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第4章
すれ違う 5
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そのまま下半身を一気に剥き出しにされて、恐怖の悲鳴が上がりそうになる。
「あっやだっ! もう離してくれ!」
恥辱に唇を噛みしめてしまう。いくら丈だって、こんな無理矢理に性急なのは嫌だ!丈はかなり酔っぱらって制御が効かない状態になっているのが分かる。普段なら絶対にこんな強引なことはしない。
耳元で丈が低く囁く。
「洋……何処にも行くな。心配になるんだ、君は相変わらず危なっかしくて」
「うっ……誤解を招いたことは謝る、お願いだから話を聞いてくれ」
「黙って」
今日の丈は理性を失っていて俺の言い分を聞いてくれない。そのことが悲しくて胸が締め付けられる。さらに背後から丈の大きな掌が前にまわってきて、俺のものをきゅっと掴んだ。思わず躰が強張るが、丈の手つきは優しく手の平でゆるゆると扱いてくれ、指先でくるくると撫でられると、恐怖で強張っていた躰がいくらか蕩けだす。
「んっ……ん」
だが視界が真っ暗で丈の顔が見えないのが怖い。そんなことお構いなしに丈が特に俺の感じやすい裏の部分を擦り出してくるから、躰の血が下半身で煮えたぎり、不覚にも自然に下半身が揺れ出してしまう。
「や……めろ、そこは……」
底の見えない快楽に溺れそうで、それが怖くて涙がじわっと溢れ出て目隠しされた布が濡れていくのを感じた。見えない世界で快楽だけを高められるのは、たまったものじゃない。このままではおかしくなりそうで、必死に懇願した。
「お願いだ! 丈これ……目隠しを取ってくれよ。丈の顔が見えないのは嫌だ」
「静かに」
さらに丈の手で強弱をつけてもみ込まれれば、感じやすくなった俺の躰は素直に反応し、先端から蜜がじわじわと溢れ出てしまう。
「んっ……あっ嫌だっ!」
このままイッてしまいそうで、ガタガタと震え出す俺の躰に動きに丈が気づいたらしく、ようやく目隠しを取ってくれて躰を仰向けに戻してくれた。
そっと目を開け、目隠しに使われていたネクタイがベッドサイドに置かれるのを見て、安堵した。
「丈っ!」
俺は丈の逞しい背中に手を回したいが、後ろ手に拘束されていて敵わない。
「手も……外して」
「……」
丈はまだ酔いから覚めないのか、今度はそのまま胸の尖りを指で摘んでくる。愛撫を繰り返し、指先で器用にこね回されれば、ジンジンと乳首が痛い位腫れてくるのが自分でも分かる。その部分を更に熱い吐息をかけながら舐められれば、ゾクゾクとしたものが駆け上がる。
「痛い……」
だが後ろ手に縛られた部分に体重がかかって、それがひどく痛んで快楽に集中出来ない。それなのに、あまりに強引に躰を高められ、それが悲しくて思わず声をあげて幼子のように泣いてしまった。
「っ……くっ……ひっ、うぅ……」
声を震わせ…躰を震わせ激しく泣いていると、丈はようやくはっとした表情を浮かべ、手の拘束を取ってくれた。そして沈痛な面持ちになり、俺の頬をそっと撫でてくれた。
「……悪かった。こんな風に抱くつもりはなかった」
「丈っ……」
やっと自由になった手を丈の広い背中にまわして、きゅっとしがみついた。やっと見えるようになった視界で、丈のことを真っすぐに見上げた。
「俺こそちゃんとkaiのこと最初に話しておけばよかった。そうすれば丈は勘違いしなかったのに」
丈は俺の手首にそっと触れて、そのまま躰を横にずらし、布団をかけてくれた。
「洋、痛かったな。本当にすまない」
「……もう大丈夫だ」
「もう寝よう……自制するよ。さっきは酷く苛めて悪かった」
どうしてなんだ。俺はいつもいつも……丈が何をしても許せてしまう。どんなにきつく抱かれても、丈となら快楽を感じるし、丈にならそうされてもいいとすら思ってしまう。
丈になら何をされてもいい。
本能でそう思っているからなのか。
丈が俺の傍にただいてくれるだけで、いい。
「このままじゃ眠れない。お願いだ。今度は優しく抱いてくれ。明日きちんと話すから。信じて……俺には丈だけだ」
「いいのか」
「俺こそ丈にさっき嫉妬してごめん。一人寝は寂しいものだな」
「いいんだよ。私こそカッとなって酷い抱き方をした。……私もここ最近洋が共に眠ってくれないので、寂しかった。抱きたくて堪らなかった!」
「あっやだっ! もう離してくれ!」
恥辱に唇を噛みしめてしまう。いくら丈だって、こんな無理矢理に性急なのは嫌だ!丈はかなり酔っぱらって制御が効かない状態になっているのが分かる。普段なら絶対にこんな強引なことはしない。
耳元で丈が低く囁く。
「洋……何処にも行くな。心配になるんだ、君は相変わらず危なっかしくて」
「うっ……誤解を招いたことは謝る、お願いだから話を聞いてくれ」
「黙って」
今日の丈は理性を失っていて俺の言い分を聞いてくれない。そのことが悲しくて胸が締め付けられる。さらに背後から丈の大きな掌が前にまわってきて、俺のものをきゅっと掴んだ。思わず躰が強張るが、丈の手つきは優しく手の平でゆるゆると扱いてくれ、指先でくるくると撫でられると、恐怖で強張っていた躰がいくらか蕩けだす。
「んっ……ん」
だが視界が真っ暗で丈の顔が見えないのが怖い。そんなことお構いなしに丈が特に俺の感じやすい裏の部分を擦り出してくるから、躰の血が下半身で煮えたぎり、不覚にも自然に下半身が揺れ出してしまう。
「や……めろ、そこは……」
底の見えない快楽に溺れそうで、それが怖くて涙がじわっと溢れ出て目隠しされた布が濡れていくのを感じた。見えない世界で快楽だけを高められるのは、たまったものじゃない。このままではおかしくなりそうで、必死に懇願した。
「お願いだ! 丈これ……目隠しを取ってくれよ。丈の顔が見えないのは嫌だ」
「静かに」
さらに丈の手で強弱をつけてもみ込まれれば、感じやすくなった俺の躰は素直に反応し、先端から蜜がじわじわと溢れ出てしまう。
「んっ……あっ嫌だっ!」
このままイッてしまいそうで、ガタガタと震え出す俺の躰に動きに丈が気づいたらしく、ようやく目隠しを取ってくれて躰を仰向けに戻してくれた。
そっと目を開け、目隠しに使われていたネクタイがベッドサイドに置かれるのを見て、安堵した。
「丈っ!」
俺は丈の逞しい背中に手を回したいが、後ろ手に拘束されていて敵わない。
「手も……外して」
「……」
丈はまだ酔いから覚めないのか、今度はそのまま胸の尖りを指で摘んでくる。愛撫を繰り返し、指先で器用にこね回されれば、ジンジンと乳首が痛い位腫れてくるのが自分でも分かる。その部分を更に熱い吐息をかけながら舐められれば、ゾクゾクとしたものが駆け上がる。
「痛い……」
だが後ろ手に縛られた部分に体重がかかって、それがひどく痛んで快楽に集中出来ない。それなのに、あまりに強引に躰を高められ、それが悲しくて思わず声をあげて幼子のように泣いてしまった。
「っ……くっ……ひっ、うぅ……」
声を震わせ…躰を震わせ激しく泣いていると、丈はようやくはっとした表情を浮かべ、手の拘束を取ってくれた。そして沈痛な面持ちになり、俺の頬をそっと撫でてくれた。
「……悪かった。こんな風に抱くつもりはなかった」
「丈っ……」
やっと自由になった手を丈の広い背中にまわして、きゅっとしがみついた。やっと見えるようになった視界で、丈のことを真っすぐに見上げた。
「俺こそちゃんとkaiのこと最初に話しておけばよかった。そうすれば丈は勘違いしなかったのに」
丈は俺の手首にそっと触れて、そのまま躰を横にずらし、布団をかけてくれた。
「洋、痛かったな。本当にすまない」
「……もう大丈夫だ」
「もう寝よう……自制するよ。さっきは酷く苛めて悪かった」
どうしてなんだ。俺はいつもいつも……丈が何をしても許せてしまう。どんなにきつく抱かれても、丈となら快楽を感じるし、丈にならそうされてもいいとすら思ってしまう。
丈になら何をされてもいい。
本能でそう思っているからなのか。
丈が俺の傍にただいてくれるだけで、いい。
「このままじゃ眠れない。お願いだ。今度は優しく抱いてくれ。明日きちんと話すから。信じて……俺には丈だけだ」
「いいのか」
「俺こそ丈にさっき嫉妬してごめん。一人寝は寂しいものだな」
「いいんだよ。私こそカッとなって酷い抱き方をした。……私もここ最近洋が共に眠ってくれないので、寂しかった。抱きたくて堪らなかった!」
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