ほらしてして!」
結局する羽目になった。まぁボディガードの時計をいちいち見る人なんていないだろうから、サオリさんの機嫌を損ねないように指示に従った。
「さぁ始まるよ。鷹野くんは必ずサオリの横にいてくれ」
「万が一のことが起きたら大変だから、しっかりガードして欲しい」
マネージャーやサオリさんの会社の社長さんから念を押すように頼まれる。二人とも顔が真剣だ。
「分かっています。身を挺して護ります」
「君の腕前は聞いているよ。よろしくな」
よほど危険が迫っているのだろうか。気を引き締めて臨みたい。
先日涼が突然夜中に訪ねてきてくれた。俺達はわずか一時間足らずだったが、お互いの渇きを埋めるように求め合えた。
欲する気持ちは同じくらい強かった。
それが嬉しかった。
そのお陰で、今日会えない寂しさからも解放され、仕事に専念できる。
涼は今日はどこへ仕事へ行っているのか。撮影が立て込んでいて、ここ数日はおはようとおやすみしか言えていない。
****
「涼、そろそろ行くよ」
マネージャーが車で迎えに来てくれた。
今日は日曜日。サオリちゃんのサイン会の飛び入りゲストだ。
「はい」
「今日のことは誰に話さなかったよね?」
「ええ、そうしましたけど、ずいぶん厳重ですね」
「実はサオリのところに脅迫状が来ていたらしくて」
先日サオリちゃん本人から見せられた脅迫状のことを思い出した。白い紙に並ぶ文字が無機質で怖かった。
「……そうなんだ」
「熱狂的なファンだとは思うけど、握手会もあるから、かなりピリピリと警戒しているらしいよ」
「だからボディガードまで雇っているんだ」
「あぁ知っていたのか」
物騒だな。何もなければいいが。僕はサオリちゃんより一時間程遅れて会場入りすることになっていた。
サオリちゃんと共演した時計のモデルは、お互いの人気にそれぞれ拍車をかけた。
クリスマスプレゼントがコンセプトのペアの腕時計の広告だ。
今日はサイン会の飛び入りゲストとして登場して、撮影したポーズを再現するというものだ。人前でサオリちゃんと手を繋ぎ向いあって微笑む。気恥ずかしいが、それが今の僕の仕事。
先日短い時間だけど、存分に安志さんに愛された躰は、エネルギーに満ちていた。
与えられた仕事を精一杯こなそう。
一歩一歩成長するために!
「安志さんだぁ、おはようございます~」
「サオリさん! 今日は1日よろしくお願いします」
「あら? 今日はあの時計してないの?」
何故か視線は、俺の手首に釘付けだ。
「え……まぁ」
「駄目駄目。せっかくだからしましょうよ。今日のスポンサーはあの時計のメーカーよ。持って来ているんでしょ?」
図星だった。腕時計を見える部分に出来なくても、涼からの贈り物だ。いつだって手の届くところに置いておきたい。そう思って、上着のポケットに放り込んである。
「んーここね!」
いきなりサオリさんにボディタッチされて、焦ってしまう。そして、いとも簡単に時計は見つかってしまった。
「やっぱりね~ほらしてして!」
結局する羽目になった。まぁボディガードの時計をいちいち見る人なんていないだろうから、サオリさんの機嫌を損ねないように指示に従った。
「さぁ始まるよ。鷹野くんは必ずサオリの横にいてくれ」
「万が一のことが起きたら大変だから、しっかりガードして欲しい」
マネージャーやサオリさんの会社の社長さんから念を押すように頼まれる。二人とも顔が真剣だ。
「分かっています。身を挺して護ります」
「君の腕前は聞いているよ。よろしくな」
よほど危険が迫っているのだろうか。気を引き締めて臨みたい。
先日涼が突然夜中に訪ねてきてくれた。俺達はわずか一時間足らずだったが、お互いの渇きを埋めるように求め合えた。
欲する気持ちは同じくらい強かった。
それが嬉しかった。
そのお陰で、今日会えない寂しさからも解放され、仕事に専念できる。
涼は今日はどこへ仕事へ行っているのか。撮影が立て込んでいて、ここ数日はおはようとおやすみしか言えていない。
****
「涼、そろそろ行くよ」
マネージャーが車で迎えに来てくれた。
今日は日曜日。サオリちゃんのサイン会の飛び入りゲストだ。
「はい」
「今日のことは誰に話さなかったよね?」
「ええ、そうしましたけど、ずいぶん厳重ですね」
「実はサオリのところに脅迫状が来ていたらしくて」
先日サオリちゃん本人から見せられた脅迫状のことを思い出した。白い紙に並ぶ文字が無機質で怖かった。
「……そうなんだ」
「熱狂的なファンだとは思うけど、握手会もあるから、かなりピリピリと警戒しているらしいよ」
「だからボディガードまで雇っているんだ」
「あぁ知っていたのか」
物騒だな。何もなければいいが。僕はサオリちゃんより一時間程遅れて会場入りすることになっていた。
サオリちゃんと共演した時計のモデルは、お互いの人気にそれぞれ拍車をかけた。
クリスマスプレゼントがコンセプトのペアの腕時計の広告だ。
今日はサイン会の飛び入りゲストとして登場して、撮影したポーズを再現するというものだ。人前でサオリちゃんと手を繋ぎ向いあって微笑む。気恥ずかしいが、それが今の僕の仕事。
先日短い時間だけど、存分に安志さんに愛された躰は、エネルギーに満ちていた。
与えられた仕事を精一杯こなそう。
一歩一歩成長するために!
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