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前編
11 過去を知りたい①
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「ユリウス様、お庭に薬草を植えてもよろしいですか? 毒性のあるものは避けますので」
エルヴィの寿命があと十日になった日、ユリウスはそんなことを聞かれた。
「ええ、それは構いませんが。もし体調が悪いなら、すぐに医者を呼びますよ」
もしかして身体に異変が起きたのかと思い、ユリウスは心配した。
「いえ、違うんです。簡単な解熱剤や消毒薬はすぐに作れるので、ラハティ家の屋敷にあったら何かの役に立つと思いまして。わたしは師匠から薬学も学んでいましたので」
「そうなのですか。エルヴィ嬢は多才ですね」
「いえいえ、それほどではありません。わたしは攻撃魔法は得意ですが、回復魔法は苦手なので薬学も覚えろと師匠に叩き込まれました。それから興味が出て他の様々な薬も学んだのです」
許可をもらったエルヴィは、庭師のエドガーと薬草を植える場所を相談していた。
「私も見ていていいですか?」
「はい、もちろんです。本当はいちから手で植えたいのですが、わたしには時間がないので今回は魔法で出しますね」
エルヴィはパンと手を叩いた。
「薬草」
その瞬間、にょきにょきと土から葉が生えてた。
「おおーっ!」
事前にエルヴィに呼ばれていた使用人たちは、それを見て歓声をあげていた。ユリウスも何度見ても魔法は不思議だな、と思っていた。
「これを三枚、これを二枚を細かく潰すと解熱剤になります。これが一人分で、多くても少なくてもいけません」
「はい」
「そしてこの薬草は、薄皮をこのようにめくると消毒ができます。食べることはできないので、間違っても口には入れないように注意してください。必ず傷口に貼るだけにしてください」
「はい」
エルヴィはまるで本物の薬師のように、使用人たちに作り方を丁寧に教えていた。
「二十年前にこの国では流行病があったことをご存知ですか? わたしもまだ幼かったので記憶はありませんが……恐らくラハティ公爵領も多くの被害にあったはずです。こういう場合は、流通している既成の薬はすぐになくなります。これを作ったからといって大きな病気や怪我は治りませんが、初期の処置としてあるのとないのでは生存率に関わります」
エルヴィは自分がいなくなった後も、ユリウスをはじめ……この領地の皆には幸せに過ごして欲しかった。そのために、できることはしておきたかった。
「屋敷に植えていれば、すぐに薬を作ることができます。できれば領内にもまとめて植えられる場所があればいいのですが」
「場所は確保できます。そのお話はありがたいのですが、そんな薬を作って……医者や薬師が嫌がらないでしょうか?」
「難しい薬は素人が作るのは難しいです。だから、彼らの仕事が減ることはありませんよ。でもそうですね……領地内に植える時は公爵家が量を管理をした方が安心かもしれません」
エルヴィの話を聞いていたユリウスの顔は、どんどん青ざめていった。
「……」
「旦那様、大丈夫ですか」
「あ、ああ。平気だ」
ジュードに声をかけられ、ユリウスはハッと我に返った。
「ユリウス様?」
心配そうにこちらを見つめるエルヴィに、ユリウスは無理矢理笑顔を作り「先に部屋に戻っているよ」とだけ伝え屋敷に戻って行った。
「私も失礼します。皆はこのままエルヴィ様に教えていただくように」
「はい」
ジュードは頭を下げ、ユリウスの後を追って行った。
「ユリウス様、体調が悪いのでしょうか?」
「……昔を思い出されたのでしょう。さあ、旦那様のことはジュードに任せて続きをしましょう」
エルヴィはユリウスが心配だったが、そのまま薬草の講義を続けた。
♢♢♢
「旦那様」
自室で俯いていたユリウスの前に、ジュードは温かい紅茶を置いた。
「……どうぞ。心が落ち着くハーブティーです」
「悪いな」
「いえ」
「少し一人にさせてくれないか」
「わかりました」
ユリウスは若くで亡くなった妻ナターシャのことを思い出していた。まさにエルヴィが話していた二十年前の流行病で、命を落としたからだ。
たった一カ月のことだった。その一カ月で、この国は多くの死者を出した。不幸中の幸いだったのは半年足らずで、すっかりその流行病は落ち着いたことだけだった。
当時のユリウスは、長期遠征に出ていた。まだ魔物も多く、騎士の仕事はとても忙しかった。普段から家に帰れないことも多く、こんなことはよくあることだった。
だから、知らなかった。まさか自分の妻が流行病にかかっていたなんて。
ナターシャはとても優秀な女性で、有力な公爵家の末娘だった。貴族令嬢らしく美しく品のある彼女は、常に凛としていた。
『旦那様のご迷惑になるから、私の病状は伝えないで』
使用人たちにそう指示をしたので、ユリウスの元に報告の手紙がこなかった。
いくら遠征に行っていたとしても、急用の用事ならば手紙などいくらでも送れるというのに。
『私の薬は後でいいわ。先に領民の子どもたちに渡してあげて』
優しく聡明なナターシャは、自分を後回しにし領民たちのことを一番に考え……自分は一気に病状が悪化してあっけなく息を引き取った。
『奥様の命を無視してでも、報告するべきでした』
使用人たちに泣いて謝られたが、それを責める気にはならなかった。まさかナターシャがそんなに早く命を落とすとは、誰も思っていなかったことは容易に予想がついたからだ。
なのでナターシャの訃報を知ったのは、まだユリウスが遠征先にいた時だった。
コンコンコン
ノック音に気が付き、ユリウスは現実に意識が戻ってきた。
「ユリウス様、大丈夫ですか?」
「……ああ」
「すみません。エドガーさんから聞いてしまいました。奥様はあの流行病で亡くなられたのですね。知らなかったとは言え、不用意に話を出して申し訳ありませんでした」
エルヴィは深く頭を下げた。
「いや、気にしなくていいですよ」
「今でも愛していらっしゃるんですよね?」
「……」
「再婚されないのは、ユリウス様が奥様を思い続けていらっしゃるからだと噂になっていました」
亡くなっても尚、ユリウスに想ってもらえる奥様は幸せ者だとエルヴィは思った。
「それなのに……ユリウス様のお気持ちを考えずに、無理矢理私の恋人のふりなんてさせてすみませんでした。死ぬなんて言われたら、断れないことをわかっていたのに」
エルヴィは自分が我儘を言ったことで、ユリウスを傷つけているのではないかと思った。
「……違うのです」
「え?」
「その噂は間違っている。私は……私は……」
とても苦しそうに、ユリウスは言葉を絞り出しているようだった。
「私はナターシャを愛していなかった」
ユリウスの絞り出すような苦しそうな声に、エルヴィは言葉をなくした。
エルヴィの寿命があと十日になった日、ユリウスはそんなことを聞かれた。
「ええ、それは構いませんが。もし体調が悪いなら、すぐに医者を呼びますよ」
もしかして身体に異変が起きたのかと思い、ユリウスは心配した。
「いえ、違うんです。簡単な解熱剤や消毒薬はすぐに作れるので、ラハティ家の屋敷にあったら何かの役に立つと思いまして。わたしは師匠から薬学も学んでいましたので」
「そうなのですか。エルヴィ嬢は多才ですね」
「いえいえ、それほどではありません。わたしは攻撃魔法は得意ですが、回復魔法は苦手なので薬学も覚えろと師匠に叩き込まれました。それから興味が出て他の様々な薬も学んだのです」
許可をもらったエルヴィは、庭師のエドガーと薬草を植える場所を相談していた。
「私も見ていていいですか?」
「はい、もちろんです。本当はいちから手で植えたいのですが、わたしには時間がないので今回は魔法で出しますね」
エルヴィはパンと手を叩いた。
「薬草」
その瞬間、にょきにょきと土から葉が生えてた。
「おおーっ!」
事前にエルヴィに呼ばれていた使用人たちは、それを見て歓声をあげていた。ユリウスも何度見ても魔法は不思議だな、と思っていた。
「これを三枚、これを二枚を細かく潰すと解熱剤になります。これが一人分で、多くても少なくてもいけません」
「はい」
「そしてこの薬草は、薄皮をこのようにめくると消毒ができます。食べることはできないので、間違っても口には入れないように注意してください。必ず傷口に貼るだけにしてください」
「はい」
エルヴィはまるで本物の薬師のように、使用人たちに作り方を丁寧に教えていた。
「二十年前にこの国では流行病があったことをご存知ですか? わたしもまだ幼かったので記憶はありませんが……恐らくラハティ公爵領も多くの被害にあったはずです。こういう場合は、流通している既成の薬はすぐになくなります。これを作ったからといって大きな病気や怪我は治りませんが、初期の処置としてあるのとないのでは生存率に関わります」
エルヴィは自分がいなくなった後も、ユリウスをはじめ……この領地の皆には幸せに過ごして欲しかった。そのために、できることはしておきたかった。
「屋敷に植えていれば、すぐに薬を作ることができます。できれば領内にもまとめて植えられる場所があればいいのですが」
「場所は確保できます。そのお話はありがたいのですが、そんな薬を作って……医者や薬師が嫌がらないでしょうか?」
「難しい薬は素人が作るのは難しいです。だから、彼らの仕事が減ることはありませんよ。でもそうですね……領地内に植える時は公爵家が量を管理をした方が安心かもしれません」
エルヴィの話を聞いていたユリウスの顔は、どんどん青ざめていった。
「……」
「旦那様、大丈夫ですか」
「あ、ああ。平気だ」
ジュードに声をかけられ、ユリウスはハッと我に返った。
「ユリウス様?」
心配そうにこちらを見つめるエルヴィに、ユリウスは無理矢理笑顔を作り「先に部屋に戻っているよ」とだけ伝え屋敷に戻って行った。
「私も失礼します。皆はこのままエルヴィ様に教えていただくように」
「はい」
ジュードは頭を下げ、ユリウスの後を追って行った。
「ユリウス様、体調が悪いのでしょうか?」
「……昔を思い出されたのでしょう。さあ、旦那様のことはジュードに任せて続きをしましょう」
エルヴィはユリウスが心配だったが、そのまま薬草の講義を続けた。
♢♢♢
「旦那様」
自室で俯いていたユリウスの前に、ジュードは温かい紅茶を置いた。
「……どうぞ。心が落ち着くハーブティーです」
「悪いな」
「いえ」
「少し一人にさせてくれないか」
「わかりました」
ユリウスは若くで亡くなった妻ナターシャのことを思い出していた。まさにエルヴィが話していた二十年前の流行病で、命を落としたからだ。
たった一カ月のことだった。その一カ月で、この国は多くの死者を出した。不幸中の幸いだったのは半年足らずで、すっかりその流行病は落ち着いたことだけだった。
当時のユリウスは、長期遠征に出ていた。まだ魔物も多く、騎士の仕事はとても忙しかった。普段から家に帰れないことも多く、こんなことはよくあることだった。
だから、知らなかった。まさか自分の妻が流行病にかかっていたなんて。
ナターシャはとても優秀な女性で、有力な公爵家の末娘だった。貴族令嬢らしく美しく品のある彼女は、常に凛としていた。
『旦那様のご迷惑になるから、私の病状は伝えないで』
使用人たちにそう指示をしたので、ユリウスの元に報告の手紙がこなかった。
いくら遠征に行っていたとしても、急用の用事ならば手紙などいくらでも送れるというのに。
『私の薬は後でいいわ。先に領民の子どもたちに渡してあげて』
優しく聡明なナターシャは、自分を後回しにし領民たちのことを一番に考え……自分は一気に病状が悪化してあっけなく息を引き取った。
『奥様の命を無視してでも、報告するべきでした』
使用人たちに泣いて謝られたが、それを責める気にはならなかった。まさかナターシャがそんなに早く命を落とすとは、誰も思っていなかったことは容易に予想がついたからだ。
なのでナターシャの訃報を知ったのは、まだユリウスが遠征先にいた時だった。
コンコンコン
ノック音に気が付き、ユリウスは現実に意識が戻ってきた。
「ユリウス様、大丈夫ですか?」
「……ああ」
「すみません。エドガーさんから聞いてしまいました。奥様はあの流行病で亡くなられたのですね。知らなかったとは言え、不用意に話を出して申し訳ありませんでした」
エルヴィは深く頭を下げた。
「いや、気にしなくていいですよ」
「今でも愛していらっしゃるんですよね?」
「……」
「再婚されないのは、ユリウス様が奥様を思い続けていらっしゃるからだと噂になっていました」
亡くなっても尚、ユリウスに想ってもらえる奥様は幸せ者だとエルヴィは思った。
「それなのに……ユリウス様のお気持ちを考えずに、無理矢理私の恋人のふりなんてさせてすみませんでした。死ぬなんて言われたら、断れないことをわかっていたのに」
エルヴィは自分が我儘を言ったことで、ユリウスを傷つけているのではないかと思った。
「……違うのです」
「え?」
「その噂は間違っている。私は……私は……」
とても苦しそうに、ユリウスは言葉を絞り出しているようだった。
「私はナターシャを愛していなかった」
ユリウスの絞り出すような苦しそうな声に、エルヴィは言葉をなくした。
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