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第4章
すれ違う 8
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そのまま洋のパジャマのズボンを一気に引き下げる。
「あっ……やだっ! もう離せっ!」
恥辱に唇を噛みしめる洋の表情に嗜虐心が煽られる。目を隠している分、半開きになっている形の良い桜色の唇が艶めいてぞくっとする。同時に日本にいた時と変わらず儚げで、私の手から今にも零れ落ちそうな雰囲気の洋が心配で堪らない。
あの日……父親に連れて行かれた洋を救えなかった。
そのことがいつまでも尾を引いているのかも知れない。
だから私の手元に洋がいないと、見知らぬ誰かと洋がいると不安になる。
洋が何か言いたそうにしているが、今の私は冷静に聞く状態じゃないので無視してしまう。それでも……洋のものを優しく揉み解し扱いていけば、怯えきっていた洋の躰も抗えずに次第に開かれていく。
私がこうなるようにした。
「やめろ……駄目だ! そこは」
そう抗いながらも無意識に腰を揺らしだしてしまう、洋が愛おしい。だがやはり目隠しが怖いらしく、ネクタイの生地が涙に濡れていくのを感じると、いくらか躊躇してしまった。
いつもなら、こんな風に洋を苛めないのに。
いつもなら、洋を泣かせたりしないのに。
今日の私は嫉妬で狂ったひどい奴だ。
いよいよ恐怖で洋の細い躰が激しく震え出したのを感じ、流石に目隠しは解いてやった。そのまま躰を反転させ、こちらを向かしてやる。ネクタイが洋の涙に濡れて罪悪感が込み上げてくる。ほっとしたような表情を浮かべ、私に抱きつきたそうにしている洋がいた。もう流石に許してやろうと思ったが、洋の白い躰の二つの赤い突起が熱を持ち始め、私を甘く誘ってくる。
「くっ……」
朱色に染まっていく洋の胸の尖りを指先でこね回せば、すぐに硬くなってくる。こんなに早く反応するようになって……洋の躰は、触れれば触れる程、過敏な反応をよこす。
こんな風に洋の躰を変えたのは私なんだと実感して、ますます止まらなくなってしまう。夢中で舐めていると、耳元に苦しそうな洋の声が届く。
「痛い……っ、ひっ……うぅ……」
幼子のように声をあげて…躰を震わせ激しく泣いている声に一気に現実に引き戻らされた。
洋を傷つけるつもりはなかった。
必死に抵抗したせいで汗と涙で長めの黒髪が艶めいて頬にべったりと張り付いている。そんな洋の髪を掻き分け、頬をそっと撫でて落ち着かせてやると、洋もほっとしたのか縋るように私にきつくしがみついてくる。
「丈……悪かったのは俺だ。丈をこんなにも怒らせたのは俺がきちんとkaiのこと説明していなかったから」
私がこんなに乱暴にしたのに、洋の方から真摯に詫びてくる。何故だ? こんなに無理矢理、縛ったり酷いことをしたのは私だ。それなのに何故洋は、私の行為をこんなにも簡単に許してしまうのか。
まるで私になら何をされても良いと思っているかのように身を委ね、許容してくれる洋が愛おしくもあり時々怖くもなる。
この幸せは束の間ものかもしれない。
いつか洋が壊れてしまうのではないか。
そんな気持ちがいつも付きまとう。
消えてしまいそうな儚い存在の洋。
こんなに激しく強引に抱いても、いつも受けいれてくれる洋。
洋がこんな私の傍に今もいてくれる……それが嬉しいのだ。
今度はそっと優しく壊れない様に抱こう……そう思って、心を込めた口づけをそっと落とし、散らしてやる。
すれ違う心
寄り添う心
心とはこんなにも柔軟に変化するものだったのか。
私は人らしい感情を、洋によって学んでいる。
「あっ……やだっ! もう離せっ!」
恥辱に唇を噛みしめる洋の表情に嗜虐心が煽られる。目を隠している分、半開きになっている形の良い桜色の唇が艶めいてぞくっとする。同時に日本にいた時と変わらず儚げで、私の手から今にも零れ落ちそうな雰囲気の洋が心配で堪らない。
あの日……父親に連れて行かれた洋を救えなかった。
そのことがいつまでも尾を引いているのかも知れない。
だから私の手元に洋がいないと、見知らぬ誰かと洋がいると不安になる。
洋が何か言いたそうにしているが、今の私は冷静に聞く状態じゃないので無視してしまう。それでも……洋のものを優しく揉み解し扱いていけば、怯えきっていた洋の躰も抗えずに次第に開かれていく。
私がこうなるようにした。
「やめろ……駄目だ! そこは」
そう抗いながらも無意識に腰を揺らしだしてしまう、洋が愛おしい。だがやはり目隠しが怖いらしく、ネクタイの生地が涙に濡れていくのを感じると、いくらか躊躇してしまった。
いつもなら、こんな風に洋を苛めないのに。
いつもなら、洋を泣かせたりしないのに。
今日の私は嫉妬で狂ったひどい奴だ。
いよいよ恐怖で洋の細い躰が激しく震え出したのを感じ、流石に目隠しは解いてやった。そのまま躰を反転させ、こちらを向かしてやる。ネクタイが洋の涙に濡れて罪悪感が込み上げてくる。ほっとしたような表情を浮かべ、私に抱きつきたそうにしている洋がいた。もう流石に許してやろうと思ったが、洋の白い躰の二つの赤い突起が熱を持ち始め、私を甘く誘ってくる。
「くっ……」
朱色に染まっていく洋の胸の尖りを指先でこね回せば、すぐに硬くなってくる。こんなに早く反応するようになって……洋の躰は、触れれば触れる程、過敏な反応をよこす。
こんな風に洋の躰を変えたのは私なんだと実感して、ますます止まらなくなってしまう。夢中で舐めていると、耳元に苦しそうな洋の声が届く。
「痛い……っ、ひっ……うぅ……」
幼子のように声をあげて…躰を震わせ激しく泣いている声に一気に現実に引き戻らされた。
洋を傷つけるつもりはなかった。
必死に抵抗したせいで汗と涙で長めの黒髪が艶めいて頬にべったりと張り付いている。そんな洋の髪を掻き分け、頬をそっと撫でて落ち着かせてやると、洋もほっとしたのか縋るように私にきつくしがみついてくる。
「丈……悪かったのは俺だ。丈をこんなにも怒らせたのは俺がきちんとkaiのこと説明していなかったから」
私がこんなに乱暴にしたのに、洋の方から真摯に詫びてくる。何故だ? こんなに無理矢理、縛ったり酷いことをしたのは私だ。それなのに何故洋は、私の行為をこんなにも簡単に許してしまうのか。
まるで私になら何をされても良いと思っているかのように身を委ね、許容してくれる洋が愛おしくもあり時々怖くもなる。
この幸せは束の間ものかもしれない。
いつか洋が壊れてしまうのではないか。
そんな気持ちがいつも付きまとう。
消えてしまいそうな儚い存在の洋。
こんなに激しく強引に抱いても、いつも受けいれてくれる洋。
洋がこんな私の傍に今もいてくれる……それが嬉しいのだ。
今度はそっと優しく壊れない様に抱こう……そう思って、心を込めた口づけをそっと落とし、散らしてやる。
すれ違う心
寄り添う心
心とはこんなにも柔軟に変化するものだったのか。
私は人らしい感情を、洋によって学んでいる。
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