5 / 38
前編
5 誕生日を祝いたい①
しおりを挟む
「ユリウス様、明日お誕生日なんですよね?」
目を輝かせたエルヴィにそう言われて、ユリウスは初めて自分の誕生日が明日だと思い出した。
「……そういえばそうですね」
年齢を重ねれば重ねるほど、誕生日を祝う習慣など自然となくなってくる。両親も妻も亡くなっているし、そんなことをしようという人間はこの世にいない。
妻が生きていた時ですら、プレゼントをもらうくらいで毎年通常通り働いていたなとユリウスは思った。もちろん、妻の誕生日は休みをとって祝っていたけれど。
それくらいユリウスにとって自分の誕生日は『普通と変わらない日』だった。
使用人たちにも気を遣わせたくないので、もちろん祝いは不要だと事前に伝えてあった。
「よくご存知でしたね」
「陛下がこれをくださったのです! ユリウス様と短時間で仲を深めるために必要だろうと」
エルヴィが持っていた紙には、ユリウスの個人情報がズラーっと書いてあった。名前に身長体重、誕生日や家族構成……生まれた場所や過去の経歴……そして好きな食べ物まで詳しく調べられていた。
「なんですか、これは」
「ユリウス様情報です! わたしの宝物です」
「……宝物って」
大事そうにエルヴィが紙を胸に抱き締めるので、ユリウスは取り上げることができなかった。
「これを見て気が付きました。明日はユリウス様のお誕生日だと!」
「……そうでしたか」
「わたし誕生日をお祝いしてみたいんです。したことがないので!」
嬉しそうにそう言ったエルヴィを見て、ユリウスは首を傾げた。
「したことがない?」
「はい。誕生日は祝われたことも、祝ったこともありませんので。楽しそうなので、経験しておきたいんですよね」
ニコニコと笑っているエルヴィを見て、ユリウスは眉を顰めた。
「え……祝われたことがない? 子どもの頃もですか」
自分のような年齢の男ならまだしも、エルヴィはまだ若い女性だ。誕生日を祝わないなんてことがあるのだろうか? それに少なくとも子どもの頃には、祝ってもらっていたはずだと思ったのだ。
「わたしは孤児でしたから。一応書類上の誕生日は決まっているのですが、捨てられていたので本当の誕生日もわからないんですよね。もしかしたら、年齢も違う可能性があります」
ははは、とエルヴィは何も気にしていないかのように笑っていた。
「……っ!」
ユリウスはその話を聞いて、ズキリと胸が痛んだ。
「幼い頃に陛下がお祝いをしてくれると仰っていたことがあったんですが、断りました。戦果の褒美以外で、王家から何かいただくのは、色々問題がありますので」
確かにそれは事実だ。血縁関係のない者が国王陛下と親しくしていれば、エルヴィだけ優遇されていると反感を持つ人間が出てくるからだ。
「だから、生きているうちに誕生日パーティーというものを経験してみたかったのです。明日してもいいですか?」
「ああ、かまわないですよ」
「ありがとうございます! 楽しみにしていてください。ではわたしは準備があるので、今日は別々に過ごしましょう」
「わかりました」
エルヴィは嬉しそうに部屋に戻って行った。その後ろ姿を見て、ユリウスはなんとも言えない気持ちになった。
「……私の誕生日を祝うことの何がそんなに嬉しいんだ」
自分の誕生日祝いなら、まだわかる。だが、エルヴィはユリウスを祝いたいと、笑っていた。どうしてそんなに欲がないのだろうか。
ユリウスは何を思ったのか、そのまま一人で街に出掛けて行った。
♢♢♢
「これは……すごいですね」
「えへへ、みんなと協力して準備しました」
リビングには花がたくさん飾られており、壁にはバルーンやリボンの装飾が付けられている。
明らかに手作りなので、ユリウスは一日でよく準備できたものだと感心していた。
するとエルヴィは、パチパチと手を叩き始めた。
「ユリウス様、お誕生日おめでとうございます」
「……ありがとうございます」
「さあ、ケーキのロウソクを吹き消してください!」
エルヴィはシェフが持って来たホールケーキを、ユリウスに向かって自信気な顔で差し出した。
こんなことをするのは、子どもの頃以来だ。ユリウスは気恥ずかしかったが、エルヴィの期待に満ちた目を裏切ることはできなかった。
ふう、と一息で火は全て消えた。律儀に年齢分の本数のロウソクが立ててあるのが、少し憎らしい。ロウソクだらけのケーキを見て、ユリウスは自分の年齢を嫌でも自覚した。
「わあ、すごいです! おめでとうございます。嬉しいですね」
ニコニコとしているエルヴィを見て、ユリウスのそんなつまらない感情はいつの間にか消え去った。
「こんなことをしてもらったのは久しぶりです」
「そうですか!」
「……恥ずかしいが、祝われるというのは案外嬉しいものですね」
ユリウスは少し頬を染めて、ボソリとそう呟いた。
「ジュード、あれを頼む」
「はい」
執事のジュードは、もう一つ新しいホールケーキを運んできた。プレートには『エルヴィ ハッピーバースデー』と書かれてあった。
エルヴィは驚いて、目をパチパチとさせているとユリウスが優しく微笑んだ。
「これはエルヴィ嬢のですよ。あなたの誕生日も一緒に祝いましょう」
「え? でもわたしの誕生日はまだ先です」
ユリウスはそんなことはわかっていた。だが、次の誕生日までエルヴィの命は持たない。
「正確な日はわからないのでしょう? ならば、私と一緒の日でもいいではありませんか。エルヴィ嬢の誕生日を、私に最初に祝わせてくれませんか?」
エルヴィがこの世に生まれてきたことを、ユリウスは自分だけでも祝ってあげたいと思ったのだった。
「……いいのですか?」
「ああ。さあ、吹き消してください」
「はい」
ふーふーと息を吹きかけているが、ロウソクはなかなか消えなかった。初めてだからだろうか……エルヴィはとても下手くそだったのだ。
「あれ? ふーっ、ふーっ!」
頬を真っ赤にして何度も頑張っている姿を見て、ユリウスは声を出して笑った。
「はは、早くしないと蝋がケーキに付いてしまいますよ」
「ああっ……! どうしましょう」
「私もお手伝いしましょう」
エルヴィの近くに顔を寄せてせーので、ふーっと息を吹きかけると全ての火が消えた。
「消えました!」
嬉しそうに微笑んだエルヴィの顔が、キスしてしまいそうなほど近いことにユリウスは動揺した。
慌てて距離を取り、バクバクと煩く鳴っている心臓を落ち着かせた。ユリウスはなぜ自分がこんな気持ちになるのか、理解できなかった。
「ありがとうございます、すごく嬉しかったです。さあ、食事を始めましょう! シェフに頼んでいっぱい作ってもらったんですよ」
「あ、ああ。そうですね」
それからは使用人たちも交えて、豪華な料理を食べるパーティーが始まった。
「んんー、美味しいです!」
「エルヴィ様に気に入っていただけて、良かったです。昨日から下ごしらえをした甲斐がありました」
「いつも美味しい料理を作ってくださりありがとうございます」
変わったところはあれど基本的に素直で穏やかな態度のエルヴィは、短期間でラハティ公爵家の使用人たちとも仲良くなっていた。
「ユリウス様の好きなものばかりリクエストしたんですよ。たくさん食べてくださいね!」
「ええ。だが、最後にケーキを食べられるようにしておかないといけませんよ」
「わたしは甘いものは別腹ですから平気です!」
楽しそうにそう言うエルヴィは、まるで少女のようだった。
「これはプレゼントです。何がいいかわからなくて……大したものは買えませんでしたが」
ユリウスは小さな箱をエルヴィの手に置いた。
「え? わたしにくださるのですか」
「開けてみてください」
驚いているエルヴィは、ゆっくりと箱のリボンを解いた。すると中からは、美しい紫色の石がついたイヤリングが入っていた。
「……綺麗」
「エルヴィ嬢の瞳の色みたいだと思ったのです」
若い女性へ何をプレゼントしたらいいかなど、ユリウスは全くわからなかった。だが、どうしても無欲な彼女に何かをあげたいと思ってしまった。
そして悩みに悩んで、宝石店が閉店する直前に……やっと買うことができたのだった。
「もちろん、嫌なら付けなくても大丈夫です。ほら、でも……イヤリングには魔除けの意味もあるというではありませんか。だからエルヴィ嬢を守ってくれるかもしれないと思ってそれにしたのです……」
ユリウスは我ながら苦しい言い訳だと、冷や汗をかいていた。
大魔法使いのエルヴィに、迷信めいた『魔除け』のイヤリングなど必要あるはずがない。
しかし、何か理由をつけないとプレゼントを渡す勇気がなかったのだ。ユリウスは自分で、何事も割とそつなくこなせる人間だと思っていたが……実はこういうことは不器用だったらしいと自覚した。
「ユリウス様、とっても嬉しいです!」
嬉しそうに微笑んだエルヴィは、ユリウスの胸にガバリと抱き付いてきた。
「エ、エルヴィ嬢!」
「こんな素敵なプレゼントどうしましょう。毎日……いや、今からつけますね」
興奮気味に喜ぶ姿が可愛らしくて……ユリウスはエルヴィの頭をそっと撫でた。
「そんなに喜んでくださったのなら、良かったです」
「ありがとうございます。大事にします」
ユリウスは箱からイヤリングを取り出して、エルヴィの耳につけてあげた。
「似合っています」
そう伝えると、エルヴィは真っ赤に頬を染め恥ずかしそうに俯いた。
そんな二人の様子をラハティ公爵家の使用人たちは、温かく見守っていた。
目を輝かせたエルヴィにそう言われて、ユリウスは初めて自分の誕生日が明日だと思い出した。
「……そういえばそうですね」
年齢を重ねれば重ねるほど、誕生日を祝う習慣など自然となくなってくる。両親も妻も亡くなっているし、そんなことをしようという人間はこの世にいない。
妻が生きていた時ですら、プレゼントをもらうくらいで毎年通常通り働いていたなとユリウスは思った。もちろん、妻の誕生日は休みをとって祝っていたけれど。
それくらいユリウスにとって自分の誕生日は『普通と変わらない日』だった。
使用人たちにも気を遣わせたくないので、もちろん祝いは不要だと事前に伝えてあった。
「よくご存知でしたね」
「陛下がこれをくださったのです! ユリウス様と短時間で仲を深めるために必要だろうと」
エルヴィが持っていた紙には、ユリウスの個人情報がズラーっと書いてあった。名前に身長体重、誕生日や家族構成……生まれた場所や過去の経歴……そして好きな食べ物まで詳しく調べられていた。
「なんですか、これは」
「ユリウス様情報です! わたしの宝物です」
「……宝物って」
大事そうにエルヴィが紙を胸に抱き締めるので、ユリウスは取り上げることができなかった。
「これを見て気が付きました。明日はユリウス様のお誕生日だと!」
「……そうでしたか」
「わたし誕生日をお祝いしてみたいんです。したことがないので!」
嬉しそうにそう言ったエルヴィを見て、ユリウスは首を傾げた。
「したことがない?」
「はい。誕生日は祝われたことも、祝ったこともありませんので。楽しそうなので、経験しておきたいんですよね」
ニコニコと笑っているエルヴィを見て、ユリウスは眉を顰めた。
「え……祝われたことがない? 子どもの頃もですか」
自分のような年齢の男ならまだしも、エルヴィはまだ若い女性だ。誕生日を祝わないなんてことがあるのだろうか? それに少なくとも子どもの頃には、祝ってもらっていたはずだと思ったのだ。
「わたしは孤児でしたから。一応書類上の誕生日は決まっているのですが、捨てられていたので本当の誕生日もわからないんですよね。もしかしたら、年齢も違う可能性があります」
ははは、とエルヴィは何も気にしていないかのように笑っていた。
「……っ!」
ユリウスはその話を聞いて、ズキリと胸が痛んだ。
「幼い頃に陛下がお祝いをしてくれると仰っていたことがあったんですが、断りました。戦果の褒美以外で、王家から何かいただくのは、色々問題がありますので」
確かにそれは事実だ。血縁関係のない者が国王陛下と親しくしていれば、エルヴィだけ優遇されていると反感を持つ人間が出てくるからだ。
「だから、生きているうちに誕生日パーティーというものを経験してみたかったのです。明日してもいいですか?」
「ああ、かまわないですよ」
「ありがとうございます! 楽しみにしていてください。ではわたしは準備があるので、今日は別々に過ごしましょう」
「わかりました」
エルヴィは嬉しそうに部屋に戻って行った。その後ろ姿を見て、ユリウスはなんとも言えない気持ちになった。
「……私の誕生日を祝うことの何がそんなに嬉しいんだ」
自分の誕生日祝いなら、まだわかる。だが、エルヴィはユリウスを祝いたいと、笑っていた。どうしてそんなに欲がないのだろうか。
ユリウスは何を思ったのか、そのまま一人で街に出掛けて行った。
♢♢♢
「これは……すごいですね」
「えへへ、みんなと協力して準備しました」
リビングには花がたくさん飾られており、壁にはバルーンやリボンの装飾が付けられている。
明らかに手作りなので、ユリウスは一日でよく準備できたものだと感心していた。
するとエルヴィは、パチパチと手を叩き始めた。
「ユリウス様、お誕生日おめでとうございます」
「……ありがとうございます」
「さあ、ケーキのロウソクを吹き消してください!」
エルヴィはシェフが持って来たホールケーキを、ユリウスに向かって自信気な顔で差し出した。
こんなことをするのは、子どもの頃以来だ。ユリウスは気恥ずかしかったが、エルヴィの期待に満ちた目を裏切ることはできなかった。
ふう、と一息で火は全て消えた。律儀に年齢分の本数のロウソクが立ててあるのが、少し憎らしい。ロウソクだらけのケーキを見て、ユリウスは自分の年齢を嫌でも自覚した。
「わあ、すごいです! おめでとうございます。嬉しいですね」
ニコニコとしているエルヴィを見て、ユリウスのそんなつまらない感情はいつの間にか消え去った。
「こんなことをしてもらったのは久しぶりです」
「そうですか!」
「……恥ずかしいが、祝われるというのは案外嬉しいものですね」
ユリウスは少し頬を染めて、ボソリとそう呟いた。
「ジュード、あれを頼む」
「はい」
執事のジュードは、もう一つ新しいホールケーキを運んできた。プレートには『エルヴィ ハッピーバースデー』と書かれてあった。
エルヴィは驚いて、目をパチパチとさせているとユリウスが優しく微笑んだ。
「これはエルヴィ嬢のですよ。あなたの誕生日も一緒に祝いましょう」
「え? でもわたしの誕生日はまだ先です」
ユリウスはそんなことはわかっていた。だが、次の誕生日までエルヴィの命は持たない。
「正確な日はわからないのでしょう? ならば、私と一緒の日でもいいではありませんか。エルヴィ嬢の誕生日を、私に最初に祝わせてくれませんか?」
エルヴィがこの世に生まれてきたことを、ユリウスは自分だけでも祝ってあげたいと思ったのだった。
「……いいのですか?」
「ああ。さあ、吹き消してください」
「はい」
ふーふーと息を吹きかけているが、ロウソクはなかなか消えなかった。初めてだからだろうか……エルヴィはとても下手くそだったのだ。
「あれ? ふーっ、ふーっ!」
頬を真っ赤にして何度も頑張っている姿を見て、ユリウスは声を出して笑った。
「はは、早くしないと蝋がケーキに付いてしまいますよ」
「ああっ……! どうしましょう」
「私もお手伝いしましょう」
エルヴィの近くに顔を寄せてせーので、ふーっと息を吹きかけると全ての火が消えた。
「消えました!」
嬉しそうに微笑んだエルヴィの顔が、キスしてしまいそうなほど近いことにユリウスは動揺した。
慌てて距離を取り、バクバクと煩く鳴っている心臓を落ち着かせた。ユリウスはなぜ自分がこんな気持ちになるのか、理解できなかった。
「ありがとうございます、すごく嬉しかったです。さあ、食事を始めましょう! シェフに頼んでいっぱい作ってもらったんですよ」
「あ、ああ。そうですね」
それからは使用人たちも交えて、豪華な料理を食べるパーティーが始まった。
「んんー、美味しいです!」
「エルヴィ様に気に入っていただけて、良かったです。昨日から下ごしらえをした甲斐がありました」
「いつも美味しい料理を作ってくださりありがとうございます」
変わったところはあれど基本的に素直で穏やかな態度のエルヴィは、短期間でラハティ公爵家の使用人たちとも仲良くなっていた。
「ユリウス様の好きなものばかりリクエストしたんですよ。たくさん食べてくださいね!」
「ええ。だが、最後にケーキを食べられるようにしておかないといけませんよ」
「わたしは甘いものは別腹ですから平気です!」
楽しそうにそう言うエルヴィは、まるで少女のようだった。
「これはプレゼントです。何がいいかわからなくて……大したものは買えませんでしたが」
ユリウスは小さな箱をエルヴィの手に置いた。
「え? わたしにくださるのですか」
「開けてみてください」
驚いているエルヴィは、ゆっくりと箱のリボンを解いた。すると中からは、美しい紫色の石がついたイヤリングが入っていた。
「……綺麗」
「エルヴィ嬢の瞳の色みたいだと思ったのです」
若い女性へ何をプレゼントしたらいいかなど、ユリウスは全くわからなかった。だが、どうしても無欲な彼女に何かをあげたいと思ってしまった。
そして悩みに悩んで、宝石店が閉店する直前に……やっと買うことができたのだった。
「もちろん、嫌なら付けなくても大丈夫です。ほら、でも……イヤリングには魔除けの意味もあるというではありませんか。だからエルヴィ嬢を守ってくれるかもしれないと思ってそれにしたのです……」
ユリウスは我ながら苦しい言い訳だと、冷や汗をかいていた。
大魔法使いのエルヴィに、迷信めいた『魔除け』のイヤリングなど必要あるはずがない。
しかし、何か理由をつけないとプレゼントを渡す勇気がなかったのだ。ユリウスは自分で、何事も割とそつなくこなせる人間だと思っていたが……実はこういうことは不器用だったらしいと自覚した。
「ユリウス様、とっても嬉しいです!」
嬉しそうに微笑んだエルヴィは、ユリウスの胸にガバリと抱き付いてきた。
「エ、エルヴィ嬢!」
「こんな素敵なプレゼントどうしましょう。毎日……いや、今からつけますね」
興奮気味に喜ぶ姿が可愛らしくて……ユリウスはエルヴィの頭をそっと撫でた。
「そんなに喜んでくださったのなら、良かったです」
「ありがとうございます。大事にします」
ユリウスは箱からイヤリングを取り出して、エルヴィの耳につけてあげた。
「似合っています」
そう伝えると、エルヴィは真っ赤に頬を染め恥ずかしそうに俯いた。
そんな二人の様子をラハティ公爵家の使用人たちは、温かく見守っていた。
360
お気に入りに追加
1,045
あなたにおすすめの小説
キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。
新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
ロザリーの新婚生活
緑谷めい
恋愛
主人公はアンペール伯爵家長女ロザリー。17歳。
アンペール伯爵家は領地で自然災害が続き、多額の復興費用を必要としていた。ロザリーはその費用を得る為、財力に富むベルクール伯爵家の跡取り息子セストと結婚する。
このお話は、そんな政略結婚をしたロザリーとセストの新婚生活の物語。
ただ貴方の傍にいたい〜醜いイケメン騎士と異世界の稀人
花野はる
恋愛
日本で暮らす相川花純は、成人の思い出として、振袖姿を残そうと写真館へやって来た。
そこで着飾り、いざ撮影室へ足を踏み入れたら異世界へ転移した。
森の中で困っていると、仮面の騎士が助けてくれた。その騎士は騎士団の団長様で、すごく素敵なのに醜くて仮面を被っていると言う。
孤独な騎士と異世界でひとりぼっちになった花純の一途な恋愛ストーリー。
初投稿です。よろしくお願いします。
【完結】殺されたくないので好みじゃないイケメン冷徹騎士と結婚します
大森 樹
恋愛
女子高生の大石杏奈は、上田健斗にストーカーのように付き纏われている。
「私あなたみたいな男性好みじゃないの」
「僕から逃げられると思っているの?」
そのまま階段から健斗に突き落とされて命を落としてしまう。
すると女神が現れて『このままでは何度人生をやり直しても、その世界のケントに殺される』と聞いた私は最強の騎士であり魔法使いでもある男に命を守ってもらうため異世界転生をした。
これで生き残れる…!なんて喜んでいたら最強の騎士は女嫌いの冷徹騎士ジルヴェスターだった!イケメンだが好みじゃないし、意地悪で口が悪い彼とは仲良くなれそうにない!
「アンナ、やはり君は私の妻に一番向いている女だ」
嫌いだと言っているのに、彼は『自分を好きにならない女』を妻にしたいと契約結婚を持ちかけて来た。
私は命を守るため。
彼は偽物の妻を得るため。
お互いの利益のための婚約生活。喧嘩ばかりしていた二人だが…少しずつ距離が近付いていく。そこに健斗ことケントが現れアンナに興味を持ってしまう。
「この命に代えても絶対にアンナを守ると誓おう」
アンナは無事生き残り、幸せになれるのか。
転生した恋を知らない女子高生×女嫌いのイケメン冷徹騎士のラブストーリー!?
ハッピーエンド保証します。
波の音 傷ついた二人の間にあったもの
Rj
恋愛
妻のエレノアよりも愛人を選んだ夫が亡くなり海辺の町で静養していたエレノアは、再起不能の怪我をした十歳年下のピアニストのヘンリーと出会う。二人はゆっくりお互いの傷をいやしそれぞれがあるべき場所へともどっていく。
流産や子を亡くした表現が含まれています。
本編四話に番外編一話を加え全五話になりました。(1/11変更)
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
【完結】いくら溺愛されても、顔がいいから結婚したいと言う男は信用できません!
大森 樹
恋愛
天使の生まれ変わりと言われるほど可愛い子爵令嬢のアイラは、ある日突然騎士のオスカーに求婚される。
なぜアイラに求婚してくれたのか尋ねると「それはもちろん、君の顔がいいからだ!」と言われてしまった。
顔で女を選ぶ男が一番嫌いなアイラは、こっ酷くオスカーを振るがそれでもオスカーは諦める様子はなく毎日アイラに熱烈なラブコールを送るのだった。
それに加えて、美形で紳士な公爵令息ファビアンもアイラが好きなようで!?
しかし、アイラには結婚よりも叶えたい夢があった。
アイラはどちらと恋をする? もしくは恋は諦めて、夢を選ぶのか……最後までお楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる