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第7章
アクシデント 2
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「丈、もう起きろよ」
「んっ……」
離れの布団でまだ深い眠りに中にいる丈に呼びかけてみるが、全く起きる気配がない。
丈は結局、非常勤として通っていた大船の病院でそのまま正規の医師となったので毎日忙しそうだ。昨日も帰宅が遅かったし俺の方も夜遅くまで勉強していて、丈が帰って来る頃には入れ違いで疲れて深い眠りの中だ。
そろそろ丈が恋しいな。
そう思って、流さんに余計なことはするなって言われたばかりなのに、丈の布団に自ら潜りこんでしまった。
「丈……」
もう一度耳元でそっと囁くが反応はない。なんだかつまらなくなって背中から丈を抱きしめるように腕をまわし、丈の心臓に手をあてると、トクトクと規則正しい古時計のような温かい心臓の音が聴こえて来た。
脈は波動のように俺の躰にも伝わり温かい気持ちにさせてくれるから、この音が俺は大好きだ。その音色に染まった俺は平和な1日を丈と共に迎え、過ごせることへの感謝の気持ちで一杯になっていく。
「ん……洋か」
丈の胸に当てていた手を突然掴まれた。
「あっ起きたのか」
「ふっ……洋、朝から誘っているのか」
途端にさっきまで寝ていたとは思えない勢いで、ガバッと俺の躰は反転させられてしまった。俺は丈を見上げるようにその姿を確かめると、寝起きの丈は少し髪が乱れているが、それがかえって男の色気を誘い出しているような気がした。
うん、今日もいい男だ。
それにしても、男の俺が見てもドキッとするのだから、こんな医者がいたら患者さんは皆大変だろうな。実際バレンタインデーはあちこちから持たされたチョコで車の中がいっぱいで唖然としたものな。看護師さんや患者さんからの贈り物……ありがたいはずなのに、小さな嫉妬心みたいなのが芽生えてしまったよ。
「丈、おはよう。朝から元気だな。随分寝起きがいいな」
「洋が朝からこんなに近くにいたのだから、当たり前だ」
「ふっ」
思わず零れた笑みを掬い取られるように、いつものようにキスをされた。軽い小鳥が啄むようなキスから始まり、徐々に深まって行くキスが好きだ。
「丈、もう起きないと、遅刻しちゃうだろ」
「洋が悪い。こんな風に起こすのは反則だろ」
「なっ」
口づけは舌を絡め合う激しく深いものへと変化していく。そしてそのまま丈の手が俺のシャツのボタンを外しだすので困惑した。
「おいっ俺はもうきちんと洋服も来て、出かける準備も整っているのに」
「また着せてやる」
「まったく」
でも、それもいいと思った。俺も丈の肌が恋しかったから。躰の力を抜いて丈を受け入れていく。外されたシャツの間から丈の手が滑る様に忍び込み、俺の肌に吸い付くように重ねられた。すると触られたところから順番に、もっともっと丈に触れて欲しくなって肌が騒めいてくるのが分かる。
丈の唇が胸元に降りて来て小さな突起を口にやんわりと含み、舌先で舐められ、再び吸い上げられることを繰り返されると、途端に下半身に熱がこもり出していく。
頭の片隅で……流さんが朝ごはんの仕度の手伝いを待っていると思うのに、丈に触れてもらうことが嬉しくて、触れられることが嬉しくて止まらない。
「洋もいやらしいな。朝から胸だけでこんなに感じて」
「丈が変な風に触るからだ」
「ふっ可愛いな」
丈の手が今度は下半身に伸びてくる。朝からそこまでと思ったが、何故だか今日はもっともっと丈が欲しくなってしまって、腰をあげてねだるような姿勢を取ってしまう自分が恥ずかしかった。
一気に流されていしまってもいい。そう思い丈の下半身へ自分のものをこすりつけるように、あててしまっていた。そこには丈の昂ったものの形を感じた。
「丈のだって、こんなに硬くなってる」
「あぁ、洋のこんな姿見せつけられたんじゃ、あっという間だ」
「あっ」
丈の手がベルトに伸びて、カチャカチャと金属音を立てたかと思うと、一気に下着ごと足元へ引きずり降ろされた。丈の指が輪を作り俺のものを扱き出せば、腰が震えるほどの快楽に襲われて、感じている恥ずかしい顔を隠すのが精一杯の抵抗だ。
「丈っ俺はもう……もういいから、丈のを」
丈のものに手を伸ばすともう、今にもはち切れそうな程、パンパンになっていた。そして驚いたことに自然の流れですっかり立ち上がってしまった俺の昂りに、丈の昂ったものを添うようにぴったりと合わして来た。
「洋……これっ来るな」
「うっ……う……」
なんだ? この感触。お互いの張りつめた皮膚同士が同時に擦りあわされることによって、手で触れられるよりも強烈に強い快感に襲われて、思わず背中がしなってしまう。
強すぎる快楽から逃げようとすると、さらに丈の指によって、ずれないようにぴったりと重ね合うように押さえつけられ、一層早く扱かれればもう堪らない。我慢できない。耐えられない。
「あぁもう離れてくれ。出ちゃうっ」
「一緒にっ」
「あうっ……はぁ……はぁ」
そのまま上下に二つが合わさったまま、とろとろに果ててしまった。
「うっ……う」
途端にこみあげてくる羞恥心で掛布団を頭まで被ってしまった。うう……こんなこと滅多にしないのに恥ずかしい。こんなこと朝から……俺も我慢できなくて節操もないよな。なんだか妙に興奮して考えがまとまらず、嗚咽をもらしていると布団ごと丈が優しく抱きしめてくれた。
「そんなに布団に包まって暑くないか。なんだか繭みたいだな」
「繭?」
丈からの布団ごと抱きしめられるふんわりとした刺激が、柔肌に包まれているような感覚でとても心地よかった。
その心地よさは、この寺での暮らしと似ていた。
この寺は繭のように俺を優しく包んでくれている。
ここが好きだ。だから……いつだってここに帰ってこよう。
どんな時だって、必ず帰って来るよ。
「んっ……」
離れの布団でまだ深い眠りに中にいる丈に呼びかけてみるが、全く起きる気配がない。
丈は結局、非常勤として通っていた大船の病院でそのまま正規の医師となったので毎日忙しそうだ。昨日も帰宅が遅かったし俺の方も夜遅くまで勉強していて、丈が帰って来る頃には入れ違いで疲れて深い眠りの中だ。
そろそろ丈が恋しいな。
そう思って、流さんに余計なことはするなって言われたばかりなのに、丈の布団に自ら潜りこんでしまった。
「丈……」
もう一度耳元でそっと囁くが反応はない。なんだかつまらなくなって背中から丈を抱きしめるように腕をまわし、丈の心臓に手をあてると、トクトクと規則正しい古時計のような温かい心臓の音が聴こえて来た。
脈は波動のように俺の躰にも伝わり温かい気持ちにさせてくれるから、この音が俺は大好きだ。その音色に染まった俺は平和な1日を丈と共に迎え、過ごせることへの感謝の気持ちで一杯になっていく。
「ん……洋か」
丈の胸に当てていた手を突然掴まれた。
「あっ起きたのか」
「ふっ……洋、朝から誘っているのか」
途端にさっきまで寝ていたとは思えない勢いで、ガバッと俺の躰は反転させられてしまった。俺は丈を見上げるようにその姿を確かめると、寝起きの丈は少し髪が乱れているが、それがかえって男の色気を誘い出しているような気がした。
うん、今日もいい男だ。
それにしても、男の俺が見てもドキッとするのだから、こんな医者がいたら患者さんは皆大変だろうな。実際バレンタインデーはあちこちから持たされたチョコで車の中がいっぱいで唖然としたものな。看護師さんや患者さんからの贈り物……ありがたいはずなのに、小さな嫉妬心みたいなのが芽生えてしまったよ。
「丈、おはよう。朝から元気だな。随分寝起きがいいな」
「洋が朝からこんなに近くにいたのだから、当たり前だ」
「ふっ」
思わず零れた笑みを掬い取られるように、いつものようにキスをされた。軽い小鳥が啄むようなキスから始まり、徐々に深まって行くキスが好きだ。
「丈、もう起きないと、遅刻しちゃうだろ」
「洋が悪い。こんな風に起こすのは反則だろ」
「なっ」
口づけは舌を絡め合う激しく深いものへと変化していく。そしてそのまま丈の手が俺のシャツのボタンを外しだすので困惑した。
「おいっ俺はもうきちんと洋服も来て、出かける準備も整っているのに」
「また着せてやる」
「まったく」
でも、それもいいと思った。俺も丈の肌が恋しかったから。躰の力を抜いて丈を受け入れていく。外されたシャツの間から丈の手が滑る様に忍び込み、俺の肌に吸い付くように重ねられた。すると触られたところから順番に、もっともっと丈に触れて欲しくなって肌が騒めいてくるのが分かる。
丈の唇が胸元に降りて来て小さな突起を口にやんわりと含み、舌先で舐められ、再び吸い上げられることを繰り返されると、途端に下半身に熱がこもり出していく。
頭の片隅で……流さんが朝ごはんの仕度の手伝いを待っていると思うのに、丈に触れてもらうことが嬉しくて、触れられることが嬉しくて止まらない。
「洋もいやらしいな。朝から胸だけでこんなに感じて」
「丈が変な風に触るからだ」
「ふっ可愛いな」
丈の手が今度は下半身に伸びてくる。朝からそこまでと思ったが、何故だか今日はもっともっと丈が欲しくなってしまって、腰をあげてねだるような姿勢を取ってしまう自分が恥ずかしかった。
一気に流されていしまってもいい。そう思い丈の下半身へ自分のものをこすりつけるように、あててしまっていた。そこには丈の昂ったものの形を感じた。
「丈のだって、こんなに硬くなってる」
「あぁ、洋のこんな姿見せつけられたんじゃ、あっという間だ」
「あっ」
丈の手がベルトに伸びて、カチャカチャと金属音を立てたかと思うと、一気に下着ごと足元へ引きずり降ろされた。丈の指が輪を作り俺のものを扱き出せば、腰が震えるほどの快楽に襲われて、感じている恥ずかしい顔を隠すのが精一杯の抵抗だ。
「丈っ俺はもう……もういいから、丈のを」
丈のものに手を伸ばすともう、今にもはち切れそうな程、パンパンになっていた。そして驚いたことに自然の流れですっかり立ち上がってしまった俺の昂りに、丈の昂ったものを添うようにぴったりと合わして来た。
「洋……これっ来るな」
「うっ……う……」
なんだ? この感触。お互いの張りつめた皮膚同士が同時に擦りあわされることによって、手で触れられるよりも強烈に強い快感に襲われて、思わず背中がしなってしまう。
強すぎる快楽から逃げようとすると、さらに丈の指によって、ずれないようにぴったりと重ね合うように押さえつけられ、一層早く扱かれればもう堪らない。我慢できない。耐えられない。
「あぁもう離れてくれ。出ちゃうっ」
「一緒にっ」
「あうっ……はぁ……はぁ」
そのまま上下に二つが合わさったまま、とろとろに果ててしまった。
「うっ……う」
途端にこみあげてくる羞恥心で掛布団を頭まで被ってしまった。うう……こんなこと滅多にしないのに恥ずかしい。こんなこと朝から……俺も我慢できなくて節操もないよな。なんだか妙に興奮して考えがまとまらず、嗚咽をもらしていると布団ごと丈が優しく抱きしめてくれた。
「そんなに布団に包まって暑くないか。なんだか繭みたいだな」
「繭?」
丈からの布団ごと抱きしめられるふんわりとした刺激が、柔肌に包まれているような感覚でとても心地よかった。
その心地よさは、この寺での暮らしと似ていた。
この寺は繭のように俺を優しく包んでくれている。
ここが好きだ。だから……いつだってここに帰ってこよう。
どんな時だって、必ず帰って来るよ。
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