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28 誤解
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「アイラに触れるな」
ムッと唇を引き結んだオスカーは、ギロリとエイベルを睨みつけた。
「ただ握手してただけだろう?」
「それでもだめだ。しかもなぜアイラがもうここにいる? 約束より早い……エイベル、お前仕組んだな!」
不機嫌なオスカーは、エイベルをギロリと睨みつけた。エイベルは悪戯がばれた子どものようにペロリと舌を出した。
「バレたか。オスカーがいない内にアイラ嬢と話したくて、密かにちょっと早めに来て欲しいって連絡したんだ。悪かったよ。でもまさかお前が、俺にあからさまにやきもちを焼く日が来ようとはな」
エイベルは笑いながら、オスカーの背中をバシバシと叩いた。どうやら、アイラは知らぬ間に騙されていたらしい。
「お前は独占欲なんて感情とは無縁の男だと思ってたわ。基本的に何に対してもおおらかだから」
「……自分でもそう思ってたが、アイラだけは別だ」
「くくっ、そーかよ。若い御令嬢はみんな同じ顔に見える……なんてあり得ないこと言っていたお前がねぇ。成長するもんだな」
そんな話を聞いて、アイラは首を捻った。みんな同じ顔に見えるとはどういうことなのだろうか。
「オスカー様、まさか違いがわからないってことですか?」
「あー……いや、ほらみんな同じようなドレスと髪型だろ? 若い御令嬢は、特にどれがだれだか覚えられなくてよ」
オスカーは気まずそうに頬を指でかいた。
「ちなみに、最近までリーゼ嬢のことも知らなかったんだよ! あの美人を知らないなんて、信じられないだろ?」
「え……リーゼのことを?」
社交界一美人だと言われているリーゼを知らないなんて、あり得ないにも程がある。
「おいっ! いらないことを言うな。アイラ、もちろん今はちゃんとわかるからな。アイラの親友をわからないわけないだろう?」
焦りながらオスカーは何度も言い訳をした。しかし、アイラが引っ掛かったのはそこではない。
「あ、あの……オスカー様って、私の顔が好きなんですよね?」
「そりゃ好きだ! 今日も可愛いぞ」
恥ずかしげもなく褒められて、アイラは恥ずかしくなった。
「最初は見た目だけで選んだんですよね?」
「……は?」
「だって一回目の求婚の時に、私の『顔がいい』から結婚したいって仰っていましたもの。それは私の容姿が好みって意味ですよね?」
自分で自分の顔がいいなんて言うのは気が引けるが、アイラはどうしても確認しておきたかった。
「違う……違うぞ」
「え?」
「いや、違わないが……全然違うんだ! もちろん顔も可愛いが、俺はアイラの中身に惚れたんだ」
「ええっ! そうなのですか」
「造形の良さではなくて、性格の良さが顔に現れているって意味で言ったんだ」
アイラはオスカーが自分の中身が好きだったという話を初めて聞いて、とても驚いた。
「……オスカー、まさかお前。具体的にどこが好きとか、惚れた理由をちゃんと話してねぇのか?」
青ざめたエイベルは、オスカーに質問をした。
「ちゃんと言ったつもりだった。アイラは『いい顔』だって」
「俺は最初にちゃんと教えただろ! それじゃあ顔だけが目当てだって誤解されるって」
「じゃあなんて言えばいいんだよ? いい顔ってことは全部が良いってことだろ」
「馬鹿野郎。そんなこと、他人に伝わるわけねぇだろ。これだから、まともに恋愛したことがない男は……」
呆れたようにエイベルはため息をついた。
「そ、そうなのか? まさか、アイラはずっと俺が顔目当てで好きだと言ってる男だと思っていたのか?」
今度はオスカーが驚いた顔をして、アイラの両肩を掴んだ。
「え……ええ。だから、ずっと求婚をお断りしてました。私の中身をみてくださる方と結婚したかったので」
アイラがずっと求婚を断っていた理由を話すと、オスカーは膝をついて床に崩れ落ちた。
「……それでか。途中からは嫌われていない気がしたのに、何度も振られ続けていたのは」
「あの、大丈夫ですか?」
「そんな誤解をされてたとは」
動かなくなったオスカーをアイラは心配したが、エイベルは冷たい視線を浴びせた。
「完全にお前が悪い。もう会議が終わったなら、半休取ってきちんと話してこい」
「……いいのか?」
「こっちはどうにでもなるから、さっさと行け」
「助かる。アイラ、行こう!」
オスカーはアイラの手を取り、部屋を飛び出した。
「ええ! よ、よろしいのですか?」
「こっちは大丈夫だよ。アイラ嬢、またね」
エイベルは笑顔でアイラに手を振って見送ってくれた。そして、二人は静かな場所でゆっくりと話し合うことにした。
「アイラ、誤解させてすまなかった。俺は君のことを愛してる。顔だけじゃなくて、努力家で優しいところも……少し気が強いところも全部好きだ」
「オスカー様」
「すまない。俺は……その……気の利いたこととか言えねぇから、なんて伝えていいのかわからなくて。この年になって恥ずかしいが、ちゃんと人を好きになったのもアイラが初めてだからよくわかってなくて」
オスカーはボリボリと頭をかきながら、少し気まずそうに話しだした。
「初めて……ですか?」
「ああ。今までは特別だって思える人がいなかったからな」
それを聞いてアイラは顔を手で隠した。嬉しくてにやけてしまったからだ。経験豊富だとばかり思っていたのに、どうやらオスカーはアイラが初恋らしい。
「でも、その割に女性慣れされてますよね?」
一瞬喜んでしまったが、その発言には違和感があった。確かにオスカーは気の利いたことを言える男ではないが、女性相手にドギマギしている様子は全くないからそれなりに慣れているはずだ。
「あー……それは」
「それはなんですか?」
明らかに動揺しているオスカーを、アイラは横目でジロリと睨みつけた。
「もう全て白状してくださいませ。結婚するのですから隠し事はなしです」
「あー……んん……そのだな……上官や先輩との付き合いでたまにそういう店に行くことがあってだな。も、もちろんアイラと出逢う前の話だ」
「そういう店って何ですか」
冷静に聞こうと思っていたのに、つい言い方が刺々しくなってしまうのは仕方がないだろう。
アイラは世間に疎いわけではないので、男性が通う夜のお店があることは知識としては知っている。お酒を飲んだり、踊りを見たり……それ以上のこともするとかしないとか。
「……女性のいる店だ」
「へえ、それはとっても楽しそうなお店ですわね」
アイラはニッコリと微笑んだ。もちろん、完全な作り笑顔だ。
「アイラを好きになってからは、一度も行っていない。信じてくれ」
オスカーは真面目な顔で、アイラの手を取った。
「もう二度と他の女性に触れないし、店にも絶対に行かない」
「……」
「だから、どうか許して欲しい」
恐らくオスカーは、嘘をついていない。年齢差もあるし、そもそもアイラと出逢う前の話なのだから、今更やきもちを焼いても仕方がない。だけど、面白くないのがアイラの正直な気持ちだった。
無理なことはわかっているが、本当はオスカーの全ての初めてが自分が良かった。そしてそんな気持ちを持っていることに、アイラは自分で驚いた。
「もう……一生私だけにしてください」
「当たり前だ」
「……なら、許します」
「一生アイラだけだ」
オスカーはアイラの頬をそっと包み、蕩けるような甘いキスをした。
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いつもお読みいただきありがとうございます。
最初の投稿と少しだけ内容を変更しております。
ムッと唇を引き結んだオスカーは、ギロリとエイベルを睨みつけた。
「ただ握手してただけだろう?」
「それでもだめだ。しかもなぜアイラがもうここにいる? 約束より早い……エイベル、お前仕組んだな!」
不機嫌なオスカーは、エイベルをギロリと睨みつけた。エイベルは悪戯がばれた子どものようにペロリと舌を出した。
「バレたか。オスカーがいない内にアイラ嬢と話したくて、密かにちょっと早めに来て欲しいって連絡したんだ。悪かったよ。でもまさかお前が、俺にあからさまにやきもちを焼く日が来ようとはな」
エイベルは笑いながら、オスカーの背中をバシバシと叩いた。どうやら、アイラは知らぬ間に騙されていたらしい。
「お前は独占欲なんて感情とは無縁の男だと思ってたわ。基本的に何に対してもおおらかだから」
「……自分でもそう思ってたが、アイラだけは別だ」
「くくっ、そーかよ。若い御令嬢はみんな同じ顔に見える……なんてあり得ないこと言っていたお前がねぇ。成長するもんだな」
そんな話を聞いて、アイラは首を捻った。みんな同じ顔に見えるとはどういうことなのだろうか。
「オスカー様、まさか違いがわからないってことですか?」
「あー……いや、ほらみんな同じようなドレスと髪型だろ? 若い御令嬢は、特にどれがだれだか覚えられなくてよ」
オスカーは気まずそうに頬を指でかいた。
「ちなみに、最近までリーゼ嬢のことも知らなかったんだよ! あの美人を知らないなんて、信じられないだろ?」
「え……リーゼのことを?」
社交界一美人だと言われているリーゼを知らないなんて、あり得ないにも程がある。
「おいっ! いらないことを言うな。アイラ、もちろん今はちゃんとわかるからな。アイラの親友をわからないわけないだろう?」
焦りながらオスカーは何度も言い訳をした。しかし、アイラが引っ掛かったのはそこではない。
「あ、あの……オスカー様って、私の顔が好きなんですよね?」
「そりゃ好きだ! 今日も可愛いぞ」
恥ずかしげもなく褒められて、アイラは恥ずかしくなった。
「最初は見た目だけで選んだんですよね?」
「……は?」
「だって一回目の求婚の時に、私の『顔がいい』から結婚したいって仰っていましたもの。それは私の容姿が好みって意味ですよね?」
自分で自分の顔がいいなんて言うのは気が引けるが、アイラはどうしても確認しておきたかった。
「違う……違うぞ」
「え?」
「いや、違わないが……全然違うんだ! もちろん顔も可愛いが、俺はアイラの中身に惚れたんだ」
「ええっ! そうなのですか」
「造形の良さではなくて、性格の良さが顔に現れているって意味で言ったんだ」
アイラはオスカーが自分の中身が好きだったという話を初めて聞いて、とても驚いた。
「……オスカー、まさかお前。具体的にどこが好きとか、惚れた理由をちゃんと話してねぇのか?」
青ざめたエイベルは、オスカーに質問をした。
「ちゃんと言ったつもりだった。アイラは『いい顔』だって」
「俺は最初にちゃんと教えただろ! それじゃあ顔だけが目当てだって誤解されるって」
「じゃあなんて言えばいいんだよ? いい顔ってことは全部が良いってことだろ」
「馬鹿野郎。そんなこと、他人に伝わるわけねぇだろ。これだから、まともに恋愛したことがない男は……」
呆れたようにエイベルはため息をついた。
「そ、そうなのか? まさか、アイラはずっと俺が顔目当てで好きだと言ってる男だと思っていたのか?」
今度はオスカーが驚いた顔をして、アイラの両肩を掴んだ。
「え……ええ。だから、ずっと求婚をお断りしてました。私の中身をみてくださる方と結婚したかったので」
アイラがずっと求婚を断っていた理由を話すと、オスカーは膝をついて床に崩れ落ちた。
「……それでか。途中からは嫌われていない気がしたのに、何度も振られ続けていたのは」
「あの、大丈夫ですか?」
「そんな誤解をされてたとは」
動かなくなったオスカーをアイラは心配したが、エイベルは冷たい視線を浴びせた。
「完全にお前が悪い。もう会議が終わったなら、半休取ってきちんと話してこい」
「……いいのか?」
「こっちはどうにでもなるから、さっさと行け」
「助かる。アイラ、行こう!」
オスカーはアイラの手を取り、部屋を飛び出した。
「ええ! よ、よろしいのですか?」
「こっちは大丈夫だよ。アイラ嬢、またね」
エイベルは笑顔でアイラに手を振って見送ってくれた。そして、二人は静かな場所でゆっくりと話し合うことにした。
「アイラ、誤解させてすまなかった。俺は君のことを愛してる。顔だけじゃなくて、努力家で優しいところも……少し気が強いところも全部好きだ」
「オスカー様」
「すまない。俺は……その……気の利いたこととか言えねぇから、なんて伝えていいのかわからなくて。この年になって恥ずかしいが、ちゃんと人を好きになったのもアイラが初めてだからよくわかってなくて」
オスカーはボリボリと頭をかきながら、少し気まずそうに話しだした。
「初めて……ですか?」
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アイラは世間に疎いわけではないので、男性が通う夜のお店があることは知識としては知っている。お酒を飲んだり、踊りを見たり……それ以上のこともするとかしないとか。
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「へえ、それはとっても楽しそうなお店ですわね」
アイラはニッコリと微笑んだ。もちろん、完全な作り笑顔だ。
「アイラを好きになってからは、一度も行っていない。信じてくれ」
オスカーは真面目な顔で、アイラの手を取った。
「もう二度と他の女性に触れないし、店にも絶対に行かない」
「……」
「だから、どうか許して欲しい」
恐らくオスカーは、嘘をついていない。年齢差もあるし、そもそもアイラと出逢う前の話なのだから、今更やきもちを焼いても仕方がない。だけど、面白くないのがアイラの正直な気持ちだった。
無理なことはわかっているが、本当はオスカーの全ての初めてが自分が良かった。そしてそんな気持ちを持っていることに、アイラは自分で驚いた。
「もう……一生私だけにしてください」
「当たり前だ」
「……なら、許します」
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