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後編
22 復習
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「興味があるかないかと聞かれれば、そりゃあ興味はあります。でもですね……その畏れ多いと言いますかなんと言いますか」
エルヴィは後ろを振りむけないまま、早口でたくさん話しだした。
「こっちを向いてください」
「でも……」
「エルヴィ」
胸がバクバクしながら、エルヴィは意を決して振り向いた。しかし背後に立っていたユリウスは、エルヴィが用意したタオルで身体を拭いてきちんと服を着ていた。
髪だけがまだ少しだけ水気を帯びており、太陽に照らされキラキラと光っていて綺麗だった。
「すまない。あなたがあまりに可愛くて」
ユリウスは、キョトンとしているエルヴィを見てくすりと笑った。いつもエルヴィに驚かされてばかりなので、少しだけ反撃したい気持ちになったのだ。
「……」
「おや、残念そうな顔ですね」
「ユリウスってこんなに意地悪でしたっけ?」
エルヴィは眉を顰めて、複雑な顔をした。
「そう言えばそうですね。自分でも初めて知りましたが、私は案外こういう面もあるようです。嫌いになりましたか?」
「……悔しいけれど好きです」
エルヴィは、なんでも包み込んでくれる優しいユリウスが好きだ。だけどちょっと意地悪なところも好きかもしれないとエルヴィは思った。
「それは良かった」
ニッコリと笑ったユリウスは、なんだか色っぽくってエルヴィはソワソワしてしまう。
元々好きだったのに、一年ぶりのユリウスはなかなかの破壊力なのだ。今のエルヴィには耐えられそうにない。
「私も好きですよ」
ユリウスに手を引かれ、ギュッと強く抱き締められた。
「ああ、やっとエルヴィに目一杯触れます」
「……もしかしてそのために水浴びを?」
「それ以外の理由なんてありませんよ。大切なエルヴィに触れるのだから、きちんと身を清めないと」
エルヴィは全く気にしないのだが、ユリウスは汗をかいた後にくっ付かれるのが苦手なようだった。
「じゃあ、わたしも清めます!」
急に自分は大丈夫なのかと不安になってきた。色々と気を遣ってくれるユリウスなのだから、相手にも同じ物を求めることだろう。
もしユリウスに嫌われたら、エルヴィは耐えられないと思って焦り始めた。
「……だめです」
「え?」
「もう待てません」
ユリウスは大きな手でエルヴィの頬を包み込み、唇を合わせた。
「……んっ」
軽く啄むような優しいキスから始まり、どんどんと濃厚なものに変化していった。
久しぶりの心地よさと、恥ずかしさと、息苦しさにエルヴィはいっぱいいっぱいになってユリウスの背中に必死にしがみついた。
「エルヴィ……口を開けてください」
「ふっ……んん……こう……ですか」
「……そう。上手ですよ」
訳のわからぬまま舌を絡めとられて、エルヴィはとろんとしてきてしまった。
すると大きな風が吹き、家の周りの木々がザーッと音を立てた。そしてその音がきっかけで、エルヴィは我に返った。もしこの場面を誰かに見られたらという羞恥心がエルヴィの中に初めて生まれたのだった。
「あの……ここは……んっ……外なので……恥ずかしいです」
キスの合間に、エルヴィは必死にそう訴えた。ユリウスは名残惜しそうにゆっくりと身体を離し、エルヴィの濡れた唇を親指でなぞった。
「ここで水浴びをしていたのに、外でのキスは恥ずかしいのですか?」
「ううっ……それとこれとは……」
「二度と水浴びなどしてはいけませんよ」
「……はい」
エルヴィが反省した姿を見て満足したユリウスは、ひょいと彼女を横抱きにした。
「ひゃあ」
「中で続きを」
ユリウスはエルヴィを抱き上げながら、器用に扉を開けそのままベッドにおろした。
「ちょっと待ってください! 一年ぶりなので免疫がないのですが」
すでに押し倒されているエルヴィは、ユリウスに正直にそう伝えた。さっきから、胸がドキドキしすぎて破れてしまうのではないかと思っていたからだ。
「では、復習をしましょう」
「……復習?」
「ええ。今日先に進むのは我慢します」
「が、我慢?」
「屋敷に戻ったら、あなたの全部をもらいます。私が我慢のできる男でよかったですね」
ユリウスのとんでもない宣言に驚いている暇もなく、エルヴィの唇は再び塞がれた。
指を絡めながら息ができないほど何度も激しいキスをされ、そのまま逞しい胸に抱き締められた。
「エルヴィ、もう二度と……私の前から消えないでください」
その懇願するような哀しそうな声の響きに、エルヴィは涙が出そうになった。
この一年エルヴィは悩み苦しみ、魔法使いである自分をこのまま終わらせることに決めた。だがその決断をしたことで、どれだけユリウスを傷付けてしまったのだろうか。
「ごめん……なさい」
「謝って欲しいわけじゃないです。ずっと私の傍にいてください」
「はい。約束します」
ユリウスは嬉しそうに微笑み、エルヴィを胸の中に抱え込むと安心したようにそのまま眠ってしまった。
エルヴィもユリウスの体温の心地よさに、うとうとと眠たさが襲ってきた。こんな風に幸せな気持ちで眠れたのは、一年ぶりだった。
ユリウスが目を覚ますと、隣にエルヴィはいなかった。
「エルヴィ……エルヴィ!」
さっきのは自分に都合の良い夢だったのではないかと、ユリウスは飛び起きた。
「エルヴィ!」
大声で名前を呼んでいると、エルヴィがひょっこりと顔を出した。
「ユリウス、起きたのですね。もうすぐ晩ご飯ができますよ。昼も食べていないからお腹空いたのではありませんか? わたしが作るのであまり期待しないで欲しいですけど」
「……」
「あれ? もしかしてお腹減ってませんか」
「いや、エルヴィがいて安心しました」
ユリウスは両目を右手で押さえて、掠れた声でそう呟いた。
それからゆっくりとエルヴィに近付き、背中から手を回してギュッと抱き締めた。
「居てくれて良かったです」
「……大丈夫です。ちゃんといますよ」
エルヴィはくるりと方向を変えて、まだ不安そうなユリウスの胸に顔をつけすりすりと甘えた。
その可愛くて懐かしい仕草に、ユリウスはだんだんと心が落ち着いてきた。
「さあ、一緒にご飯を食べましょう」
「ええ」
エルヴィが作ったシチューを温めて、パンと一緒にテーブルに出した。
「すみません。これくらいしかできなくて」
「エルヴィが作ってくれるなら何でも嬉しいですよ」
「お口に合えばいいのですけれど」
ユリウスは一口食べて、ニコリと微笑んだ。
「すごく美味しい。エルヴィは料理上手だったのですね」
「魔法の修行中は、わたしが師匠に作っていましたから、自然と鍛えられたのです。一人の時は適当でしたけどね」
「またエルヴィの初めてを知れて嬉しいです」
料理の出来もよかったのだろうが、なにより二人で食べる食事は普段以上に美味しく感じた。
お腹が満たされたので、二人は今後のことをきちんと話し合うことにした。
「私はエルヴィと一緒にラハティ公爵領で暮らしたいと思っています」
「はい」
「正式に籍も入れたい」
ユリウスの言葉にエルヴィは反応できなかった。
「いえ、それは。わたしは形にはこだわりません。正体を隠す以上、事実婚の方がいいと思います」
「いや、だめです。私はあなたときちんと夫婦になりたいのです」
エルヴィはユリウスに迷惑がかかることを恐れていた。
「魔法使いのエルヴィは亡くなってしまった。これはもう覆さないほうがいいでしょう。国中が大混乱するでしょうから」
「そう……ですよね」
「私がラハティ公爵領の医学発展のために尽力してくれた平民の薬師を好きになり、妻に迎えることになったということにします。もちろんそれがエルヴィ、あなたです」
エルヴィは目を見開いた。まさか、ユリウスはただの平民を正式な妻として迎える気なのだろうか?
「私はエルヴィだと知らずに、優秀な薬師を探してこの村に来たのです。魔法が使えずとも、あなたを雇いたいだけの実力があります」
「いえ、そんな……」
「本当のことです。一人の薬師としても、力を貸してほしい。これならば結婚するに当たって嘘はついていません」
確かにこれならば、嘘はついていない。ただ、本当のことを言っていないだけだ。
「平民の妻など許されないでしょう。エルヴィを死んだことにするのであれば、わたしの顔を知られるわけにはいかないので、まともに社交もできません。それにそもそも、貴族令嬢として必要なダンスや楽器や刺繍もできません。わたしは高位貴族並みの待遇でしたが、魔法ができるということで色々なことを免除してもらっていました。正式な公爵家の妻としては失格です」
エルヴィは人生のほとんどを魔法の訓練に使って生きてきた。それを今、後悔するなんて。
「わたしはユリウスと一緒にいたいです。薬師としてもできることはさせていただきます。でも、籍を入れるのは無理です」
自分で言っていて悲しくなってくるが、どう考えても今のエルヴィとユリウスとでは釣り合いが取れていなかった。
エルヴィは後ろを振りむけないまま、早口でたくさん話しだした。
「こっちを向いてください」
「でも……」
「エルヴィ」
胸がバクバクしながら、エルヴィは意を決して振り向いた。しかし背後に立っていたユリウスは、エルヴィが用意したタオルで身体を拭いてきちんと服を着ていた。
髪だけがまだ少しだけ水気を帯びており、太陽に照らされキラキラと光っていて綺麗だった。
「すまない。あなたがあまりに可愛くて」
ユリウスは、キョトンとしているエルヴィを見てくすりと笑った。いつもエルヴィに驚かされてばかりなので、少しだけ反撃したい気持ちになったのだ。
「……」
「おや、残念そうな顔ですね」
「ユリウスってこんなに意地悪でしたっけ?」
エルヴィは眉を顰めて、複雑な顔をした。
「そう言えばそうですね。自分でも初めて知りましたが、私は案外こういう面もあるようです。嫌いになりましたか?」
「……悔しいけれど好きです」
エルヴィは、なんでも包み込んでくれる優しいユリウスが好きだ。だけどちょっと意地悪なところも好きかもしれないとエルヴィは思った。
「それは良かった」
ニッコリと笑ったユリウスは、なんだか色っぽくってエルヴィはソワソワしてしまう。
元々好きだったのに、一年ぶりのユリウスはなかなかの破壊力なのだ。今のエルヴィには耐えられそうにない。
「私も好きですよ」
ユリウスに手を引かれ、ギュッと強く抱き締められた。
「ああ、やっとエルヴィに目一杯触れます」
「……もしかしてそのために水浴びを?」
「それ以外の理由なんてありませんよ。大切なエルヴィに触れるのだから、きちんと身を清めないと」
エルヴィは全く気にしないのだが、ユリウスは汗をかいた後にくっ付かれるのが苦手なようだった。
「じゃあ、わたしも清めます!」
急に自分は大丈夫なのかと不安になってきた。色々と気を遣ってくれるユリウスなのだから、相手にも同じ物を求めることだろう。
もしユリウスに嫌われたら、エルヴィは耐えられないと思って焦り始めた。
「……だめです」
「え?」
「もう待てません」
ユリウスは大きな手でエルヴィの頬を包み込み、唇を合わせた。
「……んっ」
軽く啄むような優しいキスから始まり、どんどんと濃厚なものに変化していった。
久しぶりの心地よさと、恥ずかしさと、息苦しさにエルヴィはいっぱいいっぱいになってユリウスの背中に必死にしがみついた。
「エルヴィ……口を開けてください」
「ふっ……んん……こう……ですか」
「……そう。上手ですよ」
訳のわからぬまま舌を絡めとられて、エルヴィはとろんとしてきてしまった。
すると大きな風が吹き、家の周りの木々がザーッと音を立てた。そしてその音がきっかけで、エルヴィは我に返った。もしこの場面を誰かに見られたらという羞恥心がエルヴィの中に初めて生まれたのだった。
「あの……ここは……んっ……外なので……恥ずかしいです」
キスの合間に、エルヴィは必死にそう訴えた。ユリウスは名残惜しそうにゆっくりと身体を離し、エルヴィの濡れた唇を親指でなぞった。
「ここで水浴びをしていたのに、外でのキスは恥ずかしいのですか?」
「ううっ……それとこれとは……」
「二度と水浴びなどしてはいけませんよ」
「……はい」
エルヴィが反省した姿を見て満足したユリウスは、ひょいと彼女を横抱きにした。
「ひゃあ」
「中で続きを」
ユリウスはエルヴィを抱き上げながら、器用に扉を開けそのままベッドにおろした。
「ちょっと待ってください! 一年ぶりなので免疫がないのですが」
すでに押し倒されているエルヴィは、ユリウスに正直にそう伝えた。さっきから、胸がドキドキしすぎて破れてしまうのではないかと思っていたからだ。
「では、復習をしましょう」
「……復習?」
「ええ。今日先に進むのは我慢します」
「が、我慢?」
「屋敷に戻ったら、あなたの全部をもらいます。私が我慢のできる男でよかったですね」
ユリウスのとんでもない宣言に驚いている暇もなく、エルヴィの唇は再び塞がれた。
指を絡めながら息ができないほど何度も激しいキスをされ、そのまま逞しい胸に抱き締められた。
「エルヴィ、もう二度と……私の前から消えないでください」
その懇願するような哀しそうな声の響きに、エルヴィは涙が出そうになった。
この一年エルヴィは悩み苦しみ、魔法使いである自分をこのまま終わらせることに決めた。だがその決断をしたことで、どれだけユリウスを傷付けてしまったのだろうか。
「ごめん……なさい」
「謝って欲しいわけじゃないです。ずっと私の傍にいてください」
「はい。約束します」
ユリウスは嬉しそうに微笑み、エルヴィを胸の中に抱え込むと安心したようにそのまま眠ってしまった。
エルヴィもユリウスの体温の心地よさに、うとうとと眠たさが襲ってきた。こんな風に幸せな気持ちで眠れたのは、一年ぶりだった。
ユリウスが目を覚ますと、隣にエルヴィはいなかった。
「エルヴィ……エルヴィ!」
さっきのは自分に都合の良い夢だったのではないかと、ユリウスは飛び起きた。
「エルヴィ!」
大声で名前を呼んでいると、エルヴィがひょっこりと顔を出した。
「ユリウス、起きたのですね。もうすぐ晩ご飯ができますよ。昼も食べていないからお腹空いたのではありませんか? わたしが作るのであまり期待しないで欲しいですけど」
「……」
「あれ? もしかしてお腹減ってませんか」
「いや、エルヴィがいて安心しました」
ユリウスは両目を右手で押さえて、掠れた声でそう呟いた。
それからゆっくりとエルヴィに近付き、背中から手を回してギュッと抱き締めた。
「居てくれて良かったです」
「……大丈夫です。ちゃんといますよ」
エルヴィはくるりと方向を変えて、まだ不安そうなユリウスの胸に顔をつけすりすりと甘えた。
その可愛くて懐かしい仕草に、ユリウスはだんだんと心が落ち着いてきた。
「さあ、一緒にご飯を食べましょう」
「ええ」
エルヴィが作ったシチューを温めて、パンと一緒にテーブルに出した。
「すみません。これくらいしかできなくて」
「エルヴィが作ってくれるなら何でも嬉しいですよ」
「お口に合えばいいのですけれど」
ユリウスは一口食べて、ニコリと微笑んだ。
「すごく美味しい。エルヴィは料理上手だったのですね」
「魔法の修行中は、わたしが師匠に作っていましたから、自然と鍛えられたのです。一人の時は適当でしたけどね」
「またエルヴィの初めてを知れて嬉しいです」
料理の出来もよかったのだろうが、なにより二人で食べる食事は普段以上に美味しく感じた。
お腹が満たされたので、二人は今後のことをきちんと話し合うことにした。
「私はエルヴィと一緒にラハティ公爵領で暮らしたいと思っています」
「はい」
「正式に籍も入れたい」
ユリウスの言葉にエルヴィは反応できなかった。
「いえ、それは。わたしは形にはこだわりません。正体を隠す以上、事実婚の方がいいと思います」
「いや、だめです。私はあなたときちんと夫婦になりたいのです」
エルヴィはユリウスに迷惑がかかることを恐れていた。
「魔法使いのエルヴィは亡くなってしまった。これはもう覆さないほうがいいでしょう。国中が大混乱するでしょうから」
「そう……ですよね」
「私がラハティ公爵領の医学発展のために尽力してくれた平民の薬師を好きになり、妻に迎えることになったということにします。もちろんそれがエルヴィ、あなたです」
エルヴィは目を見開いた。まさか、ユリウスはただの平民を正式な妻として迎える気なのだろうか?
「私はエルヴィだと知らずに、優秀な薬師を探してこの村に来たのです。魔法が使えずとも、あなたを雇いたいだけの実力があります」
「いえ、そんな……」
「本当のことです。一人の薬師としても、力を貸してほしい。これならば結婚するに当たって嘘はついていません」
確かにこれならば、嘘はついていない。ただ、本当のことを言っていないだけだ。
「平民の妻など許されないでしょう。エルヴィを死んだことにするのであれば、わたしの顔を知られるわけにはいかないので、まともに社交もできません。それにそもそも、貴族令嬢として必要なダンスや楽器や刺繍もできません。わたしは高位貴族並みの待遇でしたが、魔法ができるということで色々なことを免除してもらっていました。正式な公爵家の妻としては失格です」
エルヴィは人生のほとんどを魔法の訓練に使って生きてきた。それを今、後悔するなんて。
「わたしはユリウスと一緒にいたいです。薬師としてもできることはさせていただきます。でも、籍を入れるのは無理です」
自分で言っていて悲しくなってくるが、どう考えても今のエルヴィとユリウスとでは釣り合いが取れていなかった。
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