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第4章
※安志編※ 太陽の欠片 13
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summer camp 8
揺れる茂みの向こうから、数人の若い男が突然現れた。summer camp の参加者だろうか。
とんでもなく嫌な予感がする。
逃げなくては……一歩近づくたびに僕は一歩退いた。男達は顔をニヤニヤさせ、どんどん近づいてくる。
「お~これはずいぶん綺麗な兄ちゃんだぜ」
「本当だ。かなりの上玉じゃないか」
「おいっこっちで一緒に飲もうぜ。来いよ」
冗談じゃない! こんな真夜中にこっそり酒を飲んでいる連中なんて危険過ぎる。 それにこいつらの変な目の座り方、酒だけじゃないかもしれない。まさかドラッグじゃ。
相手は4人だ。駄目だ、涼、逃げろ。
安志さんに注意されたことが脳裏を過る。そうだ、いくら僕でも大勢には叶わない。このシチュエーションは、すぐに逃げるしかない。恐怖に凍てつく躰をなんとか動かし慌ててバンガローへ戻ろうと駆け出した時、思いっきり後ろから蹴飛ばされて地べたに不様に転がってしまった。
一瞬目の前が真っ暗になる。
「うっ! 何するんだ! 」
「おいおい、誘っているのに何処へ行くつもりだよ~なぁいい酒あるんだ。一緒に飲もうぜ」
「結構だっ」
「つれないこと言うなよ~なぁあっちに車停めているから、来いよ」
「うわっ! 」
男の一人が俺の前に屈んで顔を覗き込んでくる。そして顎を掴まれ、無理やり上を向かされる。
「へぇこれは驚いた! 見れば見るほど綺麗な顔じゃねーか。男にしとくのもったいないほどだな」
「あぁいい味してそうだ。こんな綺麗な奴は見たことないぜ。俺はJapaneseとはまだやったことないんだ」
「なぁみんなであっちで味見しようぜっ」
「おーいいな! 」
「いい加減にしろ、僕は帰るっ」
だが起き上がろうとした躰を二人がかりで上から押さえつけられてしまい、身動きが取れない。まずい……背中に冷たい汗が流れるのを感じた。
「やめろっ! 離せっ!」
ここはsummer campの敷地内だし警備員が巡回に来るはずだ。だが……この状況はまずい!
大きな声で騒いで警備員に気づいてもらおうとした時、三人目の男に口をふさがれ、引きずられるように池のふちに停めてあった大型のキャンピングカーに連れ込まれてしまった。
あっという間の出来事だった。
えっ……自分でも驚くほど力が出ない。声も出ない。
こんな風に密室に連れ込まれてしまうのは初めてで、恐怖で体がすくんでしまう。抵抗らしい抵抗もできず、キャンピングカーの簡易ベッドの上に躰をドスンっと投げ飛ばされた。
「俺からでいいか」
「次は俺なっ」
ベッドに投げ飛ばされた躰をすぐさま起こして逃げようと試みたが、屈強な外人二人がかりで、腕と足をマットレスに貼り付けられ身動きを封じられてしまった。
「嫌だっ! やめろっ」
安志さん!
どうしよう……こんなことになるんなんて!
僕はまだ安志さんとキスしか…
手で押さえつけられた口。
あぁ息が苦しい。
恐怖で自然と目から涙があふれてきてしまう。
これだけは嫌だ。
こんな見ず知らずの男たちに押さえつけられて……無理やりになんて。
いくら揺すってもびくともしない躰。
叫ぼうと思っても呼吸が苦しく声がほとんど出ない。
怖い……
怖い……
嫌だ……
着ていたパジャマ代わりのスウェットはあっという間に下着ごと引きずり降ろされてしまった。
「わぉ! いい躰してんなぁ!」
「おい、触ってみろよ。この象牙色の滑らかな肌」
男の武骨な指が僕の太ももを撫で上げ、思わず悲鳴を上げた。
「ひっ! やっ…やめろ!」
上衣も捲り上げられ、男の指が乳首に伸びてくる。そんなところを触られるなんて! ゾクゾクとした嫌悪感と吐き気がこみ上げてくる。
「くっ」
絶望の中で、安志さんの穏やかな笑顔を思い出した。
くそっ!
こんなところでこんな風にやれらるわけにはいかない!なんとかこの状況を打破しないと。
僕は一瞬体の力を弱め、抵抗をあきらめたように見せかけた。
「おっ諦めたのか」
「あぁ……わかったよ。やらせてやるよ」
「物分かりいいじゃねぇか」
「その代わり一人ずつにしてくれ」
「可愛いこと言うな~いいぜっ。おいお前ら向こうにいってろ。一人ずつじっくり楽しみたいんだってよ。この可愛い子ちゃんが」
「あとでちゃんと替われよ。おいっお前ら外でもう一杯飲もうぜ」
僕の手を足を押さえつけていた男達は拘束を解き、外に出た。
手と足の拘束は解けた。
これで一対一だ。
チャンスは一度きり。
ギシリと音を立て、男がベッドに乗ってくる。
タイミングを逃すな!
揺れる茂みの向こうから、数人の若い男が突然現れた。summer camp の参加者だろうか。
とんでもなく嫌な予感がする。
逃げなくては……一歩近づくたびに僕は一歩退いた。男達は顔をニヤニヤさせ、どんどん近づいてくる。
「お~これはずいぶん綺麗な兄ちゃんだぜ」
「本当だ。かなりの上玉じゃないか」
「おいっこっちで一緒に飲もうぜ。来いよ」
冗談じゃない! こんな真夜中にこっそり酒を飲んでいる連中なんて危険過ぎる。 それにこいつらの変な目の座り方、酒だけじゃないかもしれない。まさかドラッグじゃ。
相手は4人だ。駄目だ、涼、逃げろ。
安志さんに注意されたことが脳裏を過る。そうだ、いくら僕でも大勢には叶わない。このシチュエーションは、すぐに逃げるしかない。恐怖に凍てつく躰をなんとか動かし慌ててバンガローへ戻ろうと駆け出した時、思いっきり後ろから蹴飛ばされて地べたに不様に転がってしまった。
一瞬目の前が真っ暗になる。
「うっ! 何するんだ! 」
「おいおい、誘っているのに何処へ行くつもりだよ~なぁいい酒あるんだ。一緒に飲もうぜ」
「結構だっ」
「つれないこと言うなよ~なぁあっちに車停めているから、来いよ」
「うわっ! 」
男の一人が俺の前に屈んで顔を覗き込んでくる。そして顎を掴まれ、無理やり上を向かされる。
「へぇこれは驚いた! 見れば見るほど綺麗な顔じゃねーか。男にしとくのもったいないほどだな」
「あぁいい味してそうだ。こんな綺麗な奴は見たことないぜ。俺はJapaneseとはまだやったことないんだ」
「なぁみんなであっちで味見しようぜっ」
「おーいいな! 」
「いい加減にしろ、僕は帰るっ」
だが起き上がろうとした躰を二人がかりで上から押さえつけられてしまい、身動きが取れない。まずい……背中に冷たい汗が流れるのを感じた。
「やめろっ! 離せっ!」
ここはsummer campの敷地内だし警備員が巡回に来るはずだ。だが……この状況はまずい!
大きな声で騒いで警備員に気づいてもらおうとした時、三人目の男に口をふさがれ、引きずられるように池のふちに停めてあった大型のキャンピングカーに連れ込まれてしまった。
あっという間の出来事だった。
えっ……自分でも驚くほど力が出ない。声も出ない。
こんな風に密室に連れ込まれてしまうのは初めてで、恐怖で体がすくんでしまう。抵抗らしい抵抗もできず、キャンピングカーの簡易ベッドの上に躰をドスンっと投げ飛ばされた。
「俺からでいいか」
「次は俺なっ」
ベッドに投げ飛ばされた躰をすぐさま起こして逃げようと試みたが、屈強な外人二人がかりで、腕と足をマットレスに貼り付けられ身動きを封じられてしまった。
「嫌だっ! やめろっ」
安志さん!
どうしよう……こんなことになるんなんて!
僕はまだ安志さんとキスしか…
手で押さえつけられた口。
あぁ息が苦しい。
恐怖で自然と目から涙があふれてきてしまう。
これだけは嫌だ。
こんな見ず知らずの男たちに押さえつけられて……無理やりになんて。
いくら揺すってもびくともしない躰。
叫ぼうと思っても呼吸が苦しく声がほとんど出ない。
怖い……
怖い……
嫌だ……
着ていたパジャマ代わりのスウェットはあっという間に下着ごと引きずり降ろされてしまった。
「わぉ! いい躰してんなぁ!」
「おい、触ってみろよ。この象牙色の滑らかな肌」
男の武骨な指が僕の太ももを撫で上げ、思わず悲鳴を上げた。
「ひっ! やっ…やめろ!」
上衣も捲り上げられ、男の指が乳首に伸びてくる。そんなところを触られるなんて! ゾクゾクとした嫌悪感と吐き気がこみ上げてくる。
「くっ」
絶望の中で、安志さんの穏やかな笑顔を思い出した。
くそっ!
こんなところでこんな風にやれらるわけにはいかない!なんとかこの状況を打破しないと。
僕は一瞬体の力を弱め、抵抗をあきらめたように見せかけた。
「おっ諦めたのか」
「あぁ……わかったよ。やらせてやるよ」
「物分かりいいじゃねぇか」
「その代わり一人ずつにしてくれ」
「可愛いこと言うな~いいぜっ。おいお前ら向こうにいってろ。一人ずつじっくり楽しみたいんだってよ。この可愛い子ちゃんが」
「あとでちゃんと替われよ。おいっお前ら外でもう一杯飲もうぜ」
僕の手を足を押さえつけていた男達は拘束を解き、外に出た。
手と足の拘束は解けた。
これで一対一だ。
チャンスは一度きり。
ギシリと音を立て、男がベッドに乗ってくる。
タイミングを逃すな!
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