重なる月

志生帆 海

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第3章

プロローグ

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 夢のような海外旅行から帰国し、また日常に戻った。

 結局あの墓の武将が一体どういう人物だったのかは知らない。

 丈は詳しく調べたいと言ったが、俺が止めた。

 あの夢の男が切に望んでいたのは、生まれ変わって再会すること。

 それが一番大切なことだった。

 まだ他に何か大変な事が潜んでいる気配は感じていた。ひしひしと俺には伝わっていた。だが俺はそれ以上……知ることを拒んでしまった。

 良くないことかもしれない……ならば逃げよう。

 どこまでも丈とふたりで!

 彼らの切なる願いは、俺が綺麗な躰のまま丈と結ばれたことによって、全部叶えたつもりになっていた。

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