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第9章
番外編SS 安志×涼 「クリスマス・イブ」6
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【R18】
「涼の手、冷え切っているな」
「安志さんこそ……すごく冷たい」
お互いの手を絡め合って初めて気づく体温の低さ。
安志さんは随分長い時間、あのバス停にいたんだな。
あの広告の僕は女の子と見つめ合って、まるで恋人同士のように微笑んでいただろう。時計ブランドのクリスマスギフトの宣伝広告だったからしょうがないけれども、なんだか安志さんに見られてしまったのは恥ずかしいし、後ろめたい気分だった。
モデルという仕事を選んだ以上、この先も付きまとう通る道だ。
特に僕への仕事のオファーはティーン雑誌の甘いカップル役が圧倒的に多いから。
「僕の恋人は安志さんだ」と大声で叫びたくなる時が、たまにある。こんなモヤモヤとした葛藤はもっと成長すれば収まるのだろうか。
「涼どうした?ぼんやりして、ほら靴脱いで」
「あっうん」
手を繋がれ連れて行かれたのは、脱衣所だった。
「ほらっ脱いで。先に風呂入るぞ」
「えっ」
「なんだよ。俺も躰冷えて暖まりたいし、涼だって撮影で汗かいてだろう。んっ違う?」
「……それはそうだけど……でも」
「まだ恥ずかしい?」
「だって明るいから、一緒はちょっと」
「いいから、俺がそうして欲しいんだ」
「えっあっ……安志さん、ねぇちょっと待って!」
****
結局……嫌だって言ったのに、僕は今湯船の中で安志さんに背後からすっぽりと抱かれている。白く霞む湯気の中でも、お互いの肌は丸見えだ。なんていうかリアル過ぎて、このシチュエーションにまだ慣れないよ。
「涼。いつまで不貞腐れているんだ?」
「だって、?ひとりで入りたいって言ったのに」
「時間短縮だよ。涼が来てくれるって分かっていたらビールなんて飲まなかったのにな。帰り車で送ってやれないのが心配だ」
「あ……そっか電車はもうないね。でも大丈夫。大通りでタクシーに乗るから」
「ごめんな。タクシー乗る所までは送るから」
「んっありがとう」
それより背中に安志さんの逞しい胸板を感じ、ドキドキが止まらないんだけど……安志さんは何食わぬ顔で、僕の腰を抱いているし……
「涼の肌、本当にすべすべだな。この腰のラインがいいんだよ」
「安志さんっその手つき、ちょっとオジサン臭いし、それに」
感じちゃう。その手つきはまずい。
下半身が一層じんじんしてきて、張り詰めて痛い位だった。
「オジサンって言うな。でも今日はここに痕つけれないんだな。この後まだ撮影なんだろう?」
「……うん」
「そっか、それにしてもさっきは寒かったよな。まさかコートの下が半袖のTシャツだなんて思わなかったよ」
「あっ春夏物の撮影だったから衣装のまま来ちゃった。本当は仮眠部屋で着替えるはずだったんだ」
「本当に着の身着のままで来てくれたんだな。凄く嬉しいよ」
安志さんが心底嬉しそうに僕の耳元で囁くので、もう我慢できない。
「安志さんの手……貸して」
「どうした?」
腰を彷徨っていた手を、僕の股間へと導いてしまった。自分からこんな誘うような真似をするなんて驚いてしまう。
でも今すぐに触れて欲しかったし、僕がこんなに求めていること知って欲しかった。
「涼~もうこんなになってくれたのか。まだ何もしていないのに」
「だって安志さんの躰がずっと肌に触れているから、僕はそれだけで」
「嬉しいよ。ここで?それともベッドでがいいか」
「……ベッドでちゃんとがいい」
今日は三週間ぶりに躰を繋げるのだから、きちんと準備しないとキツクなっているような気がした。
「分かった。なら先にここで少し解しておこう」
「えっ」
腰をお湯の上へと一気に抱えられたかと思うと、あっという間にボディソープの滑りを利用した安志さんの指がするっと入って来た。
「んっん……あっ!」
ビクビクっと躰が震える。僕は安志さんしか知らないから、この反応で合っているのか分からないけれども、指を挿れられるとゾクゾクしながらも期待で満ちていく感じがする。
「痛くないか。やっぱり久しぶりだから少し硬くなってしまったな。よく解さないと……ここであってるか。涼の気持ちいい所はここだよな」
的確に僕の弱いところを知っている安志さんが、グリグリと指の腹で内部を刺激してくる。
「あっ…あっ……」
僕は湯船の淵に手をついたまま……コクコクっと頷くことしか出来なくなっていた。
「涼の手、冷え切っているな」
「安志さんこそ……すごく冷たい」
お互いの手を絡め合って初めて気づく体温の低さ。
安志さんは随分長い時間、あのバス停にいたんだな。
あの広告の僕は女の子と見つめ合って、まるで恋人同士のように微笑んでいただろう。時計ブランドのクリスマスギフトの宣伝広告だったからしょうがないけれども、なんだか安志さんに見られてしまったのは恥ずかしいし、後ろめたい気分だった。
モデルという仕事を選んだ以上、この先も付きまとう通る道だ。
特に僕への仕事のオファーはティーン雑誌の甘いカップル役が圧倒的に多いから。
「僕の恋人は安志さんだ」と大声で叫びたくなる時が、たまにある。こんなモヤモヤとした葛藤はもっと成長すれば収まるのだろうか。
「涼どうした?ぼんやりして、ほら靴脱いで」
「あっうん」
手を繋がれ連れて行かれたのは、脱衣所だった。
「ほらっ脱いで。先に風呂入るぞ」
「えっ」
「なんだよ。俺も躰冷えて暖まりたいし、涼だって撮影で汗かいてだろう。んっ違う?」
「……それはそうだけど……でも」
「まだ恥ずかしい?」
「だって明るいから、一緒はちょっと」
「いいから、俺がそうして欲しいんだ」
「えっあっ……安志さん、ねぇちょっと待って!」
****
結局……嫌だって言ったのに、僕は今湯船の中で安志さんに背後からすっぽりと抱かれている。白く霞む湯気の中でも、お互いの肌は丸見えだ。なんていうかリアル過ぎて、このシチュエーションにまだ慣れないよ。
「涼。いつまで不貞腐れているんだ?」
「だって、?ひとりで入りたいって言ったのに」
「時間短縮だよ。涼が来てくれるって分かっていたらビールなんて飲まなかったのにな。帰り車で送ってやれないのが心配だ」
「あ……そっか電車はもうないね。でも大丈夫。大通りでタクシーに乗るから」
「ごめんな。タクシー乗る所までは送るから」
「んっありがとう」
それより背中に安志さんの逞しい胸板を感じ、ドキドキが止まらないんだけど……安志さんは何食わぬ顔で、僕の腰を抱いているし……
「涼の肌、本当にすべすべだな。この腰のラインがいいんだよ」
「安志さんっその手つき、ちょっとオジサン臭いし、それに」
感じちゃう。その手つきはまずい。
下半身が一層じんじんしてきて、張り詰めて痛い位だった。
「オジサンって言うな。でも今日はここに痕つけれないんだな。この後まだ撮影なんだろう?」
「……うん」
「そっか、それにしてもさっきは寒かったよな。まさかコートの下が半袖のTシャツだなんて思わなかったよ」
「あっ春夏物の撮影だったから衣装のまま来ちゃった。本当は仮眠部屋で着替えるはずだったんだ」
「本当に着の身着のままで来てくれたんだな。凄く嬉しいよ」
安志さんが心底嬉しそうに僕の耳元で囁くので、もう我慢できない。
「安志さんの手……貸して」
「どうした?」
腰を彷徨っていた手を、僕の股間へと導いてしまった。自分からこんな誘うような真似をするなんて驚いてしまう。
でも今すぐに触れて欲しかったし、僕がこんなに求めていること知って欲しかった。
「涼~もうこんなになってくれたのか。まだ何もしていないのに」
「だって安志さんの躰がずっと肌に触れているから、僕はそれだけで」
「嬉しいよ。ここで?それともベッドでがいいか」
「……ベッドでちゃんとがいい」
今日は三週間ぶりに躰を繋げるのだから、きちんと準備しないとキツクなっているような気がした。
「分かった。なら先にここで少し解しておこう」
「えっ」
腰をお湯の上へと一気に抱えられたかと思うと、あっという間にボディソープの滑りを利用した安志さんの指がするっと入って来た。
「んっん……あっ!」
ビクビクっと躰が震える。僕は安志さんしか知らないから、この反応で合っているのか分からないけれども、指を挿れられるとゾクゾクしながらも期待で満ちていく感じがする。
「痛くないか。やっぱり久しぶりだから少し硬くなってしまったな。よく解さないと……ここであってるか。涼の気持ちいい所はここだよな」
的確に僕の弱いところを知っている安志さんが、グリグリと指の腹で内部を刺激してくる。
「あっ…あっ……」
僕は湯船の淵に手をついたまま……コクコクっと頷くことしか出来なくなっていた。
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