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第3章
※番外編※ 星降る小高い丘にて3
しおりを挟む洋の腹に垂らした生クリームを、舌を使い綺麗に舐めってやった。白くきめ細やかな肌をじっくり味わうように丹念に舌先を動かした。洋にこのようなことをしたのは初めてだったので、羞恥でふるふると震えている。恥ずかいらしく手で自分の顔を隠しているせいで、キッチンの明るい電灯の下で、その美しい肢体を丸見えになってしまっていた。すべてを私に曝け出してくれている。それが嬉しい。
「うっ……うっ…」
羞恥心と快楽のはざまで揺れ動く洋が愛おしい。バレンタインは海外出張と重なり、独りで寂しい思いをさせたから、ホワイトデーは沢山甘やかしてやろうと密かに楽しみにしていたよ。まぁ……結局甘やかすというよりは、私の好きなようにさせてもらっているだけだが。
「んっ…ん…」
洋のものが硬くなって震えている。腹に残った生クリームを掬い、そこに擦り付けると途端に激しく洋が抵抗する。
「いやっ! やだやだ! 丈もう許して! そんなとこに駄目だ」
「洋のものならなんでも美味しいよ」
私は生クリームを舐めとるように舌を動かしていく。
「やっ……駄目だ」
恥ずかしさで暴れ出す洋の頬を、そっと撫でてやる。そして落ち着くように洋の汗ばんだ黒髪に手を差し入れ、優しく梳かしてやる。
「洋じっとしていて」
洋はこういう愛撫に弱い。
「うっ……ああ分かった」
躰から力を抜いてくれたので、洋の脚を大きく左右に開いて私のものを当てると、洋がぎゅっと目を瞑って、私に縋りつくようにしがみついてくる。そんなあどけない姿が可愛い。
「んっ」
いくら抱いても、どんなことがあっても、洋はその清らかな雰囲気を失わないでいてくれる。綺麗な美しい静かな花のような穢れなき私の思い人なんだ。洋が痛がらないように気を配りながら緩やかな律動を繰り返していく。
「はっ……んんっ、はっ……大きい」
洋の堪え気味な喘ぎ声がいつも可愛いと思う。軋む机の音と明るい電気、いつもと違う空間のせいか興奮が冷めやらない。
「じょっ……丈まだ?」
溜まらないといった顔をして、洋が潤んだ瞳で見上げてくる。
「あぁもういいのか。出しても」
コクリと恥ずかしそうに頷く洋に煽られ、一度ぎりぎりまで引き抜き最奥まで突き上げていくと、私ももうとまらない。そこから強い律動をズンっと深く加えていく。
「ああっ……」
痺れるような感覚だ。洋の感じている声が甘く甘く脳裏に響いてくる。
「はうっ」
「くっ」
ようやく解放してやると、洋は赤く潤んだ瞳で呆然としていたので、しばらく洋を労わるように背中に手を回しぎゅっと抱きしめてやる。
「洋、偉かったな」
「あっ……丈の馬鹿!こっこんなとこで、こんな風に……抱くなんて」
「ふっおいで綺麗にしてやるから」
「なっ!おっ降ろせよ!」
ジタバタと暴れる洋を抱きかかえバスルームへ連れて行く。
「悪かったよ。あんなところで、腰痛かっただろ?」
「分かってるならやるな!」
そっぽをむいて怒っているが、湯船に浸かりそっと抱きしめてやると、怒りながらも体重を預けてくるところが、可愛いくて愛おしい仕草だ。
「悪かったな。そんなに嫌だったか?」
「いや……俺も気持ち良かったから……嫌じゃなかった」
湯船に沈みそうな位、深く俯きながら洋が小さな声でそう呟いた。
「洋は本当に可愛いことを」
見下ろすと、首筋まで赤く染め上げた洋がいた。のぼせそうだ。洋に──
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