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完結後の甘い話の章
『蜜月旅行 90』終わりは始まり
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「丈、翠さんたち何処へ行ったんだろう?」
「ん?向こうで泳いでいるんじゃないか」
「でも、姿が見えないから」
さっきまで右手の方にいたような気がするのに、何処に行ったのだろうか。
「兄さんたちは大丈夫だよ。二人で楽しく泳いでいるだろう。それよりもそろそろいいか」
じっと俺のことを見つめる丈の眼に熱が籠る。
「そっ、そろそろって……そんな言い方するな」
「何故?」
「俺が待っていてみたいで恥ずかしいだろう」
「洋はいつまでも初心なところあるな。そこがまたいいのだが」
そんな言葉をやり取りしながら、いつの間にか俺は丈に押し倒されていた。太陽が正面に昇り眩しくて思わず目を瞑ると、丈がその逞しい躰で遮ってくれた。
「……ありがとう」
言葉に出さなくても、丈はいつも分かってくれる。
俺の気持ちを汲んで、俺のことを大切に扱ってくれる。
俺の躰は何も生み出さないのに、何も残せないのに、それでもいいのか。
たまに湧き上がる切ない気持ちは、いつも丈が静かに流してくれる。
「洋、背中は痛くないか」
「大丈夫だ」
丈が始まりの口づけをした。
「んっ……俺と丈は、もう何回キスしたのかな。俺はもう何回……丈に抱かれたのか分からないよ」
「息をするように自然なことだ。数えられない程多く」
「ふふっ、いいね…それ……」
喋っている途中に、再び唇を奪われた。
泳いだかばりなので、海の味がした。
「しょっぱいな」
「洋からもしてくれ」
「……分かった」
****
私の唇に、洋の温かいものが蕩けそうに合わさっていく。だがほんの少し触れただけで、すぐに離れてしまう。
「短いぞ。もっとだ」
私は洋のことをこうやって正面から抱くのが好きだ。美しい顔が熱を帯び潤み、私を誘うように色づいていく瞬間を見るのが好きだから。私は洋の腰に手をまわし、背中が少しでも痛くないように、相変わらずほっそりとした躰を抱き寄せてやった。
上半身は裸で、下半身には薄い色の薄い生地のブリーフタイプの水着しか身に着けていない洋の躰は、酷く淫らだ。
お互い海水で濡れた躰を密着させると、肌と肌が熱く灯り、もっと求めたくなる。
「洋の躰は相変わらずだな。何度抱いても抱き足らない」
こんなに落ち着いた日々を手に入れて、洋はもうどこにも行かないって分かっているのに
それでも欲しくて堪らなくなるのは、一体何故なんだ。
「……ん」
薄く開いた口腔へ舌をいれて、洋の中を探る。
「んっ……ん…」
鼻にかかるような甘い声が漏れ出せば、それは洋が感じ出した合図。私の背中に洋の手が回り、もっととせがむような仕草を繰り返す。
「んんっ丈……あっ…や……」
恥ずかしそうに下半身を捩るので手で探ると、股間がすでに硬くなっていた。
「この程度のキスでもうこんなに?」
薄い生地なので洋の可愛いものが勃っているのが見た目にも分かった。やはり最高の水着のようだ。水着の薄い生地を、押し上げるそれが愛おしい。
「こんなに感じて」
布越しにその形を模るようになぞってやると、洋は堪らないといった様子で目をぎゅっと瞑った。
「あっ……うっ…」
小ぶりだが、本当に綺麗な形をしていて、思わず感嘆の声が漏れる程だ。美しい顔の洋らしい、美しい屹立。私はこれをじっくりと味わうのが好きだ。
「ん?向こうで泳いでいるんじゃないか」
「でも、姿が見えないから」
さっきまで右手の方にいたような気がするのに、何処に行ったのだろうか。
「兄さんたちは大丈夫だよ。二人で楽しく泳いでいるだろう。それよりもそろそろいいか」
じっと俺のことを見つめる丈の眼に熱が籠る。
「そっ、そろそろって……そんな言い方するな」
「何故?」
「俺が待っていてみたいで恥ずかしいだろう」
「洋はいつまでも初心なところあるな。そこがまたいいのだが」
そんな言葉をやり取りしながら、いつの間にか俺は丈に押し倒されていた。太陽が正面に昇り眩しくて思わず目を瞑ると、丈がその逞しい躰で遮ってくれた。
「……ありがとう」
言葉に出さなくても、丈はいつも分かってくれる。
俺の気持ちを汲んで、俺のことを大切に扱ってくれる。
俺の躰は何も生み出さないのに、何も残せないのに、それでもいいのか。
たまに湧き上がる切ない気持ちは、いつも丈が静かに流してくれる。
「洋、背中は痛くないか」
「大丈夫だ」
丈が始まりの口づけをした。
「んっ……俺と丈は、もう何回キスしたのかな。俺はもう何回……丈に抱かれたのか分からないよ」
「息をするように自然なことだ。数えられない程多く」
「ふふっ、いいね…それ……」
喋っている途中に、再び唇を奪われた。
泳いだかばりなので、海の味がした。
「しょっぱいな」
「洋からもしてくれ」
「……分かった」
****
私の唇に、洋の温かいものが蕩けそうに合わさっていく。だがほんの少し触れただけで、すぐに離れてしまう。
「短いぞ。もっとだ」
私は洋のことをこうやって正面から抱くのが好きだ。美しい顔が熱を帯び潤み、私を誘うように色づいていく瞬間を見るのが好きだから。私は洋の腰に手をまわし、背中が少しでも痛くないように、相変わらずほっそりとした躰を抱き寄せてやった。
上半身は裸で、下半身には薄い色の薄い生地のブリーフタイプの水着しか身に着けていない洋の躰は、酷く淫らだ。
お互い海水で濡れた躰を密着させると、肌と肌が熱く灯り、もっと求めたくなる。
「洋の躰は相変わらずだな。何度抱いても抱き足らない」
こんなに落ち着いた日々を手に入れて、洋はもうどこにも行かないって分かっているのに
それでも欲しくて堪らなくなるのは、一体何故なんだ。
「……ん」
薄く開いた口腔へ舌をいれて、洋の中を探る。
「んっ……ん…」
鼻にかかるような甘い声が漏れ出せば、それは洋が感じ出した合図。私の背中に洋の手が回り、もっととせがむような仕草を繰り返す。
「んんっ丈……あっ…や……」
恥ずかしそうに下半身を捩るので手で探ると、股間がすでに硬くなっていた。
「この程度のキスでもうこんなに?」
薄い生地なので洋の可愛いものが勃っているのが見た目にも分かった。やはり最高の水着のようだ。水着の薄い生地を、押し上げるそれが愛おしい。
「こんなに感じて」
布越しにその形を模るようになぞってやると、洋は堪らないといった様子で目をぎゅっと瞑った。
「あっ……うっ…」
小ぶりだが、本当に綺麗な形をしていて、思わず感嘆の声が漏れる程だ。美しい顔の洋らしい、美しい屹立。私はこれをじっくりと味わうのが好きだ。
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