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完結後の甘い話の章
完結後の甘い物語 『星の数だけ 1』
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おはようございます~志生帆 海です。
昨日無事に『重なる月』は第一部の完結を迎えることができました。
もともと丈と洋の結婚式当日まで書ききろうと思っていたので、自分の中でもいい区切りにとなりました。それに寄せて沢山のリアクションを頂戴しましてありがとうございます。とても嬉しかったです。
あとがきで宣言したように、その後の物語をスタートしました。
暫くはたわいない日常のこと、リフォームした新居での日々など書けたらいいなと思っています。のんびり気楽に書いて行こうと思っていますが、もしまだこの世界にお付き合いくださるようでしたら……♡
****
完結後の甘い物語 『星の数だけ 1』
指輪の交換のあと…翠さんから茶水晶の記念の数珠を受け取り、互いに敬愛を誓いあう誓紙(せいし)と養子縁組のために役所へ提出する書類に署名をした。
それから三々九度の盃を交わした。
その時、翠さんから若住職としての大切な言葉をいただいた。
「丈。洋くん本当におめでとう。この仏前結婚式には、一度現世で婚姻という契りを交わすと、来世でも結ばれるという意味合いが込められているのだよ。仏教では祖先をとても大切にするので、ご先祖様の前で、二人を巡り合わせてくれたことに心から感謝して、君たちが共に過ごしていくことの誓い盃を交わして欲しい」
ぐっと胸に迫る言葉だった。
そうだ、俺と丈が巡り合ったことは偶然じゃない。ずっと前から決まっていた縁のおかげだ。
そして、何度も生まれ変わっても俺達は一緒だ。過去も現在も未来も、ずっと共に過ごそう。
丈、そうしてくれるか。
あぁ洋そうしよう。
目と目で見つめ合い、盃を交わした。
この広い世界で二人が出会った意味をもう一度振り返り、 生涯お互いを大切に慈しみあうことを皆に報告した。
****
そんな厳かな式の後は、昨日から流さんと涼が準備してくれたローストビーフがメインの昼食会となった。テーブルを見るとハンバーグにサンドイッチにオードブルがずらりと並んでいた。
仏事に精進料理ではなく洋食で肉だらけの内容でいいのか心配になったが、流さんは本当に自由奔放だ。
「流さんっ、こんなお肉だらけのメニューいいんですか。ここ一応お寺ですよ。俺、寺って和食の精進料理ってイメージだったのに」
「はははっそんなの関係ないよ。これはお披露目パーティーだろう。洋くんのために集まってくれた人に純粋に美味しいものを食べてもらいたいだけだ。それに参列者ってほとんどが男だろう?がっつり食べれる方がいいって」
「そっそれはそうですが」
皆に交じって俺も歓談の輪に入ろうしたしたところ、真っ先に安志が近づいて来てくれた。
「洋っおめでとう」
グラスで乾杯をした。
幼馴染からの祝杯。くすぐったくも、ありがたいものだった。
「ありがとう」
安志に微笑みかけると、安志の眼が少し赤いことに気が付いた。
「安志……もしかして泣いたのか」
「うっあっバレたか。だってあの小さかった洋が、こんな立派な式を挙げて……感激しない方がおかしいだろう」
そう言いながら安志は、はっと泣き笑いした。いい表情だった。
幼い頃からずっと俺の傍にいてくれた。俺の何もかもを知っても、それでもずっと傍にいてくれた。俺がどんなに心強かったか。何度も助けてくれ、丈の元へ行く背中を押してくれたのも安志だ。
泣くなよ。
そう言おうとしたら自分の目頭も濡れていた。
「洋だって泣いてるだろ」
「これは……うん…安志の顔を見たら、俺もほっとして涙腺が緩んだ」
「ふっ俺達はさ、ここまでいろいろあったな」
「うん……そうだね」
「洋が幸せになってくれて本当に嬉しい。それをこの目で直に見れて本当にほっとしたよ」
「安志がいなかったら駄目だった。今日という日はやってこなかった。俺の人生において安志は必要不可欠な人だ。そして、ここに集まってくれた人との出会い、すべてに意味があったんだ」
「洋……お前……本当に大きくなったな。考えが今までの洋と違うな」
「そうかな」
「あぁもう大丈夫だ。これからは俺の心配もしてくれよ」
安志が目くばせした先には、一生懸命ウェイターのようにテーブルの合間を縫って動いている涼がいた。
昨日無事に『重なる月』は第一部の完結を迎えることができました。
もともと丈と洋の結婚式当日まで書ききろうと思っていたので、自分の中でもいい区切りにとなりました。それに寄せて沢山のリアクションを頂戴しましてありがとうございます。とても嬉しかったです。
あとがきで宣言したように、その後の物語をスタートしました。
暫くはたわいない日常のこと、リフォームした新居での日々など書けたらいいなと思っています。のんびり気楽に書いて行こうと思っていますが、もしまだこの世界にお付き合いくださるようでしたら……♡
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完結後の甘い物語 『星の数だけ 1』
指輪の交換のあと…翠さんから茶水晶の記念の数珠を受け取り、互いに敬愛を誓いあう誓紙(せいし)と養子縁組のために役所へ提出する書類に署名をした。
それから三々九度の盃を交わした。
その時、翠さんから若住職としての大切な言葉をいただいた。
「丈。洋くん本当におめでとう。この仏前結婚式には、一度現世で婚姻という契りを交わすと、来世でも結ばれるという意味合いが込められているのだよ。仏教では祖先をとても大切にするので、ご先祖様の前で、二人を巡り合わせてくれたことに心から感謝して、君たちが共に過ごしていくことの誓い盃を交わして欲しい」
ぐっと胸に迫る言葉だった。
そうだ、俺と丈が巡り合ったことは偶然じゃない。ずっと前から決まっていた縁のおかげだ。
そして、何度も生まれ変わっても俺達は一緒だ。過去も現在も未来も、ずっと共に過ごそう。
丈、そうしてくれるか。
あぁ洋そうしよう。
目と目で見つめ合い、盃を交わした。
この広い世界で二人が出会った意味をもう一度振り返り、 生涯お互いを大切に慈しみあうことを皆に報告した。
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そんな厳かな式の後は、昨日から流さんと涼が準備してくれたローストビーフがメインの昼食会となった。テーブルを見るとハンバーグにサンドイッチにオードブルがずらりと並んでいた。
仏事に精進料理ではなく洋食で肉だらけの内容でいいのか心配になったが、流さんは本当に自由奔放だ。
「流さんっ、こんなお肉だらけのメニューいいんですか。ここ一応お寺ですよ。俺、寺って和食の精進料理ってイメージだったのに」
「はははっそんなの関係ないよ。これはお披露目パーティーだろう。洋くんのために集まってくれた人に純粋に美味しいものを食べてもらいたいだけだ。それに参列者ってほとんどが男だろう?がっつり食べれる方がいいって」
「そっそれはそうですが」
皆に交じって俺も歓談の輪に入ろうしたしたところ、真っ先に安志が近づいて来てくれた。
「洋っおめでとう」
グラスで乾杯をした。
幼馴染からの祝杯。くすぐったくも、ありがたいものだった。
「ありがとう」
安志に微笑みかけると、安志の眼が少し赤いことに気が付いた。
「安志……もしかして泣いたのか」
「うっあっバレたか。だってあの小さかった洋が、こんな立派な式を挙げて……感激しない方がおかしいだろう」
そう言いながら安志は、はっと泣き笑いした。いい表情だった。
幼い頃からずっと俺の傍にいてくれた。俺の何もかもを知っても、それでもずっと傍にいてくれた。俺がどんなに心強かったか。何度も助けてくれ、丈の元へ行く背中を押してくれたのも安志だ。
泣くなよ。
そう言おうとしたら自分の目頭も濡れていた。
「洋だって泣いてるだろ」
「これは……うん…安志の顔を見たら、俺もほっとして涙腺が緩んだ」
「ふっ俺達はさ、ここまでいろいろあったな」
「うん……そうだね」
「洋が幸せになってくれて本当に嬉しい。それをこの目で直に見れて本当にほっとしたよ」
「安志がいなかったら駄目だった。今日という日はやってこなかった。俺の人生において安志は必要不可欠な人だ。そして、ここに集まってくれた人との出会い、すべてに意味があったんだ」
「洋……お前……本当に大きくなったな。考えが今までの洋と違うな」
「そうかな」
「あぁもう大丈夫だ。これからは俺の心配もしてくれよ」
安志が目くばせした先には、一生懸命ウェイターのようにテーブルの合間を縫って動いている涼がいた。
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