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第5章
変わって行く 6
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「遅かったな」
部屋に入ると重役は入浴を済ましたらしく既にバスローブ姿だった。胸元に生え茂る胸毛が黒々と見え嫌悪感が増してくる。
「君も風呂を使え」
「……」
そうか、そう来るのか。重役と一線を越える気なんて全くないのだから必要ない。
「……もう、済ませました」
「そうか、それは好都合だ、まぁいきなりというのもなんだから少し飲もうじゃないか。君はワインは飲めるか」
「……ええ」
飲み物に何か入っていたら、そう思うと迂闊に飲むこともできない。目の前でコルクを抜かれたのを確かめ注がれた赤ワインに少しだけ口を付ける。ワインには何も入ってない。だが緊張で喉がカラカラで味なんて分からない。今の俺には安志が持たせてくれた発信機付きの指輪だけが頼りだ。タイミングはいつだ? そればかり気になってしまう。
「おいおい……気もそぞろだな、くっくっ緊張しているのか」
「……そういうわけでは」
「くくっ君はすでに義父にも抱かれているのだから、私が一度抱いた位でこれ以上汚れるなんてことないから安心しろ。今日はたっぷり時間をかけて可愛がってやるからな」
胸が塞がる言葉だ。じりじりと重役との距離が近づいて来て、気が付くとソファの隣に重役が腰を下ろし、俺を抱き寄せて来ていた。
「なっ」
思わず、反射的に身をすくめてしまった。
「ふっ……何を考えている。お前、まさか何か企んでいたりしないか。こんなに素直に私に抱かれに来るなんておかしいな」
「何も企んでない。……素直なのは、あの……写真のせいだ」
「あぁアレか。君を抱いた後に返してやるよ」
「今どこにある? 」
「あぁちゃんと持っているよ」
「……先に一度見せて欲しい」
「分かった分かった」
ちゃんとこの場に持ってきているか確かめなと。
「ほらっこれだろ?」
差し出された写真を見るのは辛い。凝視できない。だが……これはこの世に存在してはならないものだ。これを取り戻すために俺はなんだってする。引き寄せられるように写真に手を伸ばすと、不意をつかれて、いきなりキスされてしまった。
「んっ! なっ……やめっ……ろ」
後頭部をしっかり押さえつけられて、逃れられない。くそっ! こんな奴にもう二度とされるものかと思ったのに。
生臭い息に小さなパニックが起きて、息苦しさからを酸素を求めて口を開いた拍子に、何か小さな白い錠剤を口内に入れられたことに気が付いた。
背筋が凍った。薬……? 何の薬を使う気だ。
「なっ何を? 」
飲み込んではいけない。慌てて吐き出そうと思ったら、そのまま口をふさがれて重役の舌先によって喉奥深くに落とされてしまった。血の気がひく思いだ。
「くくっ危ないものではないよ。君が変な気を起こせないように、躰の自由をある程度奪うものだ。私も歳で、抵抗されると厄介なのだよ。はははっ」
「……卑怯だっ」
なんてことを! 慌てて指輪のボタンを押そうと思ったのに、あっという間に薬は溶け、躰の自由を奪い取ってしまった。まずい……このままでは……
「やめろっ」
そのままベッドにあっという間に連れて行かれてしまった。
「さぁこれでもう君は騒げない。大人しく抱かれるがいい。躰は動かせないが、感じる力までは奪わない薬だからな。さぁ私に躰を開けっ」
ギシッと嫌な音を立ててベッドが軋んだ。
「あぁやっと抱けるんだな。夢みたいだ。五年前……私が君をどんなに抱きたかったか知るまい。ずっと我慢してたんだぞ」
鼻息荒くのしかかってくる躰は巨大なトドのようで最悪だ。重たい肉の塊が乗っているようなドロドロと不快な気持ちでくじけそうだ。
なんとしてでもドアの向こうにいる安志とKaiに連絡を取りたい。
胸元に冷気が忍び込みシャツのボタンが、どんどん外されていくのを感じる。重役が俺のズボンのベルトをガチャガチャといじる音が遠くに聞こえる。
丈っ! 安志……Kai!欲しい……今すぐに……
諦めずに震える手を必死に動かして、口元に指がもうすぐ届く。
その瞬間に。
「おいっ顔を隠すなよ。その綺麗な顔を見ながらやりてぇんだからなっ」
そう言われ、両手を頭上で拘束されてしまった。
悔し涙が浮かんで来た。だが絶対に、こんな奴に涙なんて見せたくない。
身体が麻痺してがいうことをきかない。ぎゅっと目を閉じてもう駄目だ! と覚悟したその時、心配そうな3人の顔が次々に脳裏に浮かんで来た。
丈……安志……Kai……こんな風に負けたくない。
これでは五年前と何も変わらないじゃないかっ!
その時、世界は急変した!
****
「遅くないか」
「あぁこんなに時間がかかるか? 」
「何かトラブルがあったんじゃないか」
「どうする? 」
ドアの外で控えていた俺たちに洋からの突入タイミングを知らせる信号が未だ届かない。こんなに時間がかかるのなんて想定外だ。今回の計画はタイミングが重要なのに……少しでも遅れたら、また洋が傷つけられたら。俺の目の前でそんなことはもう二度と起こさせない。あってはならないことなんだ。
もう一度耳を澄まして、中の様子を伺った。すると……
(安志!)
洋が必死に呼ぶ心の声が聞こえたような気がして、はっと我に返った。
そうだ!今すべきこと……今、出来ることをするだけだ。
「Kai、強行突破するぞ!」
「そうだなっ」
「行こう!」
Kaiがドアのロックを解除し中のチェーンを工具で素早く切り捨て、一気に二人で客室に飛び込んだ!
そして目も背けたくなるようなべッドの上の二人の絡み合う姿を、Kaiがすかさず写真に収めた。
ここまでは、本当に一瞬の出来事だった。
「なっなんだ! お前たちは誰だ? 」
「お前っよくも洋にっ!」
「お前たちなんだ? 今何をした? まっまさか写真を撮ったのか」
洋に覆いかぶさっていた重役が驚いて躰をずらした瞬間、俺は重役の後方にまわり、手早く抵抗できないように拘束してやった。
「……あ……安志、来てくれたのか。Kaiも」
すぐに洋の様子を確認すると……心底安心したような表情を浮かべていた。
だが、洋の様子がどこか変だ。
裸に剥かれた躰を隠すことなくベッドに開いたまま……動けないでいる。
「お前っ、一体洋に何をしてくれたんだよっ!! 」
ゴホッ!!
かっとなり、俺は思わず重役の腹を思いっきり蹴り上げていた。
「ぎゃあっー!」
重役はそのまま床に倒れ込み、腹を抱えて「ひぃーひぃー」とみっともなく騒いでいる。醜態をさらす中年男の姿が忌々しい。その図々しい巨体を起こしKaiが手際よく椅子に縛り付けてくれた。
「洋!」
俺は奪われそうになった躰を隠すこともできないままでいる洋を毛布で包んで抱き寄せてやった。途端に洋は安堵の表情を浮かべ泣き出した。
「洋、もう大丈夫だ。この後のことは俺たちに任せろ」
「……くっ……安志……俺……変な薬飲まされて動けなかった。お前があのタイミングで入って来てくれなかったらどうなっていたか……うっ……うっ…」
「洋、今度はお前をちゃんと助けられたな」
「安志……安志……うっ…うう……怖かったよ」
俺の胸で躰を丸めて泣きじゃくる洋にほっとする。同時にその姿に幼き日の思い出が蘇ってきた。洋のお母さんが天国へ旅立った日。あの日病院の廊下で、駆け付けた俺に縋って泣いていた洋を思い出す。あの時の少年の薄い肩……細い躰……月日は大きく流れても洋は洋だ。
俺はそっと背中をさすってやる。
落ち着け……もうこんなこと二度と起こらない。
俺たちにもっと甘えていいんだ。守らせてくれよ。
お前は今まで人よりもずっと苦労して生きて来た。普通に生きてきたら知らなくてもいいはずの屈辱や恥辱も沢山味わってしまった。
傷だらけの洋を守らせて欲しい……お前はもっと周りに甘えてもいい人間だ。
「もう大丈夫だ。今、丈さんも駆けつけてくれるから、その変な薬の処置もしてもらおうな」
「うん……」
洋は無事だった。危なかったが無事だった。俺は今度はちゃんと救えたのだから、あとはこの後駆けつける丈さんに、手渡せばいい。
これでいい。洋を託して、俺は俺の道を歩めばいい。
生きていると…それぞれ変わっていくものだな。
でも、それは別れじゃない。
変わって変えて……心を寄り添い合っていくことなんだ。
これからは恋人……友人……いろんなスタイルで洋の傍にいる人が増えていけばいい。
俺もそのうちの一人になりたい。
「変わっていく・了」
部屋に入ると重役は入浴を済ましたらしく既にバスローブ姿だった。胸元に生え茂る胸毛が黒々と見え嫌悪感が増してくる。
「君も風呂を使え」
「……」
そうか、そう来るのか。重役と一線を越える気なんて全くないのだから必要ない。
「……もう、済ませました」
「そうか、それは好都合だ、まぁいきなりというのもなんだから少し飲もうじゃないか。君はワインは飲めるか」
「……ええ」
飲み物に何か入っていたら、そう思うと迂闊に飲むこともできない。目の前でコルクを抜かれたのを確かめ注がれた赤ワインに少しだけ口を付ける。ワインには何も入ってない。だが緊張で喉がカラカラで味なんて分からない。今の俺には安志が持たせてくれた発信機付きの指輪だけが頼りだ。タイミングはいつだ? そればかり気になってしまう。
「おいおい……気もそぞろだな、くっくっ緊張しているのか」
「……そういうわけでは」
「くくっ君はすでに義父にも抱かれているのだから、私が一度抱いた位でこれ以上汚れるなんてことないから安心しろ。今日はたっぷり時間をかけて可愛がってやるからな」
胸が塞がる言葉だ。じりじりと重役との距離が近づいて来て、気が付くとソファの隣に重役が腰を下ろし、俺を抱き寄せて来ていた。
「なっ」
思わず、反射的に身をすくめてしまった。
「ふっ……何を考えている。お前、まさか何か企んでいたりしないか。こんなに素直に私に抱かれに来るなんておかしいな」
「何も企んでない。……素直なのは、あの……写真のせいだ」
「あぁアレか。君を抱いた後に返してやるよ」
「今どこにある? 」
「あぁちゃんと持っているよ」
「……先に一度見せて欲しい」
「分かった分かった」
ちゃんとこの場に持ってきているか確かめなと。
「ほらっこれだろ?」
差し出された写真を見るのは辛い。凝視できない。だが……これはこの世に存在してはならないものだ。これを取り戻すために俺はなんだってする。引き寄せられるように写真に手を伸ばすと、不意をつかれて、いきなりキスされてしまった。
「んっ! なっ……やめっ……ろ」
後頭部をしっかり押さえつけられて、逃れられない。くそっ! こんな奴にもう二度とされるものかと思ったのに。
生臭い息に小さなパニックが起きて、息苦しさからを酸素を求めて口を開いた拍子に、何か小さな白い錠剤を口内に入れられたことに気が付いた。
背筋が凍った。薬……? 何の薬を使う気だ。
「なっ何を? 」
飲み込んではいけない。慌てて吐き出そうと思ったら、そのまま口をふさがれて重役の舌先によって喉奥深くに落とされてしまった。血の気がひく思いだ。
「くくっ危ないものではないよ。君が変な気を起こせないように、躰の自由をある程度奪うものだ。私も歳で、抵抗されると厄介なのだよ。はははっ」
「……卑怯だっ」
なんてことを! 慌てて指輪のボタンを押そうと思ったのに、あっという間に薬は溶け、躰の自由を奪い取ってしまった。まずい……このままでは……
「やめろっ」
そのままベッドにあっという間に連れて行かれてしまった。
「さぁこれでもう君は騒げない。大人しく抱かれるがいい。躰は動かせないが、感じる力までは奪わない薬だからな。さぁ私に躰を開けっ」
ギシッと嫌な音を立ててベッドが軋んだ。
「あぁやっと抱けるんだな。夢みたいだ。五年前……私が君をどんなに抱きたかったか知るまい。ずっと我慢してたんだぞ」
鼻息荒くのしかかってくる躰は巨大なトドのようで最悪だ。重たい肉の塊が乗っているようなドロドロと不快な気持ちでくじけそうだ。
なんとしてでもドアの向こうにいる安志とKaiに連絡を取りたい。
胸元に冷気が忍び込みシャツのボタンが、どんどん外されていくのを感じる。重役が俺のズボンのベルトをガチャガチャといじる音が遠くに聞こえる。
丈っ! 安志……Kai!欲しい……今すぐに……
諦めずに震える手を必死に動かして、口元に指がもうすぐ届く。
その瞬間に。
「おいっ顔を隠すなよ。その綺麗な顔を見ながらやりてぇんだからなっ」
そう言われ、両手を頭上で拘束されてしまった。
悔し涙が浮かんで来た。だが絶対に、こんな奴に涙なんて見せたくない。
身体が麻痺してがいうことをきかない。ぎゅっと目を閉じてもう駄目だ! と覚悟したその時、心配そうな3人の顔が次々に脳裏に浮かんで来た。
丈……安志……Kai……こんな風に負けたくない。
これでは五年前と何も変わらないじゃないかっ!
その時、世界は急変した!
****
「遅くないか」
「あぁこんなに時間がかかるか? 」
「何かトラブルがあったんじゃないか」
「どうする? 」
ドアの外で控えていた俺たちに洋からの突入タイミングを知らせる信号が未だ届かない。こんなに時間がかかるのなんて想定外だ。今回の計画はタイミングが重要なのに……少しでも遅れたら、また洋が傷つけられたら。俺の目の前でそんなことはもう二度と起こさせない。あってはならないことなんだ。
もう一度耳を澄まして、中の様子を伺った。すると……
(安志!)
洋が必死に呼ぶ心の声が聞こえたような気がして、はっと我に返った。
そうだ!今すべきこと……今、出来ることをするだけだ。
「Kai、強行突破するぞ!」
「そうだなっ」
「行こう!」
Kaiがドアのロックを解除し中のチェーンを工具で素早く切り捨て、一気に二人で客室に飛び込んだ!
そして目も背けたくなるようなべッドの上の二人の絡み合う姿を、Kaiがすかさず写真に収めた。
ここまでは、本当に一瞬の出来事だった。
「なっなんだ! お前たちは誰だ? 」
「お前っよくも洋にっ!」
「お前たちなんだ? 今何をした? まっまさか写真を撮ったのか」
洋に覆いかぶさっていた重役が驚いて躰をずらした瞬間、俺は重役の後方にまわり、手早く抵抗できないように拘束してやった。
「……あ……安志、来てくれたのか。Kaiも」
すぐに洋の様子を確認すると……心底安心したような表情を浮かべていた。
だが、洋の様子がどこか変だ。
裸に剥かれた躰を隠すことなくベッドに開いたまま……動けないでいる。
「お前っ、一体洋に何をしてくれたんだよっ!! 」
ゴホッ!!
かっとなり、俺は思わず重役の腹を思いっきり蹴り上げていた。
「ぎゃあっー!」
重役はそのまま床に倒れ込み、腹を抱えて「ひぃーひぃー」とみっともなく騒いでいる。醜態をさらす中年男の姿が忌々しい。その図々しい巨体を起こしKaiが手際よく椅子に縛り付けてくれた。
「洋!」
俺は奪われそうになった躰を隠すこともできないままでいる洋を毛布で包んで抱き寄せてやった。途端に洋は安堵の表情を浮かべ泣き出した。
「洋、もう大丈夫だ。この後のことは俺たちに任せろ」
「……くっ……安志……俺……変な薬飲まされて動けなかった。お前があのタイミングで入って来てくれなかったらどうなっていたか……うっ……うっ…」
「洋、今度はお前をちゃんと助けられたな」
「安志……安志……うっ…うう……怖かったよ」
俺の胸で躰を丸めて泣きじゃくる洋にほっとする。同時にその姿に幼き日の思い出が蘇ってきた。洋のお母さんが天国へ旅立った日。あの日病院の廊下で、駆け付けた俺に縋って泣いていた洋を思い出す。あの時の少年の薄い肩……細い躰……月日は大きく流れても洋は洋だ。
俺はそっと背中をさすってやる。
落ち着け……もうこんなこと二度と起こらない。
俺たちにもっと甘えていいんだ。守らせてくれよ。
お前は今まで人よりもずっと苦労して生きて来た。普通に生きてきたら知らなくてもいいはずの屈辱や恥辱も沢山味わってしまった。
傷だらけの洋を守らせて欲しい……お前はもっと周りに甘えてもいい人間だ。
「もう大丈夫だ。今、丈さんも駆けつけてくれるから、その変な薬の処置もしてもらおうな」
「うん……」
洋は無事だった。危なかったが無事だった。俺は今度はちゃんと救えたのだから、あとはこの後駆けつける丈さんに、手渡せばいい。
これでいい。洋を託して、俺は俺の道を歩めばいい。
生きていると…それぞれ変わっていくものだな。
でも、それは別れじゃない。
変わって変えて……心を寄り添い合っていくことなんだ。
これからは恋人……友人……いろんなスタイルで洋の傍にいる人が増えていけばいい。
俺もそのうちの一人になりたい。
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