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完結後の甘い話の章
完結後の甘い物語 『蜜月旅行 16』
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「あれ……丈と洋くんは何処だ?」
海辺に戻ると、ビーチパラソルの下に二人の姿が見えなかった。キャップの外れた日焼け止めクリームが、ビーチマットの上に転がっているだけだった。
ははん……さては丈の奴・大方、日焼け止めクリームを洋くんに塗ってあげているうちにムラムラ来たのだろう。男なら分かるぜ。
さては、二人して消えたな。
それにしても……丈も結構大胆だよな。
あんなに冷静沈着だったくせにさ。
その勇気を少し俺にも分けて欲しい位だ。
「流、どうしよう」
兄さんは俺とは違って、とても心配そうな表情を浮かべていた。
「何がです?」
「また洋くんに何かあったら」
「はぁ?あぁ兄さん今日は大丈夫ですよ」
「なんで分かるんだ?」
「そりゃあ二人が新婚旅行だからですよ」
「いや、でも海にもいないし……心配だな」
いやいや、きっと……ぐるっと四方を見渡すと、海岸の左手に大きな岩場が見えた。その付近は深いらしく、浮輪の子供たちもいなく静かそうだ。
ふふん、恐らくあの岩場だな。
確かに穴場だな。
「流、探しに行った方がいいんじゃないか」
「いやそれは……兄さん、お邪魔でしょう」
「お邪魔って、どうして?洋くんの姿が見えないのが心配なのに」
生真面目な兄さんはどうやら本気で心配しているようだ。洋くんの過去の話を聞いてから、兄さんはとても神経質になった。
兄さんは洋くんの心の痛みを真摯に受け止め、共に悩んでいた。兄さんも多かれ少なかれ同性からそういう眼で見られた経験があるから……
翠兄さんのキュっと切なげに唇を噛みしめる横顔に、心臓が跳びはねる。
はぁ、その顔やめてくれよ!
庇護欲を誘うような無防備な顔すんなって!
「兄さん大丈夫だから。今日は丈がぴったりくっついていますよ」
「あぁそうか、そうだね。丈も一緒だものな」
納得するようにコクッと頷く兄さんのラッシュガードを脱いだ上半身に、つい目が行ってしまう。
滅多に拝めない兄さんの胸の粒。
やっぱり色……淡くて綺麗だな。
それに、いつもは袈裟に覆われている肌は、しっとりと滑らかに艶やめいている。
あまりにじっと見過ぎたのか、俺の視線を感じた兄さんと目が合ってしまった。
「流、どうかした?」
俺は慌てて視線を泳がせ、ビーチマットに転がっている日焼け止めクリームに移した。
「いやっ兄さんも日焼け止めクリーム塗った方がいいと思って、日焼けするとすぐ赤くなってしまうから」
「あっそうだね」
「俺が塗りますよ」
開放的な気分のせいか、つい余計なことを口出してしまった。
「いや、大丈夫だよ。これくらい出来るよ」
小さく微笑んで、兄さんは自分の手の平に白いクリームを絞り出した。そしてその手を、首筋から胸元へと滑らせていく。その所作が美しくて、俺は思わず見惚れてしまった。
クリームによって、兄さんの乳首は、うっすらと白い膜を張るように覆われた。
更にその上を……兄さんの手が、まるで誰かの手によって揉まれているかの如く、官能的に滑っていく。
うっこれは……視覚的にかなりヤバイっ!
海辺に戻ると、ビーチパラソルの下に二人の姿が見えなかった。キャップの外れた日焼け止めクリームが、ビーチマットの上に転がっているだけだった。
ははん……さては丈の奴・大方、日焼け止めクリームを洋くんに塗ってあげているうちにムラムラ来たのだろう。男なら分かるぜ。
さては、二人して消えたな。
それにしても……丈も結構大胆だよな。
あんなに冷静沈着だったくせにさ。
その勇気を少し俺にも分けて欲しい位だ。
「流、どうしよう」
兄さんは俺とは違って、とても心配そうな表情を浮かべていた。
「何がです?」
「また洋くんに何かあったら」
「はぁ?あぁ兄さん今日は大丈夫ですよ」
「なんで分かるんだ?」
「そりゃあ二人が新婚旅行だからですよ」
「いや、でも海にもいないし……心配だな」
いやいや、きっと……ぐるっと四方を見渡すと、海岸の左手に大きな岩場が見えた。その付近は深いらしく、浮輪の子供たちもいなく静かそうだ。
ふふん、恐らくあの岩場だな。
確かに穴場だな。
「流、探しに行った方がいいんじゃないか」
「いやそれは……兄さん、お邪魔でしょう」
「お邪魔って、どうして?洋くんの姿が見えないのが心配なのに」
生真面目な兄さんはどうやら本気で心配しているようだ。洋くんの過去の話を聞いてから、兄さんはとても神経質になった。
兄さんは洋くんの心の痛みを真摯に受け止め、共に悩んでいた。兄さんも多かれ少なかれ同性からそういう眼で見られた経験があるから……
翠兄さんのキュっと切なげに唇を噛みしめる横顔に、心臓が跳びはねる。
はぁ、その顔やめてくれよ!
庇護欲を誘うような無防備な顔すんなって!
「兄さん大丈夫だから。今日は丈がぴったりくっついていますよ」
「あぁそうか、そうだね。丈も一緒だものな」
納得するようにコクッと頷く兄さんのラッシュガードを脱いだ上半身に、つい目が行ってしまう。
滅多に拝めない兄さんの胸の粒。
やっぱり色……淡くて綺麗だな。
それに、いつもは袈裟に覆われている肌は、しっとりと滑らかに艶やめいている。
あまりにじっと見過ぎたのか、俺の視線を感じた兄さんと目が合ってしまった。
「流、どうかした?」
俺は慌てて視線を泳がせ、ビーチマットに転がっている日焼け止めクリームに移した。
「いやっ兄さんも日焼け止めクリーム塗った方がいいと思って、日焼けするとすぐ赤くなってしまうから」
「あっそうだね」
「俺が塗りますよ」
開放的な気分のせいか、つい余計なことを口出してしまった。
「いや、大丈夫だよ。これくらい出来るよ」
小さく微笑んで、兄さんは自分の手の平に白いクリームを絞り出した。そしてその手を、首筋から胸元へと滑らせていく。その所作が美しくて、俺は思わず見惚れてしまった。
クリームによって、兄さんの乳首は、うっすらと白い膜を張るように覆われた。
更にその上を……兄さんの手が、まるで誰かの手によって揉まれているかの如く、官能的に滑っていく。
うっこれは……視覚的にかなりヤバイっ!
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